

アウトカレッタは、1930年代に主にイタリア陸軍の山岳部隊で使用する為に開発された小型トラックで、まるで耕耘機のようなクラシカルな外見ですが、コンパクトな車体に4輪駆動・4輪操舵という贅沢な機構を盛り込んだ意欲的な車両です。皆様ご存知の通り、当時は世界的に見てもまだまだ軍隊の本格的な機械化は始まったばかりという時期でしたが、そんな中で専用の車両を開発するあたりに当時のイタリアが如何に山岳地帯を戦略的に重要視していたかが伺えます。バリエーションには、最初の生産型であるTipo32、各部のマイナーチェンジを施したTipo35、さらにサスペンションの強化などを行ったTipo37、空気タイヤを装着したTipo36、Tipo36のサスペンション強化タイプのTipo36DM、荷台を兵員輸送型としたTipo36pなどがありました。また荷台にブレダ30機銃の対空用マウントを備えたタイプや、煙幕発生装置を備えたタイプなどもあったようです。
模型の方は各種プラ材を使って自作しましたが、足周りを中心に市販の自動車のプラモデルの部品を多用しています。例えばエンジンは同じ直列4気筒ということでフォードA型のものに手を加えて作ったり、駆動系部品をドラゴンワゴンなど1/35の大型車両模型から形の似たパーツを改造したりしています。特に足廻りについては、特徴的な前後でリンクしている四輪操舵をサスペンションも含めて可動で作成した点が苦労しましたが、出来上がったら殆ど見えないのがマヌケであります。また、車輪の製作ではモリ社長に複製をお願いしました。文字通り「獅子は兎を狩るにも全力を尽す」という言葉そのままに、こんなモノにも素晴らしい技術を惜しげもなく注いで頂き、恐縮するとともに厚くお礼申し上げる次第です。
なお製作に際して参考にした資料は、Nicola Pignato氏の著作"Le Autocarrette Del Regio
Esercito"ですが、1/25スケールの4面図を含め、ともかくこれ一冊だけあればOKという素晴らしいものですので興味のある方はどうぞ。