リキュール・ベース
リキュール(Liqueur)
 怪しげでカラフルな色にも、無色で輝くものにも、人を引きつける魅力がある。
 お酒を調べていると神秘的な酒にぶつかることがある。リキュールというのはラテン語のリクオル(液体の意味)からきていて、その多くが薬から出発しており、調合を外部に発表しないため、今でも原料や製法のわからない酒がたくさんある。
 寺院や修道院で作られる酒は、モンク・リキュールとも呼ばれるが、専門的にはエレクシール級という良質の酒に分類され、すばらしい神秘的なものが多い。
 過去、神からさずかった酒を毎日一杯飲むことで元気になれると、多くの人々が信じていた。実際に病気が治った人たちもいたため、皆、神の信者になっていたのだ。
リキュールの分類
種類 分類されるリキュールの名称
ハーブ系の
リキュール
シャルトリューズ(薬草、香草)、ベネディクティーヌ(薬草、香草)、イザラ(薬草、香草)、ガリアーノ(薬草、香草)、ウンダーベルク(薬草、香草)、ペパーミント(はっか)、ヴァイオレット(すみれ)、グリーン・ティ(茶)など
スパイス系の
リキュール
サンブーカ(にわとこの実)、バニラ・リキュール(バニラ豆)、アマルーラ(アマルーラの実)、クレーマ・デ・アルメンドラード(アーモンド)、カハナ・ロイヤル(マカデミアナッツ)、ティラミス(アーモンド、コーヒー)など
フルーツ系の
リキュール
キュラソー(オレンジ)、コアントロー(オレンジ)、アプリコット・ブランデー(あんず)、マンダリン(オレンジ)、チェリー・ブランデー(さくらんぼ)、マラスキーノ(さくらんぼ)、カシス(すぐり)、メロン・リキュール(メロン)など
ナッツ・シーズ系の
リキュール
アニゼット(アニス)、ペルノー(アニス)、パスティアス(アニス)、カンパリ(レモン皮、シーズ)、カカオ・リキュール(カカオ豆)、コーヒー・リキュール(コーヒー)、ノアゼット(ヘーゼルナッツ)など
特殊系の
リキュール
ドランブイ(蜂蜜、香草9、グレイヴァ(蜂蜜、香草)、アイリッシュ・ミスト(蜂蜜、香草)、ベイリーズ(クリーム)、アドヴォカート(卵)、ミルウット(クリーム)、ヘザー・クリーム(クリーム)、モーツァルト(クリーム)など
 カクテルのお酒としてリキュールが多く用いられるのは、その色の美しさにあります。リキュールに分類されるお酒は甘いお酒で、その多くは食後酒として飲まれます。また、リキュールに分類されるお酒で苦味の強い酒は、逆にアペリティフ(食前酒)として用いられます。
 お酒の大半は薬酒として出発して、現在に至っていますが、薬効のあるお酒はこのリキュールがいちばん多いのです。取り上げた8ベースのうち6つの蒸留酒はアルコール分の強いお酒で、薬効は少なく、アルコール作用で食欲を増進し、酔うことによってストレスを解消するくらいの医学的効果しかありません。リキュールの原料は薬草入りが多く、ハーブ(香草)、スパイス(木の実)として取り扱われるものも多いということを頭に入れておいてください。修道院のお酒に、そのようなものが多いのです。
 カクテルの材料としてこれらのリキュールを買い求めるときは、その酒の原料として何が入っているかを調べる必要があります。また、同じ種類のリキュールでもメーカによって甘みが違うこともありますので、リキュールの甘みにも注意しましょう。

リキュールの銘酒たち
ぺパ-ミント・ジェット27 ペパーミントはイギリス系の読み方で、フランスではクレーム・ド・メントという。1796年から発売されている。ベネディクチン社製で、ジェット31というホワイト・ミントもある。5種類のミント(はっか)を使用。
カカオ・ヒーリング チョコレートの味がするカカオのリキュール。デンマークのダニッシュ・ディスティラーズ社製。カカオ・ビーンズを焼いてアルコールとともに蒸留して香味を取り出し、バニラの香りを付ける。
カンパリ イタリア産のビター(苦味酒)。ミラノで1860年、ガスパーレ・カンパリが製造・販売を開始し、息子のダヴィデがカンパリという商品名にした。ダヴィデ・カンパリ社製。同社ではコーディアル・カンパリも出している。
 
主なカクテル カンパリ・ソーダカンパリ・オレンジ
フランジェリコ ヘーゼルナッツのリキュールである。フランス語でノアゼット、日本語でははしばみという。近年流行のリキュールで、この製品は、このほかに数種のベリー類を入れてつくられる。バルベロ社の製品。
ドランブイ ハニー・リキュールである。イギリス、スコットランドのスチュアート家の秘酒を、マッキノン家に伝授。1906年から製造・販売した。ドランブイ・リキュール社製。酒名は「満足すべきもの」の意。
パッソア パッション・フルーツ・リキュールである。パッション・フルーツは奄美大島から鹿児島まで栽培されるようになり、これを用いたリキュールは日本でも新しい流行の酒となった。アルコールドは20度、フランス製。
ぺルノー アニスのリキュールである。1797年アンリ・ルイ・ペルノが創設したペルノ社の製品。アブサンが禁止された後、この酒に代わるものとして販売している。同社でも以前は68度のアブサンを売っていた。第一次大戦後に発売された。
ベイリーズ クリーム・リキュールでアイルランド産である。近年流行の中にクリーム・リキュールがあり、日本にも大量に入っているが、早い時期に輸入され、これはその火付け役となった。R&A・ベイリー社製。
ロマーナ・サンブーカ サンブーカ・リキュールである。エルダーベリー(にわとこの実)を主に甘草などを配したリキュールで、若者に人気の酒となり、日本にもだいぶ輸入されている。バリーニ社の製品。もともとはイタリアのリキュール。



リキュール・ベースのカクテルたち
カンパリ・ソーダ(Campari&Soda)
イタリアに行きたい&行った、そんな彼女たちに大人気
 カンパリはものすごく苦い、アペリティフ(食前酒)です。
 そのためか、あまりわが国では好まれなかったのですが、時代の流れか、今では若い女性を中心に流行しています。
 アペリティフはあとの食事との関係が大事で、おなかをいっぱいにしないように飲みすぎないのが原則。ですが、これも時代の流れか、ソーダ水で割ったカンパリ・ソーダなどでも正式なコースに出されています。
 カンパリ・ソーダには甘みがすくないので、甘口が好きな人にはカンパリ・オレンジがおすすめです。カンパリ・ソーダの流行がアペリティフ向きのお酒のブームを作り、その後、いろいろなアペリティフのお酒が輸入されるようになりなした。
テイスト:
 やや辛口
アルコール度数:
 9度
材料:
 カンパリ・・・・・・・・・・・・・・・45ml
 ソーダ水・・・・・・・・・・・・・・残部
 レモン・スライス・・・・・・・・1枚
作り方:
@タンブラー、またはソーダ・グラスにカンパリをそそぐ。
A氷塊を加え、ソーダ水で満たし、レモン・スライスを飾る。
カンパリ・オレンジ(Campari&Orange)
女性は、苦みの強いカンパリのジュース割りが好みのよう
 カンパリはイタリアの有名なアペリティフ(食前酒)です。この酒を用いた代表的な飲み物が前述のカンパリ・ソーダであり、そのアレンジがカンパリ・オレンジです。ソーダ水の代わりの、カンパリをオレンジ・ジュースで割った飲み物です。
 このカクテルはカンパリが輸入され、カンパリ・ソーダが日本に定着したとき、もっと甘口のカクテルをという要求で登場しました。
 カンパリは苦みの強いお酒ですが、オレンジ・ジュースを加えることで甘くでき、苦みがやわらぎます。
 使用グラスは、缶やビン入りのオレンジ・ジュースを使うなら、普通のウイスキー水割り用のグラスでもかまいませんが、生のオレンジ・ジュースを使うなら1個から取れるジュースの量が少ないので、小型タンブラーを使うほうがよいでしょう。
 マドラーで、グラスの中のオレンジ・スライスを潰しながら飲むのもおいしい。 
テイスト:
 やや辛口
アルコール度数:
 12度
材料:
 カンパリ・・・・・・・・・・・・・・・45ml
 オレンジ・ジュース・・・・・・・残部
 オレンジ・スライス・・・・・・・・1枚
作り方:
@タンブラーにカンパリをそそぐ。
A氷塊を加え、オレンジ・ジュースで満たし、オレンジ・スライスを飾る。