読書して考えよう 分野別

小説

2009-9-7「新参探偵、ボツワナを騒がす ミス・ラモツエの事件簿4」アレグザンダー・マコール・スミス(講談社学術文庫)
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はごたえ:しっとり
あじつけ:軽妙
そざい :田舎風

 3年ぶりのマ・ラモツエ邦訳。第4巻。ボツアナの地元風情あふれる探偵物語。


内容について
 今回も複数の依頼が同時並行的に進む。スペアタイアを積まない車は、パンクで立ち往生しても自業自得だとか、見習い工の女の子への言い寄り方だとか、いかにもな土地柄を反映していて楽しい。
 それでもひとは普遍的な悩みに悩み、勇気を持ってあたればそれなりに満足する結果が得られる。そんな意味では普遍的な価値観が示されて、ああひとは事情は変わっても似たようなものだなあと、ほのぼのとさせてくれる。

この本にもとづく随想
 探偵のもとに相談に来るのは、それなりの悩みを抱えた人。ひとは、どんな悩みを抱えて、それが解消されたときにどう行動するのか。ということが物語を通じてわかってくる。こうなると、マ・ラモツエは人生相談役みたいではないか。

2005-10-14 「樋口一葉「いやだ!」と云ふ」田中優子(集英社新書)
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 樋口一葉の作品解説。一葉のあの文体は難解で作品を読みきれないが、まずは一葉のなにが良いのかは知りたい、という私にはありがたい一冊。江戸文学の専門家である著者が、江戸文学からみて一葉を理解するという道筋を示してくれている。
 西鶴と一葉の作品には共通するところが多いが、一葉の作品には別の要素もあって、そのことが明治の時代性を示すという議論は興味深かった。江戸から明治にかけての吉原の変遷などという話もあり、明治という時代の雰囲気をつかむこともできる。

2005-8-6 (土)「閔妃(ミンビ)暗殺―朝鮮王朝末期の国母」角田房子(新潮文庫)

 明治維新と前後して李王朝の王妃となった閔妃。日本は、欧米各国と清、ロシアを相手にして朝鮮半島での利権確保に動く。
 陸奥宗光、伊藤博文、勝海舟、福沢諭吉らが具体的にどんな動きをしたのかがよくわかる。
 日清戦争が朝鮮半島を戦場として戦われたことは、この本ではじめて知った。福沢諭吉の脱亜入欧の思想がどうした文脈で語られていたのかも私には目新しかった。
 政治的局面打開の手段として、他国の王妃暗殺が行われたのはその時代の思想を象徴する出来事と言える。当時を理解するうえで貴重な手がかりになる本だ。
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2005-7-18 (月)「ランクマーの二剣士 <ファファード&グレイ・マウザー5>」フリッツ・ライバー(創元推理文庫)

 例によって予定調和を期待するのは正しい読み方だが、長編であるだけに筋立ては複雑怪奇。話の途中に出てくるあれやこれやが最後になだれ込んで、さらに追加の要素があって、何がどこへ収束するかは予想を許さない。
 ランクマーで鼠狩りをするという主題は長編物語としてどうかという懸念を感じたが、マウザーがシールバの薬を飲むあたりからはもう十分納得した。ランクマーの宮廷の様子や、ランクマーの神々が登場するとか、ランクマーのこれまで明かされていなかった部分がわかるのも良い。
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2005-7-9 (土)「ピーナッツバター殺人事件」コリン・ホルト ソーヤー(創元推理文庫)

 4作目の犠牲者は、カムデンの町で電車に轢かれた男。ついに”海の上のカムデン”の外で起こった事件に関わる老人探偵(?)。もちろん”海の上のカムデン”に関係があるのだが、前3作のように、老人なりの生活や考え方、お金持ちなりの危険といった要素は乏しい。
 このままではたいして特徴の無い普通のミステリになってしまうという危惧を感じる。おなじみの登場人物の、それなりの活躍は健在だから次作も読みたいという気にはなったのだが。
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2005-7-3 (日)「フクロウは夜ふかしをする」コリン・ホルト ソーヤー(創元推理文庫)

 1作目で昔からの居住者、2作目で新入りの居住者、3作目の本書で自動販売機業者と、殺人の犠牲者は着実に”海の上のカムデン”から外部へと広がっている。その意味ではシリーズもののお決まりの展開と言える。しかし、ミステリは必ずしも緻密な推理ゲームではなく、読者が知らない世界の薀蓄に深く切り込んでいくところに読みどころある。
 そんなわけで、老人とお金持ちとそれを取り巻く人たちの生活観をつぎつぎと、どこか(老人風の頑固で)ほのぼのとした視点から展開するこのシリーズには、独特の楽しさがある。
 ミステリでありながら、3作目までは原題に含まれる「…殺人事件」という言葉が邦題には付けられていないのだが、それは販売戦略上の失敗だと思う。本書にふさわしい邦題を考えると、「宵のフクロウ殺人事件」?
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2005-7-2 (土)「氷の女王が死んだ」コリン・ホルト ソーヤー(創元推理文庫)

 相変わらず邦題も表紙絵も買う気を喚起しない。シリーズ名も「海の上のカムデン騒動記」、「老人たちの生活と推理」、「老人探偵団騒動記」などと判然としない。もう少し工夫した売り方があるのではと悔しくなってしまう(売れなければ続編を期待できない)。
 第1作で設定を使い切っているから、第2作の本書は仕切りなおしで、冒頭で性格の良くない新しい入居者が殺される。そんなわけで第1作よりは殺人事件自体の緻密さがいくらか失われるが、物語展開は絞り込まれていて追いやすい。カムデン居住者たちの独特の振る舞いと雰囲気を楽しみながら読むことができる。第1作よりややページ数が多いが退屈しない。老人ホームに死は付きものと言うもののあまり殺人が多いと現実味が薄くなってしまうのではと今後が心配だ。
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2005-6-25 (土)「老人たちの生活と推理」コリン・ホルト ソーヤー(創元推理文庫)

 さすがにこの邦題と表紙絵で食指が動く人は多くないのではないか。私は発売当初本屋で見たような記憶があるが、その時は素通りした。
 今回、シリーズ4作目の「ピーナッツバター殺人事件」が店頭に並んだことで”もしや”と思い、途中から読むよりはと、1〜3作を手にした。
 私が面白いと感じるミステリは少しだけ日常から離れた世界を扱ったものだが、200人ほどが住む高級老人ホーム(海岸+ホテル+コテージ)という舞台はそのツボを正確に突いてくる。主人公は老年で頑固さの増した、生活に心配の無い(暇をもてあます)ご婦人とくるから、興味も倍増する。
 第1作の本書は、登場人物や舞台である”海の上のカムデン”の紹介で最初はいくらか間延びして感じられたが、犯人が絞り込まれ、動機の解明が進むあたりからは緊迫感を持って納得しながら読み進むことができた。設定をうまく使い切ってしまっているから、2作目以降が心配だが、アメリカでは1999年までに9作が刊行されているのでもちろん大丈夫だろう。
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2005-5-1 (日)「妖魔と二剣士 <ファファード&グレイ・マウザー4>」フリッツ・ライバー(創元推理文庫)

 それぞれが異なる相手に雇われ、互いに剣を交わすファファードとマウザー。もちろんどちらも死ぬはずが無い。この世界には強い予定調和が働いているのだが、それでも楽しく読めてしまうのは、どうやって二人が無事に済むのかという仕掛けが見通せないからだ。良い意味で読者を裏切る、それでいてお約束はしっかり踏んでくれるという絶妙の展開。
 流麗奇怪な描写を味わいつつ、おっとそうきたかとか、わははやっぱりとか思いながら、じっくり読める物語は良い。
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2005-4-21 (木)「甘粕大尉」角田房子(ちくま文庫)

 大正12年、活動家大杉栄殺害の罪を受け除隊、その後満州で暗躍、満州で比類ない権力を振るうにいたる甘粕正彦。
 実に訳のわからない話であるが故に、その時期なにが起きていたのかは探求に値する。張作霖爆殺から満州国建国、太平洋戦争へとむかう時代精神と、関東軍、陸軍中央のありようが、甘粕正彦を焦点として描き出される。
 自己の栄達を目的とせずに行動する人間は強い。それは強烈な天皇崇拝を抱いていても同じだ。個人の信念がどれだけのものを呼び込んでくるのかという、個人のありかたについても考えさせられる材料を含んでいる。
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2005-3-25 (水)「額田女王」井上靖(新潮文庫)

 大化の改新、白村江(はくすきのえ)の敗北、近江遷都と続く歴史の事件の中に生きる額田女王。未定の未来に対して、みずからの選択を行い、また時には時代の流れに乗せられ。世の中はままならぬものだなあと思わせられる。
 額田女王についての史実のうち、わかっていることは少ないから、書かれている多くは著者の創作によるが、全体として整合が取れているし、時代の雰囲気も良く出ているのはさすが。額田自身が権力から身を離して置こうとすることもあって、いまひとつ感情移入しにくいが、あるいは当時に生きるということはそういうことだったのかもしれないと納得できる。
 別の時代の価値観に身をおくことで、自分の価値観を相対化するのも文学のひとつの役割だと思うが、そうした意味で楽しめた。
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2005-2-16 (水)「霧の中の二剣士 <ファファード&グレイ・マウザー3>」フリッツ・ライバー(創元推理文庫)

 現実の世界ではありえない奇怪な現象。しかし、それが妙に現実感を持って描写されているのは、著者が現実のすぐれた観察者だからなのだろう。美しさと怪異がいりまじり予定調和へと導かれるこの世界。予定調和が強すぎるきらいのある「ランクマーの夏枯れ時」については評価が分かれるような気もしますが。
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2005-2-10 (木)「楊貴妃伝」井上靖(講談社文庫)

 開元の治を果たした玄宗皇帝に召された楊玉環は、唐帝国の権力の中枢へと入り込む。さまざまな者たちがそれぞれの権力を振るうそこでは、みずからもまた権力を身に着けなければ、生き延びることは難しい。
 唐という巨大帝国を維持する権力は、また個々の思惑を超えた存在でもあった。栄華を極めながらも、貴妃も、皇帝もみずからの運命を制御できない。李林補、高力士、安禄山、楊国忠の行動により、帝国はどう変わっていくのか。
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2005-1-8 (土)「死神と二剣士 <ファファード&グレイ・マウザー2>」フリッツ・ライバー(創元推理文庫)

 二人の冒険者が最初の長い旅を終えて、ランクマーの都に戻ってからの物語。最初期に書かれた冒険から、二人の魔導師と深いかかわりができるまで。
 奇怪で、それでいながら妙に筋が通っている、二人であるからこそ生き延びられる危機の数々。設定と筋書きと発想が絶妙にかみ合っているところがすばらしい。
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2004-12-14 (火)「小説の終焉」川西政明(岩波新書)

 日本の小説は誕生から今までの120年で終焉を迎えた、という驚くべき主張を掲げる著者が、小説に取り上げられた主要な主題毎にその主張を検証する。
 「私」、「家」、「性」など日本の小説が主題としたそれぞれについて、作家と作品の推移を取り上げている点で、日本の小説を概観することができる点で優れた著作だ。個々の小説を単独のものとして読みがちな私としては、作家間の関連や、その時期の作家の主張などを作品とつなげることで、新たな視点で作品を眺めることができる。
 小説が終焉したかと言えば、私はそうは思わないし著者自身もそれを信じているようには思えない。確かに書き尽くされた多くの主題があるが、個人や信仰、国際関係など尽くされていない主題もまだ多い。
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2004-12-6 (月)「魔の都の二剣士 <ファファード&グレイ・マウザー1>」フリッツ・ライバー(創元推理文庫)

 全5巻のはずの邦訳刊行が3巻までで中断してしまった<ファファード&グレイ・マウザー>が再刊行開始。今回は5巻までの翻訳が済んでいるから大丈夫だろうと訳者は書いているが、東京創元社のことだから完全には安心できない。
 ヒロイック・ファンタジー作品には私はめったに関心を惹かれないがこのシリーズは例外だ。剣技も魔法も出てくるが、それらは二人の活躍を引き立たせる味付けに過ぎず、私好みの合理性を維持した物語が展開する。
 作品全体は主人公を同じにした短編集だが、各作品は物語の進行順に並べ替えられており、第1巻に収められているのは後期と中期に属する3編で、二人の主人公がそれぞれの故郷を離れるまでと合流したときの事情が語られている。その意味では本来の活躍が始まる前の由来譚なので、この世界になじんだ読者にはたまらなく嬉しい内容だが、今後につながる伏線の部分が多く含まれていて、初めての読者にとってはいくらか辛いかもしれない。
 はじめてこのシリーズに接するのなら、初期の物語が含まれる第2巻からという選択もあると思う。
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2004-10-27 (水)「おろしや国酔夢譚」井上靖(文春文庫)

 帝国時代のロシアに関心を持ったところで、読もうという気になった。物語の眼目は異世界を見てしまう江戸時代人光太夫の意識の変化にあるので、ロシアに関心を持った読み方はいくらか偏っていると言える。
 日本の生活からは想像もつかないシベリアの厳冬や、その中でのロシア人の生活方法の描き方はさすが異国と思わせる。産業革命以前の文化生活についてもなるほどと感心させられる。とはいえ、”見てしまった”男である光太夫と、江戸時代日本との再遭遇は私にあらたな認識をもたらした部分もあるが、あまりにもかみあわない。歴史的事件の中に小説の題材を求める井上靖の方法のある意味の限界を示しているような気がする。
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2004-09-07 (火)「キリンの涙―ミス・ラモツエの事件簿〈2〉」アレグザンダー・マコール スミス(ヴィレッジブックス)

 第1巻の最後で、マ・ラモツエが婚約してしまうので、”ミス”・ラモツエというシリーズタイトルは大丈夫かと心配したが、とりあえず今回は前回からの直接の続きで、お相手になるラ・マテコニは婚約者のまま。
 それはともかく、ミステリの醍醐味は動機と機会の解明にあり、アフリカのボツワナ共和国にかかわりのあるひとの動機と機会はそれなりの地域的独自性を持つということで、この本では期待通りに独特の動機と機会の解明を堪能できた。アフリカ/ボツワナという自然と現代文明の独自の会合点における女性探偵ミス・ラモツエの活躍が、第1巻で人物紹介が住んでいることから来る余裕を持った語り口で、アフリカ情緒たっぷりに、物語としての統一感を持って味わえる第2巻。
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2004-8-3 (水)「千里眼を持つ男」マイケル・クーランド(講談社文庫)

 ホームズの宿敵、モリアーティ教授がホームズとともにヨーロッパの危機に挑む。ミステリの醍醐味は動機と機会の解明だと思うが、20世紀を間近に控えたヨーロッパ王政政治の混乱はたしかに面白い題材になりうる。ともあれ、舞台となる19世紀末から100年以上も後に書かれた本書は時代劇の雰囲気を帯びている。つまり、主人公の一部は未来を妙に正確に予見していたり、同時代人であれば見過ごしたような当時の風俗の詳細な描写があったりする。
 ホームズと、それに輪をかけてすごいモリアーティのご都合主義紙一重の超人的活躍が示されるところは期待を裏切らない。それにしても、執筆当時は同時代的だった人物たちが今は時代劇の主人公になってしまっているというのはなかなか興味深い現象だ。
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2004-8-3 (水)「象牙の塔の殺人」アイザック・アシモフ(創元推理文庫)

 2004年夏の復刊フェアで入手。
 冒頭で化学実験中の学生が死ぬ。発見者は指導教官のブレイドだが、状況から見て殺人者は専門的な化学知識を有しているに違いなく、最有力の容疑者は自分だ。
 いきなりの盛り上がりはさながらミステリの王道を行くかのようだし、主人公のブレイドが家庭問題を抱えて悩んでいるのも(そのこともまた謎解きに関わってくる)興味を引かれるところ。化学知識を駆使した殺人ということで、門外漢にはわかりにくいのかと心配だがそれは方法論だけのことで、動機と機会からの追求こそがミステリの醍醐味だろうから、お楽しみの邪魔にはならない。
 登場する刑事の雰囲気が「刑事コロンボ」に似ている(本書の方が早い)という解説での指摘も首肯できるところ。
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2004-5-26 (水)「爆撃調査団―内田百闖W成〈12〉」(ちくま文庫)

 帯に「百關謳カ、こだわりのものづくし」とあるように百關助Mのものにかかわる選集。以前福武書店から出た百闥P行本の文庫を読んでいる身としては、読んだことのあるものとないものが交錯するところはちょっと迷惑。
 ともあれ、百閧フ集成を文庫で試みるについては快哉を送る。
 これまでも百閧読んで面白かったのだが、百閧フどこが面白いのかわからなかった。今回はその一端に触れたように思う。「絹帽」で、あらたまった場所に出るためにシルクハットが必要になった百閧ヘ帽子店を探して格安のものを見付ける。ものが悪いのではないが、サイズが合わず頭にはまらない。それでも割り切って買ったのだからと、堂々と使用する。
 百閧ヘ万事がそんな感じで、世間の規範を認めてそれに従うのだが、従い方については自分のやりかたを持つらしい。読者としては、そこに際立ってくる齟齬に感心したり、痛快さを覚えたりする。直接のおつきあいはできるものなら遠慮したい偏屈だと思うけど。
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2003-12-13 (土)「No.1レディーズ探偵社、本日開業―ミス・ラモツエの事件簿1」アレグザンダー・マコール・スミス(ソニー・マガジンズ)

 ボツワナ共和国で探偵社を営む美人探偵(現地の基準による)マ・プレシャス・ラモツエの活躍。アフリカで探偵するというそれだけで嬉しくなるような設定。中身はそれを裏切らない。300ページを越える話だから複雑怪奇な事件を期待したが、そうではなくて探偵社を開いたマ・ラモツエの前に起きるどちらかというと日常的な事件の数々。ボツワナ情緒を味わっいつつ読み進むと、しだいに名をあげていくマ・ラモツエはちょっと恐ろしい事件に会う。
 作品の最後でマ・ラモツエは結婚する(二度目)ようだが、シリーズタイトルは大丈夫か。
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2003-3-21 (金)「日本大変」高橋義夫(集英社文庫)

 三野村利左衛門が小栗忠順と関係しつつ、三井両替店の建て直しに奔走する時代小説。当時の商店経営の状況が伝わってくる。
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