自動人形のバラッド 遠い日の君のために

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自動人形のバラッド



遠い日の君のために



これ、何稿も書いたので、どれが決定稿だったかわからなくなっちゃいました(笑)
最初、ネームにしたら50pのはずが66pになっちゃって、ひーひー言いながら削って54pまで減らしたら、
どこからかページをいただいて、56pに落ち着いた試行錯誤の作品。
多分、雑誌掲載のものとはかなり違うバージョンもあると思うんですが、これはどーかな?(←確かめてないヤツ)
 あ、でも、冒頭にタイトルが来てるから、何度目かの推敲後の稿かもしれません。
なぜかってゆーと、扉がカラーになるのがあとでわかったので、イントロとタイトルを変更したんです。
 どーも、私は、タイトルの前にイントロをつけたがる映画好き(笑)



■タイトル『遠い日の君のために』

■1 夕陽のスクラップ置き場


    ラジが物色している。キィスはお手伝い。ミシェリ、がらくたの山を探っている。


ミシェリ(M)「雨の降る街で、ぼくはキィスに拾われた」


    がらくたの中からラジオをみつける。


ミシェリ「見て見て、キィス!」

ミシェリ(M)「キィスは、『祭火(そしき)』の殺し屋で……。ぼくは、『祭火(まつりび)』
    の造った自動人形。ぼくは、キィスを殺すよう命令されてた……(前回の回想
    ・戦うシーン)」

キィス(振り返る)「どうした? ミシェリ」


    ミシェリ、キィスに抱きつく。


ミシェリ(M)「だけど、できなかった……」

ミシェリ(物体をキィスの目の前に見せる)「これ、なぁに?」

キィス 「ああ、ラジオだろ?」

ミシェリ「ら…じお?」

ミシェリ(M)「だって、キィスはぼくのマスターで……。(ちゅーする回想)大好きだっ
    たから……」


    キィス、ミシェリの手の中のラジオのスイッチを入れる。
    ラジオが、ガガ……と鳴る。


ミシェリ(驚いて放り投げる)「きゃあ!」


    ラジオが地面に転がる。
    キィス、笑う。
    雑音混じりの古い曲が聴こえてくる。


唄 『ぼくの闇を照らす君に 内緒話をしよう』


    ミシェリ、しゃがみこんで不思議そうにラジオを視る。


キィス 「懐かしいな。子供の頃、おふくろが唄ってくれた曲だ……」

ラジ 「おふくろってガラかよ……」
ミシェリ「ラジ、おふくろって?」
ラジ 「お母さんだよ。ママ。人間は、みんな、お母さんから生まれるんだ」

ミシェリ(キィスに)「それって、マスターのこと?」

キィス 「いや。特別な存在だってことに違いはないけどな」


唄 『ねぇ、ぼくがいなくても 時は過ぎてゆくね
     泣かないでくれるかな わがままだよね』



ミシェリ(首をかしげ)「ふう…ん……」

ミシェリ(M)「キィスは、命を狙ったぼくを許してくれた……。自動人形は性別を変え
    られるから、ぼく、キィスにふさわしい女の子になって、フリフリスカートを買っ
    てもらうんだ。でも、どうしてかな? まだ女の子になれないみたい……」

    ミシェリ、ラジオを振ってみたりしている。


ミシェリ「ぼく、これもらっていい?」


唄 『どんなに変わっていても きっと待ってるから……』


ミシェリ(ラジオの唄に耳をそばだて)「どんなに変わっても待ってるって、どういう意
    味かな?」

ラジ 「別れた恋人に未練たらたらな唄だろ?」

キィス(吹き出す)「おまえは単純でいいな」

ラジ 「じゃ、複雑なキィス先生はどー解釈するよ?」

キィス 「さぁ……」

ラジ 「クサイこと言いそうになってごまかしたな?」


    キィスを見上げるミシェリ。
    キィス、ミシェリの頭をポンと叩く。


ミシェリ(M)「キィス……。こんなぼくでいいの? ぼく、キィスになにをしてあげられ
    るだろ?」


    突然、スクラップの壁がぐらりと揺れる。


ミシェリ「えっ?」


    スクラップの中から、ぼこっと手が出てくる。


ドゥシャ「マスター……」


    ぬっと、スクラップの中から人形が現れる。
    頬に傷のある、少年タイプの自動人形。


ミシェリ「きゃぁっ!」

キィス 「ミシェリ!」


    ガラガラと崩れるスクラップ。

    ミシェリ、尻餅をつく。目の前にスクラップが崩れている。

    転がった人形。


ドゥシャ(ミシェリと目が合う)「マ…スター……」

ミシェリ「え?」


    ドゥシャ、動かなくなる。


ラジ(ドゥシャの側にしゃがみ込み)「こりゃぁ……掘り出しモンかもなぁ……」


    茫然と、瓦礫の前に座っているミシェリ。


ミシェリ(はっとして)「ぼ…くが、マスター?」


    キィス、ラジ、顔を見合わせる。


キィス 「人形は、人形のご主人様(マスター)になれるのか?」

ラジ 「さあ……」


■2 ラジのトランスポーター(外)

    トランスポーターが、木陰に目立たないように止まっている。
    その側で、拾ってきた薪で火をおこすキィス。


キィス(M)「『祭火(まつりび)』は、なぜ、ミシェリに俺を狙わせた……?」


    キィス、立ち上がり、トランスポーターの後ろのドアを開ける。


キィス(M)「やつらは、俺たちを追うだろうか……」


■3 トランスポーター(中)


    台の上に、拾った人形が寝ている。少年。左の頬に傷。


ラジ 「20年はたってる。初期型の自動人形だ」

キィス 「20年? まだ動くのか?」

ミシェリ「ほっぺ、痛そうだね」

ラジ 「初期型は、皮膚の再生機能がないから、外傷は、自然には治らないんだ」

ミシェリ「治してあげて、ラジ」

ラジ 「それがな……。なにしろ古いものなんで部品がなぁ……」

キィス 「顔の傷より、内部(なか)が問題か……」

ラジ 「ああ……」


    ラジ、人形に触れる。


ドゥシャ「私に、触れるな」


    上半身を起こすドゥシャ。


ドゥシャ「私に触れていいのは、マスターだけだ……(ミシェリを見る)」

ミシェリ「え? やっぱり、ぼく?」

ドゥシャ(至上の微笑み)「マスター……。必ず会えると、信じていました……(ふっと
    気絶する)」

ミシェリ「わわわ(慌てて抱き留める)」

ミシェリ「重い……(そっと横たえる)」

ラジ 「初期型は、おまえさんと違って、バイオパーツはほとんど使っていないん
    だ。金属部品の塊だから、重いんだよ」

ミシェリ「怪我しても血、出ないの?」

ラジ 「泣きたくても、涙も出ないかもな」

ミシェリ「そっか……」

キィス 「ところで、俺はハラペコなんだが……。飯にしようぜ?」

ラジ 「ああ、先に何か喰っててくれ。こいつ、バッテリー弱ってるみたいだから、メ
    ンテして充電してから行く」

ミシェリ「ミシェリも」

キィス 「あ、そう……(キィス出ていく)」


■4 森の中 焚き火


    たき火で、手に持った枝の先にひっかけた携帯用食料の缶詰を暖めている
    キィス。たそがれた感じ。


キィス(M)「ったく……。どいつもこいつも……」


    キィス、熱い缶から食おうとして火傷する。


キィス 「っちちちちち!(ふーふーする)」

キィス(M)「……マスターだと? あいつ、リセットされたわけじゃないよな……? 
    どうして、ミシェリがマスターなんだ?」


改頁してください


■5 森のわき水が出てる場所


    朝。キィスがわき水で顔を洗っている。ラジが現れる。


ラジ 「よう。オモチャをオモチャに取られて、ごきげんナナメじゃねーの」

キィス 「ぬかせ」

ラジ 「あの初期型な……。欠片(ピース)持ってるぜ」

キィス(驚く)「まさか?」

ラジ(頷く)「神経系に接続されてはいるが、機械部品オンリーで作られているあいつ
    の体内で機能しているとは思えない。意味深だろ?」

N   「欠片(ピース)とは、超能力開発パーツである。ピースには、取り外し自由の
    オプション型ピースと、内蔵すると体内(なか)で融合していく融合型ピースの
    二種類がある。
    元来、兵士の戦闘能力を増強するためのものだったが……。自動人形に応
    用されるようになったのは、人形の体内にバイオ部品が組み込まれるように
    なってからである」

キィス 「20年前の、融合型ピースだって……?」

ラジ 「あの初期型を作ったのは……、もしかしたら、イリヤ・古葉かもしれん」

キィス 「祭重工 火兵研究所(まつりじゅうこうぎょう かへいけんきゅうじょ)を逃げ
    出して、行方不明になった天才科学者か?」

キィス 「もしかして、とんでもないもん、拾ったんじゃないのか?」

ラジ 「『祭火』にバレれば追われるな」

キィス 「だったら迷うこたぁない。捨てよう」


■6 木陰

    木陰に、ミシェリがたたずんでいる。


ミシェリ(M)「えっ!? 捨てる……?(ショックを受ける)」


    ミシェリ、パッと身を翻す。


■7 再びわき水の場所

ラジ 「まぁ、待てって。どうにかして、そのピースを取り出してみたいと思うんだが
    ……」

キィス 「よせよ。20年前のものだろう?」

ラジ 「もし、イリヤの作ったものだとしたら、ミシェリのご先祖様みたいなもんだぞ
    ? ミシェリクラスになると頭は開けられないが、初期型なら……」

キィス 「……あいつのシステムに問題があるのか?」

ラジ 「ミシェリの、頭に弾丸(タマ)撃ち込んだくせに、なに言ってんだ? 暴走する危
    険はゼロじゃないぞ」

キィス 「……だな」

ラジ 「ともあれ、今出回っている自動人形の原型を作ったのがイリヤという、わず
    か16歳の少年だったってことだ」

キィス(空を仰ぐ)「天才少年か……」


■8 ラジのトランスポーター


ミシェリ(M)「どうして? キィス、ぼくのこと拾ってくれたじゃない。ぼくもこの子もマス
    ターがいなきゃだめなのに……」

ミシェリ(ドゥシャを揺り起こす)「起きて」

ドゥシャ「お呼びですか? マスター」

ミシェリ「ぼくの名前は、ミシェリ」

ドゥシャ「はい。マスター」

ミシェリ「だから、そうじゃなくて、ミシェリ」

ドゥシャ「はい?」

ミシェリ「んもう。じゃ、いいや。君の名前は?」

ドゥシャ「ドゥシャ」

ミシェリ「ドゥシャ、君は、どうしてぼくのこと、マスターって呼ぶの?」

ドゥシャ「マスターは、マスターだからです」

ミシェリ「君のホントのマスターはどこにいるの?」

ドゥシャ「私の目の前に」

ミシェリ(うんざりして)「……ちょっと、キィスの気持ち、判ったかも……。困っちゃう
    な」

ドゥシャ「どんなことでお困りでしょう?」

ミシェリ「えっ?」

ドゥシャ「ご命令を。マスター」

ミシェリ「そうか。君は命令で動くんだね。じゃあ、君は何がしたいの?」

ドゥシャ「おっしゃる意味が判りません」

ミシェリ「君には、意志はないの?」

ドゥシャ「私の意志はマスターの意志です」

ミシェリ(M)「機械と話してるみたい……。この子は、ぼくの仲間じゃないの?」

ミシェリ「とにかく、ここに居たら捨てられちゃうから、ぼくといっしょに行こう」

ドゥシャ「はい」


■9 時間経過後  ラジのトランスポーター

    もぬけのから。


ラジ 「どーするよ?」

キィス 「普通、自動人形が家出するか?」

ラジ 「駆け落ちかもなぁ?」

キィス 「人形同志で?」

ラジ 「さあ。ご主人様の教育が行き届いているようで……。ミシェリのやらかすこ
    とは予測がつかないね」

キィス 「あてこすってる場合か?」

ラジ 「ははぁ。逃げ隠れしてる我々としちゃあ、『祭火』に気づかれたら面倒だな
    ……」

キィス 「あのバカ……。目立つことしてなきゃいいんだが……」


■10  荒れ地

    線路が続いている。線路づたいに歩くミシェリとドゥシャ。
    ミシェリ、ラジオを腰にぶら下げている。


ミシェリ「じゃあさ、君が前に居たところは、緑がいっぱいで、湖があって、鳥が鳴い
    てて……。小さな駅があって、大きな木があって、丸太小屋があるのね?」

ドゥシャ「は……い(ふらりと倒れる)」

ミシェリ「どっ、どうしたの? ドゥシャ!」

ドゥシャ「申し訳…ありません……回路が…熱……」

ミシェリ「えー……。もう、動けなくなっちゃったの?」

    ミシェリ、ドゥシャのこめかみのジャックと、自分の手首の内側のジャックにケ
    ーブルを繋ぐ。ミシェリ、ドゥシャを膝枕して頭を撫でる。


ドゥシャ(目を開ける)「あなたは、自動人形ですか? でも、あたたかいのですね…
    …」

ミシェリ「ぼくの皮膚の下には、人工血液が流れてるんだよ……」

ドゥシャ「それで、長時間、平気で活動できるんですね。私の体は、熱を効率的に逃
    がすことができなくて……。冷却装置に負荷がかかって、安全装置が働くん
    だそうです」

ミシェリ「えっ? 思い出したの? ぼくがマスターじゃないって判った?」

ドゥシャ「停止してしまった私の重い体を抱えて、マスターは、ベッドに運んでくれま
    した。そして、こう言うんです」

イリヤ 「熱があるよ。早くよくなるといいね」

ドゥシャ「私は、機械なのに……。マスターの理想は、あなたのような存在を作り上
    げることでした……。ミシェリ、あなたは、私のマスターによく似ています…
    …」

ミシェリ「マスターのこと、好きなんだね……」

ドゥシャ(笑顔)「はい」

ミシェリ「ぼくも、マスターのこと、好きだよ」

ドゥシャ「あの、爆発頭の方(かた)ですか?」

ミシェリ「ばくはつ……? (笑う)ああ、違う違う。それは、ラジ。もうひとりの、いつも
    つまんなそうな顔してるほう」

ドゥシャ「つまんなそうな?」

ミシェリ「うん。ほんとは凄い、照れ屋さんなの。……キィスに黙って出て来ちゃった
    なぁ……」

ミシェリ(M)「ごめんね、キィス……。だけど、ぼく、マスターがいないと、すごく辛いっ
    て知ってるんだ……」


    泣きながらキィスに剣を突きつける回想。


ドゥシャ「帰りましょうか?」

ミシェリ「だって。キィスったら、ドゥシャのこと……」

ドゥシャ「え?」

ミシェリ「あ、ううん。なんでもない。とにかく、マスター捜すの、手伝ってあげるよ」


■11 続・荒野

    鉄道と道路が平行して走っている。
    (ここの絵ですが、道路と線路が近すぎるような……。あと、道路の脇には電
    柱はなしにしてください。電気が通ってない設定なので。道路を識別するには
    中央線でも書いておけばオッケーでしょう。多分)

    ミシェリ、首からプレートをかけて、ヒッチハイク中。
    『GO LAKE』のプレート。ぶうん、と車が通り過ぎ、砂埃を浴びる二人。


ドゥシャ「止まってくれませんね」

ミシェリ「やっぱ、ぼくに色気が足りないのかな?」

ドゥシャ「っていうより……。湖って、漠然としすぎてるんじゃぁ……?」

ミシェリ「だって、場所の名前、わかんないんでしょ?」

ドゥシャ「えーと……(上を向く)思い出しました。ソウルレイクです。ここから、列車で
    七つ目の駅ですね」

ミシェリ(M)「さっきまでと別人みたい」

ドゥシャ「少し、長く眠りすぎましたから、思い出すのに時間がかかって……。でも、
    大丈夫です。だんだん記憶がクリアになってきました」

ミシェリ「でも、どうして目が覚めたの?」

ドゥシャ「唄がきこえました。マスターが好きだった唄です……」

    ドゥシャ、歌い出す。(唄の分量けずりました)

唄    『過ちは時を越えいつか 思い出になるだろう
     だけど今なら 間に合うような そんな気がして迷ってる』

ミシェリ「ああ、ラジオから流れてたね。そうか……。君のマスターが好きだったんだ
    ……」

ドゥシャ「私は、マスターに会いたいです……」

    ミシェリ、ドゥシャの頭を抱き寄せる。


■12 トランスポーター

    ラジ、パソコンで情報を検索している。
    キィス、弾丸を込める。


ラジ 「イリヤ・古葉。2003年、旧ロシア産まれ。祭重工 火兵研究所主任研究
    員。2019年、失踪。最終研究テーマは……有機アンドロイドにおけるニュー
    ロ素子と自己増殖神経回路……」

キィス 「ふーん。またえらく小難しいことを……」

ラジ 「ちなみに、ヤツが失踪してから20年たった今も、バイオタイプの神経回路
    は完成していない……と」

キィス 「単なる電気信号だけじゃ割り切れない、神の領域ってことか」

ラジ 「そうなると、科学者も哲学を語るわけよ」

キィス 「で? あいつらはどこに行ったんだ?」

ラジ 「イリヤの母親の故郷が、このあたりだったらしい。ソウルレイクだ」

キィス 「母親の故郷? 速攻でバレるだろう?」

ラジ 「確かになぁ……。ただ、それは……」

キィス(手首のスナップをきかせてシリンダを戻す)「それは、イリヤ(ヤツ)が生きの
    びるつもりだった場合、か」

ラジ 「わかってんのかな? あいつら」

キィス 「ガキに現実を教えるってのも、親心だろう?」

ラジ 「泣くぜ?」

キィス 「それでも、あいつはいい。初期型とは違って、泣ける人形なんだ……」

ラジ 「なんだかんだ言って、ミシェリには甘いんだな」

キィス(クスッと笑う)「妬くなよ」

ラジ 「ふん。あの人形に関わって以来、振り回されっぱなしだなと思ってさ」

キィス(ラジの肩を叩く)「巻きこんじまって、悪かった……。感謝してる」

ラジ 「らしくないこと言うなって」

キィス 「先回り、できるな?」

ラジ(ため息)「子供のお守りも楽じゃないね」


■13 列車の屋根の上

    もくもく煙を吐く蒸気機関車の屋根に乗っているミシェリとドゥシャ。
    他の乗客も屋根の上に乗っている。ラジオから、唄が流れてくる。


唄 『朽ち果ててゆくあの日の ぼくの心と愛……
     光る湖畔のお城に 帰れる呪文ひとつ』



客1 「トンネルだー! 窓を閉めろー!」

客2 「ばかやろー! ここは屋根の上だっ!」

客1 「じゃ、息を大きく吸ってぇ……」

    トンネルが迫る。ミシェリ、ドゥシャ、周りにつられて息を吸う。


客1 「止めろっ!」

    屋根の上の客、みんなで息を止める。
    煙がトンネルの中を埋め尽くす。
    機関車がトンネルから出る。皆が一斉に息を吐き出す。
    すす汚れた屋根の上の乗客たち。


ミシェリ「あはははは。ドゥシャの顔っ!」

ドゥシャ「ミシェリだって……」


唄 『流す涙も持たない 幼い君だけど
     誰よりもあたたかい 哀しませてごめん』


ミシェリ(立ち上がる)「見てー! 海だ〜っ!」

    一面の湖が広がっている。


ドゥシャ(振り返る)「ああ……。湖だよ、ミシェリ……帰ってきたんだ……」

    ピィーッと汽笛が鳴る。


■14 湖岸

    無人駅にとまった汽車を背に、転がるように湖岸に向かって駆けるミシェリと
    ドゥシャ。


ミシェリ「わぁーい! いっちばーん!」

    ミシェリ、湖に飛び込む。水辺で立ち止まるドゥシャ。


ドゥシャ「ミシェリっ!」

    ぷはっと、湖面に顔を出すミシェリ。


ミシェリ「ほら、綺麗になるよ。ドゥシャもおいでよ」

ドゥシャ「あ、私は、水は……。沈んだら浮いてこられないし……。完全防水でもない
    から……」

ミシェリ「そか……。ごめん(上がってくる)」

    ミシェリ、自分の着ていたシャツを、がばっと脱ぐ。


ドゥシャ(赤くなる)「うわ……」

    ミシェリ、シャツを絞る。


ミシェリ「じゃあ、ふいてあげるよ。マスターに、そんな顔で会えないでしょ?(頬をふ
    いてやる)」

ドゥシャ(緊張して固まる)「ミ、ミシェリ……」


■15 回想

    ドゥシャの頬を撫でるイリヤ。


イリヤ 「ドゥシャ……。ぼくは、君だけを信じてる……。ぼくの願いを叶えてくれる
    のは、君だけだから……」

ドゥシャ「マスター……。マスター、マスター!」


■16 回想もどり 湖岸

    砂浜に膝をついた姿勢で、ミシェリを抱きしめるドゥシャ。
    驚いた顔のミシェリ。


ミシェリ「ドゥシャ?」

ドゥシャ「あなたが望むなら、私は、どんなことでも……」

ミシェリ「ドゥシャったら……(背中をポンポンする)」

ドゥシャ「マスター……」


■17 湖畔の丸太小屋

    湖の湖畔に建つ丸太小屋。さびれている。
    部屋の中。キィス、古びた写真立てをみつける。
    イリヤ(ミシェリとそっくり)とドゥシャが微笑んでいる。


キィス 「こいつがイリヤか……。洒落にならんな……」

ラジ(隣の部屋から)「おい、キィス……」

    キィス、写真立てを置いて、隣室に向かう。
    ラジの肩越しに部屋をのぞき込む。
    ベッドの上、胸の上で組んだ白骨化した指。
    イリヤの遺体。(全体は見せない。指だけ)


キィス 「イリヤか?」

ラジ 「恐らく」

キィス 「組織の連中がここをみつけられなかったとは思えない」

ラジ 「見ろよ」

    ラジが壁を示す。字が書いてある。
    Don't touch me! Until my DOLL will be back!
    (人形が戻るまでぼくに触れるな!)


ラジ 「『祭火』が現場を律儀に保存するほどのことを、ヤツが知ってるってわけ
    だ。やばいな」

キィス(煙草を消す)「やばいのは、俺たちだ。客が来てるぜ」

ラジ 「あちゃー……。ずっとここを見張ってたわけか。まさか20年間も?」

    キィス、銃を抜き、裏口に静かに向かう。


キィス 「さあな。生きて突破できたら聞いてみな」

    キィス、手榴弾のピンを口で抜き、ガラスの割れた窓から外に放り投げる。
    慌てて床に伏せるラジ。
    窓の下の壁を背にしゃがみこみ、耳を庇うキィス。


■18 湖岸

    抱き合っているミシェリとドゥシャ。
    どーんと遠くで爆発音。ハッとする二人。


ドゥシャ「マスター!(音の方に向かって駆け出す)」

ミシェリ「あっ! ドゥシャ! ドゥシャっ!(追う)」


■19 湖畔の丸太小屋 外

    キィス、丸太小屋の側の木陰から銃を撃つ。
    被弾した人影、倒れるが、再び起きあがる。


キィス 「チッ……(舌打ち)自動人形……」

    リボルバーのシリンダをスイングアウトする。
    空薬莢をエジェクトして落とす。
    ポケットから出した特別な弾丸。それを一発だけこめる。
    シリンダを戻す際、弾の位置とシリンダの回転方向に注意。反対に回ったら
    弾が出ない(別途指示)


ラジ(回想)「こいつは、自動人形の動きを一発で止めるウイルス弾だ。ただし、おま
    えさんの腕次第だけどな。基本ソフトからの伝達経路にブチこめ」

キィス 「第二腰椎あたり……って、そんなん、見ただけで判るかよ……」

    キィス、狙いをつける。
    不意に、潜んでいた木の上から、人影が落ちてくる。
    反射的に、狙いをつけて撃つ。
    第二腰椎のあたりを撃ち抜かれて、パチパチショートして動かなくなる自動
    人形。


キィス(ヒュゥと口笛)「案外、当たるもんだな……」


    背後に殺気。振り返るキィス。


キィス 「!」

    眼前に迫る黒い影。
    上着を跳ね上げる。腰に水平に刺した鞘からナイフを左手で抜き取る。
    黒い影の喉元を下から逆手に握ったナイフで切り上げる。
    崩れる人形。人形の腕を後ろ手にねじり上げ、延髄(首の後ろ)にナイフを突
    き立てる。(刺した部分は見せずに刺した感じだけ)


ラジ 「キィス! 後ろだ!」

    はっとして振り返るキィス。自動人形の銀色の剣がひらめく。
    後ろにトンボを切ってかわすキィス。
    キィス、髪の毛を切り裂かれる。色っぽい、ざんばら髪になる。
    着地したと同時にナイフを構える。
    と、人形が前のめりに倒れ込む。
    剣を振り下ろした直後のミシェリのシルエット。きりっとした表情。


キィス 「ミシェリ……」

ミシェリ「キィス、ドゥシャが変なの。ぼくには止められないの。お願い。助けて!」

    キィス、ラジを見る。ラジ、頷く。
    ミシェリ走り出す。あとについて行くキィス。


■20 丸太小屋室内

    昔、イリヤと笑い合う回想。
    寂れた小屋の様子を見て哀しそうな顔をするドゥシャ。
    イリヤの白骨死体の前で微笑むドゥシャ。
    Don't touch me! の壁の文字。


ドゥシャ「マスター……やっと会えましたね……」

    跪き、イリヤの胸で組まれた手の骨に両手を乗せる。ドゥシャ、目を閉じる。


■21 回想


イリヤ 「ドゥシャ……。君が、心から信じられる存在に出会ったとき、もう一度、ここ
    に戻っておいで。そのとき、ぼくが託した君への最後の命令を思い出せるよ
    (微笑む)」

    イリヤ、ドゥシャの頸椎にカプセルをはめ込む。ふわりと倒れて行くイリヤ。
    ドゥシャ、抱き上げてベッドに運び、指を組ませる。


■22 回想もどり 丸太小屋室内

    回想の中と同じ姿勢のドゥシャ。


ドゥシャ「マスター……。私は戻ってきました……。あなたの最後の命令を実行する
    ために」

    ドゥシャ、立ち上がる。

ミシェリ「ドゥシャ……」

    イリヤの部屋の戸口に立つミシェリ。


ミシェリ「そのヒトが、マスター?」

ドゥシャ「ええ。20年前に、亡くなった私の最愛の人です(微笑む)」

ミシェリ「どうして笑うの?」

ドゥシャ「私は泣けないから……」

ミシェリ「どんな命令を受けていたのか知らないけど、君のマスターは、死んじゃった
    んだよ! もう、命令は、無効だよ……。ぼくと行こう。ね? ドゥシャ……」

ドゥシャ「あなたをマスターと思って生きることが出来たら……素敵ですね」

ミシェリ「だいじょぶだよ。きっと、みんなで仲良くできるよ」

ドゥシャ「でも、ミシェリ……。あなたは、別の人を、心から、マスターと呼べますか?
    それとも、私をリセットしますか?」

ミシェリ(ショックを受ける)「リセット……」

ドゥシャ「自動人形の忠誠なんて、リセットしたら無に帰るんです。それなのに、マス
    ターは、私を信じて、20年も待っていてくれた……。たったひとりで……。私
    は、マスターの最後の命令を遂行します……。サヨナラ……ミシェリ……」

    ドゥシャ、バッと手を広げると、髪が逆立ち、腕や肩がめくれて銃口が覗く。


ラジ 「戦闘人形(サルダート)だ!」

キィス 「ミシェリ!(左手で庇いドゥシャに銃向ける)」

ミシェリ「駄目! キィス!」

    ミシェリ、キィスの手を振り払って跳ぶ。
    Xの形に銀色の残像がひらめく。
    着地するミシェリ。
    体の前面をX字に切り裂かれ、倒れていくドゥシャ。


ミシェリ「ドゥシャっ!(抱き留める)」

    ミシェリの手の甲。剣が出ていたところ、血がにじんでいる。


ドゥシャ(微笑む)「ミシェリ……」

ミシェリ「ばかぁっ! これがマスターの命令なのっ!?」

ドゥシャ「マスターは、自分が長く生きられないことを知って、自分の神経系を自動人
    形に応用することを考えました。生きた神経組織が人形と融合することがで
    きたら、自動人形は、よりヒトに近くなれます……」

ラジ(ドゥシャの傷を診る)「人工の神経組織じゃなく、生きた人間の神経細胞を機械
    と融合させようとしたのか?」

ドゥシャ「そうです。でも、私の体では、無理でした。いつの日か、それを受け入れら
    れる自動人形が産まれてきたとき、初めて活用されるのが、イリヤ・古葉の
    神経ピースです」

キィス 「神経ピース……」

ドゥシャ「それを、ミシェリ、あなたに託します」

ミシェリ「ちょっと待ってよ。それ、外しても、ドゥシャ、だいじょぶなの?」

ドゥシャ「私は、もう、動けません。このままでは、マスターのピースも死んでしまいま
    す」

ミシェリ「やだ! やだやだやだっ! ねぇ、ラジ、治してあげて! ドゥシャを……。
    治して……。ぼく、こんなつもりじゃ……っ!」

ドゥシャ(ミシェリの頬に震える手を伸ばす)「ミシェリ……。マスターは私に言いまし
    た……」

イリヤ(回想)「ドゥシャ、君がこれを託せると思う存在を、ここに連れておいで……」

ミシェリ「託せる存在?」

ドゥシャ「神経ピースを託すのは、ヒトでも自動人形でもかまいません。どちらを選ぶ
    かは、私の一存に委ねられました。マスターは、私を信じてくれた。私も、あな
    たを信じます……」

ミシェリ「ドゥシャ! ぼくはっ……!」

    ドゥシャ、首の後ろから弾丸状の半透明なカプセルを取り出し、ミシェリに渡
    す。


ドゥシャ(視界が霞んでミシェリとイリヤがだぶって見える)「マスター……(両手を伸
    ばす)」

    ドゥシャ、微笑む。ぱたりと手が落ちる。


ミシェリ「うそ……。やだよ! ドゥシャ! ドゥシャっ! マスターなんか、もう、どこに
    もいないじゃないかっ! そんな命令にこだわることないんだよっ!(泣く)」

キィス(ミシェリの肩に手を乗せる)「ミシェリ」

ミシェリ「ぼく、ドゥシャに酷いコトした……。ぜんぜん判ってあげられなくて、マスター
    なんて呼ばれていい気になって……。だけど、ぼく、マスターになんかなれな
    いよ! 抱きしめて、がんばったねって言ってあげることもできなかった。ぼく
    が……。ぼくが殺したんだっ……!」

キィス(煙草に火をつける)「ミシェリ……。もし、おまえが暴走したら、俺は、この手
    でおまえを破壊するぞ」

ミシェリ「え?」

キィス 「自動人形のマスターになるというのは、そういうことだ。責任が持てないヤ
    ツには資格はない。こいつは自分からおまえに斬られたんだ……」

ミシェリ「これのため?(カプセル)」

キィス 「それは、ピースと呼ばれる拡張パーツだ。それを体内に取り込めば、何ら
    かの変化が起こる。融合型のピースは、保温されずにいると効力を失って
    死ぬ。迷っている時間はないぞ。ドゥシャがマスターと慕った少年の神経ピ
    ースを受け入れるも破棄するも、おまえの選択ひとつだ」

ミシェリ「ぼくが、決めるの?」

キィス 「ドゥシャは、おまえに選択してもらいたかったんだろう。この件に関しては、
    俺は命令はしない」

ミシェリ「だって……急に、色んなことがありすぎて、ぼく、わかんないよ……。ぼく、
    なにもできなかったのに……」

    ラジ、ドゥシャをミシェリから受け取って横たえる。ドゥシャ、微笑んでいる。


キィス 「だったら、自分が今、どうしたいか考えろ」

ミシェリ「ぼくは……ドゥシャの望みをかなえてあげたい……」

キィス 「そうだな。そうすればきっと、ドゥシャの魂は救われる」

ミシェリ「魂? 人形にも魂はあるの?」

キィス 「おまえがそう思うなら」

    ミシェリ、キィスにカプセルを渡す。
    キィス、銃弾の、弾丸と薬莢の境目にナイフを入れて分解し、薬莢の中の火
    薬を落とす。
    薬莢の先に、弾丸の代わりにピースをはめ込む。(ここのところ、弾丸の絵だ
    けの小さなコマを重ねてつなげる感じでどうでしょ?)
    キィス、銃に、弾丸型カプセルを装填する。
    ふわりと目を閉じ、キィスの胸にしなだれかかるミシェリ。


キィス 「いれるぞ?」

ミシェリ「うん」

    キィス、ミシェリの頸椎に、カプセルを撃ち込む。


ミシェリ(ピクンとのけぞり)「あっ……!」

ミシェリ(官能的な表情)「ああ……っ」

    ミシェリ、キィスに抱きつく。


ミシェリ(震えながら)「や……。あ……つい……!」

    ラジ、ポケットから薬瓶を取り出す。


ラジ 「キィス(瓶を放る)」

    キィス、瓶を受け取り、キャップを親指でピッと回して片手で開ける。


ラジ 「免疫抑制剤みたいなもんだ。飲ませとけ」

    キィス、瓶の中味を口に含み、口移しで腕の中のミシェリに飲ませる。
    ミシェリのノドが鳴る。ミシェリ、ふっと力を失う。気絶する。
    キィス、ミシェリをお姫様だっこする。


キィス 「ラジ」

ラジ 「判ってる。先、外に出てな」

キィス 「ああ」


■23 丸太小屋 外

    すっかり夜になっている。
    木にもたれてキィス、座っている。膝枕でミシェリが寝ている。
    ミシェリの腰につけていたラジオをいじるキィス。
    ザザ……と雑音が入る。その音で目覚めるミシェリ。


ミシェリ「あれ……? ぼく……(首を押さえ顔をしかめる)」

キィス 「ピースを受け入れると、しばらくは痛む。じきに慣れるから大丈夫だ」

ミシェリ「なんで、キィス……そんなこと?」

    キィス、ニッと笑う。
    ラジオから曲が流れてくる。


DJ 「今日のラスト・メールは、イリヤより、ドゥシャへ」

ミシェリ「えっ?(ガバッと起きる)」

DJ 「メッセージは、『いつまでも君だけを信じている。ありがとう』……ふ〜ん。意味
    深だね。気になるリクエストは、『遠い日の君のために』」

キィス 「ありがとう……か。判るような気もするな」

ミシェリ「どうして? 死んじゃったのに?」

キィス 「ヒトの心は、結果じゃないさ……」

ミシェリ「? 人形の心は?」

キィス 「ここに訊いてみな(ミシェリの胸の辺りをトンとつつく)」

    ミシェリ、両手を胸の辺りで抱く。


唄 『ぼくの闇を照らす君に 内緒話をしよう
      きっと会えると 約束だけがセピアに染まるけど』


    ラジ、ガソリンタンクを持って小屋から出てくる。


キィス 「いいのか? 貴重な初期型だろう?」

ラジ 「あいつは、ここで眠りたいとずっと思ってきたんだろ? 俺もそこまで野暮じゃ
    ないさ」


唄 『過ちは時を越えいつか 思い出になるだろう
     だけど今なら 間に合うような そんな気がして迷ってる』


    キィス、小屋に近づいて、煙草をピッと弾く。

    丸太小屋が爆発するように燃え上がる。


ミシェリ「きゃ(腕をかざす)」

キィス (炎を背に)「ミシェリ、ドゥシャってのはな……、イリヤの国の言葉で、心って
    いう意味だ」

ミシェリ「え? こころ……」

    綴りは、Душа


キィス 「いい名前だな」

    ミシェリ、キィスの腰にきゅっと抱きつく。
    キィス、ミシェリの髪をくしゃっと撫でる。
    炎に三人のシルエット。
    唄がかぶる。(歌詞は横書きで)

唄 『ねぇ、ぼくがいなくても、時はすぎてゆくね
    泣かないでくれるかな わがままだよね

   朽ち果ててゆくあの日の ぼくの心と愛……
    光る湖畔のお城に 帰れる呪文ひとつ

   流す涙も持たない 幼い君だけど
    誰よりもあたたかい 哀しませてごめん

   どんなに変わっていても きっと待ってるから……』
                                      (C) 2001 Lei Tojoe 白泉社



 

 ルビチェックしてて気づきました。多分、これは、最初にコンテ(ネーム)化されたものを見て、チェックいれつつ、かなちゃんとの調整をしたあとの稿みたいです。さらにこのあと、何度かの修正、チェックを繰り返しているはずですが、それはすでにコンテ上でのチェックになっていて、文章の形では残っていないと思います。
 てなことを書きながらつらつら考えたんですが、今まで、完成稿じゃない原稿を他人様の目の触れる場所に出すなんて考えられないことだったんですが……。シナリオに関してはあんまりこだわってない自分を発見しました。むしろ、1稿2稿って全部公開したいくらい。こーゆーふーに変わっちゃうんですよー、見て見て〜みたいな(笑)

 これ、ドウシャの名前がロシア語なんで、ロシア語の表を編集に送ったりしたのを思い出します(笑) 確かに、普通の写植じゃないですね。

 細かい経緯は失念したんですが、画にするための覚え書きみたいなのが残っていましたので、それもアップします。普通は、表に出ないものですが、まだ雑誌を持っていてくれる方もいらっしゃるようですし、こんな弱小サイトを覗いてくれている貴重なお客様へ、サービスサービスぅ〜v てな感じで(笑)

 資料は、ここをぽちっとな→

 で、実はですね、これは、受賞作のアンケートがとーっても良かったとかで、続編を「依頼」していただいた、生涯さいしょでさいご(なのか?)の依頼原稿だったんですね。んなわけで、2000年の6月頃に依頼がありまして、速攻で2作書いて送ったうちの1本です。ということは、もう1本あるはずなんですね、少なくとも。それもじきに出します(おおばんぶるまい)
 まあ、この「遠い日」に関しては、色々反省点もあります。見切り発車事件とか〜(遠い目) あんまり、裏方でばたばたしてるところをさらけ出すのもどうかと思いますが、まあ、色々ありました。はい。
 2作を読み比べていただくとわかるかと思いますが、2作目は、小難しいです。物語はSFの人には珍しくもなんともない昔からの王道なんですが、設定がね……。少女漫画の中でもL誌はこういうのオッケーだと思っていたんですが、時代は変わっていたようです。てゆーか、ここ数年でものすごく変わりましたね。漫画業界全般が。雑誌も増えて、こういう系統は、もっと別会社だったかな〜と。私も社会勉強させていただきました。はい。
 とはいえ、漫画の仕事させていただいて、普通だったらぜったい知り合えなかったような人とお話させていただけたのが最大の収穫でした。だって信じられます? L誌で今バカ売れしてる作家さんと裏事情話をしたりしたんですよー。ありえないなー。私なんざ、画を描く人との接点なんかないもんなー。とにかく、同じ土俵の上で話をしてくれる人がいて、びっくり。このうえは、これを一生の思い出に余生を送ろうとおもいます……(よぼよぼ)←をい
 とまあ、いつもよぼよぼいいながら自分の怠慢をごまかしてますが(笑)
 「遠い日」の初稿を編集に見せたときの感想「いい話でした」 んで、掲載後「むずかしい」とか感想をいただいた時点の編集の感想「これがわかんないのか〜」……ってのを付記しておきます。 

 

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