海と魚

1.潮流1 −磯の周辺−
 
 海洋学に関して詳しいことはよくわからない。
 潮流についての専門的な知識は専門書でも読んでください。
 ここでは、釣り場近辺の「流れ」について書きます。

 海には流れという物がある。
 いわゆる潮流である。
 それは、黒潮のような大きな物から、対流や風に吹かれて押されたものなど小さな物まで。
 その流れの規模や速度は決して一定でなく絶えず変化をし、全く同じ物が無いと言っていいほど千変万化である。
 海の中の流れは単純に一方向の流れだけでなく、風に吹かれた表層の流れ、水温の上下動による対流の流れ、潮の干満による流れなど複雑に影響を及ぼしあって流れているのである。

 私たち釣り人が遭遇する「流れ」とはどんなものであろうか?
 非常に下手くそな絵ではあるが下の絵を見てほしい。

 上の絵は潮流が磯に当たる場所、いわゆる潮表の想像図。
 下の絵は潮流が磯から離れていく状態、潮裏の想像図である。

 磯の潮表では、流れが磯にぶつかり@のように上、又は左右へと流れの方向が変えられている。
 海中ではAでぶつかった流れが上と左右に方向を変えるが、@からの流れの影響で下へ潜り込むことはないと思う。
 @Aのようにぶつかった流れが上の方向へ流れるのは「沸き潮」として目視できる現象である。

 さて海面近くであるが、Bのように波の影響によりサラシが発生し、Cの方向へと一旦流れが発生するが、再び押し戻されてAへと流されるであろう。
 このように磯の潮表では、複雑な流れのため海中の酸素が豊富であろう。
 また、海水の循環により表層の暖かい海水が混ざるため、海の生物が住みやすい環境になっていると想像できる。

 次に潮裏の様子であるが、磯に沿って流れてきた流れは磯際で渦を生じているであろう。
 そして流れは滞留することなく潮下へと流れていく。

 過去に磯の周囲を潜ってみたことがあるが、潮表の磯際は暖かく海草が豊富で小魚たちがいっぱいおり、たいへん華やかな印象を受けた。
 しかし、磯裏に回ってみると水は冷たく静かで、磯際には小魚たちも少なく活性が無いような印象を受けた。

 ところがふと後ろを振り返ると、こちらに頭を向けてじっと餌が流れてくるのを待っているスズメダイや木っ端グレの群れであった。

 上物と呼ばれるグレやチヌがなぜ潮裏で良く釣れるかは、流れに頭を向けるという魚の習性もあるだろうが、他の理由もあげられると思う。
 それについては次項の「潮目」でコメントしたい。









 次に磯際でなく、少し沖の状態も書いておきたい。
 ご存じのように磯の周囲は海底の起伏が激しく、流れがたいへん複雑になっていることはおわかりだと思う。
 これもまたたいへん稚拙な絵を描いてしまって申し訳ない。
 比較的岸に近い海底周辺の海の中の流れの様子をできるだけわかりやすく書いたつもりなのだが、おわかりいただけるであろうか。

 流れが岩などに当たって複雑な変化をしている様子である。

@のように、海底の岩に当たった流れは岩に沿って上に上がるであろう。
Aのように、岩の横を通った流れは通過した後に渦をともない合流するだろう。
Bのように、岩の上を通過する流れは@の上に上がる流れの影響を受けて盛り上がった後、下方へ向かう渦をともなって流れていくだろう。

 実際には上に書いた3つの流れだけでなく、もっと複雑な流れが生じていると思える。

 たった1つの海底の岩がこれほどまでに複雑な流れを起こしていることをご理解いただきたい。


 
 これらにあげた磯際、海底に横たわる沈み根の周囲という場所は流れが複雑で、場所によっては酸素が豊富で水温が安定しており餌が滞留しやすい条件となっているため、魚がエサを取りやすい場所=釣りに最適な環境と言えよう。

 つまり磯釣りをする場合、これらの条件を頭の中で描いてポイントを絞るということが重要になると思う。



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