『くらぶち草の会』は“未来を見つめる―有機農業生産者グループです。

くらぶち草の会―プロフィール

昭和63年

倉渕村(現:高崎市倉渕町)鳴石地区の3人で無農薬・無化学肥料栽培への取り組みを開始し、出荷グループを結成。
大地を守る会(現:(株)大地)様、日本リサイクル運動市民の会(現:らでぃっしゅぼーや(株))様との取り組み開始へ。

平成2年 異業種からの新規参入者の受け入れ開始。
平成7年

(株)フレッセイ様との取り組み開始。
消費者との交流の場として、夏祭り開催(後の収穫祭。以後毎年開催。)

平成8年

出荷グループを“くらぶち草の会”と命名。(除草剤を使用しないため畑に草が多かったことが名の由来)
第一予冷庫・出荷施設完成

平成10年 就農希望研修生の受け入れ開始。
平成11年 第2予冷庫及び交流施設完成。
平成12年

首都圏コープ事業連合(現:パルシステム生活協同組合連合会)様との取り組み開始
東都生活協同組合様との取り組み開始。

平成13年

環境保全型農業推進コンクール・農林水産大臣賞受賞。
有機JAS
認証制度への取り組み開始。
エコファーマー制度への取り組み

平成17年

(有)草志舎設立(草の会生産物の出荷・販売窓口。草の会構成員で100%出資)
群馬県の農場公開事業への取り組み開始。




環境に優しい農業を実践し、
安全でおいしい農産物をお届けするための
「くらぶち草の会」生産者の約束です。


2007年度 くらぶち草の会 生産基準

1. 基本理念
 家の周囲で家畜を飼い、山で草を刈る。自給自足を旨とし、物々交換を行い、余剰物を市場に出荷した。それが農業の原点ではなかっただろうか。現在は、社会的な分業化が進む中で、一戸の農家が特定の作物を大量に生産しなければならない時代になり、個々の農家は生産過程の中に埋没してしまい、単なる食糧生産者となってしまった。その結果、自らの労働の成果である生産物はひとつの商品として社会的に扱われるに至り、農家が日々の農業を営む中で自己を見出す契機さえ失われているように思われる。このような時代だからこそ“農”という行為が本来有する社会的意義・楽しさを見つけ出し、後継者にもそれを伝え育てていかなければならない。また、生産者と同様に「食」に対して向かい合う消費者と、「食」の安全性という観点から価値観を共有化するとともに、可能な限り、自然環境に負荷を与えないような、持続可能な農業を指向していかなければならない。
 以下に掲げる基準は、くらぶち草の会(以下、本会という)生産者が生産をおこなう際に依 拠しなければならない原則である。生産者は基準を遵守し、有機農業の頂点を目指し日々研鑚に励むこと。
 @楽しく、夢のある農業を志すこと
 A自分に厳しく、自らの栽培方法、生産物については責任をもつこと
 B農家としての誇りを持つこと
 C自分で食べるものと出荷するものを区別しないこと
 D後継者の育つ農業を実践すること
2. 語句の定義
@ 化学的合成
化学的手段・方法(醗酵・熟成等の化学変化を含まない)によって化学合成し、新たな物質に変化させることをいう。天然物質を燃焼、焼成、溶融、乾留又はけん化することおよび発酵は化学的合成に含めない
A有機質資材・天然資材
石油化学製品等ではなく、天然物から分解抽出などの方法により得られたもの。石油化学製品等と比較し、微生物等の働きにより分解されやすいものであり、その分解物が土壌に負の影響を与えないと考えられる資材。
B遺伝子組換え作物
組換えDNA技術(酵素等を用いた切断及び再結合の操作によって、DNAをつなぎ合わせた組換えDNAを作成し、それを生細胞に移入し、増殖させる技術)を用いて生産された作物。
          
3. 基本原則
@堆肥を施肥の基本とする。
A適地適作を基本とし、輪作・混作など病害虫の発生を抑えた栽培体系であること。
B無農薬・無化学肥料栽培を基本とし、除草剤、土壌消毒剤は使用禁止とする。
C栽培に関するすべての情報を公開し、可能な方法で伝達する。
      
      
生産行程管理規定
4. 種苗・品種の選択と育苗
 ・ 自家採取による種子の生産と交換を奨励する。
 ・ 薬剤不処理の種子の入手を心がけ、生産者自身が農薬や化学合成された物質による消毒を行うことは禁止とする。
 ・ 遺伝子組み換え技術を用いた種苗、出荷先において禁止とされる農薬が使用された種苗は使用禁止。
 ・ 購入苗については、育苗者、品種名、床土の内容、育苗中の栽培過程が確認され、それらが本基準に適合すると認められた場合に、使用することができる。
 ・ 培土については、その原料・製造方法が明らかであるものを使用し、生産者自身による化学合成農薬、化学合成物質による消毒は禁止とする。
       
尚、種苗、培土および培土の原料ついては、JAS有機認証を取得している者と取得しようとする者は、有機農産物の日本農林規格に適合するものを使用すること
          
5. 肥培管理
@ 土づくり
 ・ 堆肥によることを基本とする。堆肥は、製造者、原材料、製造工程および可能ならば内容成分が明らかなものを使用し、地域的自給(リサイクルやエネルギー消費)を考慮して入手することに加え、原材料の安全性(家畜糞尿購入の場合、肥育環境や抗生物質の使用など)や社会性(飼料の輸入、遺伝子組換え作物の使用などの問題)までも視野に入れ入手に心がける。
 ・ 適地適作を基本とし、輪作体系を整え、物理性、化学性など作物の生育にとって良好な土壌環境の確保に努める。
 ・ 人糞尿は使用禁止とする。
      
A 肥料および土壌改良剤
 ・ 製造者・原材料の不明なもの、製造工程の不明なものは、使用禁止とする。
        
尚、堆肥、堆肥原料および肥料等については「くらぶち草の会資材一覧表」を作成し、表中に記載があるものを使用すること。
また、JAS有機認証を取得している者と取得しようとする者は、有機農産物の日本農林規格に適合するものを使用すること。
        
6. 病害虫防除
@ 病虫害防除
 ・ 耕種、物理、生物的防除方法を基本とし、輪作・混作・適期栽培など、病害虫の発生を抑える栽培体系を心がける。
 ・ 有機質資材・天然資材を利用したもの(耐病、忌避効果など)を活用する。
 ・ マリーゴールド、コスモス、ハーブなど害虫忌避植物の利用。
 ・ 防虫ネット(寒冷紗、パオパオ等)、フェロモントラップ、誘蛾灯などの利用。
 ・ 畦や土手の草刈りを怠らず、害虫の温床を作らないよう心がける。
 ・ テントウムシ、蜂、トンボ、カマキリ、蜘蛛などの天敵やヘビ、カエルなどの野生捕食性動物の生息場所となるような生態系を確保する。
 ・ 化学的に合成された農薬は、以下の場合に限り使用を認める。ただし出荷先において使用禁止とされるものは使用を認めない。
(a) 病害虫による被害が顕著で、伝染の恐れがあり、近隣の栽培農家に被害を及ぼす可能性が高い場合
(b) 著しい天候不順や自然災害、病害虫による作物の収量減が顕著な場合
尚、化学合成農薬、防菌・防虫目的で使用される化学合成農薬以外の資材については「くらぶち草の会資材一 覧表」を作成し、表中に記載があるものを使用すること。
また、JAS有機認証を取得している者と取得しようとする者は、有機農産物の日本農林規格に適合するものを使用すること。
A 農薬を使用する場合は、適正使用を心がけ、希釈倍率、収穫前日数などは余裕のある設定にし、風向き、風力なども考慮し、飛散させないよう注意する。
          
7. 雑草管理
@ 雑草対策
 ・ 輪作、緑肥、休作など雑草の育成を抑制する栽培方法を工夫する。
 ・ 各種マルチ(ポリエチレン、クローバーや麦など被覆植物、敷藁等)の利用。
 ・ 施用する堆肥に雑草種子が飛散混入しないように配慮する。
A 除草方法
 ・ 除草は、手除草・機械除草・熱除草とする。
      
8. 圃場で使用されるその他の資材
 ・ 圃場および圃場周辺の生態系に負荷を与えないことを選定の原則とする。
ただし、農業生産において通常使用されているポリマルチおよび被覆資材等は使用可とする。
 ・ 原料、製造工程、製造者が不明の資材は使用禁止とする
また、JAS有機認証を取得している者と取得しようとする者は、有機農産物の日本農林規格に適合するものを使用すること
         
9. 圃場の.汚染防止
 ・ 隣接圃場から、本基準に適合しない生産方法により管理されている薬剤等が、飛散・流入する可能性が明らかな場合は、緩衝地帯を確保する。また、緩衝地帯においては、栽培を行わないか、本会出荷以外の農産物あるいは自家消費用の作物を栽培するものとする。
 ・ 圃場および圃場周辺やその他の場所(堆肥場周辺等)での、化学合成された物質(農業資材、
家庭ゴミ等)の焼却は禁止とする。
      
10. 収穫後の管理(輸送、選別、洗浄、貯蔵、その他の行程に係わる管理)など
 ・ 出荷物の調整場所は、衛生状態に注意し、調整残渣などが放置されないようにする。
 ・ 出荷物の荷造りに際しては、髪の毛などの異物が混入しないよう注意する。
 ・ 本基準に適合しない農産物(慣行栽培品)との混合がないように収穫物を管理すること。
具体的には、収穫用コンテナを色分けする、作業時間や作業場所、貯蔵場所を区分するなど。
 ・ 本基準に適合しない物質等により、機械・器具、作業場所などに汚染の危険がある場合は、洗浄等の措置を講ずること。
      
      
一般管理規定
11. 新しい資材の導入に関する規定
 ・ 草の会資材一覧表に記載のない資材の使用を希望する生産者は、その旨、栽培管理責任者
に対して申請を行う。
 ・ 申請された資材については、本会代表、栽培管理責任者、生産部会各部会長が、審査・判定を行い、使用の可否について、生産者に通知する。
12 肥料・農薬・包材等の管理
 ・ 保管場所を設け、紛失・盗難などないよう適切に管理すること。
 ・ 農薬の管理については、保管庫を設け、施錠するなど厳密に管理すること。
13. 生産行程の計画および記録に関する規定
@ 栽培管理責任者を、生産行程の管理、記録・情報の集約・管理の責任者とする。また、情報の開示は本会会長によって行われる。
A 生産(栽培)行程の計画 : 
生産者は毎年11月〜12月、7〜8月中に翌年の半期ごとの栽培計画を作成し、出荷を予定する全作物の栽培内容を本会指定の栽培管理カードに記入し提出するものとする
B 生産行程の記録
生産者は、生産履歴が追跡可能である管理を実施することを原則とし、生産活動の記録として、作業日誌を記帳する。
C 生産行程記録の開示
情報開示を求められた場合は、すみやかに実施する。
D 圃場地図を作成し、栽培計画とともに提出する。
        
14. 出荷規定
 ・ 出荷先からの注文については、事務局(有限会社草志舎)が集約を行い、出荷指示書(個人別振分表)を作成する。
 ・ 生産者は、出荷指示書にしたがい、出荷を行う。荷は本会指定の場所に出荷される。また、指示書どおりに出荷できない場合は、速やかに、その旨を事務局に連絡する。
 ・ 出荷に際して、生産者は、生産者名、出荷先、出荷品目・数量、圃場番号を記入した出荷伝票を作成し、事務局に提出する。出荷箱には、生産者名、出荷先名、品名、入り数を記載すること。尚、実際の出荷内容と伝票上の記載事項に相違ないか、必ず、確認すること。
 ・ 出荷前に本基準および出荷先の受け入れ基準に不適合であることが明らかな農産物は、本会に出荷することはできない。本会とは別に出荷するか、自家用もしくは廃棄処分とする。
 ・ 不適合品を誤って出荷してしまった場合には、ただちに出荷先に連絡を行い、処理方法について協議する。
          
15. 消費者および出荷先からのクレームに対する処理規定
 ・ 窓口を本会事務局とする。
 ・ 事務局は、クレーム内容について検討を行い、事実関係を調査し、先方に対して、報告・説明などの対応を行う。また、関係生産者・機関等に、クレームに関する情報を伝達、協議し、クレームの原因につながる事故の防止に努める。
 ・ クレームについては、文書の形で保管する。
      
      
その他
16. 栽培技術・品質の向上に関する取り組み
 ・ 生産技術および品質の向上、自らの行為の生態系への影響を常に念頭におくこと
 ・ 各種学習会への参加およびその実施
 ・ 速やかで充分な予冷の実施を前提とする収穫から出荷にいたるまでの時間の短縮化
 ・ 出荷規格に関する定期的な検討会、目揃え会の実施
 ・ 出荷先との提携による年数回の残留農薬検査の実施
 ・ 出荷先との提携による出荷作物に含有される硝酸イオン濃度の測定
17. その他の事項
 ・ 基準に規定のない事項については、農薬取締法、肥料取締法、地力増進法など関係法令を遵守すること。
18. 「附則」に関して
 ・ 作物の特性、栽培方法の相違などから、本基準を一律に適用することが不適当である農産物(キノコ、果樹など)については、別途「附則」を設け当該農産物の基準とすることができる。
19. 「基準」の改定
 ・ 本基準は、本会会長および栽培管理責任者が毎年度末に検討を行い、改定することが必要かつ妥当であると認められた場合、他の会員生産者の合意のもとで改定・追加等を行うことができる。



くらぶち草の会 生産基準「附則」


〔きのこ栽培に関する基準〕

1. キノコ生産者グループの基本理念
キノコ生産者同志の交流を深め、互いの技術向上を図るとともに、キノコ栽培を通じ、生態系に配慮しながら、リサイクル運動に貢献し、環境問題に取り組むことを旨とする。
            
2. 語句の定義
@ 農薬及び防菌剤
キノコ栽培で一般に使われる化学的に合成された農薬
A 食品製造副産物
食品を製造した際に生ずる残さ(ふすま、オカラ、ウィスキー搾りカス、米糠など)
        
3. 基本原則
@ 基本的な事項については「くらぶち草の会生産基準」に依拠すること。
A 培地原料については、常に気を配り、安全面に十分に配慮する。
B 原木、菌床(培地)には農薬・防菌剤及び化学的に合成された増収剤、培地活性剤、PH調整剤は使用しない。
C 収量増、栽培期間短縮を目的とするエネルギーの過使用はしない(過加温、過加湿)。
D 培地の殺菌は蒸気によるものとする。
          
4. 培地肥料
培地肥料については、基本的に食品製造副産物を使用する。
また、可能な限り、生産履歴の明らかかなものを使用し、国産品、非遺伝子組換え作物由来原料の入手を心がける。