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志賀直哉
 小僧の神様・城の崎にて新潮文庫
島田洋七
 佐賀のがばいばあちゃん (2004)徳間文庫
菅浩江
 五人姉妹 (2002) ハヤカワ文庫
瀬尾七重 1942-
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瀬名秀明 1968-
 パラサイト・イヴ (1995)角川ホラー文庫
 八月の博物館 (2000)角川書店
 虹の天象儀 (2001)祥伝社文庫
 ハル (2005)文春文庫


「佐賀のがばいばあちゃん」 島田洋七 (徳間文庫 2004.1.15)
 昭和33年、母や兄弟たちと広島で暮らしていた8歳の昭広は、ある日突然佐賀の 祖母の家に一人預けられることになってしまった。そこで待っていたのはぎりぎりの貧乏生活。 だが、明るい貧乏と豪語する祖母の生き方と、二人の生活をつづったエッセイ。2004年。 本の詳細

 今更な感もあるベストセラーなんですが、帰省したら実家にあったので…(^_^;) 一応感想など。
 貧乏を楽しんでいるかのようながばいばあちゃんと、母と離れてさびしい思いを抱えながらも そんなばあちゃんに気おされて日々を送る昭広少年。そんな二人を温かく見守る周囲の人たち…。
 読む世代によって感想が分かれそうかな。貧乏のことは、この時代はみんな こうだったのかもしれないけど(だから二人の貧乏生活に対してもあんなに思いやりというか、 包容力があるんだと思うが)、 そんな中でも確かにすごいばあちゃんだったのでしょうね。 こういう人は貧乏でもそうでなくても、こういう生き方を貫くんだろうな。 そこんところが「がばい」のですよね。…………たぶん。
 ま、昔はどう今はこうとか面倒なこと(笑)を言い始めなければ、 ばあちゃんのいろんなエピソードは純粋に面白いし、読みやすいし、誰でも楽しめる本だと思います。 いや、客観的というには少しさめた目で読んでいたかもしれませんが(^_^;)、 それでも楽しかったですし、読んで損はないんじゃないでしょか。
 でも最後に、終わりの辺がなんか作り話っぽい、と首をかしげた母の気持ちがちょっと分かる気が したのでした(^_^;) あと、文庫版だけかもしれませんが、ばあちゃんの名言を巻末に まとめてあるのを見た途端に全編のありがたみが失せたような気がしたのは……私だけですね、はい(^_^;)



「五人姉妹」 菅浩江 (ハヤカワ文庫 2005.1.15)
 近未来の科学に直面する人々の心を描くSF短編集。9篇収録。
収録作品…「五人姉妹」、「ホールド・ミー・タイト」、「KAIGOの夜」、「お代は見てのお帰り」、
  「夜を駆けるドギー」、「秋祭り」、「賤の小田巻」、「箱の中の猫」、「子供の領分」


 近未来、急速に発達する科学に対して進化できず取り残された人間の心の空白というか、 そのようなものを描いた話が多いかな。待っているだけでは誰も(ましてや科学は)癒してくれない 寂しさや虚しさを抱えて生きる人たち。作品の雰囲気とかストーリーは けっこう良かったです。ただ短いわりに否応なく深いところへ引きずり込まれる話が多いので、 さらりと読むには向かないですね。
 悪くはなかったのですが、個人的にはどーも全体的に波長が合わない感がありました。 それはそれで分かるし間違っちゃいないと思うけど、自分の中ではちょっと違うな…とか、 そーゆーもんなのかなぁ?ってな部分が多くて…。 なんつーかジェネレーション・ギャップを覚えるような感じとでもいえばいいのか…(^_^;)  好みの問題ですので、そういうのはまぁ仕方ないですね。
 ひとつひとつ感想を書くとえらく長くなりそうなのでやめておきますが、一番好きな話は たぶん主人公の気持ちがいちばん分かりやすかった「ホールド・ミー・タイト」です(^_^;)


「ハル」 瀬名秀明 (文春文庫 2005.10.10)
 近未来の人とロボットの関わりを描くSF連作集。
収録作品…「ハル」、「夏のロボット」、「見護るものたち」、「亜希への扉」、「アトムの子」


 近い未来、もっと親密に(?)人間と共存しているロボットたちと、それに戸惑う人間たち。 どっちかといったら研究者の目から見たロボットの未来予想図ですね。未来へのそういう 切羽詰ったような憧れと情熱と、それにどうしようもなく突き動かされる人々のストーリーです。
 こういう話自体は嫌いではないんですが、研究者でなきゃあんまり考えないようなことが 多いような、熱く語りすぎているような部分があるんでしょか…。 研究者ならぬフツーの人は、ロボットに対しても少し冷めてるんじゃないかな〜と、 少なくとも私は少し遠巻きに眺めたくなる部分が多かったです。 ドラえもん世代の人間だしね…(関係ない(^_^;)) うーん、なんかなんとなく割り切れない印象が残りました。 たぶん、すごいこととして描かれていることが、ホントにすごいことなのかどうか私にはいまいち 分からない(分からなくてもいいのかも分からない(笑))というのもあるんでしょうが(^_^;)
 でもロボットのことはともかく、それに向かい合う人間たちが奇妙に切なく危うくも いとおしい存在に思えてくるから不思議です。ひとつひとつ感想は書きませんが、 一番好きなのはやっぱり(?)「亜希への扉」です。タイトルからしてもハインラインの「夏への扉」を 意識してるんでしょうね。素敵なストーリーです(*^^*)



「パラサイト・イヴ」 瀬名秀明 (角川ホラー文庫 H8.12.10)
 薬学部の研究室で助手を務める永島の元に、妻の聖美が交通事故にあったと知らせが入る。 脳死状態になってしまった聖美の体からは、彼女の希望通り移植のために腎臓が 取り出された。同時に研究のため聖美の肝細胞を譲り受けた永島は、それをEve1と名づけて 培養する。だが、それがやがて人間という種の存在さえも脅かすものになる……。 第2回日本ホラー小説大賞受賞作。1995年。

 妻の死を受け入れられず、その肝細胞を慈しむかのように(?)育てる永島。一方、死んだ聖美の 腎臓を移植される少女。そして、そのどちらの細胞にも……。…ううう、すごいストーリーですねぇ(ToT)  映画化されてますけど、当然(笑)見てません♪ どこまで書いていいんだか分かりませんが、怖いと いうよりかなり面白いお話でした(変?)。私も女だからでしょうか、ふふ(怖い(^_^;)) まぁ、 ぐちゃぐちゃっぽいの(笑)は、わりと平気ですので。嫌いな人はダメかもしれませんけど、それだけじゃないです。
 生化学についてちょと難しい話も出てくるんですが、その辺は知らなくても構いません。全体的に 少々構成が甘いような気もするのですが、そこはEve1の迫力で押し切ってる(謎)ということで…。 怖いといえば怖いんですが、なんとなくもの悲しさも残るお話ですね。そこまでして種を 存続させようとする力って、一体なんなのでしょ? そっちの方が怖いかな……。厚い本ですけど、 一読の価値はあります♪ かなり楽しめたお話でした。どちらかといったら まぁ、『八月の博物館』のようなのの方が私好みですけど(^_^;)



「八月の博物館」 瀬名秀明 (角川書店 2000.10.30)
 20年前、小学校最後の夏休みが始まった八月の午後、ふといつもと反対の道を曲がった亨は、 雑木林の中で不思議な洋館を見つけた。「THE MUTEUM」とだけ書かれたそこは、 「ミュージアムのミュージアム」という不思議な博物館だった。そこで出会った不思議な少女、 美宇(みう)と共に、亨は時空を越えてあらゆる博物館の、そして物語の扉を開く……。2000年。

 ふう……と、読み終わった瞬間に深いため息をつきたくなるような(^_^)  面白かったです〜♪ しかしこれ、何をどこまで語ってよいやら(^_^;)
   物語の意味を問いつづける作家と、エジプトで発掘を続ける19世紀のフランス人考古学者と、 そして夏休みに入ったばかりの小学校6年生の亨。この三つのストーリーがばらばらに語られ 始めます。深い関連はないように思えるけれど、やがて彼らは一つの場所でめぐり合う…。……それ 以上言えない…(爆) ああ、でもこの博物館がいいんです。仕組みもすごいし、やがてそこで 起こる事件もすごい。もう、とにかくすごいとしか言いようがない(^_^;) 行ってみたいよぉ〜。 博物館の冒険がいつまでも続けばいいなぁと願ってました。あのラストは、そう、予期していたけれど、 それでもやっぱりいいんですね(T_T) エジプト考古学好きにもこたえられないものがある ストーリーです♪
 この小説、物語の進行と同時に「物語」そのものについても深く追求されてるんですよね。作者の、 読者を感動させようという意図や作為性に気付いて白けてしまう作家の独白から始まって、最後の 最後まで「物語」の意味について考えさせられる話でもあります。これもうまく博物館の話と 絡んでます。この最後の方の絡め方は好き嫌いが出そうですが。私には少々、現実感が過ぎるかなぁ…。 でも読み終えると、改めて物語というものがもたらす喜びの大きさを実感します。書く者と読む者に 共通する感動。物語は始まり、そして終わるけれど、それははてしなく続く…。と書くと エンデの『はてしない物語』を思い出しますが(そして作者も意識していますが)、あれ とはまた違うはてしなさなんですよね……。
 瀬名秀明の本は初めてなのですが、これは前の作品とはまただいぶ違う感じらしいです。 これはファンタジーっぽいSFですね。でも、この感じは懐かしい……いつもの日常を ほんのちょとだけそれたところにある、不思議な博物館。この本は故藤子・F・不二雄氏に 捧げられていますが、まさにもうその世界。小さい頃からどっぷりその世界にひたって育ってきた 人間にはも〜たまらないものがありますね(T_T) クイーンや乱歩が好きで、小説家になりたいと 願う亨の見ていた風景が、自分のとちょとだけ重なって見えました(*^^*) 憧憬を誘う、 本当に素敵なお話でした。



「虹の天象儀」 瀬名秀明 (祥伝社文庫 2001.11.10)
 2001年3月、東京・渋谷の五島プラネタリウムで27年間技術者兼解説員をしていた私は、 44年の歴史を終えたプラネタリウムの後片付けをしていた。と、そこへふと現れた不思議な 少年にせがまれ、ドイツ製の投影機、カール・ツァイスW型を見せてやる。どんな場所のいつの 時代の星でも映し出せると語る私に、少年が尋ねる「誰に会いたい?」 戸惑う私はいつしか、 第二次世界大戦開始直後の東京へと時を越えていた……。2001年。

 長い歴史を静かに終えて、ひっそりと眠りにつこうとするプラネタリウム。いいですね〜(ToT)  200ページもない短い作品なのであんまり詳しくストーリーを語りたくないんですが、 短さを感じさせないくらい中身の濃い作品です。もうちょっと膨らませたら長編にも十分なりそうな。 タイムトラベルもの…SFなんですが、不思議と懐かしさを覚えるレトロな空気が漂ってます。 プラネタリウムや星についての話もいいんですけど、やっぱり"私"をめぐる人たちのお話が とても良かった(*^^*) 「思いが残る」という織田作之助の言葉に、あんな意味があった なんて…(T_T) 本当に素敵な作品でした。読み終わると、プラネタリウムを見にいきたく なりますね(^_^) 



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