■ PROVENCE 〜プロヴァンス〜


 2度目のプロヴァンス。まず驚いたのはアヴィニョンに向かうTGVの車窓から見えたゴツゴツとした岩山。以前出掛けたニースのように、青い海と青い空こそが南仏プロヴァンスだと信じて疑わなかったのに、そこには海なんて全く見えないのである。

 南は地中海に面し、北側は山がちなプロヴァンス。一度に全てを回るのはちょっと大変なので、何度かに分けて訪問する事にした。今回はアヴィニョンを拠点にリュベロン地方巡りが目的。小さな村に滞在して料理教室にも参加しようという計画である。この地方は全体的に大きな街以外は列車の利用は難しいが、道は整備されているのでバスやタクシー・レンタカーを使えば大抵のところに行ける。ド−デやピーターメイルの小説以来、南仏には世界中から観光客が押し寄せるようになった。土産物屋やホテルも点在し、長期滞在の人や移住する芸術家も後を断たないらしい。太陽に飢えたパリの人々にとっても南仏は憧れの地なのだ。

 プロヴァンス地方の料理はオリーブオイルや特産の紫色のニンニク・野菜を生かしたものが多く、南側では魚介類も豊富だ。肉類は羊や仔羊が多く食べられ、乳製品も同様に山羊や羊のものが多いのが特徴。山が連なり、白い岩肌を見るとやはり牛が育つ環境ではないな…というのがよく分かる。ハーブもごく自然に使われていて、日本のレースフリフリ系で華奢な雰囲気は微塵もなく、力強さすら感じられる。流行や健康食としてではなく、日常的なものとして普通に扱われている。ちょっと山に上れば足下は勢い良く茂ったハーブj。これぞハーブの正しい姿なのだ!

 パンは田舎パン(カンパーニュ)系がほとんどで、バゲットは見かけなかった。南仏を代表するものにはフガスというオリーブやアンチョビを練り込んだ平焼きパンがあり、こちらは食事用というよりそのままワインのつまみにしたい味。菓子はナヴェットという紡錘形の焼き菓子。マルセイユが本場らしいが、アヴィニョンのパン屋や菓子屋にもたくさん並んでいた。サクサクした素朴な甘味が止められないおいしさ!イタリアのビスコッティに似たクロッカンという焼き菓子も香ばしくてマル。ハチミツやアーモンドを使った菓子、果物の砂糖漬けも特産品として知られている。どちらもはアラブの影響なのか、ものすごく甘いけど、果物の味も濃厚なのでバランスはよく、なぜか懐かしい味もする。

 プロヴァンスは毎日どこかで朝市が立ち、たくさんの野菜や果物・パン・チーズ類、衣料品や雑貨類が並ぶ。1週間、いろいろな市を回ったが、場所を変えても業者はほとんど同じ。規模も大きく雰囲気がよかったのは「アルル」や「リル・シュル・ラ・ソルグ」。リル・シュル〜は骨董市が有名。同時に食品もたくさん並んでいるので目もお腹も楽しめるの。小さい村にあるビストロはたいてい土地の名物料理やワインを置いてあり、素朴な雰囲気とボリュームで嬉しい時間が過ごせる。また、天気のよい時は眺めの良いところを探し、市場で買ったでパンやチーズ・果物を頬張るのも楽しいものだ。

 夏は日も長く、ゆったりと時間が流れる。強い陽射しの中、アニスの香りの酒パスティスや良く冷えたロゼワインを楽しむのもこの土地ならではの楽しみ。黒オリーブのペースト「タプナード」をカリカリのクルトンと一緒に食べると止められなくなるのがちょっと困るところだが…。プロヴァンスはトリュフの産地でもある。メニューにトリュフの文字を見つけたら試す価値はある。こういう田舎で出てくる料理はトリュフ食べた!としっかり満足できる量なのだ。

 トリュフに限らず、おいしいものや食べてみたいものはたくさんあるし、なんといっても景色が素晴らしい!初めてのプロヴァンスは初夏だったが、季節毎にゆっくりと訪れてみたいものだ。


PROVENCE プロヴァンス日記



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