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 トルコでパン屋はエキメキジュかパスターネという。エキメキとは「パン」のこと。エキメキジュはバゲットのようなタイプや平たいアラブ風のモノ等、主に食事とあわせる主食としてのパンを扱うパン専門店だ。売るのが中心で特に食べるところは無く、表通りではなく、路地にひっそりある場合が多い。店頭にはバゲットが山積みになっており、いろいろなところへ配達されるのを待っている。多分一般人にも売ってくれると思うのだが、今回は試さなかった。ちょっと心残り…。
一方、パスターネは菓子屋兼パン屋兼喫茶店というタイプ。サロンを持つ店も多く早朝より賑わっている。おいしい店は混んでいるのですぐ分かる。滞在中には2軒のおいしいパスターネを発見したので、そこに通っていたのだが、3日もすると店の人も顔をおぼえてくれて何かと親切にしてくれた。絨毯屋にシツコクつきまとわれ、買い物では桁の多さにオツリをごまかされないかとドキドキすることばかりだったが、このパスターネのおじさん達はなぜか皆優しくて「観光客からお金をとってやろう」という気配は全く感じられなかった。オヤジサロンでもあるパスターネに外国人の私がいるのを気遣ってか何かと親切にしてくれて、とてもとても良い人々なのだった。イスタンブールのパスターネは私にとってホテルよりもホッとできた場所である。
●パン・菓子パン
トルコでは食事にプレーンなパンが添えられる。これらは無料で食べ放題。米も食べるが、大抵は料理の付け合わせにピラフ(トルコが本場)として添えられる程度。その場合もパンは付くので、主食はパン、と言えるだろう。バゲットタイプをブツ切りするか、平焼きパンをドンと出すかどちらかのスタイル。また、ナンの様な直焼きパンもあり、ケバブ等を包んで食べるとのこと。おやつも食べ歩いてお腹一杯状態で食卓に着く私。毎回のパンは食べられなかった。一応味見はしておいたが、味は日本の中途半端な肌理の詰まったバゲットに似ていた。 パスターネでは主食としてのパンというよりも朝食やおやつに向く様々な種類が売られていた。出勤や通学途中に軽くパンで済ませる人は多いようで、早朝から開いている店が多い。私も滞在中は毎日2軒のパスターネをはしごしていた。
 ポアチャはトルコの塩味パンである。何も入っていないモノは小さいタイプだと250,000トルコリラ(約20円!)と安いが、大きいタイプや肉やチーズ入も一般的で少しだけ値段が高い。甘いチャイとこの塩味ポアチャというのはよくある朝食らしい。焼き立てのまだ温かいポアチャは周りはサクサク、中はシットリして最高だ。油脂もつかってあるが、香りは特に無いのでマーガリンだろうか。
チャタル=唇の形のパンはこれまた大きさはいろいろだが、中身は何も入っておらず、サクサクポクポクと香ばしいパンだ。ゴマがまぶしてあるものがおいしかった。これも店によって味は全然違うのだが、ポアチャと同じか、または少し油脂を増やしたようなタイプだ。油脂のおかげでガリガリと硬い食感ではない。これもとても安い。こんなにおいしいのにイイのだろうか?
シミット=ゴマ付リングパンはトルコだけでなく、ギリシャやエジプト等でも食べられているパン。ゴマを使うというのはアラブ料理の一つの特徴だ。発酵は浅めでシコシコ感のある食感はちょっとベーグルに似ていなくも無い。生地にもよるがねじって丸めるので少しだけ層になっていることもある。塩味で香ばしくおいしい。これはパスターネやエキメキシでというより、街のアチコチにある屋台で買うもの。朝は焼き立てのホカホカが食べられる。時々頭の上に高く積み上げているシミット売りも見かける。頭にモノを乗せて運ぶのはシミットだけでは無い。タオルを土台に、器用に皆いろいろなモノを運んでいるのは珍しい光景である。
タラシュ・ビョレイ=挽肉の包み焼きはパイのように油脂を折り込んだ生地で炒めた挽肉を包んでオーブンで焼いたものだ。この中身も水ビョレッキ及びポアチャと同様、メンチカツの挽肉味。肉は羊なのだが香りは穏やかで、一緒に炒めた玉葱の甘さがこう感じさせるのだろう。パンと言うのかパイと言うのか微妙なところである。
渦巻きゴマパンは最後まで名前が分からなかった。Cで始まるのだが…次に出掛けた時は確認したい。これはゴマペーストを練り込んだ甘い菓子パン。ゴマというのは私達日本人には馴染み深い味。少し効いたシナモンとの相性もよく、とてもおいしい。気に入ったので移動や帰りの飛行機で食べるために買った程。グルグルと渦をほどきながら食べるのが楽しく、かなり大きいが気付くと食べ終えているというキケンなパンである。フランスのパン・オ・レザン同様、私は渦巻きパンに弱い。母への土産にと買った分も食べてしまった。
●サンドウィッチ
 パラムート=サバの塩焼きサンドはガラタ橋の名物だ。船着き場の2〜3番辺りにその店はある。店と言っても小さい船の中で鉄板に油をたっぷり敷いてサバを焼き(揚げ)、バゲット風のエキメキに切り込みを入れてしなびたレタスと一緒に挟むだけ。簡単なベンチが並んでいるのでそこに腰掛けて食べる。小さな台の上には好みで玉葱やレモン汁を挟むように置いてある。1,500,000トルコリラだから一つ1ドルだ。これは意外においしい。サバの脂分がモソモソしがちなパンと良く合う。ただし、骨が思いっきり残っているので、一口食べてはモゴモゴと取り出さねばならないのは面倒である。
サバ・サンド屋は2軒並んでいるが、1軒はいつもガラ空きだった。多分味はあまり変わらないのだろうが、混んでいる方がやはりおいしいのではないかと考えてしまう。私も混んでいる方で食べた。船はどちらも常駐している訳では無く、昼近くになるとサバを焼く煙をモウモウと上げながら新旧市街を分ける金角湾をプカプカとやってくる。揺れる船の中、おじさん達は転げもせずサバを焼き続けるのである。
ボスポラス海峡のクルーズでは終点のアナドル・カヴァウでハムシ=イワシ・サンドを食べた。こちらは船の上では無く、小さい屋台。イワシとサバ、どちらか好きな方を選べる。1つが3,000,000トルコリラ=2ドルだが、トマトも玉葱もたっぷりだし、おじさんが3人がかりで骨をとってくれた(凄いサービスだ)ので食べやすく、おいしかった。 どちらのサンドウィッチもパンには何も塗らず、焼き魚を挟むだけ。ついオリーブオイルを…なんて考えがちだが、何も無いというのもスッキリして良いものだ。御飯に焼き魚、という感じ。

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