| ■ イスタンブールの旅 〜チャイとコーヒー/季節の飲み物〜 |
|
どこの国でも自動販売機のない街では(日本は異常だ)カフェやティーサロンを利用するのがごく普通。値段も安いし、友人達とのおしゃべりの場にもなる素敵な習慣だ。ただしイスタンブールのサロンはほとんどの場合オヤジサロン。新市街のパスターネには女子学生らしきグループも見かけたけれど、女性はまだまだ家の中から外に出ないのである。 ●チャイ
子供の頃、日曜日のおやつは紅茶をいれる我が家であったが、当時は今程いろいろな種類はなくて、日東紅茶のティーバッグを使っていた。それでも家族5人でコタツを囲んでホットケーキや揚げシュークリーム、チーズをのせたクラッカー等と一緒に紅茶をいただくのはちょっと特別な感じがして、子供心にも嬉しくておいしかった。トルコのチャイはこの時の味と同じであったのだ。一口で「あ、日東紅茶」と呟いてしまった程。
滞在2日目に入った老舗パスターネ(菓子屋)のサライではメニューに2種類のチャイが載っていた。店員に確認してようやくあのグラスをチャイバルダーウと呼ぶことを知る。以降、チャイを注文する時にはカップかチャイバルダーウか確認するようになった。チャイバルダーウは小さいのでカップより安いことが多いし、美しい色を楽しむには味気ない陶器のカップよりもガラスの方が都合が良い。 チャイは熱いのだけど、チャイバルダーウが持てない程では無く、ちょっと口をすぼめて啜る感じがなんとも言えずに良い。なぜか冷め難く、また冷める前に飲み終える量であるのも気に入った。 サライは品の良いパスターネなのに菓子の値段は一つ1,500,000トルコリラ=約1ドルと安く、このチャイバルダーウに至っては500,000トルコリラ=約1/3ドル(つまりは40円)なのは驚きである。ちなみにカップのチャイは1,200,000トルコリラ。 20才を過ぎた頃からフランスのフレーバーティーやイギリスのブランド品を好んで味わっていたが、いれ方もあるのだろうけど時々何だか紅茶じゃないようなモノも…きっとこれがこの茶の味なのだろうからコレでイイヤと考えていた。でも、トルコで飲むチャイはどこででもハッキリと「紅茶」の色と味がした。ずっと探していたものを見付けた気分。トルコのチャイは本当においしい。 ●コーヒー
しかし、トルコに来たからにはやはり飲まなくては!ということで高級レストランのコンヤルで注文した。民俗衣装を着た少年が小さいコーヒー沸かしをしずしずと運んできて、目の前でカップに注ぐという演出はちょっと嬉しい。しかし、味はやはり好むものではなく、一口でやめてしまった。トルコでは砂糖も一緒に煮出すので甘いアスファルトなのだった。キチンと飲み干せば残ったカスでコーヒー占いもできるのだが、修業の足りない私はそこまで到達できない。 ●アイラン
●サーレップ
私は気に入りパスターネのコンヤルで毎朝サーレップを飲んだ。チャイよりも値段は高いが、出勤前のトルコオヤジ達も皆これを飲んでいる。白くトロリとした液体はほんの一瞬で表面に膜が張る程熱々で、火傷しそう。味は甘いホットミルクのごく薄いシナモン風味というところか。デンプンでゆるいトロミがついているから、ミルクくず湯という表現も良いかもしれない。唇にミルクの膜が何度も貼り付くのは困るが、カップは大きいのでたっぷり味わえ、最後まで冷めないのは嬉しい。
アイランは年中飲めてもサーレップはやはり冬だけのものだろうな。 コンヤルのサーレップは毎日味が微妙に違っていた。おそらく、保温している間に煮詰まってしまうのだろう。一度、おやつの時間に飲んだ時は、まるでエバミルク?と聞きたくなる程煮詰まっていた。 ●ボザ
トルコ名物の伸びるアイスクリームドンドルマの店でボザの文字を発見。早速頼んでみた。すると…大きなコップに一杯に入ったドロドロした液体の上に、何やら香ばしい豆のようなものが浮かんでいる。このドロドロはとても濃厚で、飲むというよりは食べると言う方が相応しい。側にはすくって食べるためのスプーンも添えられる。 さて、味はというと、本で読んだような穀類を発酵させた味、イメージとしては冷たい甘酒のようなモノかと思ったら全然そうではなく、なぜか洋梨の缶詰めをミキサーにかけてピュレにしたような味。甘さは薄いけれど、一番近いのはコレなのである。すり卸しリンゴや潰した煮リンゴにも似ている。そして上にのっている香ばしいのは煎ったヒヨコ豆。こちらはまるで節分の豆であった。 節分の煎り大豆をつまみながら洋梨の缶詰めピュレや卸しリンゴを食べるといったボザの味。どうしてこれが冬の味?なのかは分からないけど、なんだか懐かしいような不思議な気持ちになるのだった。 世の中にはまだまだ知らない味があるのだなあ… |
|
| イスタンブールふたたび |
| ■ La Bonne
Table ■ たびたびの旅 |