第九の封印 (1997.4)初出、ニフティサーブFF7特設会議室
 

セカンドプレイを始めた。

テレビの前にパソコンをでんと置いて、台詞をカタカタ入力し始めた。

スラムの公園で、エアリスが意味深な告白をした。

ソルジャーファーストに男!?

この時点でプレイヤーが知っているソルジャーファーストって、1人しか居ないやん……(^^;

あとで、ザックスとかいう黒髪の金平糖みたいなヤツが、彼女の初恋の相手の座に急浮上するのだ。

その事実にのけぞったのは私だけではあるまい。

この時点で、私のザックスに対する愛は、ひとかけらもなかった(笑)

そんなわけで、「第九」におけるエアリスは、作者の作為により、ここでセフィに対する思いを告白することとなる。

かくして、うちのエアリスは、クラウドにもザックスにも目移りしない、英雄様一筋の乙女になっていくのであった。

その後、Vジャンプに発表されたオフィシャル・ザックスのイラストで、彼もまた「うちの」という枕詞をつけるに至るわけだが、この時点では彼は完全にアウトオブ眼中であった。

セカンドプレイをしながら台詞を拾いまくった。

リミット技を覚えさせまくった。

パソコンを叩きまくった。

起きて、喰って、ゲームして、台詞拾って、ゲームして、小説書いて、喰って、ゲームして、散歩して、ゲームして、台詞拾って、書いて、書いて、書いて、喰って、ゲームして、台詞拾って、書いて、ゲームして、倒れて寝て、起きて……以下延々繰り返した。

私は何を書いているんだ? これは、版権ものじゃないか……。

オリジナル書かなきゃ、仕事は取れないぞっ!

どうせ書くなら、オリジナルにしろ!!!

脳裏でもう一人の自分が騒いでいた。

でも、ああ、でもっ!

私は、私は、これが猛烈に書きたいのよぉぉぉぉぉっ!!!!!

書きたいものを、書きたいように、書きたいだけ書いたのは、子供の頃以来だったかもしれない。

だから、一日、20時間くらい、パソコンの前に座っていた。

ご飯を作ってくれたのは、家人その2だった(激爆死)

当初、300枚(400字詰め原稿用紙換算枚数)を予定していたのに、ぜんぜんエンドマークがつかなかった。

書いても書いても終わらなかった。

あまりに長くなったので、ゲームプレイヤーであれば既知の情報や設定は、かなり省いた。

500枚を費やしても終わらなかった。

いきなり鶴の機織り状態に突入してしまった私の飯を炊きながら、無言の圧力をかける家人その2であった。

早く仕上げないと、冗談ではなく家庭崩壊の危機だった。

寝ないで書き殴った。

ラスト1週間は2時間睡眠だった。

そして、約1ヶ月で700余枚を書き上げた。

 

私は、真っ白な灰になった……。