科学どうこう
その他
03/12/24 永久磁石で鉄球が浮遊、物理学の定理が覆ったか
02/07/25 非磁性材料における磁気形状記憶効果の発見
02/03/04 簡易な方法での核融合か
01/09/17 五重水素を確認
01/07/23 消えた反粒子・日本編
01/07/19 鉄の超電導性
01/07/10 ニュートリノの質量・日米韓のグループも発表
01/07/08 消えた反粒子に確証性の高い結果
01/06/19 ニュートリノの質量・追試
01/05/16 極低温でのアモルファスシリコン合成
01/03/12 39Kでの金属系超伝導物質
00/09/05 ヒッグス粒子の存在確認
00/07/31 消えた反粒子の謎
00/07/20 超光速を確認
00/06/17 ニュートリノの質量
00/06/02 光で動く液体
00/05/31 短期間の恐竜絶滅
00/05/30 重い同位体?

03/12/24 永久磁石で鉄球が浮遊、物理学の定理が覆ったか

 私立岩手高(盛岡市)の佐々木修一教諭(46)らが、永久磁石を使った磁性体の浮上実験に世界で初めて成功したと発表した。成果は米専門誌「ジャーナル・オブ・アプライドフィジックス」(来年2月号)に掲載される。
 佐々木教諭は約20個の鉄球(パチンコ玉)と、縦横約10センチ、幅が鉄球の直径ほどのプラスチック箱を用意。箱に鉄球を入れ、上から永久磁石を近づけると鉄球5、6個が1列に並び、その下でほかの鉄球が中空に浮くことを見つけた。
 物理学では、磁性体(鉄など)は永久磁石にくっつくか、反発して離れ落ちると考えるのが常識で、発見者の名を取り「アーンショウの定理」とされる。

(私の意見) 偶然の発見のようですが、工学的な応用範囲も広そうでなんかすごい。

02/07/25 非磁性材料における磁気形状記憶効果の発見

 眼鏡のフレームなどに使われる形状記憶合金は、温度によって形を変えるが、高温超電導物質のランタン系銅酸化物に、磁気によって形を変える「磁気形状記憶効果」があることを、電力中央研究所狛江研究所(東京都狛江市)の安藤陽一上席研究員らのグループが発見し、25日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
 磁石にくっつかない非磁性材料で、この効果が見つかったのは初めて。大きさが数ミリ四方程度しかない微小な機械の部品を動かす装置などに応用できると期待される。

(私の意見) 簡易化した遠隔操作技術というのは、安楽な生活につながりやすくて良いですね。

02/03/04 簡易な方法での核融合か

 米露の研究チームが、まったく新たな方法で「核融合」反応を起こす可能性がある実験に成功したと発表した。詳細は8日付の米科学誌サイエンスに掲載される。
 研究チームでは、実際に核融合を起こすことに成功したかは現段階では断定できないが、通常の核融合が起きた場合に放出される中性子などを検出したとしている。核融合は、水素やその同位体である重水素、三重水素(トリチウム)が結びついて重い元素になる際に、大きなエネルギーを放出する反応で、太陽も核融合で燃えている。無限のエネルギー源を得ようと、大規模な装置を使った核融合実験が国際協力で行われている一方、今回の実験のように、普通の実験道具を使って実現を目指す核融合の研究も実施されてきた。
 同チームは、重水素を含む液体のアセトンの容器に音波をかけ、内部のアセトンをかくはん、その上で中性子線を当てると、液体内部に直径1ミリ程度の小さな泡が生じ、この泡が壊れる時、通常の核融合で出る、大きなエネルギーを持つ中性子とトリチウムが検出されたという。
 核融合は1989年に米ユタ州の研究者らが、ビーカーの中の重水を電気分解して常温核融合を起こしたと発表し、一時世界的なブームとなったが、その後は実験に再現性がないことがわかり、科学スキャンダルとなったことがある。

(私の意見) 真摯な追求とその結果発表は科学の発展には欠かせないものだと思う。かつての常温核融合と同じように追試によってその結果の可否が確認されれば良い。

01/09/17 五重水素を確認

 理化学研究所の谷畑勇夫主任研究員らはロシアやフランスの研究チームと協力し、水素の同位体で、原子核が陽子1個と中性子4個で構成される「五重水素(クインチウム)」を世界で初めて確認したと発表した。宇宙には質量が太陽と同じくらいにもかかわらず、半径が10キロ程度しかない中性子星があるが、この発見は中性子星の形成や内部構造を解明する手掛かりになる。

(私の意見) 原子には、一般的なものよりも余分に中性子を含む原子があって、同位体と呼ばれる。普通の水素原子は中性子を含まず、陽子1個と電子1個だけから成っていて、原子としては一番単純な作りだ。これに中性子が1個増えた重水素、2個増えた三重水素は知られていて、三重水素は半減期約12年の人工同位元素。
 水素原子の中の中性子の限度はなんとなくこのあたりだと思っていたら、中性子星って中性子だけからできているんだろうと勝手に想像していたら、やっぱり物事を突き詰めて研究している人は違いますねー。

01/07/23 消えた反粒子・日本編

 文部科学省高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)の高崎史彦教授らはイタリア・ローマで開かれた国際シンポジウムで、宇宙から反物質が消えたなぞを説明する「CP対称性の破れ」という物理現象の存在を、「B中間子」とその反物質「反B中間子」の崩壊を比較する実験で、「99.999%以上の確率で示す観測結果を得た」と発表した。
 ほとんどの物質と反物質の対は、電荷(C)と空間(P)を反転させても対称だが、B中間子と反B中間子は対称ではなく、壊れ方に微妙な違いがあることが、実験で明らかになった。
 同様の観測結果は、米スタンフォード加速器研究センター(カリフォルニア州)も6日に発表しており、1964年に「中性K中間子」でCP対称性の破れが発見されて以来、37年ぶりに新たにCP対称性の破れを示す現象が確認されたことになる。

(私の意見) カリフォルニアからの発表と平行する発表。ニュートリノの質量といい、このCP対称性の破れといい平行した研究成果の発表が続きますねえ。あちらは99.997%でこちらは99.999%以上。もちろん、統計的に立証された数値ということでしょう。

01/07/19 鉄の超電導性

 鉄に超低温下で高い圧力をかけると電気抵抗ゼロの超電導になることを、大阪大大学院基礎工学研究科の清水克哉助手(高圧物性物理学)が実験で証明した。鉄のように強磁性の物質が超電導になるのを実証したのは世界初。英科学誌「ネイチャー」に発表する。
 超電導になった物質は電気抵抗ゼロに加え、磁力線が物質内部を通らない「完全反磁性」の二つの性質を示す。強磁性の物質は磁力線が内部を通っているが、鉄は10万気圧以上になると内部構造が変化して磁性を失うことから、理論的には超電導になり得ると予測されていた。
 実験では、絶対温度零度(セ氏マイナス約273度)に近い超低温で鉄に圧力をかけると、15万〜30万気圧で超電導になった。超電導になる最も高い温度は約20万気圧での絶対温度2度だった。

(私の意見) 身近な物質(大量に入手できる原子)も超電導になるということ。このままでは実用性は無いと思うけど実用性の高い超伝導方式の発見には大きなヒントになるんではないかなあと無責任に思う。

01/07/10 ニュートリノの質量・日米韓のグループも発表

 質量を持たないとされてきた謎の素粒子ニュートリノに質量があることを検証する実験をしてきた日米韓の研究グループ(代表・西川公一郎京大教授)は10日、97%強の確率で質量があると発表した。
 昨年7月段階では95%だった確率が今年4月までに加わった実験データで高まった。同グループは、質量ありという結論を出せる「99%以上の確率」を目指して実験を継続する。
 同グループは高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)で作ったミュー型を、約250キロ離れた岐阜県神岡町の観測装置「スーパーカミオカンデ」に向けて飛ばす実験に99年4月から着手。スーパーカミオカンデで64個観測されるはずのミュー型は実際には44個しか観測されず、一部がニュートリノ振動を起こし、タウ型に変わったと推定できる。ミュー型の減少数は理論上の予測値とほぼ一致した。

(私の意見) カナダグループと競うような形で、「スーパーカミオカンデ」を使った実験グループも結果発表。競争が厳しいですね。

01/07/08 消えた反粒子に確証性の高い結果

 米スタンフォード加速器研究センター(米カリフォルニア州)は現在の宇宙を構成する物質とは性質が正反対の「反物質」が宇宙から消えたなぞを説明する「CP対称性の破れ」の存在を99.997%の信頼性で示せるとした実験結果を発表した。同じ実験を続けている文部科学省高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)も近く同様の結果を発表する見込み。

(私の意見) ほぼ1年前の中間報告よりもさらに確証性の高い結果が出たということ。私のレベルは去年のままですねえ。

01/06/19 ニュートリノの質量・追試

 太陽から地球に届く素粒子「太陽ニュートリノ」に質量があることを示す観測結果を得たと、米、英、カナダの共同研究グループが18日(日本時間19日)、発表した。岐阜県神岡町の観測施設「スーパーカミオカンデ」を使った東大グループの研究以外で質量を観測したのは初めてで、これでニュートリノに質量があることが決定的になった。今後は、宇宙の重さや進化を考えるのに不可欠な質量そのものを決める作業が焦点になる。
 欧米の研究グループはカナダ東部のサドベリー・ニュートリノ天文台の観測施設を使って、太陽内部の核融合反応で発生し地球に飛んで来る太陽ニュートリノを観測し、「スーパーカミオカンデ」で得られた東大のグループの観測データと比較した結果、計3種類あるニュートリノのうち、「電子型」のニュートリノが別の種類に変化する「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象を確認し、ニュートリノが質量を持つ証拠とした。

(私の意見) ほぼ1年前の記事の結果を別の実験が再確認したわけで、ニュートリノの質量が確かめられたことになる。科学の進展のお手本みたいな(正統的研究であるから当然のことだが)展開ですね。

01/05/16 極低温でのアモルファスシリコン合成

 山梨大学の平岡賢三教授(物理化学)らは、零下220度以下の極低温状態でトンネル効果による化学反応で、ホルムアルデヒド、エタン、アモルファスシリコンを合成することに成功、米科学雑誌「サイエンス」に発表した。
 温度が低い方が、反応が早く進む。大面積の太陽電池製造や、オゾン層破壊における、成層圏雲の氷の粒上で起こる低温固相反応の解明、極低温の暗黒星雲内での分子生成反応の解明などが期待される。

(私の意見) 一般には温度が高い方が化学反応が進むが、極低温でトンネル効果が意味を持つような状況でも化学反応が促進されるというのは、画期的な発見と思える。なぜかというと、ひとつには宇宙工場を設ける理由(宇宙空間の方が極低温状態を得やすい)ができるし、もうひとつには宇宙空間で複雑な化合物ができれば生命物質が宇宙に由来する可能性が高まる。オゾン層破壊のような災害にも一役買っているとなれば、応用範囲はものすごく広い。
 トンネル効果が支配的な環境で製造機械を作ることになれば、機械自体の構造もずいぶんと変わることでしょう。

01/03/12 39Kでの金属系超伝導物質

 金属化合物の「二ホウ化マグネシウム」が従来の金属系超伝導物質に比べて約2倍高い温度で超伝導になることを発見した秋光純・青山学院大教授が、シアトルで開幕した米物理学会で成果を発表した。秋光教授らの実験の追認試験や類似の金属化合物の探索など関連研究も次々に報告され、1986年の高温超伝導フィーバーの再来となった。
 秋光教授のグループは二ホウ化マグネシウムが絶対温度39度(セ氏マイナス234度)で電気抵抗がゼロになる超伝導現象を起こすことを発見した。超伝導になる臨界温度は、金属化合物ではニオブ三ゲルマニウムの同23度が従来の最高だった。
 二ホウ化マグネシウムは安価で加工が容易なため、実用化されているニオブ・チタンに代わり、MRI(磁気共鳴画像化装置)などの超伝導部品に利用できると期待されている。
 同学会の記者会見で秋光教授は「3種類の金属を材料に新しい超伝導物質を探した。あと1週間で成果が出なければ、やめると決めていた。学生が金属を2種類にしたところ、超伝導になった」と、発見の経過を語った。

(私の意見) 金属系物質というところがみそ。酸化物超伝導体では臨界温度が125Kのものがある。加工しやすいというあたりがすごいんだと思う。

00/09/05 ヒッグス粒子の存在確認

 物質に質量を与える未知の粒子であるヒッグス粒子の存在を示す、これまでで最も信頼度の高い実験結果が、スイス・ジュネーブにある欧州合同原子核研究機関(CERN)で得られ、同機関内の研究会で明らかにされた。ヒッグス粒子は標準理論が予測する基本的な粒子のうちで、最後の未発見粒子。なお観測が必要だが、その存在が確かめられれば、素粒子物理学の大きな飛躍につながる。
 ヒッグス粒子は、英国の物理学者P・W・ヒッグスが1964年に提唱した。標準理論では質量がないはずの粒子に質量があるのは、「真空を満たすヒッグス粒子の抵抗で動きにくくなり、質量があるように見えるため」と説明される。

(私の意見) 我々の物質に対する理解に矛盾しない結果が得られたということらしい。理解の確認だから、これ自体があらたな知見につながるわけではないが、それ以外の理論を排除できる点で、探求の努力をまた別の方面に向けることができるからやはり画期的だ。

00/07/31 消えた反粒子の謎

 粒子と質量は同じだが電荷が正反対の「反粒子」が、粒子に比べてわずかに崩壊しやすいことを示唆する実験成果を得ることに、「文部省高エネルギー加速器研究機構」を中心とする国際チームが世界で初めて成功した。米スタンフォード大の国際チームも同様の結果を得た。大阪市で開催中の高エネルギー物理学国際会議で発表。いずれもデータ取得の中間段階だが、「宇宙から反粒子が消えたのはなぜか」という物理学の大きな謎の解明につながる成果。
 反粒子消滅を証明するにはB中間子と反B中間子の実験が適していることが分かり、米スタンフォード大学線形加速器センターは98年夏、日本側も昨年6月、それぞれB中間子の製造工場「Bファクトリー」を完成させ実験を始めた。どちらも電子と陽電子を衝突させてB中間子と反B中間子を作り出した。
 日本側は約700万対のB中間子と反B中間子を作り、そのうち、粒子の崩壊過程を詳細に追跡できる98対を比較した。その結果、反B中間子はB中間子に比べて約1000億分の1秒だけ早く崩壊していた。B中間子と反B中間子は正粒子が反粒子になり、それがまた正粒子に戻るという「振動」を繰り返すが、反粒子の崩壊がわずかに早いということは、振動を繰り返す間に、反粒子数が減り、代わって正粒子が次第に増える結果につながるという。
 日本側の現在のデータの信頼性は約90%で、来年中には現在の3〜4倍の観測数を得て、確証を得たいとしている。

(私の意見) この宇宙に正・反両方の粒子が同じように存在していたら、対消滅で物質は存在できない。だから、片方の粒子が多いのは我々にとって幸い。でも、正・反粒子でどうして寿命が違うの。どうしてそのせいで存在が偏るの。B中間子ってなに、とわからないことが多いなあ。

00/07/20 超光速を確認

 光のパルスを光速(秒速30万キロ)の300倍以上の速さで特殊なガスの中を通過させるという実験にNEC北米研究所(米ニュージャージー州)のリジュン・ワン研究員らが成功し、20日発行の英科学誌ネイチャーで発表した。光速より速いものはないという物理学の常識を覆すもの。
 ワン研究員らは、セシウムガスを閉じ込めた長さ6センチのガラス容器に、光の伝わる方向と平行に磁界をかけ、ある波長の光のパルスを通過させた。その結果、パルスは容器に入る1億分の6秒前に容器の反対側から出てくるように見えるという奇妙な現象が起きた。計算では、パルスは光速の300倍以上の速さで伝わったことになるとのこと。

(私の意見) しばらく前から新聞にも書かれていた話だが、とうとうネイチャー発表となった。こういう常識破りは、他の研修者の追試を待ちたい。この現象から導かれる理論と、その理論に基づく応用に期待して心躍る思い。とは言っても10年くらい前の常温核融合の話とか、注目を集めて結局消えてしまうようなものもあるから、ともかく様子を見よう。

00/06/17 ニュートリノの質量

 ニュートリノの質量の有無を探るために地中を約250キロ飛ばす実験をしている日米韓などの共同研究チームは、質量があることを示唆する実験結果をカナダのサドベリーで開催中の国際会議で発表した。ビームの長距離地中打ち込み実験で「質量あり」の兆候をつかんだのは世界で初めて。
 チームには、茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構など約20の研究機関が参加。実験では、つくば市の同研究機構から岐阜県・神岡鉱山地下の巨大水槽「スーパーカミオカンデ」へ、ニュートリノのビームを打ち込んだ。
 ニュートリノには、3つの型があり、質量があれば地中を飛ぶ間に別の型に変身すると考えられている。スーパーカミオカンデで検出された粒子数を、質量がなく変身がない場合に予想される数と比べることで、質量の有無がわかる。
 発表した中村健蔵・同研究機構教授によると、昨年6月から今年3月末までにスーパーカミオカンデで受けた数は17個で、質量がないと仮定した場合の29個よりも明らかに少なかった。「質量がないと考えることは、約95%の確率で支持されない」と述べるにとどめたが、会場の反応は好意的で「質量があると言い切ってはどうか」との意見も出た。

(私の意見) もちろんすごいのだが、ニュートリノに質量があると無いではなにがどうなるのかなあ。ダークマターの実体という噂も聞いたような気がするが、それでどうなるんだろう。

00/06/02 光で動く液体

 光を照射することによってサラダ油などの液体のしずくを動かすことに、東京工業大の市村国宏教授(有機光化学)の研究グループが成功した。光のエネルギーで物体を動かした世界初のケースで、微小な輸送システムや機械の動力源などに応用できるという。2日発行の米科学誌「サイエンス」に発表した。
 市村教授らは、紫外線をあてると液体が付着しやすくなり、可視光線を照射すると逆に液体を強くはじく性質を持ったアゾベンゼンという物質に着目。内径約2ミリのガラス管の内側をアゾベンゼンでコーティングし、中にサラダ油などの液体を数百マイクロリットル(マイクロは100万分の1)程度入れて紫外線を照射した。
 その後、紫外線を止め、管の一方の端から可視光線をあてると、液体は光に押されるように光の出ているのと逆の方向に1分間に3ミリの速度で移動した。光があたった側のアゾベンゼンが液体をはじきやすくなったのに、光があたっていない側のアゾベンゼンは紫外線によって液体になじみやすくなっていたため、液体がなじみやすい側に動いたため。
 サラダ油のほか、オリーブ油やテトラクロロエタンなどの有機溶媒も、同じように光によって動かすことができた。光をあてる向きを変えると液体の移動方向は変わり、ガラス管だけでなくガラス板の上でも同様の現象が起きた。しかし、水は被膜表面の分子に吸着する力がアゾベンゼンにはじかれる力より強いため、光で動かすことはできなかった。
 市村教授は「この原理は微小な輸送システムや機械の動力源などに応用できる。水を光で動かすことができるようになれば、応用範囲はかなり拡大する」と話している。

(私の意見) どういう応用があるのか具体的に思い浮かばないが面白い。確かにマイクロマシンでの利用はあり得ると思うけど。

00/05/31 短期間の恐竜絶滅

 中世代に栄えた恐竜は、白亜紀末期の約6500万年前に起きたいん石の地球衝突の後、数週間という短期間に絶滅したとする研究結果を、米ミルウォーキー博物館のピーター・シーハン博士などのグループがまとめ、31日発売の米地質学雑誌「ジオロジー」に発表した。恐竜の絶滅の謎をめぐってはさまざまな仮説が唱えられているが、今回の研究は詳細な現地調査に基づくもので、絶滅原因の有力説の一つとして注目を集めそうだ。
 研究グループは、米モンタナ州とノースダコタ州にまたがる恐竜化石の宝庫「ヘル・クリーク地層」を3年にわたって調査を続け、1000体近い恐竜化石を入念に調べた。その結果、地球には少なく、いん石に多く含まれるイリジウムに富んだ約2センチの層があり、恐竜化石はその上の層にはまったく存在しなかった。同グループは「いん石衝突の時期に恐竜が絶滅したことが裏付けるデータだ」と指摘している。
 また、同じ恐竜種で時期の異なる化石の形態を比較した結果、形態の変化がほとんどなかった。これについて、同グループは「長期間かけて絶滅したのであれば、何らかの変化が起こるはずだ。形態の変化がないことは恐竜が種としての健全さを保ったまま、短期間に絶滅したことを示している」と分析した。
 同グループは地球に巨大ないん石が衝突した後、数週間にわたって続いた猛烈な寒冷化が恐竜の絶滅を引き起こしたとみている。
 恐竜絶滅の原因には、いん石衝突説のほか、大規模な火山活動による絶滅説などがある。いん石衝突説の中でも、恐竜はいん石衝突前にすでに絶滅への道が始まっており、いん石衝突が絶滅を加速したとする長期絶滅説も唱えられている。

(私の意見) 恐竜絶滅は地球の生命史の中で注目の集まるところで興味深い。しかし、研究はさまざまな努力の集積結果であり、今回の発表もその一つということだろう。今後、短期絶滅説が有力になれば人間はますます安閑としていられなくなる。
 SF的に(かつ無責任に)考えるなら、この説では偶然の隕石が地球生命の運命をすっかり書き換えてしまったことになり、人間の存在が高度の偶然になる。それとも、こうなることを見越して誰かが隕石を送り込んだのだろうか。
 ああ、もう少し長い時間で考えるなら隕石による繁栄種の絶滅/交代は何度も恒常的に起きている必然現象なのかな。これを生き延びるためには知性を発達させるしかないから、数千万年の間に知性を発達させずに繁栄した種は絶滅して、次の別の種に繁栄のチャンスを与えることが繰り返されているのかな。つまり、知性の発生は宇宙の必然と見ることもできるわけだ。

00/05/30 重い同位体?

 理化学研究所の谷畑勇夫主任研究員は、陽子数や中性子数がある決まった数の場合、原子核が安定することで知られる「魔法数」(マジックナンバー)について、中性子数が陽子数よりも非常に多い原子核(同位体)では、中性子数が「16」で安定することを世界で初めて発見したと発表した。研究成果は最も権威ある米国の物理学専門誌「フィジカル・レビュー・レターズ」6月12日号に掲載される。

(私の意見) 普通の水素より17倍重いとか、普通のヘリウムより4.5倍重い同位元素が安定的に存在するということを、示唆しているように思える。極低温下での固体ヘリウムとか、物理現象として今まで無かったようなことが考えられそうで画期的だと思う。すぐに人間生活に影響することはないと思うが、科学の追究はもともとそういうものの積み重ねだ。
 <その後の追加情報として、ヘリウムや酸素が宇宙に大量に存在することの原理として魔法数という概念があるらしいことを知った。金やプラチナは既知の魔法数と関連しないのに比較的多く存在することを、今回のあらたな魔法数で説明できるようだ。そういうわけで、この話は重い同位体の存在を直接示唆するようなものではないみたい。(2000.6.12追記)


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