モンスター・ドライヴイン

 「モンスター・ドライヴイン」ジョー・R・ランズデール 創元SF文庫 SFラ3−1 2003.2 原作1988


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 ドライヴイン・シアターが謎の現象により外界から隔絶され、そこで上映されていたB級ホラーさながらの惨状が巻き起こる。
 でもって、なにがどうなるかというと、先の見えない状況の中、主人公は友人と別れ、また別の友人に助けられて結果的に比較的冷静を保ちつつなんとか生き延びていく。
 たいした仕掛けがあるわけでなく、ポップコーン・キングという説明不能の怪物は登場するものの、大きな意外性もないままドライヴイン内はしだいに混迷と惨状を深めていく。

 たいして面白いと思わないのに、最後まで読み通してしまったというのはなぜか。
 先の見通しはたたないなりに、他者と疎遠となり、また思いがけない助力を得て生き延び、あるときは宗教にすがろうとしながらも、なんとか自己省察を失わずに、あるいは思い込みに沿って行動した結果が意外な効果を生む。それはどこかしら人生のあり方を彷彿とさせる。

 人生って、そんなものなのだ。最悪の事態を脱したと思ったところで、ふたたび混沌の中へと押し戻される。特別なモンスターなどいらない。
 原題がただの”ドライヴイン”であることを思い起こすのがよい。それは人生のひとこま。”テキサスでの血とポップコーンによるB級映画”という副題は、まーたまにそういうこともあるってことだ。


 初稿:2003.3.4

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