ブランデー・ベース
ブランデー(Brandy)
 上品な香り、それがブランデー。ひとり静かにグラスを傾け、思い出にひたりたい。
 気品のある酒だ。だから高価なブランデーを飲むときは、飲んで騒ぐやつとは一緒に飲みたくない。「酒をどんな気持ちで飲むか」ということを、酒を口にしない人間に説明するほど無駄な時間はない。「おまえだけが私を裏切らない」と酒を表現した詩人がいるが、その気持ちは酒飲みにしかわかるまい。
 ワインを焼いた(蒸留)酒という言葉が、のちのブランデーという言葉になった。たくさんつくったワインをなんとか貯蔵しようという、フランス人の発想がにくい。
 ブランデーは長く樽で寝かせるほどうまくなる。長い間寝かせ、宝石のように丁重に取り扱われて生まれた酒である。
ブランデーの種類
種類 産地・原料・製法
コニャック・
ブランデー
フランスのコニャック地方でつくられるグレープ・ブランデー。良質のブランデーを生産するので有名。原産地証明法で、生産地、原料、製法などに規制がある。老熟の記号でエクストラ、ナポレオン、X・O、V・S・O・P、V・Oなどがある。
アルマニャック
ブランデー
フランスのアルマニャック地方でつくられるグレープ・ブランデー。原産地証明法の適用を受け、生産地、原料、製法などに規制がある。わが国では、コニャックに次いでフランスから輸入されている。最近はコニャックと同じぶどう品種を使用している。
その他のグレープ・
ブランデー
ワインからつくらる蒸留酒なので、ワイン産地ではどこでもつくられている。主な産地は、フランス。ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル、アメリカ、日本、オーストラリアなどで、その国で採れるぶどうが用いられる。
フルーツ・
ブランデー
(グレープ以外)
りんご(カルヴァドス、アップル・ブランデー、アップルジャック)、プラム(スリヴォヴィッツ、テュイカ)、さくらんぼ(キリシュワッサ-)、西洋梨(ウィリアム)、木いちご(ソヴァージュ)などがある。
粕(カス)取り
ブランデー
ブランデーの製造中に出るぶどう粕、ワイン製造中にでるぶどうの絞り粕を原料に再発酵、蒸留してつくるブランデー。イタリアではグラッパ、フランスではマールと呼ばれる。相当良質の製品もあり、それらは値段も高い。
 ブランデーはフルーツを発酵、蒸留したお酒です。日本人はぶどうを原料にしたお酒をイメージしますが、ぶどう以外のフルーツを原料にしても、それはブランデーです。
 フルーツの中では、ぶどうからつくるグレープ・ブランデーがいちばん飲まれています。グレープ・ブランデーは長く熟成させると、味や香りが向上するので、70年以上も熟成させてから製品化された高価な酒もあるのです。
 非常に香りを大切にするお酒ですから、ストレートで飲む場合は、チューリップ形のブランデー・グラスに少量注ぎ、両手で温めながら香りが逃げないように飲みます。一度にたくさん飲むお酒ではありません。
 ストレートで飲むのならV.S.O.P.レベルのブランデーを、またカクテルのベースに使うなら、それ以下のブランデーで十分です。

ブランデーの銘酒たち
クルボアジェ・
ナポレオン
コニャック・ブランデー。1835年エマニュエル・クルボアジェの創立したクルボアジェ社の製品。ブランデーのナポレオンという老熟記号を用いたのは同社が最初である。フィーヌ・シャンパーニュ地区産の製品。
ビスキー・
ナポレオン
コニャック・ブランデー。1819年アレクサンドル・ビスキーが、ジャルナックで創業したビスキー・デュブシェ社の製品。このナポレオンは20年間熟成させている。濃厚な味と、樽香がすばらしい。
サリニャック
V.S.
コニャック・ブランデー。アントワーヌ・ド・サリニャックが中心になって、ぶどう栽培業者の協同組合から出発し、現在のサリニャック社製に至る。ファン・ボア地区で作っており、フルーティな味わいがよい。
デ・マリアック・
ナポレオン
アルマニャック・ブランデー。アルマニャック地方、モンレアル・デュ・ジェール村のシャトー・デ・マリアック社の製品。1年目の熟成は新樽、2年目から古樽で熟成させる方法をとっている。12年熟成。
マルティノー フレンチ・ブランデー。フランスには原産地証明法という法律があり、コニャック地方産でも条件がある。この製品はコニャック市のマルティノー社製であるが、フレンチ・ブランデーで売られている。
フィーヌ・
ブルゴーニュ
フランスの粕取りブランデー。マールと呼ばれる粕取りブランデーの中では上級のもので、法律で13の地区が指定されている。この製品は絞り粕からではなく、ワインのオリからつくる。ブシャール・ペール社製。
カルロスU世 スパニッシュ・ブランデー。1730年創立のペドロ・ドメック社というシェリーのメーカーの製品。カルロスT世はスペインの16世紀の王様。単式蒸留機で蒸留し、12年間熟成して製品化する。辛口である。
デリーズ・
センテナリオ
スパニッシュ・ブランデー。スペインの代表的ワインのシェリーの産地、ヘルス地方のプエルト・デ・サンタマリア市で1883年創業のフェルナンド・A・デ・テリ−社の製品。フルーティな香りがある。
メタクサ・
オリンピア
グリーク・ブランデー。1880年スピロス・メタクサが創立したメタクサ社の製品。ギリシャでは輸出量bPの製品。アニスの香りと、甘みがある。容器は古代ギリシャの壺を復元して作った。



ブランデー・ベースのカクテルたち
サイドカー・カクテル(Sidear Cocktail)
さっぱりとして甘酸っぱく、ブランデー・ベースゆびおりのカクテル
 第一次大戦の頃、いつもサイドカーに乗って、バーに飲みに来ていた兵隊が注文したのが、ブランデーとコアントローとレモン・ジュースをミックスしたカクテル。
 サイドカーとは人や荷物を乗せる側車をつけたオートバイのことですが、バーテンダーはそのサイドカーの音がすると、「サイドカーだな」とつぶやき、このカクテルを作ったことからその名前が付いたといわれています。
 またある説では、1933年にパリのハリーズ・ニューヨーク・バーで、バーテンダーのハリー・マッケルホーンが創作したとも。
 名前の由来はともかく、男女ともに愛されているカクテルで、最近はドライ(辛口)が好まれているようです。
テイスト:
 中辛
アルコール度数:
 27度
材料:
 ブランデー・・・・・・・・・・・・1/3
 コアントロー・・・・・・・・・・・1/3
 レモン・ジュース・・・・・・・1/3
作り方:
@材料をシェーカーの中に入れ、シェ−クする。
Aカクテル・グラスに注ぐ。
※ブランデーの代わりにジン・ベースで作るとホワイト・レディ・カクテル、ラム・ベースにするとXYZ・カクテルになる。