■ NICE 〜ニース〜


 ニースは世界的に有名なリゾート。本当に素敵なところだ。世界中のお金持ち(そのケタが違う)がたくさん集まる場所でもあるが、私のようにそうでない人も楽しめる(景色はもちろん、食べ物もおいしい)。

 フランスはどの地方でも朝市や常設市場があり、ニースもサレヤ広場の花市・朝市が有名である。また、風情のある旧市街の散策で、いろいろとおいしいものに出会えるのが楽しい。海もキレイ!ニースから電車で30分程のアンティーブの海の美しさは素晴らしいものだった。イタリアも近く、料理にもその影響がみられるのだが、海岸沿いをバスで1時間、国境近くのマントン(レモン祭りで有名)ではイタリア料理店(主にピッツァ屋)がズラリと並ぶ。テラスで食事中ふと横を見るとローズマリーの木がワサワサと…。

 海岸には日光浴の人も多く、トップレスの女性もたくさん寝そべったり歩いたり。さすがに私は脱げないが、日焼けも気にならない開放感があるところというのは確かである。



 さて、ニースで食べねばならぬモノはなんといっても「ソッカ」だ(実はこれだけが目当てでニースまで出掛けたのだった)。これはパリでも見たことがない。

 「ソッカ」はヒヨコ豆(エジプト豆)の粉でつくった「お焼き」のようなもの。形や厚みはクレープに似ている。パエリヤ鍋のようなもので大きく(直径1m位)焼いたものを適当にスプーンでカッカッとはがし、紙でクルクルッと巻いて軽く塩・胡椒を振り掛けただけである。味は半生の薄いお好み焼き、または香ばしく焼いたホワイトソース…分かり難いな…夢のように物凄くおいしい!というものでもないけれど、他にはない味でなかなかイイもの。試す価値はあり!だ。

 特に何かを包むのではなく、この薄焼きのみを食べるのだが…とにかく味そのものの説明はヒジョーに難しい。百聞は一見にしかず!というより一食にしかずである。店によってパリパリだったりネットリしていたり様々なタイプがある。朝市や専門店で食べることができる気楽なスナックといったところ。ただし、朝市といってもあまり早いと準備ができていない。9時過ぎに行った方が良い。



 朝市にはパン・菓子屋なども多く並ぶ。どの店にも並ぶニースの「カヌレ」はボルドー(お馴染み)のものとは違うオレンジ味だ。名前の通りカヌレ(ギザギザの溝)状態だが、底が少し広がっているのが特徴。
 ついでにズラリと並んだオリーブの試食もたくさんしておくと良い。そしてチーズや果物の砂糖漬け・ニース独特のパン「ピサラディエール」も試したいもの。「ピサラディエール」はアンチョビと玉葱の甘味がとてもおいしい。「ティアン」というズッキーニの入ったタルト状のものがあり、こちらはオムレツである場合も多いのだが、いずれも塩味で軽食向き。塩がきつすぎることもよくあるが、やはり他の土地では見かけることはない。オリーブの実を焼き込んだケイクもプロヴァンス独特。見た目はパウンドケーキだが、食べると塩味なのでちょっとビックリするが、なかなかおいしいものである。

 午後には市は閉まるので、旧市街での散策が楽しい。ここでは野菜の「ベニエ」(フリッター)も食べておきたい。初夏ならばズッキーニの花を忘れてはならない。ほのかな花の風味がオリーブ油とよく合いニースにいるのだ!とイイ気分になれる。ハチ蜜・ハーブや果物の砂糖漬けも名物。砂糖漬けについてはとても甘いが果物の濃厚な味もしっかり感じられておいしい。食べられないけど「セミ」のお守り(壁に飾る)も素敵な土産になりそうだ。

 街全体がハーブの香り…なぜ海辺なのに潮の香りではないのか?そしてベタつく風も吹かない地中海は本当に不思議なところだ。お世話になったシェフの言葉を思い出す「日本の海は塩辛いけど地中海は辛くないんだよ!」まさか!と全く信用していなかったが、本当かも知れないと思うのだった。





■ La Bonne Table
■ たびたびの旅