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ルノートルはフランス国内はもちろんのこと、日本にも菓子やパン店を出店している。開祖ルノートル氏は現代のフランス菓子や製パンの土台を築き、特にそれらの製法を世に広めたことで今も多くの料理人に尊敬されている。パリ近郊のプレジールという街にはその大きな工場と料理学校があるのだ。
私の恩師:もとマダムミクニのシェフ、寺井先生も確かルノートル出身。ルノートルの本はルセットがていねいで分りやすいのでフランスに行く度に買い求め、愛用してきた。前々から興味があった菓子やパン・惣菜類をなんとか現地で学びたいものだ、と考えていたところ、ルノートルから新年度のスケジュールが届いた。(アドレスを知らせておくとメールで届くので大変便利。)2002年の1月はリッツでパンを学ぶ予定があり、その1週前に参加できそうなクラスがいくつかある。 その中から私が選んだのはサンドウィッチ&キッシュ講座だ。
サンドウィッチ?なんで今さら…そんなの必要あるの?サンドウィッチのためにフランスまで行くなんて信じられない!と周りの人々から言われた。私はそんな彼等に言いたい。サンドウィッチをバカにしてはダメだ!おいしいパンで丁寧に仕上げたサンドウィッチは小さいけれど素晴らしく奥の深い料理なのだ。コペンハーゲンでサンドウィッチを食べることは今も私の夢であり、サンドウィッチの店を持つことにもちょっと憧れている。何と言われようと、とにかく私はサンドウィッチが大好きなのでホクホクと期待一杯に出掛けた。
とは言え、内心「サンドウィッチのフィリング(具)やキッシュのバリエーションが学べる程度だろう」と考えていた。しかし、実際はレベルが高く、ムダな説明やレシピは一切無し。想像以上にペースは早いものだった。
講座名こそサンドウィッチ&キッシュであるが、授業の大半はパンを作ることに当てられていた。だいいちシェフはMOFのスゴイ人なのだ。基本のパン生地とそれらを発展させたものを順に作る。 粉や配合、製法も決して手を抜いたりしない。どこかから焼いてあるパンを持ってくるなんて1度もなかった。天然酵母はリンゴから作った「シェフ」を基に「ルヴァン」を仕込んでいくし、ブリオシュやクロワッサン生地等もゆっくり発酵させておいしさを大切にしている。全て機械捏ねではあるが、温度や捏ね上がり、発酵具合は必ず確認させてくれた。また、成形もバリエーション豊か。シェフのデモンストレーションの後、学生が自分のペースで作業に入るスタイルなので、分かる者はドンドン進むことができ、分からない者はシェフからより具体的な指導を受けることができる。焼き上がりは必ず試食。ちょっと熱すぎることもあったが、シェフは食べろ食べろと次々と切って分けてくれた。毎日10:30頃は焼き上げたパンを食堂に持って行ってコーヒーと一緒に食べながら休憩する。そして試食用以外のパンは最終日のプレゼンテーションに合わせて保管し、金曜日にはそれぞれをサンドウィッチやキッシュに仕上げていった。
MENU
| シリアルパン |
ライ麦パン |
天然酵母パン各種 |
| ブリオシュ生地 |
クロワッサン生地 |
塩味のマドレーヌ |
| 逆さまフィユタージュ |
3色のパン・ド・ミー |
リュスティック |
| パータ・パテ |
プティ・パン |
チーズパン |
| ピッツァ |
オリーブの塩味ケイク |
ベーコン入りクグロフ |
| タルチーヌ各種 |
ブリオシュ(ムースリーヌ)のスライスにカニのアパレイユ/サーモンのリエット天然酵母パン・ド・カンパーニュの薄切りに生ハム/仔羊/牛のロティ/仔牛とツナ/白ブーダンとリンゴ/ブドウとシェーブル他 |
| サンドウィッチ各種 |
3色パン・ド・ミーの野菜サンド/野菜のパニエ/パン・バニャ/エビのカレー風味/グリュイエール/アーティチョーク/トリュフ卵他 |
| キッシュ各種 |
プロヴァンサル/ロレーヌ/シェーブルとクルジェット/魚介類/トマトとクルジェット/オニオン他 |
| ブーシェ/パイ包み |
キャベツとフォアグラ/魚介類/スモークサーモンのムース他 |
| ブリオシュ/トゥルト |
ソシソン/クリビヤック/魚介類 |
| クロワッサン |
クロワッサン/パン・オ・ショコラ/ハムとベシャメル |


 最終日は全てを美しく仕上げ、大きなテーブルに並べた。このプレゼンテーションは他のクラスも一斉に行われるので受講講座以外の授業内容も見ることが出来てとても勉強になった。特に菓子クラスはデコレーションも美しく、いかにもおいしそうな仕上がり…機会を作って受講したいと心から思うのであった。
種類が多いので計量は大変だったが、シェフの手順は素晴らしく、決して学生を焦らせたりしない。質問にも親切に答えてくれ、何より仕上がったパンの美しさとおいしさに私はすっかりファンになってしまった。ルノートルに来る、というよりまたシェフの製パン技術を勉強したい。
製パンから学ぶサンドウィッチ&キッシュ講座はとにかく充実の一言であった。
ただし!たとえフランス語や英語が出来たとしても製パンの初心者にこの授業を理解するのは無理だろう。サンドウィッチということで甘く見て参加したコスタリカのグロリアやメキシコのフーリアナ達には全てが難しすぎるようだった。少しでも「フランスの製パン」(注:日本のパン教室〜ホームやホーム〜協会とは違う)を学んでから参加した方がいい。私はコルドン・ブルーで学んだ製パンの基礎があったから今回のような充実感を味わえ、授業そのものを楽しめたのだと思う。東京のコルドンをちょと見直した。
私の受講期は1月。1月中はパリの菓子屋やパン屋は大小様々のガレット・デ・ロアで染まる。菓子&惣菜の殿堂ルノートルでも当然それにならっている。他の月の締めくくりにはは何が出るのだろう…フェーブは当たらなかったけど、おいしいガレットとシャンパンで乾杯!

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