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クレヨンしんちゃん
嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦(2002日)
2003.3.29.
文化庁メディア芸術祭賞大賞受賞作品。
クレしんが、お上のお墨付きを貰っちゃったです。
なんか、世も末って気がしたのは、なぜでしょう??
ちなみに、アカデミー候補にもなった「頭山」
ジブリの「猫の恩返し」
TVシリーズの「攻殻機動隊」「アベノ橋魔法☆商店街」
なんぞを抑えての受賞。
ちょっと、びっくりしました。ええ。
それはともかく。
これは、凄い良い出来です。
みんな、見ましょう。絶対、見ましょう。
日本人なら見るべきだ。
……とまで断言できるほどの、素晴らしいエンターテイメント。
笑いあり涙あり、活劇あり、合戦あり。
親子愛あり、友情あり、男女の愛もあり。
心を動かされる要素がふんだんに盛り込まれていて、
それでいて、しんちゃんの真っ直ぐな想いが、
お話を一本のベクトルとしてぐいぐい引っ張っている。
凄いです。
私は、これを見て凹みました。
いい意味で凹みました。
「ブタノヒヅメ」のときのアクションも凄いと思ったけど、
これのアクションも凄いです。
この画で、ここまでリアルなアクションを追求できるんだな、と。
活劇大好き人間の私は思います。
城攻めのシーンなんかは、
「ロード・オブ・ザ・リング二つの塔」を彷彿とさせます。
この平べったい画で、どうしてこんな奥行きが???
と唖然とすることうけあい。
これって、大河ドラマなんかでも昨今は役者のせいか、
うまく表現しきれなくなってきた「哀切」みたいなものが、
余すところなく表現されていたと思います。
人間の役者よか、ぜーんぜん、画のキャラのほうが演技してるんだもん。
台詞で「辛い」とか「哀しい」とか言うのは陳腐。
この映画には、そういうストレートな表現を避けているがゆえに
浮き彫りにされてくるものがあると思います。
「おまえ偉いんだろ! だからこんなことになったんだぞ!」
しんのすけは、王様は裸だって言える、数少ない貴重な子供なんだなぁ、と。
痛いほどに感じました。
偉い人が私利私欲に走ると、一般の人が犠牲になる。
イラク戦争の真っ最中に、この台詞は胸に染みました。
この映画、クレしんじゃなくても成り立つと言う人が多くて驚きました。
そうでしょうか?
しんのすけじゃないと言えない台詞だと思うけどなぁ。
確かにストーリーは、クレしんじゃなくても通用すると思います。
でも、キャラが違ったら、これほどの感動は生まれないと思います。
お話が良くできていると、世間は「○○じゃなくても」と言いますけど、
違うと思います。
名作「ルパン三世 カリオストロの城」だってそうです。
あれがルパンじゃなかったら、普通の良作止まりだったと思います。
それほどに、既存のパワーある作品の世界観というものは、凄いんです。
凄いところをピックアップしたら、とっても長くなります。
文句をつけるのが好きな私ですが、この映画に関しては特に見あたりません。
場面設定からタイムパラドックスの処理まで、実に見事。
それこそ、タイムスリップものは現状回復で一件落着がお約束で、
その手の名作は過去にうなるほど描かれているわけですが、
それでも、これは、素晴らしい出来なんですね。
主人公が真っ直ぐな少年であるだけに、この一家の冒険は、
決して現状回復という枠では収まらないのだと思います。
彼は間違いなく成長したし、彼を取り巻く家族の絆は間違いなく深まった。
「しんのすけのいない世界に未練はない!」
ひろしの台詞です。
お父さんだよ。かっこいいよ。足が臭いけど……(笑)
歴史の中に埋もれてしまった名もない人たちも、
平和な未来を夢見て現在のあり方を正そうとする。
なんてステキなんでしょう。
決しておしつけがましくなく、説教臭くなく、
緩急自在なストーリーテリングによって、
平和の大切さ、為政者のエゴの怖さ、愛する心の尊さを感じさせてくれる。
雑兵の一人に至るまでが、同じ命を持った人間なんだって思い出させてくれる。
日本人なら、見なさい。
尻だけ星人になって踊るしんのすけに、ごまかされちゃダメだよ。
なんとなく思った。
この映画を徹底的に批判してるコメントも読んでみたいな(笑)