変わりゆくまち  



初めてではない街を訪れた時、さしたる目的もなく、 ただ「ああ、やっぱりあった」と確認するためだけに、 とりあえずまた同じ場所に行ってみることはありませんか。

例えば、札幌でいえば北大のクラーク像や学食。
釧路は和商市場と幣舞公園。
湿原なら細岡展望台。
稚内はドーム状の防波堤かな。
実家に帰った時には近所のスーパーとか梅田阪急。
京都では金戒光明寺と真如堂。
神戸は高架下や南京町・・・というふうに。

こないだ渋谷に行った時も、同じように歩いていました。 そしたら、道玄坂の109の隣に工事中のビニールシートがかけられて いるのが目に入りました。そこはずっと、ビルにめり込むような形で建っていた 古い小さな居酒屋だったのです。その頑固な光景が当然だと思っていたので、 消えてしまったありさまを目の前にして、まるでベルリンの壁が崩壊した時の ようなとまでは言わないにしても、静かな衝撃を受け、しばし移りゆく時を 感じてしまいました。

考えてみれば、渋谷のような街において同じ姿であり続けるほうが 難しいというものです。ドイツの人と行った思い出のバーがオープンカフェに 建て変わっていたり、何があったかも思い出せないような場所に新しい店が できていたりと、他にも変わったことだらけでした。駅前自体も変化を 続けています。このめまぐるしい変貌そのものが街の活力源なのでしょう。

街だけでなく、会社も変わります。人だって変わります。
変わらないものがあるとすれば、それは何でしょうね。

旅の時間の大半はこういうことに費やされている気がします。


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