たったひとつの冴えたやりかた

 「たったひとつの冴えたやりかた」ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア ハヤカワSF文庫<SF739> 1987 原作1986


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 私にとっては二冊目のティプトリー。この前読んだ「星ぼしの荒野から」よりもあとの作品だからこの順番で読んだのは正解かなと思う。ティプトリーの遺作だ。
 「星ぼしの荒野から」で感じた人類と宇宙の親和性はあいかわらず。生活習慣や生態の違いをていねいで興味深く描きながら、思考方法はどこまでも人類(欧米風)。これはもうこの作者のお約束ということだ。それで、その約束が好きかというと、そこは読む本を選ぶ側の責任であって決して作者のせいではないが、私は嫌いだ。それくらいなら多様な宇宙人を出してこなくて、あくまで人類宇宙だけの話にしてくれれば良いのだ。だけど、この作品の魅力は異国風の宇宙人社会での生活の様子がていねいに生き生きと描かれているところにたぶんあって、私はそこに引き込まれるものを感じるんだけれど、結局そのあとで宇宙人の行動があまりに人間論理に沿いすぎているという私にとっては大きな壁にぶつかるわけで、やはり私はティプトリーを心から楽しむというのは難しそうだ。
 手元には「愛はさだめ、さだめは死」があって次はこれを読もうかと考えている。こんどはお約束を最初から前提にして、そのところは気にしないようにしようと思っている。嫌いだと言いながらももう少し読んでみようかという気になる程度にティプトリーの作品はすてきだ。


 初稿:1999.6.6

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