ラム・ベース
ラム(Rum)
 大航海時代の船員たちに好まれた酒。いまや世界がラムの、甘い香りに酔いしれる。
 イギリスの17世紀の文献にランバリオン(興奮というデボンシャー地方の方言)という酒が登場している。もともと中南米に船出した船員たちのスラング”ラムボーリング”という言葉がこの酒を意味し、それがラムボーと変化したのち、ラムとなったという。
 イギリスの船が7つの海を走りまわり、「太陽の昇るところから沈むところまでにイギリス領のないところはない」といわれていた時代に、船員たちがよく口にしたのがラムであった。
 ほかの酒に比べると値段が安いが、これは糖化する工程が省かれるためである。ラムとラム系統の酒を合わせていると、今でも世界で最も飲まれている酒と言われている。
ラムの種類
種類 産地・原料・製法
ラム 中南米産のものをラムというが、中南米から製品化する寸前ものを持ち帰り、最後の仕上げを中南米以外の地で行ったり、原酒を持ち帰って製品化までの工程を行ったりもする。ヘヴィ、ミディアム、ライトの3タイプに分かれる。
アラック 東南アジアで生産されているラム・タイプの酒である。原料は、糖蜜、糖蜜とヤシの樹液、糖蜜と米、ヤシのジュースなどがある。その中でいちばん有名なのは、バタヴィア・アラックである。
ビンガ ブラジル産の糖蜜を原料に、発酵・蒸留したラム・タイプの酒である。製糖工場の副産物としてつくる場合が多いが、糖蜜から直接つくる場合もある。良質のものをピンガといい、それ以外の製品はカシヤッサという。
アラキ エジプト原産のラム・タイプの酒。ヤシの樹液が主であるが、糖蜜も使用することがある。1590年(天正12年)にわが国に最初に紹介された酒で、ポルトガル人が持ち込んだ最初の洋酒のひとつ。漢字で「荒気酒」と記載された。
 ラムの産地は中南米のすべての国々、島々といえます。さとうきびの蔗糖汁(しょとうじる)を発酵、蒸留してつくったお酒で、ヨーロッパから新天地を求めて進出したヨーロッパ人の船員たちが口にして、世界に広まったお酒です。
 最近はラムを専門につくっている酒造会社もありますが、製糖工場で生産過剰によって値段が下がった砂糖を原料にしたり、砂糖製造工程中に煮詰めて上に浮いたカスや、砂糖をつくったあとのカスを原料にしてつくったりもします。
 ラムは、味によりライト・タイプ、ミディアム・タイプ、ヘヴィ・タイプがあり、ライト・タイプは無色か薄い色、ヘヴィ・タイプはダーク、ミディアム・タイプはどちらかの色に着色されています。ヘヴィ・タイプは樽で熟成させるためライト・タイプより値段が高いのですが、同じタイプのラムだとあまり値段の差はないので、どこのメーカーのものをカクテルの材料にしてもかまいません。
 カクテルの色を副材料で出したいときは無色のラムが好ましいのですが、色に関係なく味に重点を置くときは、ダーク・ラムがよいでしょう。
 アラック、ピンガ、カシヤッサなどはラムに類似する酒ですが、ラムの代用としてカクテルに使用することはあまりありません。

ラムの銘酒たち
マイヤーズ ジャマイカ・ラムである。ダーク・ラム(いちばん色の濃いラム)で、フレッド・L・マイヤーズ&サン社製。生産地で蒸留したあと、オーク樽でイギリスに運ばれて熟成、製品化する。豊かな香りと風味がある。
ロンリコ・ゴールド プエルト・リコ産のラムである。1860年創立のロンリコ・ラム社の製品。酒名はロン(ラム)とリコ(豊か)の合成語。ライト・タイプのラムで、ゴールドのほかにホワイトと151P(プルーフ)がある。ゴールドは樽熟成させている。
ラムス・ネイヴィー ジャマイカ・ラムである。英国海軍とラムとは昔から関係があり、多くの逸話も残っている。1655年から1970年まで毎日、英国海軍ではラムが支給されていた。酒名は、海軍にちなんでつけられた。ホワイト・タイプ。
コックスパー・
ゴールド
バルバトス島は、ラム発祥の島と言われ、同島でもトップ・クラスの会社、ハンシェル・イニス社製。製糖後のモラセスを原料にして、発酵後2回蒸留してつくり、2年間熟成させる。酒名は「雄鶏のけづめ」。
マウント・ゲイ バルバトス・ラムである。西インド諸島、バルパトス島のマウント・ゲイ蒸留会社製。酒名は、17世紀同島のさとうきびの農園主、ウィリアム・ゲイから来ている。オーク樽を使用。
レモン・ハート・
デメララ151P
ガイアナ産のラムである。ハート家は、砂糖や、ラムの貿易商であったが、レモン・ハートの時代に英国海軍のラム業者になった。1804年からの銘柄で、この製品は75.5度の強いラム。ジェームズ・バロー社の製品。
ドンQ・ゴールド プエルト・リカン・ラムである。デスティレリア・セラレス社製。ゴールドのほかにクリスタル、151Pがある。酒名は「ドン・キホーテ」から付けられ、ラベルにも描かれている。ブーケ(香り)と口あたりがよい。ライト・タイプ。
キャプテン・
モルガン
プエルト・リカン・ラムである。キャプテン・モルガン社製。一般のラムと異なり、スパイスや天然の香りを付けている。トロピカル・フレーバーのラムとして1983年に発売された新しいもので、ゴールド・ラムである。
パッサーズ・レッド ヴァージン・アイランド・ラムである。市販されたのは1970年と新しい酒だが、それ以前は長い間、英国海軍御用達製品であった。パッサーズ社製。レッドのほかにブルーがある。酒名は「(英国海軍の)主計官」。



ラム・ベースのカクテルたち
スコーピオン(Scorpion)
ネーミングとは裏腹な、明るく楽しいトロピカル・カクテル
 スコーピオンの意味は、さそりとか、さそり座。トロピカル・カクテル・ブームの際に流行したもののひとつで、果物やストローなどでグラスを飾ります。
 ハワイ生まれのカクテルで、旅行者が現地で味を覚え、帰国後国内のバーで作ってもらったのが始まり。フルーティで口当たりがいいのですが、トロピカル・カクテルの中では比較的アルコール度は高いほう。毒をもつさそりの名にぴったりというわけです。
テイスト:
 やや甘口
アルコール度数:
 21度
材料:
 ホワイト・ラム ・・・・・・・・・・・・・・45ml
 ブランデー ・・・・・・・・・・・・・・・・30ml
 オレンジ・ジュース ・・・・・・・・・20ml
 レモン・ジュース ・・・・・・・・・・・20ml
 ライム・ジュース ・・・・・・・・・・・15ml
 オレンジ・レモン ・・・・・・・・・・各1/8個分
 マラスキーノ・チェリー ・・・・・・1個
作り方:
@お酒とジュースをシェカーに入れシェ-クし、クラッシュド・アイスを満たした大型グラスに注ぐ。
A果物を飾り、ストロー2本を添える。