「地球間ハイウェイ」ロバート・リード ハヤカワSF文庫<SF1466> 2004.2 原作1991
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amazon.co.jp無数の平行世界が互いに隣り合って”門”でつながっている。およそ100万年前、ひとつの地球で発達した種族”見者”が”門”をたどって進み始めた。
そして今、我々の世界にも<巡りびと>があらわれた。平行世界が、直線的に、つまり自然数の密度で存在するというのがどうにもしっくりこない。ある地球と、隣の地球はどういう関係なのか、地球はどれくらいの速度で増殖しているのか、ある時まで隣り合わせだった地球同士の間にあらたな世界が割り込んでくることはないのかなどと疑問続出だがまあそのようなものであろう。
そんな世界がもしあるとすると、無数の地球で無数の可能性が試されるわけで、その中で最良のものが生まれ、また最悪のものが生まれる。いずれあるところでその2つが出会い、人間性(平行地球に生まれた知的生命体のすべてが人間かという疑問もあるが)の試金石となるであろう。
というわけで、なんのことはない単なるひとつの地球で起きることの拡張版があらためて演じられるだけのことではないのかなあ。というような予断を持って読み進めるわけだが、最大の読みどころはこの我らの地球に生まれたさえない男のカイルが<巡りびと>になりすました結果、巻き込まれた事件においてどんな役割を持つかだろう。ともかく、無数の世界をわたってきた<巡りびと>とはどんな意味でも比べものにならない人物だ。
事件は単に悪意だけからは起きない、というあたりが物語の味を作り出している。
そして100万年の間にどんな種族や技術が出現しうるかを語るところがSFらしいところ。とはいえ、直線でつながる平行世界というのはそれだけでは突き抜けた物語にはならないんだよなあ。なかなかに読ませてはくれるけど。
初稿:2004.3.14