公開質問状


3/15に県の高校教育課から回答が届きました。質問と回答が一致していない部分があるので、こちらのページで詳しく検証します。


宮城県の高校の共学化を考える会 管理人 芳賀 宣明様
宮城教育フォーラム       代 表 相沢 裕行様

 平成12年2月20日の県立高校将来構想に関する意見を聴く会で提出された質問状に
ついて、現段階での教育委員会としての認識や考え方をお示しし、質問への回答とい
たします。

● 共学化についての基本的な考え方
・高校生という多感な時期に男子生徒、女子生徒が同じ場で、互いの特性を尊重
し、協力しながら共に学び、成長していくことができるような教育の在り方が望まし
いと考えており、そのためにも県立高校の男女共学化を進めていかなければならない
と考えています。
・このことは、男女が社会の対等な構成員として、あらゆる分野の活動に参画し、
共に責任を担うという男女共同参画社会の形成に向けての大切な要素であると考えて
います。
・また、県立高校は県民の負担により設置されており、後期中等教育の機会を広く
均等に県民に提供するといった点で、性別による制限を加えるのは好ましくなく、で
きるだけ制限を撤廃していくのが望ましいことから、県立高校においては、今後、男
女共学化を推進していくべきであると考えています。

● これまでの検討経緯と今後の動き
・ 平成7年に有識者から成る「魅力ある県立学校づくり推進会議」の提言において男
女共学化に関する方向性などが示されました。
・共学化については、県民レベルのさらなる議論が必要であるとの判断から、昨年
10月に公表した「県立高校将来構想検討素案」に男女共学化の方針を提示し、説明会
や意見を聴く会等において多くの意見を伺っているところです。
・さらに、先般発足した県立高校将来構想有識者会議の中でもより広い視野からの
論議をいただくことになっています。
・教育委員会としては、これらの議論を踏まえ、実施時期を含め共学化の具体の進
め方については、将来構想の他の課題と併せ、平成12年度中を目安にまとめていきた
いと考えております。
・また、不登校や高校中退、大学進学達成率のアップや教職員の意識改革といった
本県が現在抱えている数多くの教育課題と共学化の優先順位についてですが、どの課
題も大変重要な課題であり、優先順位がつけられるほど単純なものでないということ
は、誰もが御理解いただけるものと考えております。

● これまでの共学化実施の経緯(1)昭和20〜30年代
・戦後の新学校制度が発足した当時、高等学校の共学化については地域の意見を聞
きながら進める旨の通知が文部省からありました。
・地域や教育委員会では、「共学は風紀の乱れが心配される」との意見が強く本県
の共学化は、他県に比べ大きく遅れることとなりました。
・ 昭和30年代後半に、それまでの流れを受けて仙台三高、白石工業高、石巻工業
高、米谷工業高を男子校として開校しました。仙台三高については、生徒急増期にお
いて、「仙台市に普通高校(男子校)を」との仙台市からの請願に対応したもので
す。また、他の三校の工業高校については、日本の工業化の時期にあって男子工業技
術者の育成に対応したものです。県教委としても、別学校の新設を自然なものととら
えていたことが伺えます。

● これまでの共学化実施の経緯(2)昭和40〜平成11年
・その後、県立高校の男女共学化については、学科改編や改築の時期を捉え、前述
の工業高校も含め、専門高校を中心に順次、推進してきました。また、昭和48年以降
の新設校については、全て共学校として開設してきました。
・ この10年間にも平成2年に古川工業高、その後、柴田農林高、小牛田農林高、今年
度は蔵王高を共学化してきました。また、機械科や家政科といった学科についても、
そのほとんどを男女募集としてきました。
・ この結果、昭和23年には76%であった別学校の割合は、現在では28%となってい
ます。
・しかし、仙台市や他の地域の中核的な学校が男女別学校として22校(男子校11
校、女子校11校)残っておりますので、今回、県立高校将来構想検討素案において
「全校共学化」の原案を提示し、共学化の是非について県民のご意見を伺っていると
ころです。

● 男女別学校が果たしてきた役割
・現在、男女別学となっている高校は、各地区の拠点校としての役割を果たし、有
為な人材を輩出してきました。また、それぞれ独特の校風を醸成し、発展、継承して
きました。
・今回、男女共同参画社会の基礎づくりとして男女共学化を提案したため、「別学
では男女共同参画はなし得ないのか?証明せよ」とか「別学でも男女共同参画は達成
できる」との御質問、ご意見を数多くいただきました。
・男女共同参画の進展の度合いは、人間の深遠な意識に大きく関わるものであり、
計数的なデータでもって容易に比較し得るものでないということは御理解いただける
と考えております。
・したがって、別学校の存在に問題があるのか、学校教育の各段階の教育内容に問
題があるのかを論じることは不可能であると考えます。
・ただし、男女別学校では男女共同参画に関する理念的な学習はできますが、日常
の学校生活の各場面で自然な教育実践として身につけることができないということが
あります。

● 共学化の課題(1):校地等教育条件の整備
・現状では、女子校の校庭が狭く、広い面積を必要とする野球やサッカーへの対応
が困難であるという問題があります。
・しかし、現実的には交通至便な場所に広い敷地を確保することが難しい現状があ
り、生徒の体育的活動等に制限が生じている現状の改善及び共学化後の敷地確保は、
今後の検討課題であると考えております。
・また、各学校ごとの具体的な対応策及び費用の予測についても今後の検討事項で
あると考えております。

● 共学化の課題(2):共学化することで、校風、伝統が大きく変わってしまうので
はないか
・ 別学校22校がそれぞれに持つ独自の校風、伝統は、生徒諸氏が自ら継承・発展さ
せて作り上げてきた素晴らしいものと認識しています。
・各校の共学化にあたっては、学校ごとに共学化後の教育理念を明確に提示し、新
たな魅力を加え、伝統、校風をより一層発展させることができるよう支援する必要が
あると考えております。
・共学化によって同窓会からの支援が受けられなくなるようなことが起こるのでは
ないかとの心配ですが、共学化は、校風、伝統を破壊するために行うものではなく、
伝統、校風をさらに発展させることを目指しますので、今後とも支援を継続していた
だけるものと考えております。

● 共学化の課題(3):共学化することで、別学に優る教育効果が現れるか
・校風、学校生活、成績の三つの面から考えてみたいと思います。
・ 校風については、前述のとおりです。
・学校生活については、共学後の方がより自然なスタイルになると考えておりま
す。同時に男女共同参画意識の醸成の点では、前述のとおりです。
・成績が上がるとか下がるとかの意見もございますが、これまでの事例では、どち
らとも断言できず、共学化後の学校及び生徒の努力次第であると考えております。

● 共学化の課題(4):共学化は財政的な負担を伴うのではないか
・実際に共学化を行う場合は、施設・設備の整備も必要であり、その費用がかかり
ます。このことについては、現在の県財政状況もさることながら、予算全体のバラン
スの中で進めていきたいと考えております。
・また、改築計画等にあわせて実施する前提で、全校共学化の場合、一部別学校が
残った場合の支出予測については、今後の検討課題であると考えております。

  平成12年3月15日
                          宮城県教育庁高校教育課

 2/20 10時より県庁2階講堂で、「意見を聴く会」が行われ、その場で公開質問状を手渡してきました。内容をここに公開します。


                     2000年2月20日
宮城県高校教育課 殿

          宮城県の高校の共学化を考える会
          http://www2d.biglobe.ne.jp/~haga/kyogaku/
                      管理人 芳賀 宣明
                         nob@haga.com
          宮城教育フォーラム
          http://www.mmjp.or.jp/pacs/kyojyo/
                       代表 相沢 裕行
                   BQ4H-AIZW@asahi-net.or.jp

             質問状

 「宮城県の高校の共学化を考える会」及び「宮城教育フォーラム」は、
今回の県立高校将来構想素案の中の「男女共学化の推進」の意義につい
て疑問を感じております。
 とくに、全県一律共学化を行うことに強い疑念と不安を感じておりま
す。

 つきましては、下記の通り質問させていただきます。私どもの疑問と
不安を解消していただける回答をお願いします。

 既に十分検討された内容でしょうから、回答に時間はかからないので
はないかと思います。今月中に回答いただけるようお願いいたします。

 なお、この質問状は、各報道機関に配布すると共に、宮城県の高校の
共学化を考える会にて全世界にむけて公開します。

               記

1 宮城県では、戦後他県で共学化が進む中、別学高を維持されて来
 ました。その中で別学高はそれぞれ地域に根ざした独自の校風を醸
 成し、世界で活躍する優秀な人材を輩出してきたものと認識してお
 ります。
  そこで下記にお答え願います。

 1−1 戦後他県で共学化が進む中で、別学校を維持してきた理由
     は何ですか
 1−2 戦後にも別学校を設立した理由は何ですか
 1−3 共学校の多い東北の他県、別学校の多い福島、群馬などと
     の比較をふまえ、更に県内の共学校とも比較して、戦後
     50年間続けてきた県立の別学校をどう評価していますか。
     下記の観点からそれぞれに回答願います。
  1−3−1 教育内容
  1−3−2 教育効果
  1−3−3 男女共同参画の進展度合い
  1−3−4 卒業生の男女共同参画に対する意識
  1−3−5 卒業生並びに周辺住民の学校に対する愛着、後援
  1−3−6 その他
 1−4 1−1〜1−3をふまえ、一般県民、卒業生などの別学校
     への理解、ニーズをも考えたとき、なぜ全校一律共学化な
     のですか。

2 素案の中では、別学高はあたかも時代遅れのものとして扱われて
 いるように感じますが、
 2−1 教育的見地から判断して、別学校は共学校に比べて劣るの
     ですか。
     劣る点を具体的に挙げて下さい。
 2−2 別学高の卒業生は、共学校の卒業生と比較して教育水準、
     男女共同参画に対する意識等で劣るのでしょうか。
 2−3 (2−1、2−2で劣るという回答の場合お答えください)
     今まで男子高・女子高を維持し、県民に対して不十分な教
     育をしてきた責任を誰がどのようにとるおつもりでしょうか。

3 情報公開によって開示された資料によりますと、平成10年度第4
 回県立学校整備推進委員会に提出された資料、「公立高校の男女共
 学化について」の中で、
 (1) 校地等教育条件の整備(特に女子校の校庭が狭く、そのままで
   は共学化への対応が困難)
 (2) 同窓会等の意向(学校への愛着。校名が変わる事に対しての抵
   抗感)
 (3) 教育効果(共学化することで、別学に優る教育効果が現れるか)
 (4) 現在抱える教育課題の中での優先順位(大学進学率のアップ、
   教職員の意識改革など)
 の4項目が課題とされて挙げられております。これらの課題につい
 て十分検討され、解決された上での今回の素案であると信じており
 ますので、質問にお答え願います。

 3−1 (1)について、対応が不十分だった場合に男子生徒が受け
     る不利益についてどう考えますか。また、女子高各校ごと
     の具体的な対応策及び費用の予測を示してください。
 3−2 (2)についてどう考えますか。特に磐城高校のように同窓
     会から支援を受けられなくなった場合寄付金等の減少によ
     り従来通りの学校運営が出来なくなる事も予測されますが、
     これは学校にとって不利益ではないでしょうか。
 3−3 (3)について、具体的な教育効果の内容を示してください。
     また、その個々の内容ごとに現在の別学高の現状と共学化
     後の高校での予測との比較を示してください。
 3−4 (4)について検討結果を示してください。

4 男女別学高をすべて共学化する場合、トイレ、更衣室、部室等の
 増設、さらには校地の狭い学校の移転新築等多額の費用がかかるも
 のと予測され、ただでさえ税収減と多額の県債で苦しむ県の財政、
 および教育の対象である未来の子供たちへの負担の先送りが心配さ
 れます。そこで、質問にお答え願います。
 4−1 今後各高校の改築が一回りする程度の期間(例えば30年
     程度)のスパンで考えたとき、校地の狭い学校の移転、ト
     イレ、更衣室、部室等の増設等も考慮に入れて、全校共学
     化した場合、別学校を全て維持した場合、一部維持した場
     合とでどのくらいの支出を予測していますか。
 4−2 全校共学化した場合の支出増は、現在の県の財政状況と未
     来の子供に強いる負担を考えたときに妥当な範囲でしょうか。

                              以上

nob@haga.com