■ ALSACE 〜アルザス〜 



 パリから急行で4時間。ちょっと居眠りしている間にアルザスの玄関ストラスブールへ到着する。

 アルザスはドイツとの国境であり、かつてはドイツ領になったりフランス領になったり…。結果、今はフランスに属しているものの、かなりドイツ色の濃い地域。当然、食にも影響は見られ、代表料理はキャベツの塩漬けを使った「シュークルート」。パンでは「ブレッツェル」や「クグロフ」等が挙げられる。また、ビールの産地でもありとてもおいしいものが味わえるのだ。旅の目的地として不足は無い。

 パリから向かう地方への旅はアルザスから始めることにした。



 9月の上旬、アルザスは気候も穏やか(暑いくらい)で収穫期直前のブドウが一段とおいしくなる時期だ。ワイン街道のツアーもたくさんある。近隣諸国から観光客がドッと訪れる。これに参加するのも良いが、個人ではレンタカーを借りるのがベスト。しかし、私のように左ハンドル右側通行&ほとんどがマニュアル車というヨーロッパでの運転が心配ならば、ストラスブールから電車(ローカル線)で20〜30分程度のところにあるオベルネ、またはバーリという街へ。これらの街には歩けるワイン街道「健康のための散歩道」が整備されているのだ。半日程度ブドウ畑の散策(というにはちょっと広い)を計画してはどうだろう。天気さえ良ければのんびりととても楽しく過ごせるはずである。ブドウのつまみ食いも楽しい(ホントはいけないコト。畑の方々ゴメンナサイ…)。我慢できない程の素晴らしさがそこにはあるのだ。

 ブドウの季節以外はやはり街歩きが中心になるだろう。アルザスの街はどこへ行っても美しい。独特の建築様式が「北」ヨーロッパを感じさせる。ブドウ以外にもおいしいものはたくさんあるので御安心を。ストラスブールかコルマールに行けば見るものも食べるものも豊富にある。

 中心地ストラスブールにはプティット・フランスという観光区域があり、とても綺麗。また、街中にはおいしいパン・菓子屋もたくさんある。クグロフとブレッツェルは必ず食べたいものだ。フランスのクグロフはドイツやオーストリアと違ってイースト生地。フカフカと香りよいパン(菓子)なので独特の旨味がある。小さいものでも大きいものでも選べるのだが、やはり大きい方がフカフカ感が強いのでおいしいと思う。ブレッツェルは日本のプリッツのモトはこれだ!という味。ツルッとした表面と無造作に振り掛けられた粗塩のちょっと塩っぱいのがおいしい。
 賑やかな通りにはカフェもたくさんあり、ひと休みするのもいいもの。ケーキ類は果物を使った華やかなものが多く、ドイツっぽいというか日本風の焼きチーズケーキ「タルト・フロマージュ」もある。コーヒーはやはり日本に似ていてドイツ・オーストリア系。パリ等に比べて煎り方が浅い豆でつくるのだろう。ここは国境なのだ…としみじみ感じてしまう。
 「シュークルート」や「マトロート」「ベッカオッフ」等、名物料理はたいていのレストランにある。この辺りのレストランには“ヴィンシュトゥヴ”というビストロ的なタイプが多く、料理一皿とビールまたはワインのオーダーだけ楽しむことができる。一人旅でも入りやすく、とても助かるのだった。パリのブラッスリーはアルザス系の料理とビールが定番であるが、やはり本場で食べる楽しさとおいしさは何にも替え難い。
 アルザスで有名なチーズは「マンステール」。ウォッシュタイプでちょっと匂うのだけど、中身はネットリと濃厚。クリーミーでとてもおいしい。クミンの香りで食べても良い。クセの強い大抵のチーズはリンゴと合わせるのが好きなのでちょっと試してみたが、これはダメだった。現地では同じく特産の「ゲヴュルツトラミネール」というスパイシーでライチに似た風味の白ワインに合わせるのが定番とのこと。いずれも本場でこそ楽しみたいものだが、滞在中、別々に味わうことはあっても同時にはは試せなかった。しかし、パリの料理学校でのワインとフロマージュセミナーでこの組み合わせに出会えた。結果は我等が先生:ムッシュ・シュバリエの丁寧な仕事もあって、素晴らしい!の一言であった。

 全体に治安が良く感じられ、のんびりと過ごすことが出来た。ただ、コーヒーが好みでないのが残念。今までは急行しかなかったが、TGVも近々開通の予定とのこと。これからはもっと気楽に行けそうだ。


→ALSACE アルザス日記



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