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人狼 JIN-ROH (1999日)
2002.09.11.Rent.

安保闘争をモデルにした時代背景の中に展開する、
首都圏治安警察機構と、公安。
反政府組織「赤ずきん」などが組織が絡まり合う騙しあい。
首都警特機隊に眠る「狼」と「赤ずきん」ちゃんの切ないラブストーリー。
……のはずだ。多分。

時代背景、好き。
組織が絡まり合う陰謀劇、大好き。
非政府組織。ゲリラ。セクト。好き好き。
童話を絡めたお話作り、好き。

だけど、この映画は眠い。

アニメーションとして、実写にどれだけ近づけるかってのに
挑戦したわけでもあるまいに……(そうなのか?)
これではまるで、FFシリーズの悪あがきをみているよう。
ちなみに、FFのほうは10あたりで、
その悪あがきもようやく機械のスペックが追いついてきたんだね、
って思ったんだけど……。

このアニメの場合は、キャラがとにかく実写的。
表情のつけかたも、まあ、よく研究してると思う。
けど、やっぱり、そこまでやって、リアルに近づけるってことは、
日本のアニメが培ってきて、
世界に通用するまでに完成させた独特の手法に造反するってことだ。

サンライズあたりのロボットアニメが脈々と築き上げてきた、
「ため」てからの動き。
オーバーなアクション。
物体が動くときには、必ず重心の移動があって、
それをアニメは多少オーバーに描いているんだけど……。
この「人狼」では、実写に近づけようとしたためだかどーだか、
実にぎこちなく、もたついて見えた。
リアルに近づけるために、顔の筋肉を動かすなら、
もう少し、映画的演出にも気を遣ってもらいたいと思ってしまった。

たとえば、煙草の煙を吐き出す横顔。
私なら、煙を吐いたあとに、軽く目を閉じさせます。
少し長いまばたき。
だって、そうしない? 普通。
普通のアニメ手法で作っているなら気にならない些細なことが、
このアニメの手法を選択した段階で、細かいアラとなって観客の目に映る。
評価点が厳しくなる。
それは仕方ないだろう。
今、子供向け特撮なんかでも、コートの裾が翻ったりする。
役者はオーバーアクションで、わざと翻るように振り返る。
視聴者は、アニメという文化を当然のもの、身近な娯楽として享受してきた。
今は送り手もそうだろう。
であれば、あえて、
アニメ作品で不自然なリアルを追求する意味はどこにあるのだろう。
……って、本当は、そんなもん追求してないの?
まあ、アニメ情報、一切知りませんので、勝手な感想ほざいてます。

で、次にストーリー。
すごくわかりやすい、単純な、ありがちなネタ。
……のはずなのに……。
ななな、なんじゃこりゃぁぁ???
くどい。くどすぎる……。
鬼のようなモノローグ。
まるで「ゴッドファーザー」の洗礼式みたいに、
強化服装着の特機が訓練するシーンに寓話の朗読がかぶる。
いや、判るけどね、気持ちは……。
私も好きだけどね、そういう演出。

だけど、それが通用するのは、エンターテイメントな場合だよ。

エンターテイメントっていうか、
客を楽しませる演出は、送り手にはやっぱり必要なものだと思う。
しかつめらしい顔をしてブンガクを論じる時代じゃないんだから。
がーって盛り上がって、わーって楽しくて、
どががががって戦って、血がどぴゅーって噴き出してるんだけど、
見終わってみると、重いテーマがなんとなく胸の奥にしこっている……。
そんなのが、私は目標だから……。
だから、あえて、
この話は好きで判るけど、評価はしない。

受け手の理解能力や感受性が低下してきている昨今、
メディアは低年齢化、安易化、即物化の一途を辿っている。
実際問題として、そのようなものを提供し、
受け手を育てる努力を怠ってきたがための弊害であるにもかかわらず、
送り手はさらに作品の安易化を促進する。
そんな現状へのアンチテーゼとして、この手法をとったとでも言うなら、
また考え方も別……。
まあ、違うだろうけど。

とにかく、これ見てる途中、寝てしまって、
私は、慌てて巻き戻してしまいました。

omake