ろうそくで湯を沸かす 
 
2007.10.1

   タイトルだけでは何のことか分からないでしょうが、今回は夫婦関係調整の話です。調停などで夫婦関係調整というと離婚の前哨戦のようなものですが、妻(夫)が家を出て行ってしまったので戻ってきて欲しい、という夫婦関係の修復の話です。夫婦関係も壊すよりも直すのが大変、ということが多いようです。
今回の事案
このところ家事事件づいている彦一弁護士、「もう離婚はしばらくごめんこうむる」というつぶやきを聞きつけてか、久々に事務所に来た中島さんとその甥っ子が「夫婦関係なのですが・・・」という相談です。「はぁ〜」というぼやき声を出しながら相談室に行くと、甥っ子の下島さん、開口一番「妻に帰ってきて欲しいんです!」。どうやら今回は離婚ではなく夫婦関係の修復の相談のようです。今回のテーマは女性の人は読んでも面白くもないでしょうが、男性はいざというときに「たしかにね」と思うことがあるかと思います。


 

その1   なぜ妻は出て行く

   男女平等、離婚原因に男女差無し、という時代ではありますが、「離婚したくない」というケースには男女差が結構あります。夫が有責配偶者の場合が典型ですが、女性が離婚したくないというのはどちらかというと夫への懲罰という気持ちが背景にあることが多いです。一昔前のように「夫に捨てられると生活が出来ない」というような弱い女性はめっきり少なくなりました。もともと女性の方が社会への適応性は高いのですし、今では女性も職に就いていることが多くなりましたので、離婚したくないといっても経済的困窮などが理由のケースは少ないようです。けしからん、とか、ちゃんと財産分与に慰謝料ももらわなければ嫌だという違った意味での経済的理由も目立つようになっています。
   これに対して、夫が「離婚したくない」というケースは、「自分は離婚したくない、妻子と一緒に生活したい」という、ある意味で純粋な理由の方が目立ちます。確かに妻が子供を連れて出て行ってしまう場合には、「子供だけは」という思いがあるのは当然です。ですが、子供がいない夫婦の場合でも、出て行った妻とよりを戻したいと考える夫が結構多いように思われます。そして、この手の男性(夫)に比較的共通しているのが「なぜ妻が出て行ったのか分からない」というものです。

   中島さんの甥っ子の下島さんもそんな男性の一人のようです。話を聞いてみると、どこにでもありそうな夫婦のようです。確かに夫婦げんかはあったものの、突然家を出て行くような気配はどこにもなかったし、何が原因なのかも思いつかない、というものでした。


その2   男性として自戒を込めて

   彦一弁護士も男性です。下島さんの話はよ〜く分かります。ですが彦一弁護士は弁護士です。数々の家事案件(離婚)にも携わってきています。ですから下島さんの妻の気持ちもよく分かるのです。男性のものの考え方と女性のものの考え方には違いがある、もっと端的に言えば、男性(夫)には女性(妻)が何を考えているのかが見えていないということが数多く見受けられるのです。

  下島さんは都内の私立大学を出てとある大手上場企業に就職し、現在30代半ばの課長補佐。この手の大企業で本社勤務の課長補佐ですから社内では順調に出世しているといえるでしょう。妻は、都内の市立高校を卒業後、下島さんの会社の系列会社に就職。就職当初はいわゆる一般職の庶務の仕事でしたが、4年目に企画グループに配属となり、経営企画のサポートに入りました。この頃、グループ企業を横断する企画会議の中で二人は知り合い、交際2年で結婚。その2年後に子供が生まれ妻は専業主婦になりました。それを機に郊外に自宅マンションを購入し妻と子と3人暮らし。大手企業の良いところは完全週休2日制。土日はもっぱら子供の面倒ををみており、最近は子供の手を連れて公園に遊びに行くのが楽しみの日々です。下島さんもなるべく残業を無くそうと努力しており、平日はおおよそ午後7時には退社し、家での団らんを楽しみにしていました。
   一見すると、絵に描いたようなナイスファミリー、のはずなのですが・・・
   ある日突然、何の前触れもなく(というより下島さんには見せずに)、子供を連れて家を出て行ってしまいました。帰宅した下島さんは、部屋の様子を見てちょっと買い物に行っていると思ったそうです。「それにしては夜の7時過ぎに2歳の子供を連れて何処へいっているんだ、風邪でも引かせたらどうするんだ」「ちゃんど子供に晩ご飯はあげたのだろうか」などなど思いつつ、8時9時と、さすがに心配になって妻の携帯電話に連絡をしたところ「実家にいます」の一言で切れてしまいました。それきり音信不通で、携帯電話にも出ない、実家に電話をしても「話をしたくない」とつないでもらえないという状況です。

   夫婦の中が悪くなるのには色々な理由がありますが、下島さんの様な出来る男、いや“出来すぎる夫・父親”の場合には、知らず知らずと妻を束縛していることがあり、これが原因で夫婦関係が悪化することがあります。本人は一生懸命に妻に尽くしているつもりで、家事も進んで分担してみたり、子育てにも積極的に関わったりとしており、外から見てみると非常にうらやましい夫であり父親なのですが、時にそれが妻にとっては息苦しさになることがあります。妻からは文句をつけるところがないのに、夫からは家事のことまであれこれと口出しされる、しかも夫の言い分の方が客観的には正しい。次第に妻が、夫といることで劣等感を覚えるようになり、自分に対する自信を喪失するようになったりもします。ところが、夫はといえば、妻が悩んで困っているとみるや、妻のためにと思って自分なりにそれを解決しようとしてしまいますし、励ませば励ますほどそれが妻には重圧になってしまうので、益々妻としては自立心・自尊心を失うという悪循環に陥ります。更に困ったことに、夫本人は善意で努力しているので、妻が逆に苦しい思いをしているとは思いもよりません。こうなってくると、妻は自己防衛のために(自分の存在をかけて)夫と別れることを選んだりもします。
  話をきいていると下島さんもこのタイプの様です。それ故に、「なぜ」妻が家を出たのか全く判らない、思い当たる節もない、と嘆いているのです。


   

その3   話の糸口をつかむ

    不倫の挙げ句に家を出たとか、連日の暴力に耐えかねて家を出た、というのならばともかく、夫婦げんかがこじれて妻が家を出た、というようなケースでは修復が可能な場合もあります。下島さんのようなケースであっても、全く修復不可能なのではありません。ただし、それには夫の努力が必要です。では、その努力とは・・・。
   彦一弁護士が下島さんにまず話をしたのは、とにかく妻と話が出来るきっかけをつくるように努力すること。そして、努力というのは「我慢」「忍耐」だと思うように、と言って次のような話を始めました。

   まず次の週末には妻の実家に行くこと。その日は会えないだろうし、話も出来ないかも知れないから、玄関口に菓子折一つと簡単な手紙だけ添えて帰ってくるように。翌週も妻の実家に行くこと。その日も会えないだろうし話もできないだろうが、諦めずに何度も通うこと。電話をしてもいいが、ストーカーまがいのしつこい電話はNGだし、出来れば相手(妻の両親)の顔を見て話す方がいいからあまり電話はお勧めできないこと。毎週毎週行けば、いつかはきっと妻の両親が顔くらいは出すだろう。そうしたら、まずは自分の至らなさをお詫びして、妻と子供の様子を聞くように。決して「会わせろ」とか「なぜ家を出て行った」などと言ってはいけない。「実家にお世話になっているとは言っても、幼子もいて大変なはずなので」と言って、きちんと生活費は渡してくるように、これは法律的には婚費になるからどのみち支払う必要がある。最初に両親と話せたときには、無理強いしないで、とにかく次につなぐようにほどほどのところで帰ってくること。そうして何度も何度も通ううちに、きっと妻と話す機会が訪れるから。

   こんな話をしたところで、下島さんの頭からは湯気が吐かれ始めました。  「なぜ私がそんなことを! 出て行ったのは彼女じゃないですか!」と激高している下島さんです。彦一弁護士のアドバイスがよほど気に入らなかったのでしょう。「やれやれ」と内心つぶやきながら彦一弁護士も懸命に下島さんを諭しますが、下島さんの気持ちはよく判ります。下島さんからすれば、「自分が一体何をした?」、「どこに問題がある?」というものです。きちんと仕事をして、マイホームも持って、平日もあまり残業せずに家に帰って家事を手伝い、週末は子供の面倒も見て、それでいて一体何が不満なのか!?子供を連れて勝手に出て行ったのは妻であり、なぜ自分が頭を下げるようなことをしなければならないのか、自分勝手で悪いのは妻ではないか、という気持ちのはずです。
   それはそうなのですが、残念ながらここはぐっと堪えてもらわないと話は先へ進みません。
   


その4   女性は社会適応能力が高い

   彦一弁護士が、なぜ下島さんにこのようなことを言っているのかの理由の一つには女性には非常に高い社会(生活)適応能力があるからです。よく女性は弱者で保護が必要、などという趣旨の話をする裁判官もいますが、実際には女性の方が男性よりも遙かに生活力、いや、生命力が高いものです。彦一弁護のボス弁の太田弁護士に言わせると、「女性は子供を産むという能力を持っている。これは逆立ちしても男性にはない能力だ。子供を産むということは子供を育てるという本能を持っている。だから、どの様な状況であっても子供を育て上げようという力を持っているし持たざるを得ない。“生”への執着心、“生きる”ことへの力では男性は適わない」というものです。
   定年退職したとたんにボケが始まる男性の話はよくでますが、確かに男性は環境が変わると弱っていくことが多いようです。離婚後の夫と妻の生活を見ていると結構顕著なのですが、精神的に破綻していくのはたいていは男性のようです。女性は、離婚して経済的基盤を失ったとしても、それなりにきちんと生活をしていきます。今は女性も手に職を持って仕事をしているので、経済的にも問題が無くなり尚更なのでしょう。「離婚して益々元気になるのは女性だ」などと偏見に満ちた話をする人もいますが、実はあながち外れてはいないようです。女性は、自分の生活環境が激変しても、その中で自分の生活をしていく術を本能的に持っているとしかいいようがありません。それ故に、家を出て行った妻というのは、出て行った先で(それが実家であるかアパートを借りてであるかに関係なく)きちんと新しい生活を始めてしまうのです。確かに並々成らない苦労を強いられるのは間違いないのですが、一旦新しい生活が動き始めてしまうと、夫なしでも生きていけるようになり、「夫のいる家に戻る」という必要性がなくなってしまうのです。そして、物理的な距離というのはそのまま精神的な距離につながり(これは老若男女問わずでしょう)、いつしか自分の生活に夫は必要が無くなってしまうようです。女性がこのように意識しているかどうかは知りませんが、彦一弁護士がこれまで手がけた夫婦関係の事案をみていると非常に良く実感できますし、ボスの太田弁護士(弁護士歴35年)も同じことを言っているのですから、間違ってはいないのでしょう。これも女性への偏見だという人(特に女性の方)はいるかもしれません。確かに女性が全員こうなのだとはいえませんが、経験則からいうと案外外れていないはずです。
    ですから、彦一弁護士は下島さんに、夫である自分が妻の生活圏にいるということをしっかり妻に意識させておかなければならない、とまずアドバイスしたのです。「出て行ったお前が悪い、頭を下げて謝るなら家に帰ってきてもいい」などという態度では、話の糸口もつかめず、妻の意識と生活圏の中から、ますます夫の存在が希薄になってしまうのです。なんとしてでも妻の視界の中に自分をおいておくことと、できれば妻の視線を自分に向けさせること、それも強制的にではなく、妻の自発的な意志でそうさせることが必要なのです。ここで失敗してしまうと、残念ですがよりを戻すのは大変難しくなります。

    このような説明をきいて、下島さんも「しぶしぶ」ながら彦一弁護士の話を聞き始めました。下島さんにしても、妻と離婚したいわけではない、もう一度きちんと家族全員で生活をしたいと願っているのですから、そのためには妻=女性の気持ちになってみなければどうしようもないということは理解したようです。


その5   妻との対話ができるか

    彦一弁護士からアドバイスを受けた下島さん、それから毎週末には必ず新幹線にのって妻の実家に通ったようです。最初の数回は明らかに居留守で、門柱を蹴飛ばしたい気持ちをぐっと抑えて帰ってきたそうです。数回目に、たまたま妻の両親と玄関前で鉢合わせることとなり、なにやら両親が「最近は休日も忙しくて」と言ったそうですが、「何しに来た」とか「顔も見たくない」などではなくなにやらいい訳めいた表現であるところからしても、当然これまで下島さんが実家を尋ねてきていたことは気がついているはず。ならば“脈有り”という彦一弁護士の励ましを思いだし、ぐっと堪えて菓子折を渡しながら妻と子供の様子を尋ね、「もう出かけるので」と言われたところでおとなしく帰ってきたそうです。この後しばらくは再び居留守を使われたそうですが、しばらくして妻の父親から電話があり「子供(妻)が君に話を聞きたいと言っている」という連絡が入ってきたとのことです。そこで再び彦一弁護士に相談に来ています。

    彦一弁護士のアドバイスは、前回同様、下島さんに対しては「忍」の一文字を求めるものです。
    妻が「話を聞きたい」と言っているのだから、聞かれたことにまず答えること、自分からあれこれしゃべり始めると、きっと文句・不平・叱責になるのが目に見えている。だから、まずは聞かれたことに素直に答え、妻の話をとにかくよく聞いてくること、それに終始するように、というものです。下島さんは、「でもそれでは、それっきりになってしまったら自分の思いはどうなるんですか?」と言っていますが、彦一弁護士は、いきなり自分の気持ちを伝えたって彼女はそれを受け止められないはず。会って話が出来るという機会ができただけでも万々歳で、ことを性急に進めても失敗するだけ。次につながるように話をしてくることが肝要で、そのためにもまずは彼女が何を考え、どういう気持ちでいるのかを真摯に聞いてくるようにと諭しています。

    「対話」と言いながら、実は話し合いではなく、最初はとにかく妻の話を聞くことが非常に重要です。下島さんのように「なぜ妻が出て行ったか判らない」という人は尚更です。彼女の話をきかなければ、その「なぜ」は永久に判らないで終わってしまうでしょう。自分では完全なつもりでもそんなことはないし、むしろその完全さが彼女を束縛してここまで至らしめた可能性があるのですから、まずは彼女の話をきいて、その上で「それならば自分はどうすればいいのか」を考えることが必要です。
    離婚しようとしているのではないのですから、相手の行動や考え方を非難しても始まりません。相手が自分の何に不満を持って、どうして欲しいと思っていたのかを正面から受け止めて、その上で自分を変えていかなければよりは戻りっこありません。妻からすれば、「会って話をする」ということにはそれほど大きな期待をもっている訳ではないのです。ただ最後に自分の思っていることはきちんと伝えておこう、という程度だということも少なくありません。しかし、夫に「何か変わった」ところが見つかれば、話が変わってくる可能性はあるのです。ここで夫が何も変わらないと思えばそこまででお終いです。夫が「自分はこう変わる」ということを具体的に見せて実行しない限りは、復縁は難しいものです。そのためにも、まずは彼女の話を聞くことが重要なのです。彼女にしても、自分の考えを一方的に話すだけで終わるはずはなく、当然夫の考えや気持ちも聞いてくるに決まっています。その時も、「お前が悪い」ではなく「気がつかなかった自分も悪かったのでこうしたい、こう変えたい」というところが出てこなければ話になりません。
    実際、「なぜ出て行った」か判らないということ自体が、夫の認識不足で、妻のことをきちんと理解できていなかった、妻を自分の思考の枠に当てはめてしまっていた、ということなのですから、「勝手に出て行ってけしからん」ではなく「家を出るところまで追い詰めてしまった」自分を反省することも必要なのです。


その6  急いては事を・・・ 

    妻にしてみると、家を出るという一大決心をした(あるいは突発的衝動的かもしれませんが、それにしたって結果としては通常ではないことをした)のですから、それをおいそれと戻すのにも抵抗があるはずです。また、上述のように、新しい生活が始まってしまうと、その生活を続ける方が「戻る」よりも楽ということにもなってしまいます。家に戻ってみて、結局なにも変わらなかったというのであれば益々傷口が広がるだけですし、後悔するだけです。家に戻るにしても、それは非常に慎重になるのは当たり前です。ですから夫としては、時間をかけて妻がその気になるようにさせるしかありません。

   彦一弁護士が下島さんに話をしています。
   こういうときほど、包容力を見せなければならない。妻が多少理不尽なことを求めたとしても、妻に返ってきて欲しいのであればそれをそのまま飲み込むくらいの努力をしなければ。彼女の感情は、下島さんに対して冷え切って氷になってしまっているのだから、その氷を溶かしてあげない限りは元には戻れない。
   今下島さんの手にあるのは1本のろうそくだと思うように。横風が吹けばすぐに消えてしまうような弱い炎。このろうそくの頼りない炎だけでヤカンのお湯を沸かせるか?普通ならできないだろう。30分1時間炎を当てていたって温まりはしない。でも、炎をあてている限りは、少しずつではあるけれど必ず温かくなる。この炎を消さないように、耐えて辛抱して、そして遂にお湯になれば、彼女の氷を溶かしてくれるはず。だから、我慢して少しずつ少しずつことを進めるように。

   色々な話の受け売りになっているのですが、これはこれで彦一弁護士の本当の想いです。


 

その7   そうはいっても・・・

    このところ、家を出て行った妻を呼び戻したい、という類の相談がやたらと相次ぐ彦一弁護士です。冷静に見て難しいな、というケースもあれば、なんとかなるかもしれないというケースもあります。なんとかなるかもしれないなら、なんとかしてあげたいという気持ちでいるのですが、実際にやることは非常に大変です。そもそも彦一弁護士の一連のアドバイスに納得しないでそれきりになった人、話を聞くはしたもののやはり受け入れられないで強攻策に出てしまった人、夫婦関係調整調停というテーブルの設定に固執してしまった人(残念ながら妻は裁判所にも出てこず不調で終わりです)、頑張ってみたもののやはり途中で息切れしてしまった人、最後には「なんで俺がこんなヘコヘコしなければならないのだ」と耐えられなくなってしまった人、などなど。彦一弁護士自身も、自分が同じ立場に置かれたら、とても我慢できないと思うのですから、これらの人をとやかくいうこともできません。
   ではありますが、一度壊れかけてしまった夫婦関係、家族関係を立て直すのは尋常でない努力が必要なのです。物理学の法則に「破壊するエネルギーより創造するエネルギーの方がたくさん必要」というものがあるそうです。夫と妻の関係などでもこの法則が当てはまるようです。離婚するのにはものすごいパワーが必要ですが、修復するのにはもっと多くのパワーが必要になることが多くあります。
    ろうそくでお湯を沸かせるのか(※正確に言えば水を沸かして湯にできるのか、ですが)、とは難題でしょう。ですが、人の感情は、理屈では推し量れないものですので、出て行ったかと思えばいつのまにか何事もなかったかのように戻ってくるケースも現実にたくさんあります。(見合いだろうと恋愛だろうと)お互い好きあって結婚した夫婦なのでしょうから、行き違いはあっても修復が不可能ではないはずです。ろうそくの炎は非常に暖かみのある絵を作り出すものでもあります。そんな暖かみのある炎を大切に大切にともしながら湯を沸かそうという気持ちが、出て行った妻の心に雪解けをもたらすのかもしれません。夫=男、としてはその覚悟でことにあたらなければならない、そんなお話しです。