東京都区内(特別区)の温泉・鉱泉

 

この地域における温泉の特色

東京都区内(特別区)に湧出する温泉の特色

 東京都区内の温泉は、海水や植物及び海藻などが埋没によって地中に閉じ込められ、これらが長期

にわたって分解したことに起因する。これらはフミン酸などの有機物を含み、このような有機物が分

解することによって重炭酸塩を生じ、さらには水素イオン濃度(pH)が8以上のアルカリ性になるこ

とから、これら有機物が溶出して茶褐色(コーヒー色)を帯びていることが特徴であり、北海道などで

「モール(植物)泉」と呼ばれているものと同様のものである。しかしながら、北海道のモール泉のよう

に温度の高いものではなく、泉温の低い冷鉱泉が主であり、泉温の分類による温泉は古くから存在す

るものを含め、全て大深度掘削によるもので、新宿十二社、浅草観音、江東楽天地、平和島などに加え、

ここ数年急ピッチで開発が進んでいる目黒区東山、世田谷区瀬田、板橋区宮本町、足立区保木間、葛飾

区奥戸、大田区下丸子、文京区春日、江東区青海、練馬区向山、杉並区高井戸、渋谷区松濤、新宿区戸山、

豊島区駒込などがある。これらのような大深度掘削による温泉の開発は今後も増える傾向にある。

 また、性質的には化石海水型の温泉に分類され、泉質は植物などの分解による重炭酸及び海水を多

く含有することから、殆どが重曹泉又は食塩泉であり、一部には鉄泉も見受けられる。特に、最近開発

された大深度掘削によるものは、塩分を多く含む強食塩泉が多く見られる。この他には、茶褐色の温

泉でありながら療養泉の規定を満たさず泉質を与えられないもの、或いは普通の地下水が温泉法に

よるメタ珪酸の規定含有量を超えて温泉に認められたものも比較的多く存在する。

 都区内の温泉は、約半数以上が大田区に集中しており、公衆浴場としての利用が殆どで宿泊施設で

の利用は一部に過ぎない。また、茶褐色の温泉はその色から「黒湯」とも称されるが、鉱泉分析法指針

に基づく温泉分析を行なっていないために温泉と認められていない「鉱泉」として利用しているもの

や、鉱泉分析法指針に基づく温泉分析が行なわれ現に温泉と認められていながら温泉法による各種

申請が未だ行なわわれていないため、台帳に登録されていないものも多く存在する。これらの「鉱泉」

は実態を把握しにくいため、周知されていない。

 最近この地域で開発が進捗している大深度掘削については、ゆう出メカニズムが未だ解明されて

おらず、単に根拠もないままに揚湯制限を設けているだけでは抜本的解決にはならないだけでなく

源泉保有者にとっても説得に欠ける部分が多い。今後早急に解明しなければならない課題である。

 

東京都区内(特別区)の温泉・鉱泉

地 域 温泉の区域 温泉地名 (一般に利用できないものを含む。)
特別区

江戸川区の温泉

(江戸川区) つるの湯、あけぼの湯、乙女湯、東葛西温泉
葛飾区の温泉 (葛飾区) 東京天然温泉(古代の湯)
墨田区の温泉 (墨田区) 楽天地温泉、御谷湯、銀座湯、泉湯
江東区の温泉 (江東区) 大江戸温泉、アパ東雲温泉
中央区の温泉 (中央区) 新川温泉
台東区の温泉 (台東区) 浅草観音温泉、貞千代温泉、六龍鉱泉、鴎外温泉、蛇骨湯
足立区の温泉 (足立区) 保木間の湯、大谷田温泉
板橋区の温泉 (板橋区) 板橋温泉(スパディオ)、ときわ健康温泉(第二登喜和湯)
練馬区の温泉 (練馬区) 豊島園庭の湯
豊島区の温泉 (豊島区) 池袋温泉(北欧風温泉サウナキイバ)、駒込温泉、桃仙温泉
文京区の温泉 (文京区) 小石川温泉(東京ドーム天然温泉ラ・クーア)
新宿区の温泉 (新宿区) 新宿十二社温泉、アパ新宿戸山温泉
杉並区の温泉 (杉並区) 高井戸温泉

中野区の温泉

(中野区) 中野温泉鶴乃湯
渋谷区の温泉 (渋谷区) 渋谷上原温泉(第三エビス湯)、ナポリスチーム会館
港区の温泉 (港区) 麻布温泉、芝浦温泉、海水湯、金春湯、竹の湯、五色湯
品川区の温泉 (品川区) 西小山温泉、荏の花温泉、八幡湯、武蔵小山温泉(清水湯)
目黒区の温泉 (目黒区) 鷹番の湯、大江戸東山温泉
世田谷区の温泉 (世田谷区) そしがや温泉(福の湯)、新寿湯、第二淡島湯、瀬田温泉

大田区の温泉

(大田区) 六郷温泉、鶴乃湯温泉、池上温泉、辰巳湯、龍(辰)の湯、

    第一(第二)兼六湯、益の湯、第三松の湯(鵜の木天然温泉)

 

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