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スターリングラード(2001独・米・伊・アイルランド)
2002.09.12.Rent.
ううむ。良くできていた。
手堅い。
ヴァシリは、銃の精度をも凌駕する天才にちがいないと、
少々ゴーインな部分も力ワザで納得させてくれる。
ただ、それは私がロシア人じゃないから、
泥沼の戦争を体験していないからそう思えるのかもしれないと、
一応、書いておこうかな……。
スターリングラードの攻防戦は、
日本で言う沖縄戦くらいの意味合いがあるんだそうな。
それを、エンターテイメントに仕上げた、ということを
理解した上での感想だよ。
で、ちょっと調べたら、監督のジャン・ジャック・アノーと、
製作総指揮のアラン・ゴダールは、「薔薇の名前」でも組んでいた。
ちなみに、脚本は、この二人の共著となっている。
ほんとに、手堅い。
実在した狙撃手ヴァシリ役のジュード・ロウ……。
ずーーーーっと、どこかで見た……どこかで見たと思い続けて、
その、どこかで見た役が妙に気になってしまった……。
あとで調べたら「ガタカ」だった(^^;
あの役、印象的だったからね……。
政治将校ダニロフ役のジョセフ・ファインズも、どこで見たっけ〜?
と思っていたら「エリザベス」だった。
そんなことが妙に気になる映画だったんだけど、
だから面白くなかったかといえば、ぜんぜんそんなことはなくて……。
とても安心して見ていられた。
ちょうど、昨日、「人狼」を見たので、どうしても比較しちゃうんだけど、
なんだろうね。やっぱり、ストイックな人間を描くなら、
どこか抑圧された人間らしさを合わせて持たせなきゃ、
説得力が出ないってことかなぁ、と。
そういう意味でも、この作品では「人間」が描けていて、
すごく辛い部分もあって、だけど、理解出来る部分もあって、
けっこう納得させていただきました。
いや、それって、エド・ハリスのお陰かな……。
ナチの狙撃手役のエド・ハリスが渋くてね〜……。
ここに、この役者を持ってくるなら、
どっちかってゆーと、狙撃手対狙撃手のもっと緊迫した戦いっていうか、
その中で生まれるみょーな絆っていうかね……。
そういうのを存分に見せて貰いたかったのが本音です。
まあ、サーシャの扱いについては、
思い切ったなぁ、という気もしますが……。
あれもリアルの追求という意味では、ぜんぜん甘いかもしれず……。
時間の都合か、ヴァシリとダニロフの友情に絡んだ、
ターニャとの三角関係が消化不良だったのが、惜しい。
この作品では、メロドラマ的要素を入れて女性客の集客も狙ったらしく、
本来描き出したかっただろうストイックな部分が少し薄いのね。
ただ、そこはそれ、やはりキーワードは、
「エンターテイメント」
マニアックな作品にせずに、ここまで色んな要素をぶち込んで、
破綻せずにまとめた手腕には感心してしまいました。
見習いたいバランス感覚だなぁ、と。
脚本、読んでみたいな……。
個人的に好きだったシーン。
サーシャの母親が、対岸に渡るときに、
息子へのメモを貼り付けるシーン。
メモにキス。
うるうる……っときましたね。
で、ターニャが爆撃に遭うシーンがあまりにあっさりしてるので、
これは……と思っていたら案の定。
みたいな部分に、仕掛けの甘さを感じないこともなかったですけど、
ターニャというキャラには、
彼女の戦う意志みたいなものが前半部分にとてもよく出ていて、
全体的に好印象。
安全な箱庭に引き止めようとする男よりも、
戦うための銃を渡してくれる男を選ぶってあたりも、凄く好き。
で、ネットを彷徨っていたら、
凄いセンチメンタルな感想を目にして、「をを。そうだったのか!」
と、感動したりして……。
反戦がどーの、父性と母性で云々……。
そういえば、この映画のコピーって、
「愛するターニャ、今日も僕は君のために、またひとり敵を撃つ」
だったんですか??
うわ……。ゲロ甘……(^^;
そ、そりゃあ、センチメンタリズムに浸りたくなるよねぇ……。
いや、勿論、私はゲロ甘も好きですが……。
この映画に関しては、
やっぱり、もっともっとストイックで厳しいものを求めてしまうなぁ。
比較されがちな「プライベート・ライアン」あたりとは、
違うと思うんだよね……。
だって、あっちは、根が「戦争で息子を亡くしたお母さんのために」だもん。
あの映画でも、私のお気に入りは、
主に祈り続ける孤独な狙撃手さんだったんだけど……。
どうやら私は、狙撃手さんに特別な思い入れがあるらしい(笑)
だけど、あのラストでいいのかなぁ?
ハリウッド的っていうか、少女漫画的になってしまって、
少し残念だったり。
だけど、これも血なまぐさい映画なので、
興行的には救いがなくてはイカンのかもですね(^^;
そうそう。やはり、合い言葉は「エンターテイメント」です。
でも、そのエンターテイメントでも共産主義への批判は、
きっちり入れているところがさすが……というか。
まあ、しょーがないですかね(^^;
あ、あれ? 誉めてたはずなのに……。
つまり私の個人的な好みとしては、
この攻防戦では、エンターテイメントの枠からはみ出たものを
見たかったってことかな?
ぬるいって言ってる? もしかして……(汗)
で、でも、面白かったよ。うんうん。
ただ。
髑髏の山の上に築かれたハッピーエンドが
性に合わないだけさ〜……。