第二次世界大戦中、ビルマ戦線には“うたう部隊”と呼ばれた日本人兵士たちがいた。どんなに
苦しいときも竪琴に合わせて歌い、数々の危機も歌うことで切り抜けてきた…。そんな中、いつも
竪琴をひいていた水島上等兵が、ある任務に向かったまま消息をたってしまう。やがて終戦、部隊は
捕虜になり、行く先々で水島にそっくりな僧侶を見かけることになる…。
敵であるイギリス兵と一緒に「はにゅうの宿」や「故郷の空」を歌う場面、終戦後なお抵抗を
続ける日本兵とイギリス人兵の銃撃戦の真っ只中で竪琴をかき鳴らす水島、そして、「あおげば
とうとし」を弾いて立ち去る水島…。音楽の持つ力のすごさに改めて感動させられます。そういう
趣旨で書かれたものではないですが、音楽を目指す方にはぜひおすすめしたい。子供向けのやさしい
(そしてとても美しい)言葉で書かれた作品でありながら、その奥に込められているのは大変意味深い
ものです。もちろんこれは戦争の物語でもあります。このお話を読むまで第二次世界大戦中に日本人が
ビルマ(現在はミャンマーと呼ばれていますが)で戦っていたことさえ知らなかった私など、それに
ついてはまったく言及できないのですが…。この物語を読む上では何の支障にもなりませんが、戦争に
ついてちょっとだけ考えてみても。夏になるとどうしても読みたくなる本です。
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