ジン・ベース
ジン(Gin)
 オランダ生まれのイギリス育ち、カクテルの中でいちばんよく使われている酒。
 オランダの貴族だった、のちのウイリアム3世は、イギリス王室の世継ぎの問題が起こっていたときに、イギリスの王室の血を引いているということでイギリス王に迎えられ、ウイリアム3世となった。
 当時のイングランドにはアルコール分の強い酒がなく、エール(ビール)があるくらいだった。フランスからブランデーを、スコットランドからウイスキーを輸入して飲むことは、イングランドに外貨が少なくなり、財政も苦しくなる。ウイリアム3世はオランダにあったジンをイングランドで作らせ、強い酒を飲むときはジンを飲むように奨励した。大量に飲まれたジンは、やがて品質も向上し、世界一のものへと成長した。
ジンの種類
種類 産地・原料・製法
ジン 一般にドライ・ジンと呼ばれている。イギリス、ロンドンが主生産地。原料は穀類で、香り付けに用いるジュニパー。ベリー(杜松子)からジンとなった。ロンドン・ジン、あるいはイングリッシュ・ジンなどとも呼ばれる。
ジュニ−ヴァ オランダ・ジンとも呼ばれるが、ジュニーヴァと呼ばれることが多い。原料は穀類で、香り付けにジンと同様ジュニパー・ベリーを用いる。ジンより先にオランダで作られた。ライデン大学のシルヴィウス教授がつくったという。
フレーバード・ジン ジンをベースにいろいろな香りが付けられたお酒。スロー(スローベリー)、レモン、オレンジ、ミント(はっか)、ジンジャー(しょうが)、ダムズン(すもも)、アップル(りんご)、チェリー(さくらんぼ)などのジンがある。
シュナップス オランダ・ジンの一種で、原料はポテト(じゃがいも)。ポテト・スプリッツにジュニパー・ペリーで香り付けしている。昔はジュニパー・ベリーのほかに薬草も配した薬種でもあった。オランダ製のシュナップスが輸入されている。
シュタインヘーガー ドイツ産のジンの一種。ドイツのヴェストファーレン州のシュタインハ−ゲンでつくっている特産品。原料は大麦、ライ麦で、ジュニパー・ベリーとともに蒸留して香り付けをする。陶製の容器に入っているのが特徴。
コルン ドイツ産のジンの一種。コルンとは「穀物」のことで、最初はコルン・ブラントヴァインと呼び、これがコルンとなった。E.C.の規定で香り付けはできない。原料は小麦。アルコール分の強いドッペル・コルンと、弱いただのコルンがある。
 オランダという国はヨーロッパの中央にありながら自国特産の酒はありませんでした。当時、新大陸を求めて海外に進出するオランダ人が多く、オランダにない病気になって帰ってきたため、医学・薬学博士だったライデン大学のシルヴィウスは、その人たちの薬の研究として、アルコールにジュニパー・ベリーを浸した薬を作っていました。これがのち、オランダで飲まれるようになったジュニーヴァです。
 このお酒がイギリスに入って大発展をとげ、ジンと呼ばれるようになったのです。
 現在、ジンの主流をなしているのはロンドンを中心に作られているロンドン・ジンと呼ばれるドライ・ジンで、日本にもイギリスから大量に輸入されています。

ジンの銘酒たち
グリーンオール ロンドン・ドライ・ジンである。イギリスのウエリントンでG&Jグリーンオール社製。100%グレーン・スプリッツにジュニパー、コリアンダー、シナモンなどで香味付けし、味は柔らかい。同社はウオッカも製造している。
バーネット ロンドン・ドライ・ジンである。昔、ホワイト・サテンという商品名で売っていたサー・ロバート・バーネット社製の新製品で、日本でライセンス生産を行っている。さっぱりとしてバランスのとれた辛口のジン。
ギルピ− ロンドン・ドライ・ジンである。1857年ウォーター・ギルビー、アルフレッド・ギルビー兄弟の創立したW&Aギルビー社の製品。1872年にジンを製造するようになり、現在は5大銘柄のひとつ。ライセンス生産品。
ボンベイ・
サファイヤ
ロンドン・ドライ・ジンの高級品。ジン製造を復活し再発売したのは1950年であるが、そのとき、1761年の処方で製品化された。他社は、ジンの中に入れる香辛料公表しないところが多いが、ラベルに公表している。
ウヰルキンソン・
プレミアム
ロンドン・ドライ・ジンである。ベン・ネヴィス社はスコッチ・ウイスキーの会社だが、ロンドン・ジンの伝統を守ってつくりあげた製品。酒名は、炭酸鉱泉水を発見した、J&Cウイルキンソンに由来。37度、47.5度がある。
ゴードン 1796年創業のタンカレー・ゴードン社の製品。ジンのトップメーカで、日本でも昔から愛飲されている。1898年にタンカレー社と合併した。タンカレー・ジンも日本では人気がある。正統派のロンドン・ジン。
シーグラム・ジン アメリカでいちばん売れているジン。ジョセフ・E・シーグラム&サンズ社製。同社はカナディアン・ウイスキーで有名で、1924年に創業し、1939年からこのジンを発売した。香りと舌触りがよい。
タンカレー ロンドン・ドライ・ジンである。1830年からロンドンのフィンズベリー区で製造しているジンで、日本では若者に圧倒的な人気がある。チャールズ・タンカレー社製。ボトルの形は18世紀の消化栓をまねたもの。
ブードルス・
ブリティッシュ
スコットランドでつくられているジンである。1845年創立のコック・ラッセル社製。シーグラム社傘下で、シーグラム社の創立者サムエル・ブロンマンのデザインのビンに入っている。高級品で香りがよい。



ジン・ベースのカクテルたち
ギムレット・カクテル(Gimlet Cocktail)
始まりはジンをビタミン豊富なライムで割ったヘルシー・ドリンク
 ギムレットとは、大工道具のきりやコルク抜きを意味する言葉です。
 簡単に作れてさっぱりとした舌触り、適度なアルコールがあり飲みやすく、よくカクテルのベスト10に挙げられる不動の人気を得た一杯です。かつてはプリマウス・ジンとローズ社製コーディアル・ライム・ジュースで作られていましたが、最近では生のライムも入手しやすく、生のライム・ジュースを使う傾向にあります。甘めのコーディアルを使うよりも辛口が好まれるように、時代とともに味の鋭さに磨きがかかっているようです。
 ただし、いつまでもこだわりたいのはベースとなるジンです。おすすめは手に入りやすいロンドン・ジン。なにしろギムレットは英国生まれのカクテルですから。
テイスト:
 やや辛口
アルコール度数:
 28度
材料:
 ドライ・ジン ・・・・・・・・・・・・ 2/3
 ライム・ジュース ・・・・・・・ 1/3

作り方:
@ドライ・ジン、ライム・ジュースをシェーカーの中に入れてシェ−クする。
Aカクテル・グラスに注ぐ。
 ※ ステアでもOK

 似た味で同じく人気のあるジン・ライムはファッション・グラスにビルドの方法で作る。ウオッカ・ベースのウオッカ・ギムレットもよく飲まれる。