- 二酸化炭素の海底貯留
- 独立行政法人海上技術安全研究所(海技研)は、2002年10月下旬に米国カリフォルニア州沖で米国の研究機関などと共同で二酸化炭素(C02)深海貯留の実海域実験を実施、深度4000メートルで安定的に貯留できることなどを確認した。海上技術安全研究所による解説(2003.11.12)
- ダイヤモンド半導体
- NTT物性科学基礎研究所は、ダイヤモンドを活用し高出力で耐久性に優れた「究極の半導体」の開発に成功したと発表した。
高出力が必要な通信衛星や地上放送局の設備に利用可能で、周辺技術を確立し2006年の実用化を目指す。
今回開発した「ダイヤモンド半導体」はダイヤを結晶化する作業が難しく実用化は困難とされてきた。現在のシリコン製半導体と比べ、高周波数、高出力が可能で、宇宙空間でも安定的に動く。
現在通信衛星などには真空管が使われているが、今回の半導体を使えばエネルギーロスが少なく安定した出力が可能になる。(2003.8.20)
- 砂漠の緑化
- 三菱重工業はサウジアラビアの紅海沿岸の砂漠に緑を再生するオアシス化の実証研究を、同国の政府機関などと連携して始めると発表した。年度中に具体案をつくり、3年後をめどに現地でのプラント建設に着手する。
三菱重工では「森が雨を呼ぶ自然の原理を活性化して、砂漠化を防止する仕組みづくりに挑みたい」としている。(2003.5.6)
- プラズマクラスターイオンによる空気浄化技術
- シャープは、財団法人 北里環境科学センターとの共同研究により、当社独自の「プラズマクラスターイオンによる空気浄化技術」に、新たに空気中の「インフルエンザウイルス」などの浮遊ウイルス、「MRSA」などの病原性細菌を不活化する効果があることを世界で初めて検証したと発表。
「プラズマクラスターイオンによる空気浄化技術」とは、プラズマ放電によって、水の分子に取り囲まれたプラスとマイナスのイオン「除菌イオン」をつくり、それを空気中に大量に放出することにより、イオンが微粒子(菌や臭いの分子)に凝集し化学反応する性質を応用して、おもに浮遊真菌(カビ)や臭いの分子を分解・不活化する技術。
プラズマとかイオンによる健康への良い影響というと、胡散臭く感じてしまうが、説明を見るところではまともそう。無菌化された空気の中で人間が暮らすのが当たり前になると、それも恐い気がするのだが。(2002.9.7)
- 衣服の高機能化、着るMP3プレイヤー
- 半導体メーカーの独Infineon Technologiesとその日本法人インフィニオンテクノロジーズジャパンは、エレクトロニクス機能を衣服と一体化させ、いわゆるウェアラブルPCなどを実現する新技術「ウェアラブル・エレクトロニクス」を発表した。その技術を応用したソリューションの第1弾として、オーディオモジュールを衣服に組み込んだ「洗えるMP3プレイヤー」を公開した。
バッテリには、サーモジェネレータ(体温発電機)が採用されており、外気温と体温との温度差から発電する。腕時計を動かす程度には十分な電力を発電できている。
いや、この考え方はスゴイと思う。衣服を半導体製品を組み合わせてあらたな機能を持たせることは、”服”の概念変革につながる。身体モニタ付きのトレーニングウェアとか、携帯電話折り込みの背広とか。おまけに涼しそうだし。
服や寝間着を通じて、常時ネットワークに接続することになれば、さらに応用範囲は広い。(2002.7.19)
- DNAコンピュータ
- オリンパス光学工業と子会社のノバスジーン、東京大学は1月28日、DNA同士の化学反応を演算に利用して遺伝子を解析する「遺伝子解析用DNAコンピュータ」を世界で初めて開発したと発表した。年内に性能評価を完了、2003年から本格的な解析サービスを開始する。(DNAコンピュータの技術解説pdfがダウンロードできるページ)
DNAコンピュータは、DNAの物理化学的性質を利用して計算を行うコンピュータ。DNAの化学反応は全体が一気に進行するため超並列処理が可能だ。「NP完全問題」といった“しらみつぶし”系の問題解決に有効とされる。また、DNAをそのまま入出力データとして演算処理できるため、バイオ分野で実際の細胞・組織に適用して遺伝子診断や遺伝子解析を高精度・高速かつ低コストで行える。(2002.1.28)
- インスリン分泌カプセル
- 京都大再生医科学研究所の井上一知教授(消化器外科)の研究グループが、豚の細胞で作ったカプセル状の「人工すい臓」を糖尿病マウスの皮下に埋め込むことで血糖値を正常に保つ実験に成功した。血糖値を下げるためインスリンを皮下注射する従来の方法とは異なり、簡単な手術で効果が持続する画期的な治療法の開発につながる可能性がある。大型ほ乳動物での実験を経て、年内にも学内の倫理委員会に臨床応用を申請する方針。
同グループは豚のすい臓からインスリンなどを作る内分泌細胞を分離。インスリンなど小さな分子だけを通し、拒絶反応を起こす免疫にかかわる大きな分子は遮断する人工の高分子膜を開発し、この膜で内分泌細胞を包んだカプセル状の「人工すい臓」(長さ約1・5センチ)を作った。
インスリンの分泌を促進するには、カプセル内に栄養分を行き渡らせる必要があるため、糖尿病マウスの皮下に血流を増やす薬を埋め込んだうえで、その背中に皮下移植した。2カ月以上が経過してもインスリンを順調に分泌し続け、血糖値は正常値を保っているという。(2002.1.25)
- 地球深部探査船「ちきゅう」進水
- 海底下約7キロのマントルまで掘削することができる地球深部探査船の進水式が、岡山県玉野市の三井造船玉野事業所で行われ、「ちきゅう」と命名された。ちきゅうは、日米が主導する「統合国際深海掘削計画」の主役で、今後ドリルのやぐらなどを装備し、文部科学省所管の海洋科学技術センター(神奈川県横須賀市)が2006年から運用する。
ちきゅうは全長210メートル、排水量が5万7500トン。最大150人が乗り組み、海底を掘削して地球レベルの環境変動や巨大地震の発生メカニズムを解明したり、将来のエネルギー源と期待されるメタンハイドレートの分布を調査したりする。(2002.1.18)
2001.3.3の短信と関連。
- 技術的に作るクモの糸
- カナダの企業と米軍の共同研究グループが、クモの糸の遺伝子をほ乳類の細胞に入れ、クモの糸とほぼ同じ性質の繊維を作ることに世界で初めて成功し、米科学誌「サイエンス」で発表した。既存の繊維よりも丈夫で、医療用縫合糸や釣り糸、防弾チョッキなどに幅広く応用できる。
研究グループは、同心円状に巣を作るクモが持っている糸を生成する遺伝子2個をハムスターの腎臓と牛の細胞に導入し、クモの糸のもとになるたんぱく質を作らせた。このたんぱく質の水溶液から糸を紡いだ。研究の初期には大腸菌に導入したが、作られたたんぱく質が水溶性ではなく、糸にできなかった。ほ乳類の細胞を使うと、水溶性になった。(2002.1.18)
- カメラを抱えたアザラシなど
- 人間が行けない深海を、小型カメラを装着したアザラシやペンギンによって探査するという研究計画に国立極地研究所が取り組むことになった。
太陽光が届く海の深さは150メートル程度。それより深い海は真っ暗な未知の世界だが、大型ペンギンやアザラシは日常的に、この中深層域まで潜水している。コウテイペンギンの最大潜水記録は530メートルで、ゾウアザラシは1500メートルにも達する。
動物に与える影響を最小限にするため、同研究所では直径2センチ、長さ9センチ、重さ90グラム程度の小型カメラを開発中。デジタル静止画像を1200枚記録でき、5秒間隔の撮影なら、2時間弱の潜水行動を追跡できる。同じく小型のストロボも含め、機器の着脱は動物が陸に上がった際に行う。
これまで、電波発信機による渡り鳥の追跡や、海洋動物の研究は数多く行われているが、動物自身に画像を撮影させる本格研究は、世界で初めて。(2002.1.7)
- 拒絶反応を抑えた移植臓器提供ブタ
- 人間に臓器を移植した場合、超急性の免疫拒絶反応が起きる原因となる抗原の遺伝子の働きを抑えたクローン・ミニブタを誕生させることに成功したと、英ロスリン研究所と協力してクローン羊「ドリー」を生み出した英製薬会社PPLセラピューティクスが発表した。またミズーリ大や江原大などの米韓研究グループも4日付の米科学誌サイエンスで発表した。免疫抑制剤で対処できず、最大の課題だった超急性拒絶反応を克服するめどが立ったことで、ミニブタからの臓器移植が実現に近づくと期待される。
PPL社は、ミニブタという小型の豚の臓器を人間に移植した際に起こる超急性拒絶反応の原因になる「アルファガラクトース」という物質の生産に関与する遺伝子を特殊な技術で破壊した「ノックアウト豚」の細胞を基に、この遺伝子を欠くクローン豚の雌五匹を、昨年12月25日に誕生させることに成功した。
最初は霊長類に糖尿病治療用のインシュリンを分泌するブタの細胞を移植する実験を行い、続いて4年以内に人間に移植する臨床試験に入れるとしている。
しかし、豚の染色体に組み込まれたレトロウイルスが、移植先で有害なものになる恐れなども指摘されている。(2002.1.2)
- 超短時間フラッシュ
- 物の動きは、カメラのストロボ撮影のように短いフラッシュほど細かく見られる。小林孝嘉東大教授(量子エレクトロニクス)らは、チタンとサファイアの結晶を光源にした4・7フェムト秒(1フェムトは1000兆分の1)という世界最短のフラッシュを開発した。
このフラッシュで、視覚にかかわるたんぱく質の構造が変化する様子をリアルタイムでとらえることに成功。物を見る仕組みの一端を分子レベルで初めて解明した。光合成など重要な反応も担う光の生体・化学反応での働きを探るのにも役立ちそう。29日発行の英科学誌「ネイチャー」に掲載される。(2001.11.30)
- 白色発光の有機EL
- タイホー工業が白色発光の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を開発したと発表した。蛍光灯に比べ、消費電力は極めて少なく発光時放熱もなくかつ、蛍光灯のように水銀、重金属を使わないため、この化合物をEL発光素子材料として用いて白色照明装置を作ることが期待される。(2001.10.17)
- バイオチップトイレの越冬
- 環境省と文化庁は、環境NPO(非営利組織)「富士山クラブ」(事務所・静岡県三島市)が今年夏、富士山頂に仮設した公衆バイオトイレの越冬実験を許可した。
同クラブによると、越冬実験するのは、杉チップ、おがくずに微生物を付着させてし尿を分解する2種類2基。今年7〜8月に山頂に初設置し、計約5000人分を処理した。山頂は冬季に平均気温が氷点下19度まで下がり、約2メートルの積雪があるため、外部を木材などで補強した。
実験項目は、冬季の気温や気圧の影響/金属製の装置の強風や凍結、積雪に対する耐久性/装置内の微生物の変化など。冬には微生物が凍結するが、来年夏に再び活動するかを特に調べる。(2001.10.15)
- 本物に置き換わる人工骨
- 物質・材料研究機構(茨城県つくば市)と東京医科歯科大学などは2001年10月2日、事故などで失った骨に移植すると徐々に本当の骨に置き換わる新しい人工骨の開発に成功したと発表した。動物実験のレベルだが、今後開発企業を募り、実用化を目指す。同大では倫理委員会の承認を受けた上、口腔(こうくう)外科などで臨床実験に入る。
この人工骨は、骨の無機成分であるアパタイト(リン酸カルシウム化合物)と有機成分のコラーゲンからできた複合材料でつくられている。強度や弾力性が本物に近く、骨の欠損部分に移植した場合、破骨細胞が人工骨を吸収する一方、骨芽細胞が周囲に新しい骨をつくり、新しい骨に完全に置き換わる。ビーグル犬の足を使った実験では約3カ月で新しい骨に再生した。(2001.10.2)
- 超高速撮影カメラ
- 近畿大理工学部(東大阪市)と島津製作所基盤技術研究所(京都府精華町)などのグループが2001年9月27日、1秒間に100万コマ撮影できる世界最高速のデジタルビデオカメラを開発した、と発表した。これまでの約200倍の速度で、一般のカメラの約3万倍。連続で最大103コマ撮影でき、1万分の1秒間の出来事を約10秒間の動画に“超スローモーション”で再生して観察できる。
デジタルカメラは映像を内部のCCD(電荷結合素子)で電気信号に変えて記録するが、従来のカメラは1コマ撮影するたびにCCDから画像情報を取り出すため、高速化に限界があった。グループは独自のCCDに103コマ分のメモリー(記憶素子)を組み込み、カメラに搭載。撮影した映像をまとめて読み出す方式をとることで高速化を実現した。
エンジン内の燃料燃焼の様子や、材料の破壊の様子を観測して研究できる。(2001.10.1)
- 大西洋横断遠隔手術
- ニューヨークにいる外科医チームが、遠隔操作のロボットを使ってフランスにいる患者の手術をした。この種の手術でこれほどの距離を隔てた例は、世界で初めてと見られている。
この外科医チームは、6000キロメートル以上離れたストラスブールの『欧州遠隔手術研究所』にいる68歳の女性の胆嚢を摘出した。2001年9月7日に行なわれた今回の手術に関する論文は、『ネイチャー』誌の9月27日号に掲載される予定。
フランス・テレコム社は、『非同期転送モード』(ATM)技術を用いてデータを伝送する大西洋横断通信システムを提供した。同社によると、通信速度はケーブルモデム並みの10Mbpsなのでタイムラグは0.2秒で、ほとんど気づかない程度だという。(2001.10.1)
- 犬の音声を翻訳
- 株式会社タカラは“鳴き声”を声紋分析することで犬の“気持ち”が分かる携帯型の犬の感情分析グッズ「バウリンガル」を2002年2月に発売すると発表した。「バウリンガル」は、犬の首輪に装着した約6センチの小型マイクから鳴き声を送信し、マイクで受けた鳴き声を本体で声紋分析して、「フラストレーション」「威嚇」「自己表現」「楽しい」「悲しい」「欲求」の6種類の感情に判定するしくみ。リアルタイムに犬の鳴き声を変換する「ボイス変換機能」と一定時間鳴き声を蓄積して判定する「データ分析機能」の2つを搭載する。(2001.8.7)
- 飲むカメラ
- 米政府はカプセルに入った、飲み込むことが可能な超小型ビデオカメラを認可した。このカメラを患者が飲み下すと、医師は患者の小腸の詳細な画像を見られるようになる。
患者が飲み込んだカメラは痛みもなく消化管を下っていき、小腸のカラー画像をワイヤレス技術で送信する。(2001.8.7)
- 粉末くらいのICチップ
- 2001年6月28日、日立製作所は、紙などに埋め込むことができる世界最小のICチップを開発したと発表した。
このチップは0.4ミリ角で厚さが0.06ミリ。粉末に近い大きさで、通貨や小切手、有価証券などに埋め込んで偽造防止するなどさまざまな認証に利用できる。
バーコードのようにデザインを損なうこともない。(2001.7.1)
- 今年は富士山頂でバイオチップトイレ
- 環境NPO(非営利組織)「富士山クラブ」は2001年6月19日、富士山頂にバイオチップを使った公衆トイレを7月14、15日に設置すると発表した。し尿を分解する杉のチップを背負って山頂に運ぶボランティア約100人も募集する。
トイレは4基設置され、1日の処理能力は1200人分。富士山の山小屋のほとんどはし尿を垂れ流しており、景観の悪化や地下水の汚染を招くと指摘されていた。同クラブは昨夏の登山シーズンに、5合目付近にトイレを試験的に設置し効果を確認したため、山頂に設置することにした。
ボランティアは、杉チップ約500グラムを背負って14日午前、静岡県側5合目を出発し、9合目の山小屋に1泊して15日朝に山頂に届ける。(2001.6.21)
- 地球深部探査船
- 海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)は、2000年3月27日、「地球深部探査船」の建造契約(船体及びエンジン・発電機等の艤装)を三菱重工業(株)と締結した。なお、本契約の中において、DPS(掘削中に船の位置を決められた範囲内に保持するシステム)及びこれに関連するものについては、三井造船(株)を指定して実施させることとした。
「地球深部探査船」は、大水深掘削に対応する世界最大能力を持つドローワークス(長大なパイプの吊上げ及び吊支えのための巻き上げ機)及びライザーパイプ等の取り扱いの自動化等、新技術を採用することにより、全世界での海域における厳しい気象海象条件下での掘削を可能とし、水深約2,500m(将来は約4,000m)の海域において、最終的にはマントルへの到達を可能とする科学掘削船である。
海洋科学技術センターは2001年3月1日から、地球深部探査船の愛称を一般から募集する。
地球深部探査船と主要機器の図(2001.3.3)
- 臓器移植用のブタを作る会社
- 臓器移植用に遺伝子を改造したブタの開発などを行う新会社「日本動物工学研究所」を、農水省の外郭団体「生物系特定産業技術研究推進機構」、日ハム、医療器具会社「ニッショー」が発足させる。新会社は、人間に移植しても拒絶反応が起きにくいよう遺伝子を改造したブタの開発や、ブタのウイルスチェックなどを行う。(2001.2.1)
- パワードスーツの開発
- DARPA(米国防総省高等研究計画局)では、歩兵に装着して基礎能力を上げるパワードスーツ「Exoskeleton」を開発している。装着した人間は、100キロの荷物を運びつつ、マラソン選手以上の速さでの長時間行軍ができ、生身の人間では考えられない跳躍能力を得ることができるという。
発表されている研究提案・計画書によれば、同パワードスーツは主に陸軍歩兵が使用するとしており、装着することで主に脚部の力が向上する設計になっている。これにより、通常の人間の力では持ち運べないような重火器を装備しながら、時速25kmで走り続けることができる。ジャンプ能力にも優れ、高さ/幅ともに並はずれた距離を飛ぶことができる。また、想定される使用地域は主に市街地としているが、水などにも強く、泥地やがれき地でもスムーズに歩くことが可能となる。これらの性能を統合するために、各種センサがかかとや肩にかかる圧力や現在の状態を逐一チェック、コンピュータで演算後、各パーツにフィードフォワード/フィードバックされる。センサは敵を確実に見つけたり、味方を誤って撃ったりしないためにも使われるようだ。
また、実用性を考え、24時間連続行軍をおこなえる燃料システムと、敵に居場所を悟られないように極めて静かな可動システムを持ち、敵の弾をある程度防ぐ鎧としての効果も備える。こういった性能を保ちながら、総重量は10kg以下を目指す。
この研究は、同研究所が60カ月計画で研究を進めており、現在は基礎研究と試作機製作が進められている段階。予定されている研究期間の60カ月の内、48カ月で基礎研究や試作機製作を終了し、コスト・能力的に見込みがある場合は、実戦投入可能なものを作成する予定となっている。(2001.1.26)
- 21世紀の科学技術の展望とそのあり方
- 科学技術庁科学技術政策研究所が21世紀の科学技術の展望とそのあり方を発表した。(2000.12.7)
- 水素を使う燃料電池自動車
- 米ゼネラルモータース(GM)は、現行のシステムより40%程度効率が良くなる新しい水素と酸素とを反応させる燃料電池システムを開発したと発表した。これを元にした駆動機関は、実際にChevrolet S-10に搭載され、2002年から公道にデビューすることになっている。今回の効率アップは、水素と酸素とを融合させるために必要となる触媒の技術が飛躍的に向上したためとのこと。
今のところこのシステムを利用した自動車は、初期始動に、3分ほどの時間がかかってしまう。これも今までは12分程度かかっていて、比べれば4分の1。(2000.11.20)
- 人工肝臓
- 九州大工学部の船津和守教授(化学システム工学)と同大医学部の杉町圭蔵教授(第二外科)の共同研究グループが、ブタの肝細胞と人工素材の「中空糸」を使った世界で初めての人工肝臓を開発した。実験では五カ月以上の長期間にわたって、人工肝臓としての機能を維持することに成功。肝不全などの慢性肝疾患の患者が、人工透析のような形で治療を受けられる道を開くものとして注目される。既に日米欧で特許申請しており、9月6日から福岡市で開かれる繊維学会で船津教授が発表する。
九州大医学部と工学部の研究グループ(代表者・杉町圭蔵医学部教授)が、ヒトの肝細胞を使った世界初の「高機能ハイブリッド型人工肝臓」の開発に乗り出した。国が公募した「革新的技術開発」に採用され、今後3年間で約1億円の助成を受ける。移植以外に道がなかった末期肝不全症の治療を目指す。 (2000.9.10)
- 熱を電気に変える
- 通産省工業技術院大阪工業技術研究所(大阪府池田市)は8月30日、発電所や工場から排出される熱で発電できる新物質の合成に成功した、と発表した。現在は捨てられているだけの排熱を有効利用できる可能性があり、地球温暖化防止対策で重要な二酸化炭素排出削減につながる研究成果として注目される。
合成したのはコバルトとカルシウムの酸化物の結晶で、熱を電気に変換する性質を持つ「熱電材料」と呼ばれる物質。これまでの熱電材料は、排熱の温度に相当する400〜500度以上になると効果が保てなくなったり、有毒な物質が出現していたが、新物質は700度でも効果を保つことが確認された。
今のところ、合成できたのは、長さ約1・2ミリ、幅約0・2ミリ、厚さ約5マイクロメートルの微小なひげ状の結晶だが、両端に1度の温度差を与えだけで210マイクロボルトの電気が発生。熱を電気に変換する効率は20%以上と見られ、従来の物質の10%前後を大幅に上回っているという。 (2000.9.3)
- ウンコ分解装置
- 富士山の頂上とか(月面とか、宇宙船内とか)、被災地とか、戦場とか、下水の無い場所でのし尿処理は深刻な問題。大阪府吹田市の「東陽鋼業」が寄付したトイレが富士山5合目に5機設置され、今年の夏に実験的な運用が続いていた。
このトイレは、便槽で水と混ぜて液状にし、微生物の付いた杉チップ約4立方メートルに浸透させながら分解する。分解後の水は水洗用として再利用でき、外部に水を出すこともなく循環する完結型。1日最高340人分のし尿を処理し、水と炭酸ガスに変えた。便槽におがくず500リットルを入れ、羽根を回して混ぜるが、臭いもほとんどなかったとのこと。水と電気が確保出来れば、5合目より上にも置けると期待できる。(2000.9.3)
- 多点式データ入力装置
- カナダのDSI Datotech Systemsは、指とスタイラスを用いての多彩なジェスチャを認識する、ヒューマン・インタフェースの入力システム「マルチタッチパッド・テクノロジ」を発表した。
現在、広く採用されているタッチパネルは、スタイラスや指先の1点だけを認識し、入力操作が行われている。しかしながら、4年の歳月を経て開発された新発表のマルチタッチパッド・テクノロジは、精度を大幅に向上させて、最大10本の両手の指のタッチを認識できる。また、指先とスタイラスのペン先の違いも正確に判別できるため、自然なサインを出してPCを操作することが可能になる。例えば、ピースサインで画面にタッチすることで特定のプログラムを起動させ、親指を画面上で水平方向にスライドさせるとインターネットに接続する、といった操作方法が実現する。(2000.9.3)
- イルカの言葉
- イルカは暗い水中や遠い距離でも、互いを判別する識別信号をニックネームのように使い、他のイルカと交信している。セントアンドルーズ大学の生物学者Vincent Janik氏が発表した。
Janik氏は、スコットランドのモレー湾沖に生息する野生のバンドウイルカを調査。6台の水中聴音器とコンピューター使い、1719種類の鳴き声を記録した。研究の結果、イルカはそれぞれが独自の鳴き声を発しており、あるイルカと接触を試みたい場合、そのイルカの鳴き真似をする。また、サルやほかの霊長類と同様に、イルカはえさを発見すると、特有の音を出して仲間に知らせるという。(2000.9.3)
- カラスの知能
- 宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授はカラスの脳を解剖した結果、知能の高さを示す指数でネコやイヌを上回り、数々の撃退策にも動じないカラスのしたたかさが科学的に裏付けられたと発表した。
脳の解剖は、都会でもよく見掛けるハシブトガラスを使って行われた。脳を取り出して重さを計ると、約10グラムでニワトリの約3倍、脳1立方ミリメートル当たりの神経細胞は約2万個でニワトリの6倍。脳細胞が高密度で、しかも知能の高い動物に特徴的な配列構造を成していることも確認された。
全体重に占める脳の重さは「脳化指数」と呼ばれ、動物の知能の高さを推し量る一つの指数だが、ヒトの場合は0.86。カラスはこの数値が0.16で鳥類の中ではずばぬけて高かった。イルカやサルには及ばないが、0.10以下のウシやウマより高く、さらにネコの0.12、イヌの0.14を上回った。(2000.9.3)