「20世紀SF1 1940年代」中村融/山岸真編 河出文庫 ン2-1 2000.11
amazon.co.jp1940年代のSF11編。科学技術の発展がまだ自由に想像できた時代。乾電池から膨大なエネルギーを引き出したり、電磁場駆動のアンドロイドが、周囲に特別な影響を及ぼさずに活動したり、太陽系周辺に存在する超知性が地球生物の知能を向上させたり。
いや、もしかしたら科学の発展はそういう可能性を持つのかもしれないが、今となってはそういったものが周囲に及ぼす副次的な影響を当時よりも簡単に想像できてしまうために、「そういうことを細かく書いてはいないけど、配慮はできているんですよ」とは言えなくなってしまった。
でも、科学にかける夢はそれで良いのではないか、不可能性をことさらに列挙するのではなくて、それへの期待を表現することが必要なことではないかと思った。それにしても、私はやはり短編は性に合わないようだ。ひとつひとつの物語は面白いのだが、続けていくつも読もうという気持ちにならない。それはそれぞれの物語の印象が強烈なせいで連続して読めないし、いくら強烈な印象でも断片的に過ぎないものにはやはり不満が残る。
短編集としては時代の状況をよく取り出していると思うのですけど。
とても懐かしく昔の(と言っても私がこれらを読んだのは1960年代から70年代にかけてだと思うが)雰囲気を思い出した。
初稿:2002.1.21