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ダール (ロアルド) イギリス 1916-1990
 あなたに似た人 (1953)ハヤカワ文庫
 王女マメーリア (短篇集)ハヤカワ文庫
 飛行士たちの話 (短篇集)ハヤカワ文庫
 キス・キス (短篇集)早川書房
ダニング (ジョン) アメリカ 1942-
 ジンジャー・ノースの影(1980)ハヤカワ文庫
 名もなき墓標 (1981)ハヤカワ文庫
 死の蔵書 (1992) クリフ・ジェーンウェイシリーズ 1ハヤカワ文庫
 幻の特装本 (1995) クリフ・ジェーンウェイシリーズ 2 ハヤカワ文庫
 失われし書庫 (2004) クリフ・ジェーンウェイシリーズ 3ハヤカワ文庫
 災いの古書 (2005) クリフ・ジェーンウェイシリーズ 4ハヤカワ文庫
チェスタトン (G・K) イギリス 1874-1936
 四人の申し分なき重罪人 (1930)国書刊行会
 ブラウン神父の童心 (1911)創元推理文庫
 ブラウン神父の知恵 (1914)創元推理文庫
 ブラウン神父の不信 (1926)創元推理文庫
 ブラウン神父の秘密 (1927)創元推理文庫
 ブラウン神父の醜聞 (1935)創元推理文庫
チャペック (カレル) チェコ 1890-1938
 ポケットから飛び出したミステリー (1929)晶文社
チャンドラ− (レイモンド) アメリカ 1888-1959
 大いなる眠り (1939) (フィリップ・マーロウシリーズ1)創元推理文庫
 さらば愛しき女よ (1940) (フィリップ・マーロウシリーズ2)ハヤカワ文庫
 高い窓 (1942)ハヤカワ文庫
 湖中の女 (1943)ハヤカワ文庫
 かわいい女 (1949)ハヤカワ文庫
 長いお別れ (1953)ハヤカワ文庫
 プレイバック (1958)ハヤカワ文庫
デアンドリア (ウィリアム・L) アメリカ
 ホッグ連続殺人 (1979)ハヤカワ文庫
テイ (ジョセフィン) イギリス
 時の娘 (1951)ハヤカワ文庫HM
ディーヴァー (ジェフリー) アメリカ 1950-    →公式サイトへ♪
 汚れた街のシンデレラ (1989)ルーンシリーズ1  ハヤカワ文庫
 死の開幕 (1990) ルーンシリーズ2 講談社文庫
 死を誘うロケ地 (1992) ジョン・ペラムシリーズ1  ハヤカワ文庫
 ブラディ・リバー・ブルース (1993) ジョン・ペラムシリーズ2 ハヤカワ文庫
 死の教訓 (1993) 文春文庫
 眠れぬイヴのために (1994) ハヤカワ文庫
 静寂の叫び (1995) ハヤカワ文庫
 監禁 (1995) 早川書房
 ボーン・コレクター (1997) リンカーン・ライムシリーズ1 文藝春秋
 コフィン・ダンサー (1998) リンカーン・ライムシリーズ2 文藝春秋
 悪魔の涙 (1999) パーカー・キンケイドシリーズ1 文春文庫
 エンプティー・チェア (2000)  リンカーン・ライムシリーズ3 文藝春秋
 青い虚空 (2001)文春文庫
 ヘルズ・キッチン (2001) ジョン・ペラムシリーズ3  ハヤカワ文庫
 石の猿 (2002) リンカーン・ライムシリーズ4文藝春秋
 魔術師(イリュージョニスト) (2003) リンカーン・ライムシリーズ5文藝春秋
 獣たちの庭園 (2004)文春文庫
 クリスマス・プレゼント (2005) (短篇集)文春文庫
 12番目のカード (2005) リンカーン・ライムシリーズ6文芸春秋
 ウォッチメイカー (2007) リンカーン・ライムシリーズ7文芸春秋
ディクスン (カーター)
 →カー
デクスター イギリス 1930-
 ウッドストック行最終バス (1975) モース主任警部シリーズ1 ハヤカワ文庫
 キドリントンから消えた娘 (1976) モース主任警部シリーズ2 ハヤカワ文庫
 ニコラス・クインの静かな世界 (1977) モース主任警部シリーズ3 ハヤカワ文庫
 死者たちの礼拝 (1979) モース主任警部シリーズ4 ハヤカワ文庫
 ジェリコ街の女 (1981) モース主任警部シリーズ5 ハヤカワ文庫
 謎まで三マイル (1983) モース主任警部シリーズ6 ハヤカワ文庫
 別館三号室の男 (1986) モース主任警部シリーズ7 ハヤカワ文庫
 オックスフォード運河の殺人 (1989) モース主任警部シリーズ8ハヤカワ文庫
 消えた装身具 (1991) モース主任警部シリーズ9ハヤカワ文庫
 森を抜ける道 (1992) モース主任警部シリーズ10ハヤカワ文庫
 モース警部、最大の事件 (短篇集)ハヤカワ文庫
 カインの娘たち (1994) モース主任警部シリーズ11ハヤカワ文庫
 死はわが隣人 (1996) モース主任警部シリーズ12ハヤカワ文庫
 悔恨の日 (1999) モース主任警部シリーズ13ハヤカワ文庫
ドイル (コナン) イギリス 1859-1930
 緋色の研究 (1887)新潮文庫
 四つの署名 (1890)新潮文庫
 シャーロック・ホームズの冒険 (1892)新潮文庫
 シャーロック・ホームズの思い出 (1894)新潮文庫
 バスカヴィル家の犬 (1902) 新潮文庫
 シャーロック・ホームズの帰還 (1905)新潮文庫
 恐怖の谷 (1915)新潮文庫
 シャーロック・ホームズ最後の挨拶 (1917)新潮文庫
 シャーロック・ホームズの事件簿 (1927)新潮文庫
 シャーロック・ホームズの叡智新潮文庫


「キス・キス」 異色作家短編集1 ロアルド・ダール/開高健 訳(早川書房 2005.10.15)
 短篇小説の名手ダールの傑作短編集。11編収録。
 収録作品…
  「女主人」、「ウィリアムとメアリイ」、「天国への登り道」、「牧師のたのしみ」、
  「ビクスビイ夫人と大佐のコート」、「ローヤルゼリー」、「ジョージイ・ポーギイ」、
  「誕生と破局―真実の物語」、「暴君エドワード」、「豚」、「ほしぶどう作戦」


 どれもオチまでしっかり楽しませてくれる逸品ばかり♪ とはいえ実はダールの作品に時々出てくる 残酷さが苦手なのですが(この短編集では「暴君エドワード」と「豚」のようなやつ)、それを差し引いても なかなか良い作品揃いです。以下にお気に入りの感想を。
 このたび復刊された異色作家短編集、叢書としては2巻『さあ、気ちがいになりなさい』(フレドリック・ブラウン)に 続きます。そのうちに。

「ウィリアムとメアリイ」
 生きている間、堅苦しくて形式ばってばかりいたウィリアムが、死後妻メアリイに 遺した一通の手紙。それは優しい愛に満ちた手紙などではなく、途方もない計画を実行したことを 打ち明ける衝撃的な内容だった…。
 うぇ〜とか思いながら読みつつも、皮肉なラストに苦笑してしまいますね(^_^;)  こんな風にして生き続けるのは地獄だ…(笑)

「牧師のたのしみ」
 人々の警戒心を解くために牧師に扮し、田舎の家々に眠っているアンティーク家具をただ同然で 発掘する仕事をしているボギス氏。ある日彼は、とある農家の居間でチッペンデールの幻の整理箪笥を 発見した。居合わせた人々をだますべく、弁舌を振るい始めるボギス氏だったが…。
 あ〜あ……としか言いようのない結末ですね(^_^;) 虚しい…。

「ビクスビイ夫人と大佐のコート」
 何年にもわたり、夫に隠れて月に一度遠く離れた場所に住む大佐との逢瀬を重ねてきたビクスビイ夫人。 だがそれも終わりを告げ、夫人の手には最後にもらった一枚の高級なミンクのコートが残る。彼女はそれをなんとかして、 夫にばれないように手許に置きたいと考えたのだが…。
 はは、こりゃ確かに男性ウケのいい話でしょうね。こういう皮肉なお話は大好きです(笑)

「ローヤルゼリー」
 アルバートとテイラー夫人の赤ん坊は、ミルクをあまり飲まず痩せこけていた。心配のあまり 気もそぞろのテイラー夫人を見たアルバートは、養蜂の知識を生かしてミルクにとあるものを混ぜてみることに…。
 いいんだか悪いんだか(^_^;) 先が思いやられますね。そのうち蜂になっちゃうんじゃないですかね(笑)

「ジョージイ・ポーギイ」
 牧師のジョージイ・ポーギイは女性が嫌いではなかったのだが、その存在をひどく恐れていた。 独身女性の多い村に赴任した彼は、常に彼女たちから誘惑されていると考えて耐え切れなくなり…。
 まぁ、この方が彼にとっては幸せだったのでしょう…。奇妙なおかしさのあるラストです。



「王女マメーリア」 ロアルド・ダール/田口俊樹 訳 (ハヤカワ文庫 99.1.15)
 短編小説の名手ロアルド・ダールの、日本オリジナル短編集。9編収録。
収録作品……「ヒッチハイカー」、「アンブレラ・マン」、「ボティボル氏」、
「“復讐するは我にあり”会社」、「執事」、「古本屋」、「外科医」、「王女と密猟者」、 「王女マメーリア」


 ダールの短編は面白くてオチがきいてて毒があって、一度読んだら忘れられない話が多いですね〜。 残酷な話はちょっと苦手だけど、それ以外はかなり好きです。以下にお気に入りの短編の感想など。

「ヒッチハイカー」
 愛車でロンドンへ向かっていた“私”は、道中一人のヒッチハイカーを乗せた。自分の仕事に ついて多くを語りたがらない彼に興味を持った私。愛車について語るうちについ調子にのり、 スピード違反で捕まってしまう。警官に向かって職業を偽るヒッチハイカーを追及すると、彼は 意外な特技を披露し始めた…。
 読み終わると何故かとても爽快な気分に…なっちゃいけないのかもしれませんけど(^_^;) 同じ ような経験はないけど、こんなヒッチハイカーがいたらいい…のか悪いのか(^_^;)

「アンブレラ・マン」
 傘もないのに突然の雨に見舞われてしまった“わたし”とママ。そこへ紳士風の老人がやってきて、 疲れて歩けないのにタクシー代がなく困っているので、自分の傘を差し上げる代わりに1ポンド いただきたい、と申し出る。疑リ深い母親も、ついに老人に1ポンド渡して上等な絹の傘を受け取った。 思いがけない幸運を喜ぶ母子。しかし次の瞬間彼女たちの目に映ったのは、二人に見られていることも 知らず雨の中を元気に歩いてゆく老人の姿だった。不審に思った母子は、老人の追跡を開始する…。
 この老人がまた、すごい老人なのだ(笑) 拍手拍手。ここまですごいと怒るに怒れない。
ここから個人的な話で恐縮ですが、この短編は学生時代に英語で読んで(…もとい、読まされて) 以来とても心に残っていて、ずっと翻訳を探してました。その頃はダールの名前すら知らなくて、 これがダールの作品だと知ったのもつい最近。困ったものだ。でも嬉しい〜(T_T)

「ボディボル氏」
 生まれてこの方どんなことも成功したためしがないボディボル氏は、ある日ラジオから流れてきた 交響曲に耳を傾ける。その曲は自分が作ったのだと想像し、タクトを振って指揮するふりを 始めたところ、それが病みつきになってしまう。以来舞台装置まで整え、毎晩のようにオーケストラを 指揮する真似を続けるボディボル氏。ついに音が出ないようにしたグランド・ピアノまで購入しようと 出向いた楽器店で、彼はある女性と出会う…。
 ボディボル氏の気持ち分かります(笑) オーケストラの指揮者になりきって演奏を聴く、 というのはかなり楽しそう。…はたから見ればとても奇妙な光景かもしれませんけどね…。

「“復讐するは我にあり”会社」
 ある朝“僕”は、有名コラムニストが社交界をやっつけている記事を読んでいた。その瞬間、“僕”は 素晴らしいアイディアを思いつく。それは怒り心頭の著名人たちに代わって、コラムニストに報復を 加える会社を設立することだった。その報復とは「鼻を一発殴打」から「誘拐してパンツと靴と 靴下以外身ぐるみはいで、ラッシュ・アワーに五番街へ放り出す」までの5段階に分かれていて…。
 うまくやれば儲かりそうな会社ですね。いいですね(笑) 著名人たちの要求がどんどんエスカレート してくのが笑えます。

「執事」
 莫大な富を築いたクリーヴァー夫妻は、豪邸に住み、一流のシェフと執事を雇う。執事からワインの 知識を聞きかじったクリーヴァーは、以来ワイン通を気取った俗物になってしまう。ある日ワインの ことで執事から忠告を受けたクリーヴァーは、皆の前で恥をかかせてやろうと執事にワインの話を しかけるが…。
 このあと気まずかっただろうな…と、余計な心配をしてしまいます(^_^;) すごい執事。 かっこいい…(T_T)

「古本屋」
 訪れるお客にも無関心で、本の売上さえ全く気にする様子を見せない、ウィリアム・バゲージ古書店。 店長のバゲージと店員のトトル嬢は、いつも店の奥で何か怪しい仕事をしていたが…。
 完璧だと思えたこの怪しい仕事。それが思わぬことから崩壊していくのがとてもよいです。 意外な結末。

「王女マメーリア」
 自らの美貌を利用して暴君となったマメーリア王女。ついに父親の王の地位まで狙い始めた彼女 だったが…。
 これも思わぬ成り行きに驚きました。これと『古本屋』と『外科医』(感想書いてませんが)が、 この短編中でも特にミステリ色が濃いというか、そのものです。



「飛行士たちの話」 ロアルド・ダール/永井淳 訳 (ハヤカワ文庫 81.7.31)
飛行士たちの話を集めた、奇妙な味の短編集。1945年。
収録作品……「ある老人の死」、「アフリカの物語」、「簡単な任務」、「マダム・ロゼット」、「カティーナ」
         「昨日は美しかった」、「彼らは年をとらない」、「番犬に注意」、「この子だけは」、
         「あなたに似た人」


ダールの作品は今までにそれほどたくさん読んだわけではないですが、この短編集に収められて いるのはすべて飛行機乗りたちが体験した、ちょっと奇妙な話ばかりです。そうでない短編と 比べると、かなり現実の重みが感じられます。他のと同じつもりでは読まない方がいいかも。 とはいえ、これはこれで違った楽しみがあります(^_^) 読んでるとなんか妙に『紅の豚』を 思い出したりしました。飛行士、というよりやっぱり飛行機乗りと呼びたくなって しまう(^_^;)
一つ一つの感想は書きませんが、死と隣り合わせの飛行機たちの、 幻想的で少しゆがんだ物語はとても心に残ります。私のお気に入りは アフリカに不時着して奇妙な老人と出会う話「アフリカの物語」、爆撃にあって家族を失った ギリシャ人の少女と飛行士たちの交流の物悲しいストーリー「カティーナ」、死んだ飛行機乗りたちの 行く先を見てしまったパイロットの話「彼らは年をとらない」……などです♪



「ジンジャー・ノースの影」  ジョン・ダニング/三川基好 訳 (ハヤカワ文庫 2000.10.31)
 孤児だった“私”は自分の過去を捜し求め、小さな町の競馬場を訪れる。調査の末、自分の 過去を知るための唯一の手がかりであるジンジャー・ノースという女性が30年前にこの競馬場で 謎の自殺を遂げていたことを突き止めたのだった。厩務員の職を得た私はジンジャーの死の 真相を探りはじめるが、何者かの妨害にあう。そしてついに殺人事件が……。1980年作。

 競馬のことは全然分かりませんが、お好きな方ならもっと楽しいかも。もちろん、競馬を 知らなくても全然かまわないです。自分の過去をひたすら求める、私ことハリスンのひたむきさが、 物語のイメージを全体的に静かな感じにしてますね。あくまで、競馬にはそれほど興味のない私の 感想ですから(^_^;) 一人称が“ぼく”なあたりも、好みが微妙に割れそうですね〜。私はいいと 思いますが、これ一つで雰囲気ががらっと変わってしまっていたかも。
後半からハリスンが真相を突き止めるまでは、目がはなせません。こういう真相のストーリーを 読むと、いつもなんともいえない虚しさを感じます。誰も知らない方がいい真実というのも あるのかなぁ、と思ってしまうような。……あ、これって『死の蔵書』より12年も前の作品 なんですね(今気付いた(^_^;)。生々しさとか派手さはそれほどないけど、こういうのも良い ですね。



「死の蔵書」  ジョン・ダニング /宮脇孝雄 訳 (ハヤカワ文庫)
 古書店で二束三文で売られている本の山の中から、希覯本を発掘して生活をしている 「古本掘り出し屋」。彼らの一人が何者かに殺害され、デンヴァー警察のクリフ・ジェーンウェイは 捜査をはじめた。すると最近までつましい暮らしをしていたはずの被害者の蔵書には莫大な価値が あり、友人には古本掘り出し業をやめると語っていたことが分かった。被害者は一体どこから 貴重な本の山を入手したのか? 自らも古書に詳しいクリフは、本の入手ルートをたどる…。 本の詳細

 ミステリ好きじゃなくたって、本好きなら楽しめることは間違いありません。第二部になって クリフが自分の古書店を開いたあとからが好きです。犯人も意外でしたが、あの スタンリー・バラード老人の蔵書をリタが見積もりした時のトリックは、ぜんぜん気付かなかった…。 本好きは本のうんちくに気を取られているので、他のことに気が回らないのかもしれませんが。 本には読むということ以外にも、こんな世界があるのだなぁと感心してしまいました。私はもう 読めさえすれば、ぼろぼろだろうが100円だろうが、なんでもいい人間なので(笑)。でも 自分の書庫とか古書店とかは、本好きには夢のような言葉ですね〜。どちらも無理そうなので、 せめて本で楽しみます。2作目『幻の特装本』へ続きます。感想があるのは3作目『失われし書庫』↓



「失われし書庫」 ジョン・ダニング/宮脇孝雄 訳 (ハヤカワ文庫 2004.12.31)
 デンヴァーで古書店を営む元警察官クリフ・ジェーンウェイは、とあるきっかけでオークションで 英国の探検家リチャード・バートンの初版本を高額で落札することになった。一躍有名人になった 彼の元に、その本は自分の書庫から盗まれたものだと主張する老婦人が現れる。彼女の話を信じ、 盗まれた蔵書を探す決意をしたクリフだったが、そんな矢先彼の友人宅で強盗殺人が…。シリーズ第3作。 2004年。本の詳細

 2作目からずいぶん間があきましたが、シリーズ3作目。やっぱり本好きにはたまらない ストーリーですね♪ ニ束三文で買い取られてしまった、膨大な蔵書の行方。おまけにアメリカへ 来ていたバートンの、空白の期間の謎も絡んで…。スケールの大きな話です。日本ではバートンは あんまり馴染みがないかもしれませんが…(私も千夜一夜物語を 翻訳した人だぐらいしか(^_^;)) ものすごい人だったのですね。チャールズの日記も 趣向が変わっててなかなか楽しかったです。でもあの結末…。特に本の部分が、 この手の話は結局こうなるしかないと読了前に分かってしまうのは仕方ないとはいえ、 やっぱしちと虚しい部分がありますかね…(-_-;) 
 どっちかといったらクリフの専門(?)の本探しより、それ以外のこと (バートンの過去とか…)の方がメインですね。老婦人との約束……というのがなかなか心 あたたまるものがあります。それぞれ大切なものを探してる人たちが集まって語り合う場面が多いですが、 それがストーリーのサツバツとした部分を救ってます。まあ、そりゃちょっと都合良過ぎでないのって とことか場当たりっぽいとこもありますが、テンポの良さで読ませてくれます♪ ここまで楽しければ 十分ですね(^_^) 次回作も楽しみです。



「災いの古書」 ジョン・ダニング/横山啓明 訳 (ハヤカワ文庫 2007.7.25)
 デンヴァーで古書店を営む元警察官のクリフ・ジェーンウェイは、恋人のエリンに頼まれ コロラド西部の町パラダイスへ本の鑑定に出かけた。 本の所有者であるエリンの旧友ローラは夫殺しの罪に問われて自白もしていたが、 クリフはその証言に納得のいかないものを感じる。 そしてローラの夫の蔵書だったという膨大な蔵書にも、奇妙な点が…。
クリフ・ジェーンウェイシリーズ第4作目。2005年。 本の詳細


 シリーズ4作目。これまでの話を読んでた方がやっぱり面白いかな。 でも今回は、古書に関してはあまり深く足を踏み入れていないかも。 サイン本に関する話も、もうちょっとミステリとしての本筋が深く絡むと良かったかな。 でも、運び方が良いのでどんどん引っ張られて読めます。マクナマラ弁護士の キャラクターもいいですね。 そして嫌な奴は、もう嬉しくなっちゃうくらいとことん嫌な奴♪(笑)  ダニング作品の、そういうところも割と好きなのかもしれない…(^_^;)  ということで、好きなシリーズなのでそれなりに楽しかったです。
 そういえば、前巻までとなんか違うな?と思いながら読んでてふと気付いたら、 翻訳者の方が変わっているのですね。何故でしょーかね? ちょと雰囲気違ったかな、 という程度なんで、気になりはしません(^_^;)
 というわけで(?)、第5作目は出たら読みます。そのうちに。



「四人の申し分なき重罪人」 G・K・チェスタトン/西崎憲 訳(国書刊行会 2001.8.20)
 シカゴ・コメット紙の記者ピ二オン氏は、著名人マリラック伯爵を取材すべくイギリスへやってきた。 そこで伯爵について聞かされた驚くべき話と、伯爵の友人たちにまつわる奇想天外な物語とは…。 奇妙な論理と逆説に満ちた連作中編集。1930年。
 収録作品…
  「新聞記者のプロローグ」、「穏和な殺人者」、「頼もしい藪医者」、「不注意な泥棒」、
  「忠義な反逆者」、「新聞記者のエピローグ」


 ちらっと読んだだけで並々ならぬものを感じるチェスタトンの連作中編集♪ かつて自分は重罪を 犯したことがあると語る「誤解された男のクラブ」の面々の奇妙な物語が4編です。 ひとつひとつ感想は書きませんが、どれもさすがチェスタトン、と思わせる いい物語ですね〜。あんまり込み入ったことを考えたくない時には向かないかもしれませんが、 この一筋縄では行かない論理の数々。逆説なんていうからとっつきにくい気がするだけで、 ま、ひねくれ者たちの物語……な〜んて言ってはいけませんね(^_^;) 彼らの逆説は、 それぞれ大切なものを守るための最後の手段なのですから。でもやっぱり、ひねくれた読者には たまらないです(笑) 読み応えのある作品でした♪



「ポケットから飛び出したミステリー」 カレル・チャペック/田才益夫 訳 (晶文社 2001.11.25)
 カレル・チャペックのショート・ミステリー集。24篇収録。
 収録作品……「盗まれたサボテン」、「奇跡の監房」、「ヒルシュ氏の失踪」、「チンタマニと小鳥の絨毯」、
「金庫破りと放火犯」、「殺人盗難事件」、「赤ん坊誘拐事件」、「伯爵夫人」、「指揮者カリナ氏の物語」、
「ガンダラ男爵の死」、「結婚詐欺師」、「ユライ・チュプのバラード」、「なくなった足」、「めまい」、
「懺悔」、「泥棒詩人の話」、「ハブレナ氏の鸚鵡裁判」、「針」、「電報」、「不眠症の男」、「切手コレクション」、
「ありふれた殺人」、「陪審員」、「人間の最後のもの」


 「ロボット」という言葉を作ったことでもあまりにも有名なチェコの作家・ジャーナリストの カレル・チャペックですが、読むのは初めてです。これが最初でいいものか……(^_^;) とにかく 楽しいショート・ミステリ集でした。どれも誰かが一人づつ一つの話をするという形で書かれて いるのですが、一体これがどんな集まりなんだか不明です(^_^;) 短編は24篇ですが、 一作に二つのお話があったりするので実際はもっと多く感じます。本当に短いけど どれもユーモアにあふれていて、でもちょっとだけ何か考えさせずにはおかないような、 粋なお話ばかりです(*^^*) しかしチェコの名前って覚えづらい(^_^;)
 私が好きなのは……盗み方がちょと笑える「盗まれたサボテン」、 収集家の執念(笑)「チンタマニと小鳥の絨毯」、"静かなクルツェンブルスカー通りの大事件"が 盗まれる「殺人盗難事件」、みんな同じに見える赤ちゃんを探すバルトシェク署長の名案 「赤ん坊誘拐事件」、五里霧中のブラックユーモアが2編「指揮者カリナ氏の物語」、 お役所の力ってスゴイ(…のか?(^_^;))「なくなった足」、ひどいめまいに悩むギエルケの 良心の呵責とは…「めまい」、現場に必ず詩を残していく泥棒の話「泥棒詩人の話」、 ちょっと微笑ましい科学研究所(*^^*)「針」、バカバカしいけどやっぱり世の中そんなに ドラマチックじゃない(^_^;)「電報」、死者と、そして殺人犯と対峙する哀しさを 描く「陪審員」……などです♪



「大いなる眠り」 レイモンド・チャンドラー/双葉十三郎 訳 (創元推理文庫 1959.8.14)
 私立探偵フィリップ・マーロウは、大富豪スターンウッドから 娘の一人が巻き込まれている脅迫事件の処理を依頼された。 脅迫状の差出人のもとへ向かったマーロウだったが、思わぬ事件に遭遇することになる…。
 フィリップ・マーロウシリーズ第1作目。1939年。


 ハードボイルドの代表格ですね。有名なんで今更ですが、10年ぶりくらいの再読なので 改めて感想など。ぜんぜん覚えてないし(^_^;)
 検事の元で働き、解雇された後は私立探偵になったマーロウ、長身でハンサムな33歳。 自堕落な生活を送っているようでいて、お金やその他もろもろ(笑)の誘惑には屈しない、 芯の通った生き方をしてます。早死しそうだけど(笑)
 恐喝相手と話をつけるだけの簡単な事件かと思いきや、奔放で少々倫理観の欠如した姉妹の 面倒を見させられる羽目になったり、探してもいない人物を探さなければならなくなったり、 果ては殺人事件に巻き込まれ……と、少々とりとめのない感じで次々いろんな出来事が起こりますね。 ちょい都合がいいかな〜と思うところも少しあることはありますが、まぁこの作品はやっぱり 気の利いた会話やマーロウの人となりを楽しむ作品でしょうか。ハードボイルドですから。
 しかし10年前にはあまり気にしなかったですが、やっぱり翻訳が古いな〜(^_^;)  せっかくのいいセリフが、あちこちですべっている気が(笑)  確かに、そろそろ翻訳のし直し時かもしれませんね。
 というわけで(?)、次は2作目『さらば愛しき女よ』に続きます↓



「さらば愛しき女よ」 レイモンド・チャンドラー/清水俊二 訳 (ハヤカワ文庫 S51.4.30)
 ヴェルマという女性を探す、出所したばかりの元銀行強盗に出会ったマーロウは、 殺人事件に巻き込まれてしまう。警察の捜査に協力することになった マーロウ。だが、その後引き受けた別の事件でも、殺人事件に巻き込まれることに…。 私立探偵フィリップ・マーロウシリーズ第2作目。1940年。

 シリーズ2作目。まぁ前後のつながりはないので1作目の後でなくてもかまいませんか。 これも再読ですが、ちーとも記憶になし(-_-;)
 今回もなにやらヤバい事件に次々巻き込まれまくりのマーロウ。でも、こういう危険な男に 女は惹かれてしまうのですよね〜(私は嫌ですがね(笑))。 事件の起こり方は前回にも増して行き当たりばったりな気がし、 事実ばかりがただただ積もりゆく感じで先がちっとも見えてはきません。でも、あちこちでかすかに 光る細い糸…。すべてのつながりが見えるのは最後の最後ですが、驚きよりも虚しさが残ります。 ストーリーはけっこう都合がいいんですけど、癖のある登場人物たちとの やり取りや雰囲気が良いですね。それだけ楽しめればいいんでないでしょうか。
 次は3作目『高い窓』に続きます。いずれ。



「ホッグ連続殺人」 ウィリアム・L・デアンドリア/真崎義博 訳 (ハヤカワミステリ文庫 1981.10.31)
 アメリカの地方都市スパータで、陸橋から落ちた標識版が落下して乗っていた女性が亡くなった。 誰もが事故だと思っていたが、HOGという人物から犯罪をほのめかす手紙が目撃者の記者宛てに届く。 それがスパータを震撼させるHOG連続殺人の始まりだった。イタリアの犯罪学者ベイネデイッティ教授と その弟子の私立探偵ロン・ジェントリイが捜査に乗り出すが…。

 ケチで女たらしな(でも世界有数の犯罪学者)ベイネデイッティ教授初登場作品♪ ちょいとハードボイルドな作風ですが、 本格ものです。HOGと名乗る巧妙な殺人犯。警察も過労でぶっ倒れるほど巧妙な事件の数々…。 いいですね。このトリックがなかなか良いです。 某有名作品を思わせますが、あっちの方がちょいと無理がある気がする分こちらの方が好み。 まぁ、犯人はわりとすぐ分かるかもしれませんが…。この作品、なにが良いってやっぱラストの1行 でしょうね〜。
 しかしベイネデイッティ教授、あんなにケチ臭くて女性にもてるなんておかしいです(爆)  変な名前の人が多くて覚えるのにちょいと苦労しましたが(笑)、魅力的なキャラクターが 多いのもいいですね。面白かったです(^_^)
 シリーズはあと1作翻訳(『ウルフ連続殺人』)がありますが、絶版ですね〜(-_-)



「時の娘」 ジョセフィン・テイ/小泉喜美子 訳 (ハヤカワ文庫HM 1977.6.30)
 英国は薔薇戦争(1455〜85)の時代、王位のために二人の幼い甥を殺したとされる悪名高き リチャード三世。だが、彼は本当に悪人だったのか…。マンホールに足を踏み外して落っこち、 入院中のグラント警部は友人の持ってきた肖像画に目を向けた。まるで弁護士のような顔の リチャード三世の肖像画。歴史上彼を有名にしている非道の数々は、本当に彼がやったこと だったのだろうか。疑問を抱いたグラントは、退屈しのぎに古い文献をもとに調査を始める……。 1951年。

 歴史ミステリとして有名な作品ですね(^_^;) ベッドに寝たきりのグラント警部が、 リチャード三世の真実を追います♪ しかしそこは歴史ミステリ、500年以上前のことですから、 文献やなんかを参考に調べる事が中心になるわけです。助手のキャラダイン青年も楽しい(*^^*)
 しかしランカスター家とヨーク家その他の家系が入り乱れて、グラント警部に感心する以前に、 リチャード三世とその周辺の概略を飲み込むのに少々時間がかかりました(x_x) 読み終えるとかなり すっきりしたイメージが残るので、あまり細部にこだわる必要もないんだと思いますが。飲み込めて からは けっこう楽しめました♪ 歴史なんてけっこうテキトーなものなんだな〜(^_^;)  “史実”なんかよりどれだけあるか知れない“トニイパンディ”について考えたら、歴史の勉強も もっと楽しいものになるんでしょう。歴史の追求だけに終わらない、奥の深い作品でした(*^^*)



「ウッドストック行最終バス 」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 88.11.15)
 夕暮れ間近のオックスフォードで、なかなか来ないバスを待ちくたびれ、ヒッチハイクをはじめた 二人の女性。その夜、そのうちの一人が死体となって発見される。だがおかしなことに、もう一人の 女性はいつまでたっても名乗り出てこない。テムズ・バレイ警察のモース主任警部が事件の捜査に 乗り出すが…。1975年作。

 モース警部シリーズ第1作目。現代のストーリーなんですが、科学捜査に全く頼ってないんですね。 何度も推理と想像を重ねて謎を解いてゆく、という感じです。モース警部の推理って、傍で見ている ルイス部長刑事でなくても、それはちょっと先走りすぎじゃないかと時に思えるんですけど、彼の 大真面目さがいいです。推理そのものも、結果がどうあれそれはそれで面白いですし。ただ、途中で 何度も推理が繰り返されるので、結局どうだったのか、というのをそのうちに忘れてしまいそうで 怖いです  そんな風なので、犯人は見当もつきませんね〜。モース警部とルイス部長刑事のコンビは なかなか良いですし、モース警部の私生活もなんだか…好きです(^_^;) 最後は、いろんな意味で 心に残ります…。第2作目「キドリントンから消えた娘」に続きます↓



「キドリントンから消えた娘」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 1989.12.31)
 二年前に失踪した娘の捜索を担当していたエインリー刑事が事故で死んだため、モース主任警部が 後を引き継ぐことになった。エインリー刑事が死んだ直後、失踪した娘から届いた手紙を目にした モース警部は、既に彼女が死んでいるのではないかという仮説を元に調査を始めるが…。モース警部 シリーズ、第2作目。1976年作。

 前作に劣らずいいです〜。モース警部の明晰(すぎる?)な頭脳から次々に繰り出される推理に、 どんどん引っ張られてしまいますね♪ 事件がどうなってるのかという事より、モース警部が次に どんなこと考えるのだろうと、そっちの方が楽しくなってきます(^_^;) 今回ちょっと考えさせ られたのは、犯人(と思われる人間)がある人物(一応、伏せます)を殺した動機について、ルイス刑事が モースにしつこく尋ねるシーン。“動機”というものの曖昧さについて、モース警部が答える 言葉です(詳しくは…お読み下さい(笑))。ミステリなんだからこんなこと誰も気にも留めないの でしょうけど、あえて書かれると確かにそうなのだな〜と、少し考え込んでしまいました。
 …それはともかく、少々暴走気味のモースと、そのあおりをちょっとばかり受けてるルイスの コンビも、相変わらず良いですね。これ、結末は意外でしたね〜。普通だったらこの解答は 避けるような気もしますが、それでもやっぱりいいのだから、すごいです。
 第3作目「ニコラス・クインの静かな世界」へ続きます↓



「ニコラス・クインの静かな世界」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワポケミス S61.6.15)
 重度の難聴ではあったがその能力を認められ、オックスフォードの海外学力検定試験委員会に選抜された ばかりのニコラス・クイン。だがその3ヵ月後、彼は何者かに毒殺された。人付き合いもあまり なかった彼が、何故殺されなければならなかったのか。テムズ・バレイ警察のモース警部とルイス 巡査部長は、クインが殺されたと思われる日の委員会メンバーの動向を調査し始めるが…。モース警部 シリーズ、第3作目。1977年作。

 クインが難聴で読唇術が得意だということは、こんな役割を果たしていたんですね〜。そこの ところにすごく感心しました。それにしても、複雑なストーリーです。整理したいけど、できないのが つらいところです(^_^;) みんなが理由はさまざまなれど何らかの形で嘘をついているので、話が ややこしくなってます。それをモース警部はひとつずつ見破ってかなきゃなりません。犯人は実際 あの人でもいいような気もしますけど、でもちゃんと読んでいればそうじゃないことはすぐ……。でも そうなると、あの人自身が犯人に気付いてもおかしくないような。それとも、気付いてたのかな(もう 自分でも何が言いたいのか ) それから、ちょっと疑問が残ったのは…って、これすら言えない(T_T)  まあ、ささいなことですけど。でもこのストーリー、とてもいいですね〜。ところで、“モース”が ラテン語でそんな意味だったなんて。ここのところの警察医とモース警部のやり取り、なんか、好き です。結局モースとルイスのクリスチャン・ネーム、まだでてきませんね〜。ラストが妙に ほのぼの(?)していてよいですね(笑) 第4作目「死者たちの礼拝」に続きます↓



「死者たちの礼拝」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 92.7.31)
 休暇中のモース警部は、偶然通りかかったセント・フリデスウィーデ教会で、昨年起こった奇妙な 事件の話を聞かされる。礼拝の最中に教区員の一人が刺殺されたが、解剖後彼の胃の中には致死量の モルヒネがあったことが分かったのだ。しかもその後、教会の牧師も謎の死を遂げていた。モースは 捜査に乗り出すが、何故か事件の関係者はほとんど行方が分からず、さらに第三の犠牲者が…。モース 警部シリーズ、第四作目。1979年作。

 捜査のスタートが遅めだったモース警部、事件の関係者と全然話ができないという、かなり特殊な 状況の中で奮闘してます。もしかしてこのシリーズって、妻がありながら、夫がありながら…という 人たちの平凡な(?)日常が、どこかで狂ってしまって、そして事件が…っていうの、多いのでしょか。 今回、珍しく犠牲者の数が多いですよね。私はあんまり人死にが多い事件は不自然ぽくて好きじゃない のですけど、これもちょっとそんな気がします。でも、それ以外は良いですね。犯人のトリック (どんなとは言えませんが、最初の殺人の)は意外でした。ずっと動機が気になってたんですけど、 これなら納得です。死人が大勢出るのも、これならまあ仕方ないのかな…と思います。でもやっぱり モース警部の推理にはついていけないです(T_T) ルイスの言うように、彼には「人間の動機や人間の 行動という暗い迷路を見通す信じられないほど素晴らしい才能」(かっこいい(T_T))があるんですね。 それと、どうも彼がもてるのは、その青みがかった灰色の冷たい(けど頼りなげな)目のせいらしい ですね。彼のファーストネームのイニシャルはEなのか〜とか、どうでもいいようなことだけど、 いつもながら気になります。どっちかといったら、私はルイスの方が好きなのですけども(笑)  さすがのモース警部にも、今回見破れなかったことがあったんですね。最後のあの一件、なんだか ぞっとしました。でも、彼は別に不満はないみたい(^_^)。第5作「ジェリコ街の女」へ続きます↓



「ジェリコ街の女」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 93.3.31)
 あるパーティの席上で、モースはジェリコ街に住むアン・スコットという女性と出会う。意気投合した 二人だったが、再び出会うことはなかった。数ヵ月後、アンは自宅で首を吊っているのが発見されたの だった。モースが彼女の留守宅を訪れた、その日の夜のことだった。本当に自殺だったのか? 納得の いかないモースは調査を始める。やがてアンの家の近所で殺人事件が起き、調査は思わぬ方向へ 向かう…。モース警部シリーズ第5作目。1981年。

 これは好きな雰囲気のストーリーです♪ アンの死と、その向かい側の家で起きた殺人事件とは、 どんな関係があるのか…? いろいろ怪しい事件関係者(または非関係者)が出てきて、ぜんぜん先が 見えない…と言いたいところですが、けっこう早いうちに真相の一端と犯人を疑い始めてしまったの でした。でもそうやって読んでいても、まぐれや偶然の一致や決定や運命(ルイス談)が重なり合って、 真相が明らかになりそうでなかなかならないところがとても良いです。犯人をめぐる真相はともかく、 二つの事件があんな風に複雑に交錯しているとは、思いもよりませんでした。何より、モースの ギリシャ悲劇の推理がとても衝撃的でした。こんな劇的な話をしておいて、それでも運命を信じないと 言い張る(?)モースも笑えてしまうけど、皮肉にも彼の信念は間違ってなかったようですし(^_^ゞ)  モース警部ってさすがすごい事考えるんだな〜、と、それが正しいのかどうかも分からないうちから 感心してしまうのは、いつもの事ですね〜。
 それにしても、モース警部って女性運があるのかないのか…(^_^;) 彼のファーストネームは 未だ謎のまま。ルイス部長刑事はおじいちゃんかぁ…。
 第6作目「謎まで三マイル」に続きます↓



「謎まで三マイル」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 96.9.15)
 ある日、テムズ・バレイ警察署のモース警部はオックスフォード大学の学寮長に招かれ、最近 行方が分からなくなっている教授について相談を受ける。その二日後、テムズ河から一つの死体が 引き上げられる。その頭部と両手両足を切断された死体のポケットにあった手紙から、死体は行方 不明の教授のものと思われたのだが……? モース警部シリーズ第6作目。1983年。

 これはまた複雑に入り組んだ事件です〜。犯人は誰かということよりも、被害者は誰か、という ことが最大の問題になってます。ブラウン=スミス教授が行方不明になって、それらしい死体が 見つかるんですが、ホントにそうなのかどうか、もう最後の最後まで分かりません。いつまで たってもつじつまが合わないように見えて、双子も出てきて混乱して……。そして、ちょっと 予想してましたけど(^_^;)、意外な結末です。詳しいことが書けないのが辛いところなんですが、 う〜ん、ちょっと都合いいかな〜というところが少々ありますが、雰囲気はすごく好きです♪  今回、人間関係がかなり入り組んでる分(?)、モース警部の推理はそれほど迷走してませんね〜。
 今回、歯痛に苦しんでるモース警部ですが、学生時代の恋人の話なんか出てきたりして、 意外な側面も垣間見せてくれます。相変わらず死体を見るのがダメだったり、事件現場から 見つけたポルノ雑誌を失敬したりしてるのは彼らしいですが…(^_^;) まだ謎なのか〜、彼の ファーストネーム。モース警部にちょっと嫉妬するルイス部長刑事もよいですね(*^^*)
 第7作「別館三号室の男」に続きます↓



「別館三号室の男」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 94.6.15)
 大晦日の夜、オックスフォードのホーアス・ホテルで行われた仮装大会の優勝者が、翌朝 ラスタファリ教徒の衣装のまま死体となって発見された。モース主任警部は捜査を始めるが、 被害者の名は偽名で身元も分からない。その上被害者の妻を含め、同じ別館に泊まっていた宿泊客も 全て姿を消していた。モースの捜査は困難を極めるが…。シリーズ第7作目。1986年。

 年末年始を、ホテルのイベントに参加して楽しく過ごそうとしてた宿泊者たちですが、とんでも ない事件が起こって…。不幸にも宿泊者にワケありの人たちが多かったため(笑)、モース警部の 捜査は面倒なことになってしまいます。そうでなかったら、もちょっと簡単に片付いていたかも(^_^;)
 いつもはモース警部の込み入った推理に頭を抱えてしまうのですが、このお話は珍しくすんなり 読めたような気がします。それだけにちょっと物足りないかな〜(^_^;)  事件そのものは単純 なのですが、他の宿泊人の身元を確認するためにけっこう脇道にそれてます…。犯人の奇妙な アリバイ作り(ドーランとかメニューとか…)はけっこう良いと思います。被害者の妻のしたたかさも 好きです(笑) ……が、もうちょっと何とかなりそうな気がしてなりません(^_^;) でも、 その分(?)、登場人物たちの軽口がいつにもまして楽しかったです♪ モース警部が偽名を つかってホテルに泊まろうとするところがよいです〜(爆) 最後はああなったし、ホントに 女運があるのかないのか分からないモース警部ですが…。
 第8作「オックスフォード運河の殺人」に続きます↓



「オックスフォード運河の殺人」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫HM 1996.6.15)
 体調を崩し救急車で運ばれたモース主任警部は、数週間の入院生活を余儀なくされることになった。 退屈しのぎに彼は同室の家族からもらった本『オックスフォード運河の殺人』を開く。それは 150年近く前に起こった事件の研究所だった。船で一人旅をしていた女性ジョアンナ・フランクスが 船員たちによって殺されたという事件で、裁判の結果船員たちは死刑になっていた。本を読み進むうち、 モースにはいくつもの疑問が浮かんでくる。真相は他にあったのではないかと感じた彼は、 事件について調べ始める。モース警部シリーズ第8作目。1989年。

 今回はモース警部、胃を悪くして入院といういささか情けない姿になっています(^_^;)  動けないから、過去の事件の真相を考えようということに。でもそこに至るまでに、看護婦さんに 惹かれたり、ポルノ小説(ルイスってば(^_^;))を隠れて読んでみたりと、入院しててもモースらしさが にじみ出ています(爆) 過去に終わっている事件だけに、証拠探しの平坦なストーリー展開になるのは 仕方ないですね。モースの本領発揮ということにはならなかったけど、無意味に思えた別々の小さな 事実の積み重ねが最後に一つの真相を導き出すところはさすがです(*^^*) しかしモース主任警部、 あんまり無理はしてもらいたくないものです(^_^;) 第9作「消えた装身具」に続きます↓



「消えた装身具」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 97.4.30)
 イギリスへ観光に来ていたアメリカ人の一行のうちの一人が オックスフォードのホテルで死体となって発見され、そのハンドバッグと共に由緒ある 貴重な装身具が消えていることが分かった。殺人事件ではと疑うモース主任警部は調査を始めるが、 やがてもう一つの死体が発見される…。モース警部シリーズ第9作目。1991年。

 ちょ〜っと以前の勢いはないかなという第9作目。ただ以前の作のような推論に次ぐ推論という目まぐるしい 状況がないので、単純にストーリーを楽しめました。何故かアメリカ人たちがちっとも アメリカ人ぽく見えない上、誰が誰やらよく分からないという感はありましたが(^_^;) 大勢出てきて みんながそれぞれ事件と関係あるやらないやらっていう秘密を抱えている状況って、度がすぎると 不自然な気がしてしまうのですけど、これもちょっとそんな感じ。容疑者が外国からのツアー旅行者 たちっていう辺りが余計そうなのかな。でもまあ、うだうだ言いつつもラストはけっこう好きです。モースが なんだかちょっと寂しい(^_^;) 
 第10作「森を抜ける道」に続きます↓



「森を抜ける道」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワミステリ文庫 1998.10.10)
 休暇中のモースは、滞在先のホテルでとある新聞記事を目にする。それは1年前から未解決のままの、 ウェーデン人女学生の行方不明事件に関するものだった。誰かがその事件の謎を解く鍵を、詩の形で 警察に送りつけたらしいのだ。やがてモースはその事件を担当することになるが…。
モース主任警部シリーズ第10作目。1992年。


 休暇中のモースの目を引いた、1年前の事件に関する奇妙な記事…。タイムズ紙上で 繰り広げられる、素人の推理合戦が面白いですね。警察もそれに翻弄されたりして…(^_^;)  シリーズ前半に比べると、物語としては深くなってるものの、ミステリとしてはまぁまぁと いう感じでしょか。事件に関係ない部分もけっこうありますが、それでつまらないかといえば そんなことは全然ないですね。やっぱりシリーズを通して読んでこそ楽しめる作品です。 今回、おなじみの人が一人悲しい死を迎えますけど、それもやはりシリーズだからこそという 感じですね…。モースもルイスも相変わらずです♪
 事件の謎そのものはそれほど錯綜していないので分かりやすかったですが、 詩の送り主は意外でしたね。う〜ん(^_^;) 
 次はシリーズ11作目『カインの娘たち』に続きます↓



「カインの娘たち」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 2000.12.10)
 モース主任警部は、ウールリー・カレッジの特別研究員マクルーアが何者かに殺された事件を 同僚から引き継ぎ、捜査することになった。被害者の過去を洗ううちに容疑者も浮かび、 単純な事件として終わるかに思えたのだが…。モース主任警部シリーズ第11作目。1994年。

 お酒と不摂生で、モース主任警部もだいぶくたびれてきた感じの11作目(^_^;)  なんだか見ていてつらくなってきますね〜。事件の性質もありますけど、モースの推理にかつての勢いはなく、 ストーリーもわりと淡々と進み、シリーズものの後半としてじっくりしんみり読ませる 作品ですね。個人的には、シリーズ前半よりこっちの方が好きかもしれない(^_^;) それでも、 2番目の事件の真相は、なかなか…と思わせるところもありますね。 なんとなく、全体的に物悲しさがつきまとうお話でした。それも悪くないです。やっぱり モースとルイスのコンビはホントにいいですね。残り2作、モースの今後は心配ですが(^_^;)
 次は12作目『死はわが隣人』に続きます↓



「死はわが隣人」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 2001.12.15)
 オックスフォード大学の学寮長選挙で学内がざわついている中、テムズ・バレイ署近くの住宅地で ある女性が殺された。動機も見当たらない不可解な事件だったが、やがてその女性と 大学の研究員との関係が明らかに。病を押して捜査を続けるモースだったが…。 モース主任警部シリーズ第12作目。1996年。

 シリーズもいよいよ終わりに近づいた12作目。モース主任警部の体もボロボロで、 もう見ちゃいられません…。飲むなよ〜(^_^;)
 そんな彼の体を気遣っているのはわずかな人たちですが、そんなちょっとした繋がりも なかなかしんみりじんわりきますね。学内(こんな大学はいやだ…)のごたごたやそれに 関わってくる事件もなかなか面白いですが、今回はやはりモースとルイスの友情がいいです(T_T)  最後の手紙、ホントに素敵です。モースに少々(?)ひどい扱いを受けながらも彼を尊敬してやまない ルイスの気持ちが報われ、そしてずっとある疑問を抱きつつシリーズを読んできた読者も 報われましたね…。もう、それだけでいいです(T_T)
 次はシリーズ最終作『悔恨の日』へ続きます↓



「悔恨の日」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳 (ハヤカワ文庫 2002.11.30)
 病気で休暇中のモースのもとにストレンジ主任警視が訪れ、1年前におきた未解決の殺人事件の再捜査を依頼する。 看護婦が自宅で手錠をかけられ不可解な状況で殺された事件だったのだが、最近になって匿名の情報提供者が現れたのだった。 体調も芳しくなく、最初は引継ぎを頑なに拒んでいたかに見えたモースだったが…。
モース主任警部シリーズ第13作、完結。1999年。


 前作に引き続き、もう本当に体がボロボロのモース主任警部。前作とあまり間をおかずに 読んだ方がいいかもしれませんね。そんなになっても捜査を引き受け、 いつでもルイス部長刑事の一歩先を行く姿には鬼気迫るものがあります。どうしてそこまで…と思うのですが、 なんだかんだ言って終わってみればかっこいい(T_T) 今回ミステリとしてもいろいろ仕掛けもあって面白いんですけど、 やっぱりシリーズ最終作ということで、人間模様の方に気持ちが傾いてしまいますね。 もうここまでシリーズに付き合った読者だったら、納得いかないわけがないと思います。 私の感想などどーでもいいので、とにかく読んでいただきたいです。ネタバレ出来ませんのでこの 言葉にできない気持ちをどこにぶつけていいのか分かりませんが(笑)、それも 読んだ方になら分かっていただけるはず。好きなシリーズの終わりはいつも寂しいけれど、 今回はもっといろんな気持ちがごっちゃになってますね。でも最後のルイスのように、もう言葉は いりません……(T_T)
 …1作目から再読したいですね。覚えてない…というのもありますが(笑)、名残惜しいです。ホントに。



「モース警部、最大の事件」 コリン・デクスター/大庭忠男 訳(ハヤカワ文庫 1999312.15)
 モース警部シリーズ、ノン・シリーズ、ホームズ物のパスティーシュなど11篇収録。
 収録作品… 「信頼できる警察」、「モース警部、最大の事件」、
 「エヴァンズ、初級ドイツ語を試みる」ノンシリーズ
 「ドードーは死んだ」、「世間の奴らは騙されやすい」ノンシリーズ、「近所の見張り」、
 「花婿は消えた?」ノンシリーズ、「内幕の物語」、
 「モンティの拳銃」ノンシリーズ、「偽者」、「最後の電話」


 モース警部シリーズ他の短篇集です。この本はポケミス版に「信頼できる警察」の1篇を加えたもの。 シリーズ短篇は特に読む順番は問わないと思います…が、出た順番は『森を抜ける道』の次です(ちと早く 読みすぎた…(^o^;)) 他のシリーズ長編をいくつか読んだ後の方がいいです。
 シリーズ短篇は長編とは違って、軽くすっきりまとまってます。短いしユーモアに溢れてる分、 本格をお好みの方には物足りないかもしれませんが、これはこれで悪くない短篇集。というか、 個人的にはかなり好きです(^_^;) 以下にお気に入りの感想を♪

「信頼できる警察」
 ストレンジ主任警視のささやかな誕生祝に出席していたモース警部は、最近拘留したテロリストに ついて相談を受ける。刑事の一人が証拠物件を紛失してしまったというのだ。証拠物件を 捏造しようとする上層部に、反感を持つモースとルイス部長刑事だったが…。
 まず、ど〜して紛失するんだというか(笑) モースたちの深い悩みをよそに、事件は 意外な展開を…。そして、そんなことで認めるのかという(笑)いずれにせよ、とても 楽しいお話です。

「モース警部、最大の事件」
 クリスマス・シーズンのパブ"ジョージ"で、寄付のために集めた400ポンドが盗まれるという事件が 起こった。容疑者は何人かいるものの、盗まれたは永久に出て来ないかと思われたが…
 表題作なのにオチがいまいちすっきり来ない(私だけ?(^_^;))んですが、 結局モース警部が解決したってことでしょうか。最大の事件というか、最大の謎というか…。

「エヴァンズ、初級ドイツ語を試みる」ノンシリーズ
 オックスフォード刑務所に服役中のエヴァンズという囚人が、監房でドイツ語の試験を 受けることになった。厳重な警戒態勢のもと、異例なドイツ語の試験が始まった…。
 はは(^_^;) 無理はあるけどなかなか笑えるお話です。敵はさらに一枚上手ってことですね〜。

「近所の見張り」
 車を無断拝借され、帰ってきた時にはピカピカに磨かれていた上、お詫びにとワグナーの チケットが入っていた…。行きつけのパブでそんな話を聞かされたモースは、過去によく似た事件が あったのを思い出し、話をした当人の家を見張ることにしたのだが…。
 これも楽しいですね♪ モースがちょと情けないけど。

「花婿は消えた?」ノンシリーズ
 シャーロック・ホームズのもとに、結婚式の当日花婿が消えてしまったという女性が 相談にやってきた。事件を巡り、ホームズと兄のマイクロフトが推理合戦を展開するのだが…。
 くっ、くだらな……いえ、なんて楽しいんでしょ♪(笑) ホームズものの(『花婿失踪事件』の) パスティーシュです。もとの話を知ってるとさらに笑えます。デクスターがホームズものの パスティーシュ、なんてちょと意外でしたけど、これならもっと書いてほしい(爆)

「内幕の物語」
 シーラという女性が自宅で殺されているのが見つかった。オックスフォード州図書館主宰の ミステリ・コンクールに応募した彼女の作品から、生前の彼女の身辺の様子を知ろうと するモースだったが…。
 作中作に事件の謎が、というのも面白いんですが、どっちかといえばルイスがモースの裏を かいてやろうと奮闘するところが好きです(^_^;) なんだか微笑ましい♪

「最後の電話」
 とあるホテルの一室で、ひとりの男が死んでいるのが発見された。状況が怪しかったものの、 始めは心臓麻痺による自然死かと思われたのだが…。
 そ、そんな原因って……(^o^;) 短篇だから許される話ですね。でも、こういうのは好きです(爆)



「バスカヴィル家の犬」 コナン・ドイル/延原謙 訳  (新潮文庫 他)
 代々魔犬に呪われているという伝説のある、ダートムアの旧家バスカヴィル家。その主人だった チャールズ・バスカヴィルがある夜、謎の死を遂げる。その死体のそばには大きな犬の足跡が。 遺産相続のためにアメリカから帰ってきたヘンリー・バスカヴィルは、その事件を気にして ベーカー街のホームズのもとを訪れる。他の事件で手の放せないホームズに代わり、ワトスンが ダートムアへ向かう…。

 シャーロック・ホームズシリーズはもう、すりきれるほど読みました。で…悩んだのですけど、 これが一番好き…でしょうか。雰囲気がやっぱりいいんですよね。霧の都ロンドンで起きる事件も いいけど、これはホームズものの中では舞台が特殊だと思うんです。底なし沼があちこちに 存在する沼沢地と、そこに響き渡る魔の犬の遠吠え。いいですねぇ。以下長編の好きな 順は「四つの署名」→「緋色の研究」→「恐怖の谷」です。短編にも好きな作品がありますが… 多すぎて。う〜ん、ざっとならべると「赤髪組合」、「青いガーネット」、「まだらの紐」、 「椈屋敷」、「技師の拇指」、「白銀号事件」、「マスグレーヴ家の儀式」、「海軍条約文書事件」、 「踊る人形」、「プライオリ学校」、「六つのナポレオン」、「金縁の鼻眼鏡」、「三人ガリデブ」 (以上表記は新潮文庫版に従いました)などが私の趣味です。




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