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zero hour

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魔晄ジャムとキムチのパスタ 1

 エアリスは、軽く鼻歌を歌いながら、キッチンで鍋を混ぜていた。
 このところ、エアリスはジャムに凝っている。
 しかしながら、その鍋の中は、壮絶な青い色が渦を巻いていた。
「エアリス」
 セフィロスは、キッチンに充満した甘ったるい香りに辟易しながら、魔晄色をした鍋の中味を眺めた。
 鍋の中味が、ほんのりと光っていた。
「それは……なんだ?」
「ん?」
 エアリスは、くるりとセフィロスを振り返った。
「青薔薇のジャムだけど?」
 屈託なく言い切るエアリスの邪気のない表情に、セフィロスは思わず言葉を失った。
 ジャム……。
 確かに、そういう形状をした半流動体であると認められないこともない。
 しかし、その色は、あまり食用には向いてはいないだろう。
「それを……どうするつもりだ?」
 判りきったことを確認するように、セフィロスは訊いた。
「あしたの朝御飯よ。楽しみにしててね」
 ふわりと花のかんばせをほころばせ、エアリスは嬉しそうに言い切った。
 朝御飯……。
 セフィロスは、絶望的な気分になって数歩後ずさり、背後のキッチンテーブルにもたれるように体重を預けた。
 エアリスは、料理の才能にとても恵まれていた。
 だが、それはとても独創的な才能であった。
 気に入った相手には、得意の腕をふるってごちそうするのがなによりの楽しみなのだが、彼女の料理は、しばしば、あまりに前衛的であったりするから、招待客は悲惨な目にあってしまうのも事実であった。
 ときおり、そのご相伴に預かって胃薬と整腸剤のお世話になっているのが、タークスのツォンだったようだが、このところは、神羅の誇る英雄が、もっぱらそのターゲットにされているらしい。
 セフィロスは、鍋をかき混ぜる少女を見つめた。
 ふと、外に何者かの気配を感じたような気がして、視線を勝手口のドアに向けた。
「あれ? どしたの? セフィ?」
 存外、エアリスもそうしたセフィロスの動きには敏感だ。
「いや……。少し、出てくる。夕飯までには戻る」
 セフィロスは、エアリスを安心させるように何気なく言うと、ドアに向かった。
「え? あ、じゃあ、帰りにパルメザンチーズとキムチ買ってきて」
「キムチ?」
 セフィロスは肩越しにエアリスを振り返った。
「うん。キムチスパゲッティにしようかな、と思って……」
 キムチのパスタ……。
 発想は斬新だ。
「それに、チーズをかけるのか?」
「あれ? 変かな?」
「さあ……試してみないことにはわからんな」
 エアリスは、嬉しそうにニコニコと笑った。
「でしょでしょ? じゃあ、スープとサラダはなににしよっか?」
「任せる」
 言ってしまってから、セフィロスはかすかに後悔した。
 だが、既にエアリスはやる気満々で、腕に力こぶを作ってみたりしていた。
 多分、万国博覧会のようなメニューが並ぶのだろうな、と思いながら、セフィロスは教会のキッチンの勝手口から外に出た。

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 突然、なにを発表しているのかと思われる向きもおありでしょうが、何年かぶりにFF7関係のフォルダを開いてみたら、書きかけの掌編が眠ってました。はい。書きかけです。なので、これ以降の話をどうするつもりだったのか私もよく覚えていないのですが、ファン創作って、キャラ同士が日常の断片の中で喋ってるだけってのもありだったなーと思いだして、続きが出ようが出まいが好きな人はこんなシュチュエイションだけでも楽しんでくれるかも? なんて思って出してみました。てゆーか、久々にFF7関係でお話してくれる人がいたりしたので、なんだか妙に懐かしく、調子に乗っちゃったんだと思います。もし、読んでくれる人がいるなら、前々から書くかも? とか言いつつ出さずにいた過去三部作完結編の「途中まで」を出すかも? だけど、途中までって……ストレスたまりません? そりゃあ、世間様のサイトでは未完の大作もいっぱい見てきましたけど、私的には未完のものをそのまま人様の目の触れるところに出すってのは……などと思ったりしたんですが……。うーん……。ぐるぐる。……まあいいや。そのうち忘れるかもしれないし(をい)
 ちなみに、このジャムの話、日付を見ますと2000年6月になってました。この続きを書くとなると微妙にキャラが違ったり、激しく文章が違ったりすると思いますので、これはこのままのほうがいいのかなぁ、とも思ったりしています……(逃)


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