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zero hour

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サンタ! サンタ! サンタ!


 衣類と思われるものの巨大な山が詰め所に持ち込まれたのは、早朝のことだった。
 と、思われるものと称したのには訳がある。
 それらが真っ赤で、ところどころに白いふわふわが付着している奇妙な衣類であったからだ。
「なんだこれ?」
「なんで、こんなものがソルジャー詰め所に?」
 出勤、そう、ソルジャー部隊の隊員も、神羅カンパニーの社員であるからには、出勤という言葉も使ったりするのだ。
 で、出勤してきたソルジャーたちが、赤い衣類をツンツンし、つまみ上げ、フリフリと振り回してみたりしているうちに、騒々しい男がやってきた。
「あっれ〜? なぁに、これ? すげー、これ着て、輪になって踊るのか?」
 ザックスであった。
「あっ、副官、おはようございます」
 ピッと敬礼して、金髪の新兵がザックスの前に立った。
「よー。これ、着てみ?」
 小柄の新兵に、赤い三角帽子を被らせて、ザックスはケタケタと笑った。
 ぶかぶかの帽子が、新兵の顔半分を覆い隠す。
 無造作に羽織らせた上着は、肩がずり落ちて、妙に色っぽい。
「あー、なんだ、これ、サンタクロースじゃん!」
 ポンと手を打って、ザックスは楽しげに山になった衣類を物色し始めた。
 同僚たちは、新兵に着せるまで判らなかったのか? とでも言いたげな視線をザックスに向けたが、相手が相手なので、あえてそれを指摘することはなかった。

 セフィロスがソルジャー詰め所を訪れたのは、それから少しだけ時間がたったあとのことだった。
 いつものように、きちんと背筋を伸ばし、隙のない身のこなしで廊下を歩くセフィロスは、詰め所が騒がしいのに気づいて、嫌な予感にさいなまれた。
 果たして、詰め所を覗くと、そこには、サンタの衣装を身にまとい、コサックダンスを踊るザックスの姿があった。
 コサックダンス……。
 どうしてサンタがコサックダンスなのか、恐らく、ザックスにも明確な意味などありはしないのだろう。
 とにかくザックスは、しゃがみこんで腕組みをし、楽しげに足を交互に前に突き出す、独特のダンスを踊っていたのだ。
 セフィロスは、手拍子の中で踊るザックスを、茫然と見つめた。
 神羅の誇る英雄に、これだけ「とほほ系」のダメージを与えることの出来る人物は、そうはいないだろう。
 ザックスは、そういう意味では超一流のムードメーカーなのかもしれなかった。
「あっ! 准将!」
 だぼだぼの衣装をずるずると引きずった新兵が、戸口で立ち止まっているセフィロスを見つけて、ケナゲにも敬礼した。
 くの字に曲げた腕を伝わって、だぼだぼの赤い袖口が、ずるずると下がった。
「よーっ! セフィロス! いっしょに踊ろうぜっ?」
 周囲の人間の心臓が縮み上がるような台詞を、ザックスは臆面もなく吐き出す。
 セフィロスに、サンタの衣装でコサックダンスを踊れと言える人間は、この星広しといえども、このザックス以外には居ないかもしれない。
 セフィロスは、やれやれと息をつくと、室の中に入って一言言った。
「ア・テンション!」
 凛と響く声が一同のふにゃにゃけた精神にカツを入れた。
 ザックスといっしょに踊っていた者も、手拍子を刻んでいた者も、皆がカカトを合わせて立ち上がるとセフィロスに向き直って整列し、正式な敬礼を決めた。
 軍服の上にずるずると大きいサンタの衣装をまとった間抜けな集団が、きちんとした敬礼をしている様は、異様というよりは、かなり滑稽であった。
 セフィロスは一瞬目を伏せると、気を取り直して顔を上げ、作戦の説明を始めた。
 スチャラカチャカチャカとすっかり盛り上がって踊っていたザックスが、サンタの衣装のままセフィロスの補佐のために前に出る。
 黒板に板書するためのチョークを掴んで待機した。
 しばらくセフィロスの指示を黒板に書き付けていったザックスは、話の切りのいいところで得意げに大声をあげた。
「あっ、俺、いい暗号名考えた! 『サンタ! サンタ! サンタ!』っての、どう?」
 一同は、慌ててセフィロスの機嫌を伺うような視線を向けたが、セフィロスは薄く口許を笑わせるとザックスに向かって低く言った。
「それはいいアイディアだ」
「だろ〜?」
 ザックスは悪びれない。
 セフィロスは、一同に向き直った。
「作戦終了の暗号コードは、『サンタ! サンタ! サンタ!』とする。作戦の成功を祈る。解散!」


 セフィロスは、エアリスのためだったらサンタの格好もするよね……。
 という某氏の発言のもと、セフィロスにサンタの格好ができるかどうかヂャレンジャーな私はキーボードを叩き始めた。
 なんと! いちばん喜んでサンタの扮装をしたのは、言うまでもなくザックスだった。
 果たして、セフィロスはサンタの格好をするのか!?
 セフィエアの筈なのに、エアリスはまた、ほとんど出てこないのか?
 ザックスの独り舞台でこの話は終わるのか?
 お笑いなのか? そうなのか?
 修羅場っている筈の原稿をうっちゃって、何を書いているのか……<ぢぶん
 数年ぶりの東條零の新作(?)にとまどいを隠せない諸兄姉へ……。
 季節ネタなので、あまり深く気にしないで下さい……(^^;;
 20世紀最後のクリスマスに送る、感動のお笑い掌編(謎)
 だけども、続きはきっと、今の原稿が終わったあとの21世紀だ!(笑)
 1月になってもクリスマスネタ……。既に、そんな季節感を気にする人はここにはいないだろう……。
 ちなみに、らぶりーな壁紙は、家人その2が担当(笑)
 踊れ! ザックス……!!(かな〜り、ノーミソ逝ってます)

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