第一日目(成田〜アムステルダム〜マドリッド)
第ニ日目(マドリッド〜トレド〜マドリッド)
第三日目(マドリッド〜コルドバ〜セヴィーリャ)
第四日目(セヴィーリャ〜グラナダ)
第五日目(グラナダ)
第六日目(バルセロナ)
第七日目(バルセロナ)
第八日目(〜アムステルダム〜成田)
| 城塞都市トレドの一角を、観光バスから見る |
さて、トレドからマドリッドへ戻るときが大変でした。大渋滞に巻き込まれてしまったのです。
行きが1時間だったのに帰りは2時間30分もかかるなんて…(汗)。
マドリッドに帰り着いたのは8時過ぎ。夕食は、日本食が食べたくなったので、「どん底」と
いう日本料理屋に行きます。そこでバスターミナルからタクシーを拾ったのですが、この
タクシーの運転手さんが大層気の荒いこと荒いこと(汗)。私たちにではなく、道を走る乗用車
やバスに「邪魔だ!どけ!」みたいな感じのこと(なのでしょう多分)をどなるのです…。イライラ
の鉾先が乗客の我々に来たりしないことを心の中で祈っていました。祈りの甲斐あってか、一応
無事に「どん底」まで辿りつくことができました。
「どん底」で、まずキリン一番搾りを頼み(笑)、おつまみに野菜炒め・キムチ・ほうれん草の胡
麻あえ・あげだし豆腐を頼みます。いやはや、お国を離れて幾千里という異国の地で日本人の楽しみ
を味わってしまいました。(^-^;) たまにはこういうのもいいかも。最後は焼肉定食でシメ、でした。
プラド美術館へ行きます(実はここ、前日休みだったのでこの日を狙った
というわけ)。以前プラドの作品群が日本に来たときに見たことがあるものもいくつかありましたが、
この日はそれらの作品と再会し、更にまだ見ぬ作品群とご対面することができました。
第三日目(マドリッド〜コルドバ〜セヴィーリャ)
ゴヤの、「裸のマハ」「着衣のマハ」「巨人」は見慣れていたのですが、日本に来たときも
その凄惨さに圧倒された「わが子を食らうサトゥルヌス」!! 何度見てもドキドキします。サト
ゥルヌスのあのギョロッと剥いた目には、一生忘れられないようなインパクトがありますね。
そして、かねてからじっくり見てみたかった、ブリューゲルの「死の勝利」。そして、ヒエロニ
ムス・ボスの「快楽の園」。この二つだけでももうおなかいっぱいという感じでありました。「死の
勝利」。死を前にして人間はみな平等というテーマをこれ以上強く描いた作品はおそらくな
いでしょう。骸骨たちが無数の人間を狩り、捕らえ、連れ去っていくさまは、あまりに強烈に
我々の心にのしかかります。「快楽の園」。人間が純粋だった「過去」、人間が奢り高ぶって
快楽ばかり追い求めている「現在」、そしてそんな人間たちに待っているであろう破滅的な
「未来」が同時に描かれる。あまりにもシュールでかつ痛切な三部作といえましょう。
| 外から眺めたメスキータの大聖堂 |
昼食後、メスキータに入ります。イスラム教とキリスト教が交じり合う この大建築、大聖堂のまわりの生い茂るやわらかな木々にも癒され、そして薄暗い大聖堂の 中にびっしりと立ち並ぶ柱、壁の装飾、草野心平の詩に出てくるようなサウンド・オヴ・サイ レンスの極みのような存在感といったものでありましょうか…。なかなか言葉では表しにくい。
| カラオーラの塔から眺めたコルドバ風景 |
カラオーラの塔のあとは、花の小道と呼ばれる、複雑に入り組んだユダヤ人街 に足を踏み入れます。メスキータのそばから小道に入ると、待っていたのは、白い壁の 両側に咲き乱れたカラフルな花たち。なんともかわいらしいものです。そして小道の向こう に聳え立つメスキータがなんともいい味を出していました。更にこの後、かつては カトリック両王の居城でもあったという、アルカサルという城の庭園にも行き、引き続いて 花を観賞。(笑) 美しい噴水と花壇を見ていると、F.Lisztの「エステ荘の噴水」が 聴こえてくるかのようでした。こんなところで一度昼寝をしてみたいものです…。
こうしてコルドバを見回ったのち、再びスペイン新幹線AVEに乗り、「カルメン」でも
おなじみのセヴィーリャに到着。コルドバとは逆に、思ったよりも大きいと感じられた都市
でした。駅からホテルへタクシーで向かいます。(そういえば、タクシーの運ちゃん(若いお兄
さん)の運転がめちゃくちゃうまくて、びっくりしました。(笑))
フラメンコ発祥の地、セヴィーリャを見て回りました(フラメンコは
いけなかったけど…)。コルドバを流れていたあのグアダルキヴィル川の
ほとりを歩き、クーバ広場、マリア・ルイサ公園、そしてセヴィーリャ大学に行きます。
セヴィーリャ大学法学部の建物はその昔タバコ工場であり、ビゼーの「カルメン」において
カルメンとホセがはじめて出会った場所です。カルメンやホセの姿が、
行き来する法学部の学生たちの姿にかぶって見えました。
第四日目(セヴィーリャ〜グラナダ)
| ヒラルダの塔からセヴィーリャの街を見下ろす |
塔からおりて、暫くはお土産タイムにしようかなと思っていたのですが、 危うくシエスタの時間帯とぶつかって何も買えないところでした(汗)。そう、シエスタ の時間帯は、ほとんどの店が遠慮なしに閉まるのです。毎日毎日このシエスタが あるというのもちょっとどうかな…と一瞬思ってしまいましたが、そういう日本人も、 いささか忙しすぎるのかもしれませんね。
昼食は、イカリングと、牛の尾のステーキ。これがすごくおいしかったんです!! どうやったらこのやわらかくコクのある味が出るんだろう?? こんないいものを毎日食べられる スペインの人たちがうらやましくなってきました…。
こうしてセヴィーリャをみまわったのち、鈍行列車でグラナダを目指します。昨日乗ったAVEに比べれば
もちろんスピードは遅いものの、鈍行にしては思ったより速いなぁと感じました。アルメリア行きの
鈍行列車だったのですが、念のため同乗している若い女性に英語で「グラナダまで行きたいんだけど
この電車で大丈夫?」と(英語で)聞いてみました。すると彼女は笑って「ええ、行きますよ」と(英語で(※))言
ってくれ、更に、小さな折畳式の時刻表までくれました。曰く、最果てのアルメリアまで行くそうで、
大きなリュックを持っており、ひょっとするとこちらでいう18切符erみたいな人だったのかもしれ
ません。
車窓から見える景色は、ひたすら、オリーヴやオレンジの木。山らしい山が見えず、ずっと向こうまで
そのオリーヴやオレンジの木でびっしり埋まった丘が続いています。そんな、まるで日本では考えられないような
景色の中を、電車は走りつづけました。やがて太陽が傾いてきます…。
3時間ほど走り、グラナダに到着。18切符erの女性にお礼を言い、電車を降ります。
夕食はパエリアを頼みましたが、これが1時間以上待たされてしまいました。(汗) 長い道中、 たまにはこういうこともあるのでしょう…。
(※ あくまで私の個人的な経験なのですが、ヨーロッパにおける英語の「通じる度」について。
ドイツでは、子供以外はまず通じると思ってよい、と思います。フランスも、ほぼ同じくらい。因み
に、「フランス
の人と英語で話そうとするとイヤな顔をされる」とはよく言われることですが、個人的には、その
テのことは経験したことがありません。普通に英語でしゃべってくれると思います。多分。(笑)
スイスもまぁまぁ通じます。イタリアは、北イタリアは大体大丈夫なのですが、ローマ・ナポリ
といった南イタリアでは大人相手でも通じないことが多かったです。そしてここスペインは…全然
通じません。(汗) 今まで訪れた中で一番通じない国でした。若い人でも、通じないことのほうが多か
ったように思います。この18切符erらしき女性は寧ろ例外というわけでした。)
第五日目(グラナダ)
| アルハンブラ宮殿から見たアルバイシン地区 |
まずアルバイシン地区のふもとまで行き、屋外にて昼食。イカリングがこうも柔らかくておいしいのは なぜだろう…。オリーヴの実がふんだんに入ったサラダも素晴らしい。ますますスペインの人たちが 羨ましくなってきたというものです。(笑)
そしてアルバイシン地区の頂上を目指します。このころからだんだん雲が晴れて日が差してきて、 アンダルシア地方特有の "灼熱の太陽" といった雰囲気になってきました。竹 之内豊がやっていたFinepix(富士写真フイルムのデジタルカメラ)のCMで出てきた ような白壁の中を、汗を拭きつつひたすら歩きます。そういえば 途中、お婆さんに(英語で)道をきいたのですが、そのお婆さんは(英語がわからなかったため)返事は すべてスペイン語で、その中で "アルバイシン" と言っていました。 バにアクセントがあるものかなと無意識に思っていたのですが、それはあくまで日本人の勘に過ぎない ようで、どうやらシにアクセントがあるようです。結局身振り手振りで意思疎通し、自分たちの道が 合っていることを確認したのち、お礼を言い、再び歩き出します。
頂上付近のサン・ニコラス協会のそばにある広場に到着。先程とは逆に、アルバイシンから、アルハン ブラ宮殿を眺めます。そしてその右手に広がるはグラナダの全景。広場には、ギターのケースを 足元に置きつつフラメンコ・ギターを奏でる若者、日差しを手でよけつつベンチに寝転がる 女性、犬をはべらせている髭もじゃの男性…思い思いの昼下がり、です。のんびり、ゆったり…。アルベニ スの「アルバイシン」も、こんな風景を思い浮かべながら作曲されたのかも。
| グラナダ駅を出発する前の寝台特急 |
そのグラナダの、最後のひととき。デパートへ行き、ファストフード店で軽い夕食をとっ
てから、人生初の寝台列車に乗るための準備として、ビールとミネラルウォーターとバナナを買い込み
ます。(ミネラルウォーターが、2リットルで0.5ユーロ以下という異例の安さでオドロキ。)
グラナダ駅から乗るのは、グラナダ発バルセロナ行きの寝台特急。先程買ったビールを、
日本から持ってきた羊羹および柿の種をおつまみにして呑みます。そのうまいことうまいこと!! マ
ドリッドの日本料理屋のくだりでも書いたことですが、遠い異国の地でもこういうことが
できるというのは嬉しいものです。(あと、日本からおつまみを持ってくるというのは
今回が初めてではなく、狙ってやっています。(笑))
| 偉大なるサグダラ・ファミリア教会 |
到着してみると、思ったよりも大きいのと、思ったよりもクレーン車があからさまに工事を
していることにびっくり。(笑) エレベーターを使ってのぼります。因みに、螺旋階段を歩いてのぼる
という選択肢もあり、そこを歩くと教会内の複雑な仕組みが手にとるようにわかってすごく面白い
と聞きました。しかし今回は混雑状況により残念ながらパス。
のぼってみて初めてわかったこととして、尖塔の数の違いがありました。正面から見ると一
見4本しかないように見えるこの尖塔ですが、実は8本あります。ガウディは、キリスト
の十二使徒を表すために12本の尖塔を作ろうとしており、しかもそれら
を、「キリストの誕生の門」「キリストの受難の門」「キ
リストの栄光の門」という、教会の持つ3つの門にそれぞれ4本ずつ配置させるつもりだったよう
です。現在、誕生の門の4本と受難の門の4本、合計8本が建設済み、というわけ
でした。
また、塔の随所に見られる、ごつごつした装飾や、インパクトある色合いは、まさに現
代建築といったところ。特に赤のカラフルネスは、眼下に広がるバルセロナの街並みを
象徴しているかのようでした。
こうしてサグダラ・ファミリア教会を見たのち、今度はタクシーでグエル公園へ。あの有名な カメレオンや、斜めになった支柱を見て回ります。公園自体がかなり高台にあるので、サグダ ラ・ファミリアを絶妙の角度で見られるかなと思いきや、公園中、どうにもそういう場所が 見つからなくて困ってしまいました。サグダラ・ファミリアを見ようとすると、どうして も、木やレンガなどが視界を邪魔してしまい、ハッキリ見える場所がないのです。ひょっと するとガウディは、わざとそういうふうに公園を設計したのかな?(笑) …そんなことを 考えつつグエルを散歩しているうちに、だんだん日が西に落ちてきました。
夕食は、タコ・イカのフライと、ステーキ。サラダはいつもどおりの、オリーヴの実が
たくさん入ったものでした。
バルセロナ2日目。そして、長かった旅も今日でおしまいという
ことになります。本当に、旅行中というのは一日一日が長く感じられますね。
この日は、時間が許す限りひたすら観光スポットを次々とまわっていきます。まず、ピカ
ソ美術館へ行きました。すでに見たことがある絵もわりと多かったも
のの、あまり見たことがなかった点描法による絵を見られてよかったです。特
に、「マルゴット」の熱い視線が忘れられないですね。
お土産タイムののち、タクシーでバルセロナの空港へ。私は心の中でこう唱えていま
した。「スペイン。また来るからね!!」
帰りは、行きと同じようにアムステルダム経由なのですが、バルセロナ〜アムステル
ダムで乗った飛行機が大変でした。濃い霧の中、吹きつける強風にあおられ、機体はぐ
らぐら揺れて、さすがに心配になってきました。やがて雨の降りしきるアムステルダム空港
が見え、大きな衝撃こそしましたが何とか無事着地!! 乗客たちは万雷の拍手をしました。
飛行機の中で、アイルランド人一家を描いた心温まる映
画、「三つのお願い」をみました。ちょっと泣きました…。黒人マテオ
の、「おれはエイリアンだ」というくだりが忘れられません。黒人に冷たい社会
というか、もっといえば、浮世の世知辛さというものを小さな少女に諭し、そして
貧しい家族のために出産費をすべて払ってくれて、死んでいったマテオ。強
く印象に残った、切なく、そして心温まる映画でした。莫大な
制作費を投入して派手さをウリにするアクション映画ももちろんいいけど、こうい
う、質素で、語るものがあるような映画のよさも、大切にしていきたいですね。
最後の最後で旅の話からそれましたが(笑)、私の3回目のヨーロッパ体験、スペイン旅行
はこうして幕を閉じたのでした。
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第七日目(バルセロナ)
グエル邸は、中には入らなかったものの、概観を見ました。カタルーニャ音楽堂には、
中に入ってみると、ポリーニやらヴォロドスやらといった大物のコンサート案内が
掲げられていました。時間があれば是非とも聴きにいきたいものです…。そして、かねて
から行きたかった、アルベニスのピアノやカザルスのチェロが展示されているという
音楽博物館!!…は、行ってみたところメンテナンス中で、あと数ヶ月の間
は休館する予定とのこと。(悲) 次にバルセロナに来たときは絶対に行く!!と心の中で
誓うのでした。
アムステルダムから成田までの飛行機は、うってかわって、ゆったりとした優雅な
空の旅といったところ。
第八日目(〜アムステルダム〜成田)
さて、4回目はどこにしよう??