バー セットアップ [ 酒肆 setup ] は、滋賀県草津市のJR草津駅から真直ぐに伸びる幹線道路沿いの古いビルの2階にあります。外車を専門に扱うショップが併設されたビルは、界隈ではとても有名で、ランドマーク的な存在です。
本来なら店内写真を掲載するべきなのですが、これを読んで実際に行こう…と思う方がいらっしゃるかも知れません。ですから、この記事には写真はありません。お店の外観と扉を開ける瞬間までのワクワク感を是非楽しんでもらいたい…と思います。
そこに今もセットアップはあるのですが、ここにお店ができるまでには随分時間が掛かりました。そして平成16年4月、開業10周年を迎えました。
京都・祇園という場所で、その街の文化ともなっているバーという空間。バーマンとして働き、修行していく中で、マスターの中に「いつか自分の街で、草津で自分のお店を…」という想いが時間と共に強くなっていきます。
当時のお客さんの中には、地元の方もいらっしゃったそうです。そしてマスターの夢も知っていた。地元有志の方々の勧めや協力もあって、自分のお店を持つことになります。
そうして開業したのが「セットアップカフェ」 昼間はカフェとして利用でき、夕方からはバースタイルで営業をしていました。地元の若い人達の間で、とても人気になったのですが、時間が経つにつれ、そのスタイルに違和感を感じるようになったそうです。
「酒肆 setup」という店名が彫られた石の看板とクラシカルな外灯は、前マスターが選びに選び抜いたものです。本当に大切にされていました。「酒肆」は、しゅしと読みます。酒を売る店または飲ませる店という意味です。
駅から少し離れた立地が理想。分厚い一枚板のカウンター。自分でデザインしてオーダーしたイス。奥にはシックなイスとテーブルを… グラスが輝くように選ばれた木で作られたバックカウンター。昔ながらの黒電話。そして大切にしている絵…
初めは白かった漆喰も、いい感じに馴染んできている…
近所で食事のあとシングルモルトを楽しむ男性。落ち着いた雰囲気の割に、女性一人の来店も案外多いんです。それぞれのスタイルで楽しんで、それぞれの時間を過ごす。駅からタクシーでワンメーターくらいの距離。バーならこれくらいの距離がいいかも知れない…
体調などの心配もあったようですが、前マスターの引退が決まって、創業時から一緒にやってきた現マスターが、平成13年あとを引き継ぐ形でバーカウンターを守っていくことになったのです。
前マスターが大切にし飾っていた絵は外されていますが、現マスターは自分も気に入った絵だけを飾りたいと思っているらしく、今は何も飾られないままになっています。どんな絵が飾られるのでしょう… これもお客さんの関心事のひとつです。
バー好きに、早い時間が好みという方もいらっしゃいますね。ぼくも夕暮れ時のバーがとても好きです。酒肆 setup にも早い時間のカウンターを楽しみにしている方がいらっしゃっいます。いつもパイプを持って来られていて、とてもいい甘い香りなんです。
そしてもうひとり、バーカウンターのあれこれを見守った方がいらっしゃいます。
バックカウンターの上部に、
ロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートがあります。周年に当たる日に、毎年一枚づつ贈ってこられたもので、今は10枚のイヤープレートが飾られています。
カウンターで隣り合わせて飲むこともありますが、ほとんどいつも同じ席で、数杯のスコッチウィスキーを飲んで帰っていかれます。
■今夜もマスターは、カウンターに立ってお酒を作り、お客さんの雰囲気を感じ取って、お気に入りのレコードを選んでBGMにすることでしょう… 一枚板のカウンターは、前マスターから現マスターへと引き継がれましたが、これだけは10年間変わっていません。
滋賀県草津市上笠二丁目5番6号 調和自動車セベリアーノビル・2階
日曜定休・午後8時から午前3時までの営業です。
電話番号は掲載不可とのことですが、来店の際には教えてもらえます。
■カウンターで飲むギネスビール、いいですよ。おすすめです。カクテル、スコッチ、バーボンなど、スタンダード3杯で3,000円くらいです。こういった感じのバーに共通するのが、初めての来店では馴染みにくいのに、2回、3回…と回数を重ねるごとに、招かれている感じがしてくることですね。
このホームページは、前マスターと飲み・話すなど、共に多くの時間を過ごし、現マスターとは友人関係にあり、10年間通ったファンである佐山勇士が、開業10周年を迎えた、酒肆 setup を回想して書き記したものです。