「襲撃!異星からの侵入者」 デイヴィッド・ファンイタック ハヤカワSF文庫<SF1434>、<SF1435> 2003 原作2001
amazon.co.jp (上) (下) 銀河の荒鷲シーフォート第7巻。2年半ぶりのシリーズ新訳だが、ずいぶんと間が空いたと思ったら現段階でのシリーズ最新版の邦訳だった。原作のハードカバーが出たのは2001年春。
邦訳タイトルは例によって独特の脈絡に沿うものなので、もちろん本の内容は”異星から”ではなく、”侵入”でもなく、”襲撃”でもない。たしかに、例の”魚”は現れる。しかし、彼らが星に住んでいるという裏付けはなく、どこかに侵入するのではなく、襲ってくるのでもない。話も魚とシーフォートの関係に注目してしまうと、肩すかしを食ったような気になる。
かつての植民惑星ホープ・ネーションを再訪したシーフォートと、ホープ・ネーション住民との間にトラブルが発生する。その引き金になるのが”魚”だった。
物語構成において、魚がやってきたとき、偶然にも別の事件が…という安易に複雑な筋書きを作り出す手法が使われているのではなくて、あくまで魚の出現というひとつの事件を発端としているあたりは好感が持てる。
だが、今回のシーフォートは誰かに命令されるのでもなく、またぎりぎりの選択から自分の嗜好に反して行動せざるを得ない状況に追い込まれるわけでもない点で、いくらかシーフォート的ではない。まー、かなり厳しい状況に追い込まれるのは当然のお約束としてあるわけだけど。
例によって追い込まれながら、自己にも他者にも厳しく対処して、果たしてシーフォートの逆転はなるかっ。(敵の間抜けさとか、頭の固すぎとかがいくらか過剰で気になるんですけど)異質な存在が時間を区切って認識することや個体の概念を持っていることをあまりに当然のように扱っているのは嫌なんだけど、戦闘状態という厳しい状況の中だから許します。
初稿:2003.3.21