宇宙観測
できごと2003.8.25 NASA宇宙赤外線望遠鏡打ち上げ
米航空宇宙局(NASA)は米東部時間午前1時35分(日本時間午後2時35分)、太陽の周りを回りながら、非常に遠い星からの熱などを観測する「宇宙赤外線望遠鏡」(SIRTF)をケープカナベラル空軍基地(フロリダ州)からデルタロケットで打ち上げた。
SIRTFは長さ約4・5メートル、直径約2・1メートルの筒型で、重さは約865キロ。口径約80センチの赤外線望遠鏡などの赤外線観測装置を搭載。軌道は地球とほぼ同じで、地球の後について太陽の周囲を回り、可視光を中心にしたハッブル宇宙望遠鏡や、エックス線天文衛星チャンドラとともに、宇宙空間でNASAの天体観測の一端を担う。2002.3.1 スペースシャトル「コロンビア」、ハッブル宇宙望遠鏡の改修に出発
米航空宇宙局(NASA)は米東部時間午前6時22分(日本時間同午後8時22分)、フロリダ州のケネディ宇宙センターからスペースシャトル「コロンビア」を打ち上げた。
コロンビアは99年9月から整備・改良を行い、飛行は2年半ぶり。5回の船外活動(宇宙遊泳)により、ハッブル宇宙望遠鏡に従来のカメラの10倍の解像度を持つ新型カメラや太陽電池を取り付ける。飛行期間は11日間で、12日に帰還予定。2001.11.27 太陽系外惑星大気の観測
米航空宇宙局(NASA)は、ハッブル宇宙望遠鏡を使い、地球から約150光年離れた惑星の大気の成分を、観測することにはじめて成功したと発表した。
この惑星は木星ほどの大きさの巨大ガス惑星。惑星の大気の中を通過してきた恒星の光を分析。恒星から直接届いた光の波長と比較した。大気にはナトリウムが多く含まれ、恒星との距離も近いため、大気の温度はセ氏1100度と高温で、地球に生息するような生物はまずいないとみられる。2001.8.23 セレスより大きな小惑星
今年7月に見つかったカイパーベルト天体「2001KX76」(地球から43天文単位)は太陽系最大の小惑星であることが欧州宇宙機関(ESA)の研究で分かった。直径1200キロ以上で、これまで最大とみられていた「セレス」の同950キロを上回る大きさ。
1801年に発見された最初の小惑星セレスは200年間も維持してきた「最大の小惑星」の呼び名を明け渡すことになる。2001.4.7 銀河系の電波地図
南米チリにある名古屋大の電波望遠鏡「なんてん」(口径4メートル)が観測した天の川(銀河系)の電波地図がほぼ完成し、可視光による従来の観測では分からなかった銀河系中心部の詳しい構造が世界で初めて明らかになった。銀河面(銀河系の赤道面)は平らな円盤ではなく、約5000光年(約4京5000兆キロメートル)の大きな振幅で波打っていることなどが分かり、研究リーダーの福井康雄教授(電波天文学)は「宇宙誕生・銀河形成の仕組みを解明する第一歩が得られた」と話している。
「なんてん」は一酸化炭素の出す波長を使い、銀河系の中心を0度とした経度(銀経)240度〜50度、緯度(銀緯)10度〜マイナス10度の範囲を観測し、5年間で100万点以上のデータを得た。その結果、銀河面から角のように1万光年ほど突き出した巨大なガス雲が見つかるなど従来の物理法則では不可解な現象を数多く発見した。
福井教授は「太陽系が属する銀河系はちりなど光を遮る物質があり、これまでうまく観測できなかったが、そうした物質の影響を受けない電波によって初めて銀河系の姿が見えてきた。今後1、2年に銀河系の立体構造も解明できる」と話している。2001.2.26 火星生命の痕跡
米航空宇宙局(NASA)は火星から飛来したとされているいん石から、かつて火星にバクテリアのような原始的生物が存在した証拠になり得る「鎖状になった磁鉄鉱の結晶」を発見したと発表した。
NASAの研究者は「磁鉄鉱の結晶は磁力を持っているので、自然界では鎖のような形にはならない。(バクテリアなどの)生物が介在してできたものだ」と結論付けている。2001.1.11 ブラックホールを直接観測
宇宙にある謎の天体「ブラックホール」と通常の宇宙空間との境界を初めて確認したと、米航空宇宙局(NASA)が発表した。NASAは「ブラックホールの存在が初めて直接的な証拠で示された」と評価しており、ブラックホールの構造の解明に役立つ成果という。
ブラックホールは巨大な質量を持つ天体で、あらゆる物質は、その重力によって中心部に引き込まれる。光さえ抜け出せないため観測が難しく、存在を示す直接の証拠はなかった。
NASAのゴダード宇宙飛行センターの研究グループは、ハッブル宇宙望遠鏡を使って、ブラックホールの候補とされる天体「白鳥座XR1」を調べた。天体の周囲にある高温のガスが発する紫外線を観測したところ、天体に近い場所では紫外線が消えることが分かった。ガスがブラックホールに引き込まれたためだとみられ、同センターのジョセフ・ドラン博士は「ブラックホールの境界を示している」とみている。2000.5.30 「コンプトン」落下へ
米航空宇宙局(NASA)は地球周回軌道上で制御不能になりつつある大型ガンマ線観測衛星「コンプトン」を太平洋上に落下させるため、1回目のエンジン噴射による軌道修正を行った。コンプトンは今後3回の軌道修正を経て、6月4日にハワイ南東の太平洋上で大気圏に突入、破壊される。
1991年に打ち上げられたコンプトンは既に耐用年数が切れ、姿勢制御装置の一部が故障。放置すれば、人口密集地帯を直撃する恐れがあるため、誘導による破壊に踏み切った。衛星の重量は17トンで、大気圏突入時に数百キロの物体や無数の破片が飛び散る危険があり、NASAは船舶や航空機に警戒を呼び掛けている。2000.2.17 ひまわり4号引退が決まる
気象庁は耐用年数が過ぎた静止気象衛星「ひまわり4号」を静止軌道から外して廃止することを決めた。
ひまわり4号は1989年9月、宇宙開発事業団のH1ロケットで打ち上げられ、同年12月から運用を始めた。95年6月には後継機5号にバトンタッチし、5号が故障した場合の待機衛星として4年半以上経過していた。昨年11月、打ち上げに失敗したH2ロケットに積まれた5号の後継機である運輸多目的衛星「MTSAT」が成功していれば、4号は引退の運びだった。1999.9.28 チャンドラX線宇宙望遠鏡がかに星雲にリングを発見
米航空宇宙局(NASA)はチャンドラX線宇宙望遠鏡の画像を公開し地球から約6000光年離れた「かに星雲」の中心部に、X線を放出する高エネルギー粒子でできたリングを発見したと発表した。高エネルギー粒子は光速近くにまで加速され、カニの姿に似て明るく輝き続ける周囲のガス状物質にエネルギーを伝える役目を果たしていると見られる。1999.9.18 「すばる」の完成記念式典
日本の国立天文台がハワイ島のマウナケア山頂(標高4200メートル)に建設した大型望遠鏡「すばる」の完成記念式典が17日午前(日本時間18日朝)、ハワイ訪問中の紀宮さまを迎えて開かれた。1999.8.25 大型X線宇宙望遠鏡チャンドラ、最初の画像を公表
米航空宇宙局(NASA)は7月に地球周回軌道に乗った大型X線宇宙望遠鏡チャンドラが最初に撮影したカシオペア座Aの巨大な超新星爆発後の画像を公表した。
星が突然膨大なエネルギーを放出して輝き、衰退していく超新星爆発の残がいをとらえた画像は鮮明で、NASAはチャンドラの機能はすべて順調だとしている。1999.7.23 スペースシャトル「コロンビア」打ち上げ
米航空宇宙局(NASA)は、米東部夏時間23日午前0時24分(日本時間23日午後1時24分)、史上初の女性船長、アイリーン・コリンズさん(42)が指揮をとるスペースシャトル「コロンビア」をフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げた。
当初、20日に打ち上げる予定だったが、センサー機器の誤信号が原因で発射7秒前にカウントダウンが中止となった。22日の再打ち上げも、直前になって雷雲が発生して稲妻が光るなど気象条件が悪化したため、打ち上げ5分前で中止となり、この日が3回目の挑戦だった。
これまでで最も大型のエックス線宇宙望遠鏡「チャンドラ」を地球周回軌道に乗せるのが主任務。1999.7.19 「すばる」が冥王星の表面にエタンの氷が存在することを初めて確認
国立天文台は米ハワイ島マウナケア山頂にある大型光学赤外線望遠鏡「すばる」の観測で、冥王星の表面にエタンの氷が存在することを初めて確認したと発表した。また、衛星カロンの表面には水の氷が存在することが分かった。
同天文台によると、エタンは太陽系内の惑星形成ではほとんど合成されないと考えられている。このため、冥王星は他の惑星と違い、すい星などと同様に星間物質をそのまま取り込んで形成された可能性がある。1999.7.15 ハッブル宇宙望遠鏡が銀河衝突を撮影
米航空宇宙局(NASA)はハッブル宇宙望遠鏡が撮影した銀河同士が衝突する珍しい画像を公表した。
ハッブル望遠鏡は地球から80億光年かなたの銀河団に属する81の銀河をとらえたが、このうち12以上の銀河が衝突し大銀河が生まれている。これほど銀河衝突が観測されたのは初めて。この銀河団は「MS1054―03」と呼ばれる。1999.6.11 「すばる」が高分解能を達成
国立天文台は米ハワイ島マウナケア山頂に建設した大型光学赤外線望遠鏡「すばる」(口径8.2メートル)が、0.198秒角という通常の地上望遠鏡としては世界最高の分解能を達成したと発表した。また、100億光年離れた活動銀河を立体的にとらえることに成功し、画像を公開した。
すばるは今年1月、初めて天体を観測する「ファーストライト」を行った後、試験観測を続けている。巨大な主鏡を支え、微妙な凹凸を補正する「能動支持機構」の調整を進めた結果、5月上旬に0.2秒角を切る分解能を得られた。
1999.5.25 NASAが宇宙膨張速度を発表
米航空宇宙局(NASA)はハッブル宇宙望遠鏡を使った8年がかりの観測の結果、宇宙年齢決定の決め手となる宇宙の膨張速度を、高い精度で確定することに成功したと発表した。それによれば、宇宙膨張速度を測る基準点とされる、地球から326万光年の位置では、天体が秒速70キロで遠ざかっていることが分かった。
この数字に基づき、宇宙の年齢を120億年と推定した。ここ数年、80億〜100億年という若い宇宙年齢が提案され、それより古い誕生後約120億年の星が存在する矛盾が指摘されてきたが、今回の観測で、天文学界を揺るがせた「宇宙年齢の危機」は解消されることになった。1999.5.16 今月のハッブル望遠鏡おすすめ画像は”極リングを持つ銀河”
毎月第一木曜日のハッブル望遠鏡のおすすめ画像。今月分は極リングを持つ銀河NGC4650A。1999.4.15 複数の惑星を持つ太陽系を発見
太陽系から44光年離れた恒星が3つのガス巨星を持つことが観測された。複数の惑星を持つ恒星系の発見は初めて。地球規模の惑星があるかどうかは観測精度上判断できない。1999.4.1 今月のハッブル望遠鏡おすすめ画像は”タランチュラ銀河”
毎月第一木曜日のハッブル望遠鏡のおすすめ画像。今月分は星の様々な進化段階が見られるタランチュラ・ネビュラ。1999.3.8 WIREは水素切れで失敗
NASAはWIRE(Wide-Field Infrared Explorer spacecraft)が観測機器を冷却するための水素を放出してしまい、機能を喪失したと発表した。1999.3.5 今月のハッブル望遠鏡おすすめ画像は”…の目の小さな塵”
毎月第一木曜日に公開されるハッブル望遠鏡のおすすめ画像。今月分はケンタウルス座方向で観測されたアステロイド(写真右上の青い軌跡)。解説のタイトルが”A MOTE IN HUBBLE'S EYE”というのはSFファンには感慨深い。1999.3.5 熱帯雨林観測衛星(TRMM)のデータ公開
宇宙開発事業団(NASDA)は1998年1月からの1年間にわたる熱帯雨林観測衛星(TRMM)のデータを公開した。これまでに世界で類を見ない高精度な降雨に関するデータが得られている。一年間の地球全体の降雨状況をまとめたgifアニメーションは興味深かった。
1999.3.5 WIREの姿勢制御不能
WIRE(Wide-Field Infrared Explorer spacecraft)は姿勢制御できない状態になっており、4ヶ月のミッションを達成できないのではないかと危ぶまれている。1999.2.24 ハッブル宇宙望遠鏡は修理が必要
米宇宙航空局(NASA)のゴールディン局長は米議会聴聞会で発言し、異状を示しているハッブル宇宙望遠鏡について、修理作業を行わなければ、約1年間にわたり同望遠鏡からの観測データの送信が中断される可能性があると述べた。
同局長はまた、数日中にも、NASAが2000年6月に予定していた修理チームの派遣を今年10月に前倒すかどうかを決める、と語った。
ハッブル宇宙望遠鏡は6台の姿勢安定用ジャイロ(回転儀)を装備しており、最高の性能を得るにはうち3台が作動する必要がある。しかし、1997年から98年にかけてジャイロのうち2台が作動を停止し、今年1月には3台目にも異状が見られるようになった。残り3台のジャイロも、うち2台が90年の打ち上げ時から装備したもので、残る1台も93年の修理ミッションで装備されたものであり、全体が老朽化している。1998.2.18 ハッブル宇宙望遠鏡があらたな銀河の共食いの証拠を観測
ハッブル宇宙望遠鏡は100億光年先の銀河NGC1316において、創世記の宇宙における銀河の共食い(”カニバリズム”)のあらたな証拠となる映像を発表した。ってなあ、どこがカニバリズムなんだか映像だけでは私にはよくわからないんだけど。1999.2.18 「はるか」が史上最大の明るさをもつクエーサーを発見
文部省の宇宙科学研究所が工学実験衛星「はるか」の観測で、史上最大の明るさをもつ天体を発見した、と発表した。射手座方向、37億光年の距離にあるクエーサー「1921―293」で、中心部は理論の限界を超える10兆度(太陽表面の約20億倍の明るさに相当)で輝いていることが確認されたという。1999.2.9 ハッブル宇宙望遠鏡が惑星誕生の新たな手がかりを撮影
この天体(写真1、写真2:提供 ハッブル宇宙望遠鏡)は地球から450光年離れたおうし座の方向にあり、星の回りにチリやガスの星雲状物質が明るく輝いている。そのチリやガスの一部が集まって、暗く見える密度の濃い円盤部分を形成し、星雲状物質を上下に2分したため、星雲状物質がまるでバタフライの2枚の羽のように輝いている。この画像ではチリの円盤を真横から撮影しており、円盤でなく棒状に見える。1999.2.8 第一木曜日はハッブル宇宙望遠鏡の日
毎月第一木曜日はハッブル宇宙望遠鏡が特に美しい画像を選んで紹介する日になっている。今月は大マゼラン雲で1987年に観測された超新星1987A。超新星の回りに見えるリングは超新星爆発により発生したちりに超新星の光が当たって見えるもの。この二つのリングが光り始めたときの時間のずれにより、二つのリングの間の距離を割り出すことができたという天文学的に珍しいイベントになった。
1999.1.29 望遠鏡「すばる」のファーストライト
国立天文台がハワイに建設した「すばる」のすごいところは、150億光年の先を見通す可能性があることだ。150億光年向こうから来た光を観測するということは、150億年前の光景を見ることにほかならない。
150億年前?といえば、この宇宙が誕生したときである。ビッグバンの様子をそのまま観測できるというのは(ほんとにそんなことができるのかなあ)、宇宙の起源を探索する上でたいへんに有用なことに違いない。
しかし、宇宙観測ならば大気の影響のない宇宙望遠鏡に勝るものはないと思っていたが、「すばる」はハッブル宇宙望遠鏡以上の観測能力を発揮できるようだ。軌道上への機材輸送に限界があるとするならば、機材面で制約のゆるい地上の望遠鏡にも競争の余地があるということを証明した形になったわけで、これもまたたいしたことだと思う。1999.1.5 発見された太陽系外惑星の数が18個に
1月5日から9日にかけて開催されていた第193回米天文学会会議の発表の一つで、サンフランシスコ州立大学の研究チームは新たに発見した二つの惑星を発表した。これでこれまでに発見された太陽系外惑星の数は18になった。
このニュースソースは宇宙開発事業団の海外宇宙情報。更新頻度は(いまのところ)少ないけれど興味深い話が読める。
ほんの少し前までは、太陽系外に惑星があることは推測の域を出なかったのであるが観測技術の進歩には目を見張るものがあるなあ。