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南極物語(1983日)
2002.03.16.
ご存じ、南極観測隊と同行し、
自らの力で越冬して生き延びたタロとジロの物語。
うーん。
この映画は、超大ヒットをとばしたんです。
邦画としては、「もののけ姫」に抜かれるまで、
歴代1位をキープし続けてきました。
だけど……なんで?????
このようなおーざっぱな、事実の上にあぐらをかいた作品が、
なんで、多くの人の涙を誘うんでしょう?
はっきりいって、私は、涙腺がめちゃ緩くて……。
映画を見てはよく泣くんですが……。
ごめんなさい。
これを見てる最中、寝てしまいました(←氷の心の持ち主?)
だって、南極に残されてしまった15頭の物語は、
完全に制作者側の作ったフィクションなので、
そこにリアリティも信憑性もなにもないわけですよ。
なのに、そこにもっともらしい、
今で言うプロジェクトXのようなナレーションをかぶせて、
彼らがいかに生き、いかに死んでいったのかを描き出している。
仲間同志、かばいあったり、思い合って啼いたりしてね。
だけどそれは完全に想像でしかないわけで、
都合のいい作り事でしかないわけなんです。
本当は、極限状況になれば、
仲間同志で共食いをした可能性だってあるだろうし、
誰かが見つけた餌を奪い合って弱い犬が死んでいったかもしれない。
そういう部分があってこそ、
犬たちだけが残されねばならなかった不条理も、
残して帰らねばならなかった第一次越冬隊の苦悩も浮き彫りにされると
思うんですよね。
だけど、多分、それは、一般向けではないから。
そんなことを描いても、客は入らないから、
美談(なのか?)を演出するために綺麗に創った。
それだけのことだと思います。
そんなわけで、
こんなお綺麗な絵空事を、厳粛な事実とごちゃまぜにして見せられて、
どこをどう押せば、感動できるっていうのかなぁ、と。
現実とのリンク具合のお粗末さに、
私は、どんどこクールダウンしていったのでした。
第一次越冬隊が引き上げねばならなかった
ギリギリの状況をもっとスリリングに描くとか、
第二次越冬隊が到達できなかった状況を、
きちんと人間の芝居として積み上げていくとか、
そういう演出が必要不可欠だったように思います。
ギリギリ土壇場の苦渋の選択っていうのが浮き彫りにされてこそ、
第三次越冬隊とタロジロが再会を果たしたときの感動が
生きてくるんじゃないかなぁ、と。
だから、犬の生死をかけたドラマを安易にとってつけて、
感動を呼ぼうっていうのは、あざといんじゃないかと。
とかく、動物モノは感動大作が多いんですが……。
それに便乗しようっていう考えが見え見えで、
現実問題としてそれに乗せられてしまう人がいっぱい出たってのも、
象徴的だと思います。
世間の評価はどうか知りませんが、
興行成績に反して、これは、私にとっては眠い映画でした。
だいたい、こんな危険な撮影につきあわされた犬がメチャ可哀想でしょう?
これだったら、動物もののドキュメンタリーを見たほうが、
感動できます。
そこには、本当の意味での厳しい自然に生きる、
野生の掟があるからです。