(1999年10月)

10月30日(土)  富士山頂(標高3、776メートル)から35年にわたって、台風の監視役を務めてきた「富士山レーダー」が、11月1日に引退する。気象衛星「ひまわり」の登場や、老朽施設の更新に多額の費用がかかるためで、集中豪雨などの観測は、霧ケ峰の車山山頂(長野県茅野市)と静岡県菊川町の新設レーダー2基にバトンタッチされる。
 富士山レーダーは、東京五輪のあった1964年10月に完成。当時としては世界一を誇る半径800キロの探知範囲で本州のほぼ全域を覆い、台風の進路をとらえてきた。レーダー引退後も、富士山測候所の機能は維持され、山頂の気温や風速などを観測。特徴あるドームもそのまま残される。駐在職員は5人から4人に減る。

10月25日(月)  大阪市文化財保護審議会は、上方漫才の夢路いとしさん(74)、喜味こいしさん(71)を無形文化財に指定するなど、同市内の文化財、史跡、名勝計13件を市文化財に指定するよう同市教委に答申した。漫才が無形文化財に指定されるのは全国でも初めて。大阪市教委は11月5日付で指定する。

10月25日(月)  神戸市内の女性を名乗る人物がわが子への「虐待日記」とするホームページが開設していた問題で、同市は作成者を名乗る女性から市に「子育て中いらいらすることもあり、HPはうっぷんを晴らすために作った。内容は事実ではない。迷惑を掛けたので謝罪したい」と二度にわたって電話があったと発表した。

10月25日(月)  神戸市内の女性(28)を名乗る人物がインターネット上に、わが子への虐待を内容とする「虐待日記」と題するホームページ(HP)を開設していたことが分かった。連絡を受けた同市児童相談所は市内の保育所などを対象に、事実確認の調査に乗り出すことを決めた。

 まさかウケねらいとか、ヒット数向上のためにやっていたわけじゃないよね(嘘ならありうるかな)。動機が理解できない。

10月24日(日)  香川県香南町の「さぬきこどもの国」で高松市の森偉之輔さん(69)が連続こま回し1時間37分42秒を達成し、ギネスブック記録を更新した。直径90センチ、重さ13キロの巨大こまだが軸の接地面はわずか100分の1ミリ。100個以上の試作品で改良を重ね、新幹線の車軸用の特殊合金も使ったもの。

10月22日(金)  神戸市北区の会社員宅に先月落下したいん石を分析している中村昇・神戸大理学部教授は国内初の発見となる「炭素質いん石」と断定、国際隕石学会に「神戸」の名で申請したと発表。炭素質いん石は世界でも約40個しか発見されておらず、中村教授らは神戸大のほか10機関、15人による共同研究組織でさらに分析を進める。

10月20日(水)  ブリタニカ百科事典の全内容が、インターネット上に無料で公開されたが、あまりに多くの人々がアクセスしようとしたためにサーバーがダウンしたと、ブリタニカ社は(米国時間)発表した。
  このサイトは19日にスタートした。ブリタニカ社(本社シカゴ)はサーバーダウンに関して謝罪したが、サイトが開始した日のヒット数は1200万から1500万ヒットに達しており、こういった数にはとても対処できなかったと述べた。現在は一時閉鎖中。

10月20日(水)  午後10時25分ごろ、芦別市野花南町のJR根室線で、池田発滝川行きの普通電車(1両)がヒグマと衝突した。乗客2人と運転士にけがはなく、電車は10分遅れた。
 芦別署の調べでは、はねられたヒグマは3〜4歳の雄で、体長140センチ、体重約120キロ。列車とヒグマの衝突事故は昨年秋にも同市高根であった。

10月19日(火)  スイスの環境グループ、ワールド・ワイド・ファンド・フォー・ネーチャー(WWF)は最新報告で、地球温暖化が今後数十年間に世界15カ国に与える影響をまとめた。
 これによると、ニューヨークとマイアミは洪水にさらされ、ロシアの各都市は虫害を受け、カナダの永久凍結層は融解し、日本の砂浜の半数以上は浸食される可能性がある。
 この報告は、イースト・アングリア大学の気象研究者らによる見通しに基づいている。

10月18日(月)  茨城県東海村のジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で、同社は現場の転換試験棟内の放射線量を測定した。事故があった仮焼還元室には入らなかったが、室外から臨界が起きた沈殿槽表面に測定器を近づけたところ、自然界の約50万倍の1時間当たり55ミリシーベルトの放射線を検出した。事故後、同棟内の放射線量を詳しく調べるのは初めて。科学技術庁は「ほぼ想定の範囲内」としている。

10月15日(金)  米コネティカット州のミスティック水族館は2頭の若いゴンドウクジラの体に送信機を付けて海に戻し、人工衛星を使ってその行動を追跡する試みを19日にスタートすると発表した。
 19日に大西洋に放たれる予定の2頭には送信機が付けられ、人工衛星を通じて、位置データが得られる。クジラがダイビングをして潜ったときの水深や、ダイビングの頻度、長さなど、これまで未解明だった情報が刻々と入り、生態解明に向けての貴重なデータになると期待されている。
 クジラの追跡データには次のホームページからアクセスできるようになる。http://www.mysticaquarium.org/

10月12日(月)  国連によると、世界人口が60億人を突破した。国連人口基金は12日を「60億人の日」として、開発途上国の人口安定化に一層努力する方針。
 人口60億を記念して、現地サラエボを訪問しているアナン国連事務総長が世界の人口の60億人目の赤ちゃんを「認定」し、病院を訪ねて赤ちゃんと家族に祝辞を伝えた。国連は、多くの子どもが犠牲になったボスニア内戦の激戦地サラエボで「60億人目」を認定することを決め、サラエボ大学病院で12日の一番早い時間に生まれた子どもを選んだ。科学的根拠というより政治的判断で決めた。

10月8日(金)  米国務省は外国のテロリスト組織として、前回に引き続きオウム真理教と日本赤軍を含む28組織を指定したと発表した。米政府は法律に基づき、2年ごとに外国テロリスト組織を指定し、米国民による資金援助を禁止したり、米国内にある資産封鎖や組織メンバーの国外追放などの措置をとる。

10月7日(木)  英王立天文協会が発表したところによると、新惑星の可能性を指摘する英オープン大のジョン・マレー博士の論文が11日付の同協会月報に掲載される。マレー博士は、ヘール・ボップすい星のように数千年の長周期で太陽に接近してくるすい星群の軌道方向を分析した。その中にある特異的な方向パターンは、太陽系を半径数兆キロの球殻状に取り巻き、すい星の巣と知られる「オールトの雲」の付近にある大質量の天体の重力に影響された結果と推論した。
 計算によると、この天体は少なくとも木星並みの質量を持ち、太陽・地球間よりも3万2000倍遠く離れた位置(約4・8兆キロ)で太陽を周回してい る。非常に暗い天体で、ゆっくりと移動しているため、これまでの観測で見つからなかった可能性があるという。

 一方、米NBCテレビによると、米ルイジアナ大の天文チームは、木星の約3倍の質量の巨大な天体が、地球・太陽間より2万5000倍遠く離れたところ(約3・8兆キロ)を周回しているとする新説を提唱した。この天体は、惑星か、あるいは恒星になりそこねた褐色わい星の可能性があるといい、近く雑誌「イカロス」に掲載される。

 太陽系の果てを周回する「10番目の惑星」は、現在の太陽系形成理論からは考えられず、懐疑的な研究者も多い。しかし、今回の発表者らは「この天体は宇宙空間に元々存在し、太陽系の形成時に太陽系内に捕らえられた可能性がある」と話し、既存の理論とは矛盾しないとしている。

10月7日(木)  中古ゲームソフトを開発者に無断で販売するのは著作権法に違反するとして、大手ゲームソフトメーカー6社が中古ソフト販売会社「アクト」(岡山市)などを相手取り、中古ソフトの販売差し止めと廃棄処分を求めた訴訟の判決が大阪地裁であった。著作権法では、上映用フィルムのような「映画の著作物」だけに複製して譲渡・貸与する排他的権利(頒布権)が認められており、ゲームソフトがこれに該当するかが争点だった。小松一雄裁判長は「ゲームソフトは『映画の著作物』に該当する」として、原告側の請求を認める判決を言い渡した。
 メーカー側は「テレビゲームソフトは中古品でも品質は劣化しない。中古販売は新品市場を圧迫し、著作権者が多大な損害を受けている」と主張。アクト側は「ゲームソフトに頒布権はない」と反論していた。
 同様訴訟で東京地裁は今年5月、「ゲームソフトの映像内容はプレーヤーの操作で異なり、ゲーム著作者の思想、感情の表現とは言えず、映画の著作物には当たらない」と判断。敗訴したメーカー側が控訴している。

10月6日(水)  米航空宇宙局(NASA)は南極上空に出現したオゾンホールの最新画像を公開した。史上最大を記録した昨年よりやや小さいが、依然、最大規模を保っているという。NASAは、南極上空のオゾン量の分布を示す画像を作成。それによると、オゾンホールの面積は今年9月15日に約2700万平方キロにまで広がった。

10月6日(水)  茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所の臨界事故で、科学技術庁は核燃料加工の事業許可の取り消し処分をする方針を固めた。同社が届け出と違う「違法マニュアル」を作り、操業を続けていたことが原子炉等規制法に違反すると判断したため。同法による事業許可取り消しは初めて。

10月5日(火)  大阪大産業科学研究所の中嶋英雄教授(材料工学)は窒素ガスを使って内部に千分の一ミリ〜数ミリの多数の穴を開けた軽量の鉄「ポーラス(多孔質)鉄」の製造に成功した、と発表した。40%軽量化できるが、穴の方向をそろえてあるため強度は従来の鉄鋼と変わらないのが特長。
 中島教授は昨年、銅やニッケル、アルミニウムなどさまざまな金属に使える水素を使って開発に成功。しかし、事業化を検討した企業から「大量生産には爆発の危険性のない気体にしてほしい」との意見があり、爆発性のない窒素での製造を研究していた。
 窒素で穴を開けた場合、穴の表面に鉄と窒素の化合物がコーティングされて強度が増すことも判明。40%程度まで穴を開けても、通常の鉄鋼と変わらない強度を維持できた。

10月5日(火)  政府は初閣議で2000円紙幣を発行することを決めた。来年2000年はミレニアム(千年紀)にあたるとともに、主要国首脳会議(沖縄サミット)が日本で開催されることから、2000円紙幣の発行がふさわしいと判断した。図柄は表に那覇市にある沖縄を代表する史跡・首里城の「守礼門」、裏に「源氏物語」の一場面をあしらう予定で、来年7月の沖縄サミットまでに発行する。記念発行ではなく、恒久的に使用される。

10月5日(火)  韓国・科学技術省は韓国慶尚北道の月城原発3号機で4日午後7時ごろ、原子炉建屋内の冷却水用ポンプの修理中に重水が漏出し、作業員22人が被ばくする事故が起きたと明らかにした。
 月城3号機は韓国南東部の慶州市から南東約30キロの日本海沿いにあり、先月23日から原子炉を停止して、定期点検中だった。

10月4日(月)  午後6時45分ごろ、浦和市南浦和2のJR武蔵野線南浦和駅ホームで、川口市在家町の男性会社員(28)が、若い男に突然、金づちのような物で頭を5、6回殴られた。会社員は病院に運ばれたが、意識ははっきりしている。浦和署は、通り魔事件とみて、傷害容疑で逃げた男の行方を追っている。

10月1日(金)  茨城県東海村石神外宿の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー東海事業所」の転換試験棟で30日発生した国内初の臨界事故転換試験棟内の臨界を沈静化させるため午前3時半ごろに事業所内に作業員2人が入り、タンクの冷却水を抜くため排水管のバルブを開いた。しかし、冷却水がうまく抜けず、4時20分にバルブを破壊して冷却水を取り除いた。
 また、同社はこの午前8時半過ぎ、核分裂反応をさらに抑えるため、沈殿槽にホウ酸水約30リットルを注入する作業を始めた。ホウ酸水に含まれるホウ素は、核分裂に必要な中性子を吸収し、分裂を抑える作用がある。
 施設内の放射線量は徐々に低下した。午前9時すぎ、政府の原子力安全委員会(佐藤一男委員長)は「臨界状態は一応終息した」とする見解を発表した。
 今回の事故で被ばくしたのは、同事業所の社員36人、関連会社の社員3人、被ばく者を運んだ救急隊員3人、現場近くで作業をしていた建設作業員7人の計49人。原子力施設事故の国際評価尺度で「レベル4」に相当する最悪の事態となった。
 同事業所の説明では、沈殿槽で不純物を除去した硝酸ウラン溶液は一度粉末にされた後、ステンレス容器入れて再び硝酸で溶かす。これをポンプで貯塔に送りこんでかき混ぜ、均質化した後、円筒型の容器に詰める。しかし、作業員は溶液を貯塔に入れず、不純物除去の工程で使う沈殿槽に手作業で入れたという。
 沈殿槽に入れた理由は「工程がそれほど早まるわけではなく、作業員に聴かないと分からない」としている。

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