夜逃げその2

 当ビルのマンションの1室でマンション事務所を構えていたS株式会社。
 十数年来のつきあいで健全経営をやっているなと思っていました。

 ある日,社長さんのYさんがやってきました。
 「オーナー,うちの会社明日夜逃げするからな!」
 「はあ?」
 「実は得意先が手形を不渡り出しよって,今度の15日がうちの決済なんや。」
 「ほお...」
 「そこでな,明後日引っ越しするから夜逃げしたってことにしてほしいねん。」
 「いや、あの...その...」
 「でな,保証金やねんけど,うちの嫁さんの口座にこっそりと振り込んで欲しいねん。」
 「はあ、でも,その....」
 「わかっとる,わかっとる。 オーナーが必要な原状回復の費用はちゃんと取ってええから。 できるだけ部屋もきれいにして出て行くから。」
 「ということは,もし町金が来たら家賃滞納して保証金食いつぶして出ていったことにすればええんですね。」
 「そやそや! オーナー話がわかる。 10年すればまた会社起こせるから当分潜んでおくだけや。 なんとか逃げ切るさかい大丈夫やで。」
 「わかりました,長いつきあいですしご協力します。」
 3日後S株式会社は部屋を引っ越しきれいにして出ていきました。
 
 後日,指定の口座に保証金を振り込み返済し,部屋の原状回復も滞り無く済ませ,これで完了と安心していました。
 数日後...管理室にノックして入ってきた二人組がいました。
 一人はどうしてこんなに服装の趣味が悪いのだろうと思うほど派手なスーツを着たオヤジ。
 もう一人は明らかに格闘技(相撲?)をやっていたと思える体格の大きな男性。\(●o○;)ノ
 「管理人さん,S株式会社さんはどこへ行ったか知らんかな?」
 「いや〜,うちも滞納されたあげくに夜逃げされましたからね。 困ってますねん。(-。-;)」
 「そうか〜,何かわかったら教えてや。」
 二人が部屋から出ていった後,私の膝がふるえているのがわかりました。(--;)カンニンシテ
 
 既に時効が成立していますが,あんまりこういうことをやるもんじゃないです。(恐)


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