科学どうこう
宇宙論
02/04/15 最古の白色わい星
02/04/15 クォーク星を発見?
02/01/24 銀河はこれまで思っていたより質量が大きい
01/04/30 宇宙の2/3は銀河以外の光?
01/03/23 暗黒物質の一部は白色わい星
00/05/01 平らな宇宙
00/05/01 未知の力

02/04/24 最古の白色わい星

 米航空宇宙局(NASA)はハッブル宇宙望遠鏡を使った観測で、銀河系の中にある約127億歳の白色わい星を見つけたと発表した。100億歳を超える天体の発見は初めて。
 白色わい星は軽い恒星の進化の最終段階にある暗い天体。観測グループは球状星団「M4」の周辺を探し、光度が30等級の非常に暗い白色わい星を見つけた。星の冷却速度をもとに、星の年齢を算出したところ、122億〜132億歳と判明した。これからビッグバンで宇宙が誕生したのは130億〜140億年前と推定できる。

(私の意見) 3月にハッブル宇宙望遠鏡の解像度が10倍になってその成果ということだろうか。あらたな技術があらたな知見につながることの好例と思える。
 (2002.5.2追記)ハッブル宇宙望遠鏡の新画像(視野の広さと解像度は各2倍、感度は4.5倍、観測効率は10倍)の公開は4月30日だったそうだから、これはもしかすると旧来の性能の写真を利用したもの。あらたな技術が…てのはいずれにしてもまあその通りだけど。

02/04/15 クォーク星を発見?

 チャンドラとハッブル宇宙望遠鏡で「みなみのかんむり座」にある天体 RX J1856.3-3754を観測したところ、この天体の直径がたった11.3kmしかないことがわかった。これは、超新星爆発のあとにできる中性子星よりもさらに小さく密度が高く、この天体は「クォーク」でできているのかもしれない。クォークとは、陽子や中性子を構成する最小単位となる粒子のことで、地球上の実験室以外で観測されたことはない。もし本当にクォークで構成されている天体だとすれば非常に興味深い結果。
 また、「カシオペヤ座」にある天体 3C58は、1181年の超新星爆発の時にできたと考えられているが、予想されるX線の放射が観測されなかったことから、研究者たちは「3C58は100万度よりも低温である」と結論づけた。この天体の少なくとも一部はクォークでできている可能性がある。

(私の意見) X線望遠鏡チャンドラのひとつの成果。それにしてもクォークって具体的なイメージがないんだけどなあ。

02/01/24 銀河はこれまで思っていたより質量が大きい

 国立天文台によると、太陽が存在するわれわれの銀河系の質量は、外側に広がる暗黒の銀河ハローを含めて、太陽の約2兆倍とされ、この値は、15年前に考えられていた値より1桁大きくなった。銀河系を含めて多くの銀河は、星によって光って見える部分の外側に、銀河ハローと呼ばれる暗黒の物質が分布している。現在は、星が分布している部分の質量よりも銀河ハローの質量の方がはるかに多く、銀河系質量の大部分をハロー部分が占めていることも確実になっている。
 この結果、銀河系内における太陽の位置はこれまで考えられていたより銀河中心に近く、また、銀河の回転速度が国際天文学連合(IAU)で採用している値より小さいことになる。

(私の意見) 銀河の質量がこれまでより大きくなったということは、暗黒物質の存在場所がもう明らかになっちゃったということなのかなあ。宇宙の構造解明は、我々の生活圏がどれくらい長く存続できるのかにかかわるから、重大問題だ(って、1億年以上先の心配をしてどうする)。

01/04/30 宇宙の2/3は銀河以外の光?

 国立天文台、東大、京大の合同チームは、すばる望遠鏡ファーストライトの直後に撮影された「すばるディープフィールド」のデータを解析した結果、この画像には宇宙の果てまでに存在している銀河起源の近赤外光の90%以上が、個々の銀河として写っていることがわかったと発表した。
 これはハッブル宇宙望遠鏡で撮影された「ハッブル・ディープフィールド」の結果を凌ぐもので、「すばるディープフィールド」が宇宙を最も奥深くまで見通した画像であることを示している。
 波長2.1ミクロンの近赤外線で撮影された「すばるディープフィールド」の画像には、24.5等級の銀河までが検出されており。研究チームが銀河の数を明るさごとに数え上げ、グループの独自の銀河進化モデルと比較した。その結果、宇宙の果てまでにあるすべての銀河から来る近赤外線のうち、90%以上が、「すばるディープフィールド」で個々の銀河に分解されて写っていることが明らかになった 。
 今回の結果は、宇宙の果てまでに存在するすべての銀河の光を集めると、宇宙がどれくらいの明るさになるかを示しているが、今回得られた銀河の光は人工衛星などを用いて測定された宇宙の明るさの3分の1にしかならないことがわかった。残りの3分の2は銀河から発せられたのではない、未知の光であり、その解明が今後の天文学のテーマになる。
 この結果は、2001年4月1日発行のアストロフィジカル・ジャーナル誌に掲載された。

(私の意見) 公式発表とは言え、宇宙の明るさの2/3が銀河以外の光だというのはにわかに信じがたい。暗黒物質の存在は、全宇宙の質量の多くが目に見える銀河の質量よりもはるかに多いという観測結果から推測されたものだが、宇宙の光も多すぎるってことですねえ。余分な光が暗黒物質に依存しているなんてことになると言葉的には矛盾していて面白いですが。

01/03/23 暗黒物質の一部は白色わい星

 宇宙の未知の物質である「暗黒物質」の有力候補とされる低温の「白色わい星」を銀河系の中で38個発見したと、米英の研究グループが23日発行の米科学誌「サイエンス」に発表した。白色わい星が多数見つかったのは初めてで、同グループは暗黒物質の最大35%を白色わい星が占めると推定している。これが正しければ、約70年間にわたる謎だった暗黒物質の正体の一部が解明されたことになる。
 発見したのは米カリフォルニア大バークリー校のベン・オッペンハイマー博士らのグループ。
 白色わい星は地球ほどの大きさで高密度の天体。太陽のような恒星の進化の最後の姿と考えられている。冷えて暗くなると、見えなくなる。理論では暗黒物質の有力候補の一つとされながらも、ごく少数しか発見されず、確証はなかった。同博士らは南米チリにあるセロ・トロロ天文台の反射望遠鏡(口径4メートル)を使って、南天の約10%を占める領域を観測した。従来の観測とは別の波長の光を観測することによって、地球から450光年の範囲内で69個の暗い天体を見つけ、このうち38個を白色わい星と特定した。
 質量や分布から計算したところ、暗黒物質の3%以上を白色わい星が占めることが分かった。同博士は観測精度などを考慮すると、最大で35%を占めると推定し、「白色わい星が暗黒物質の一部であることを、初めて観測で実証した意義は大きい」と話している。

(私の意見) ダーク・マターと英語読みするとまた違った雰囲気のある暗黒物質だが、その一部は正体がすでにわかっているもので説明できるという説。宇宙を覆う謎の巨大生命体群かも知れないというSF的に短絡した期待が裏切られてちょいと残念だが、科学てのはそういうものでしょう。未知の現象が、既存の概念で説明できないことの方が少ないのは当たり前のことなわけで、SF的創造力はまた新たな境界域(ふろんてあ)を求めてはばたくのでした。もっとも暗黒物質にもあと65%の未知が残っているけど。

00/05/01 平らな宇宙

 伊・英・米などの国際研究チームは2000年4月27日のネイチャー誌に宇宙の曲率に関する論文を発表した。これに先立つ形でNASA(アメリカ航空宇宙局)は26日にビッグバン直後の宇宙のイメージ画像を公表した。
 アインシュタインの一般相対論によれば、宇宙は物質の分布や状態に応じて曲がる。宇宙は曲がっていて閉じているか、それとは逆に反っていて開いているか、平らか、の3通りが考えられる。最近は「開いた宇宙」説と、「平らな宇宙」説が競っていた。
 研究チームが南極上空の気球に設置したマイクロ波望遠鏡で、100億−200億年前のビッグバンの痕跡とみられる宇宙背景放射(マイクロ波)を調査した結果、平らな宇宙のイメージを示す温度分布が得られた。その結果は、「平らな宇宙」説を支持するもだった。
 宇宙は誕生直後に爆発的な膨張をしたとするインフレーション理論の提唱者の1人、佐藤勝彦東京大学教授(宇宙論)は次のように語る。
 「私たちが住む世界がどうなっているかという宇宙論の大きな問題をほぼ決着させるとともに、インフレーション理論を強く支持する結果だ。宇宙は現在第2のインフレーションにあるといえるが、それは永遠に続くのか、あるいは最初のときのように終わる可能性もあるのか。21世紀の宇宙論に新たななぞが加わった。」

(私の意見) いつの間に、平らあるいは開いた宇宙説が有力になったのだろう。私は閉じた宇宙説が一般的だと思っていた。その前提で書かれたSFとしてソウヤーの「スター・プレックス」、バクスターの「タイム・シップ」、アンダースンの「タウ・ゼロ」を挙げることが出来る。この話は私に不意打ちとなったが、NASAのブーメラン・プロジェクトはたぶん、そういう宇宙説の検証のために行われたのだろうなあ。
 当初のニュースには「ビッグバン直後の宇宙は平らだった」と書かれていたのでビッグバンが2次元的に広がったということかと思って私は混乱した。そのあとの表題では「宇宙は平らなまま膨張続ける」とか。”平ら”というのは普通の日本語では2次元平面が歪んでいないことを言うと思うからこの表現でも良くわからない。原文は cosmologically flat になっている。”宇宙論的な意味で平滑”というのはやっぱり意味不明な訳だろうなあ。
 報道の中の”第2のインフレーション”について理解できない。宇宙のどこかで(宇宙論的意味で)最近になって物質が生成されているという意味なんだろうか。そもそも最近の宇宙論で宇宙が閉じていないと言われるようになったのは、どんな根拠なんだろう。
 それから、ビッグバン当初の宇宙がどんな風に偏っているにしても、ある種の力が働いて結果として平らな宇宙になるという話も出ていて、これについてもどういうことなのか良くわからない。最近の宇宙論について平易な解説を望む。

00/05/01 未知の力

 1998年9月25日、米ロス・アラモス国立研究所は太陽系外を航行している「パイオニア10/11」探査機と、太陽を周回する極軌道にある「ユリシーズ」太陽探査機の軌道に、未知の力が影響を与えている可能性が強いと発表した。発表によれば各探査機の軌道がそれぞれ計算と微妙にずれていることが、1980年頃から継続的に観測されており、既知の全ての物理現象を考慮に入れても、なお太陽方向に地球の表面重力の100億分の1の加速度がかかっている。
 この観測が意味するものは、相対性理論では説明できない重力の高次項が存在し、超相対論を構築する必要が出てくる可能性だ。

(私の意見) この発表を受けて、どういう理論が構成されているかは興味のあるところ。とはいえ、最近関連する話を知らない。微妙な問題だから進展がないのか、それともすでに第5の力が見つかっていて、国家機密扱いになっているとか。後者は国家的陰謀がたくらまれているとかいう妄想につながっていく。


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