外壁補修工事顛末2
このページに記載されている事柄を書くかどうかずいぶんと迷った。
自分の悪い部分を棚に上げて何かといんねんをふっかけてくる人間がいるからである。
というわけで、このページの物語はフィクションであり「全くのつくりごと」です。
登場する人物・団体・地名等がどれほど実在するものに酷似していてもそれは気のせいです。
だから難しく考えたりしてはいけません。……ということでお願いします。
当事者や近隣に迷惑をかけることは建設工事にはつきものであり、お互い様だと思うのだが、商売という利害が絡んでくる以上トラブルは避けられないものと予想していた。
しかし、一方的な要求に対しては毎度の事ながらうんざりさせられる。
出来ることならばそういう人間達とはお付き合いしたくないものだ。
管理人という職業は「平等と奉仕」の精神が無ければ勤まらない。
一方会社経営はある程度の犠牲と自己中心的な考えがないと利益は生み出されてこない。
サービス業ならではの矛盾なのだが、自己中心的すぎる人間が出てくるとバランスが保てなくなる。
何を最優先にすべきか、何を犠牲にすべきか、自分の行動がまずかったのか、相手が悪すぎるのか、利潤追求の前には信頼は糞みたいなものなのか、未だに迷わされています。
結局私一人では解決しきれなかったことへの腹立たしさと、傲慢な相手への不信感、遺恨を残す結果となったできごとです。
どこの工事現場でもあるんだろうな〜。 私はまだまだ甘ちゃんなんだろうねきっと。 甘いんだろうな。(-.-;)y-~~~
本編はここからです。
工事をやるよという通達から工事開始までが少し短かった。
これは、外壁が崩落する可能性があり、非常に危険な状態のための「緊急工事」であったためである。
それでも危険な箇所の発見から実際の工事までに時間がかかりすぎだと思っていた。
工務店から工事工程表が手元に届いてから、住人・テナント・近隣に知らせるために、張り紙を作ったり、手紙を出したりして順次連絡していった。
都心のマンションにありがちなことだが、ご多分に漏れず私の管理する物件も「無反応」「無関心」。
なぜ行うのか、どんな工事をするのか、期間はどのくらいなのかと頭の中で回答を用意していたのだが、殆ど問い合わせもなく順調なスタートだった。
一番問題の起こりそうな1階店舗の飲食店へは文章・口頭での両方の説明を行った。
2件あるうちの1件「かめはめ屋」は素直に了解してくれた。
もう一件の「いずま亭」は代表者の社長に説明したのだが、「緊急工事なのでしかたがないが、店の看板がよく見えるようにして欲しい」「お客の出入りに障害にならないようにして欲しい」「お店の入り口を広くとって欲しい」という要望が帰ってきた。
至極尤もな要望である。
こちらも営業妨害になるような行いはできるだけ慎む配慮は当然だからである。
工事期間中は安全を重視して事故が起こらないよう配慮するため、どうしても不可能な箇所が出てくるだろうが、出来るだけ要望に添えるように工務店と打ち合わせをして工事に臨むと約束をして了解してもらった。
そうこうしているうちに瞬く間に工事開始日がやってきてしまい、商業地という立地から通行人が比較的少ない土曜日から工事は始まった。
早朝から鳶職のお兄さん達が集まり、足場資材が運ばれてきてあれよあれよと言う間に足場が組まれていった。
こりゃだいじょうぶかいな?と思いつつも午前中には建物表側の2階付近まで組み上がっていくのを感心して見ていた。
一旦全てに基礎となる足場を組んでから、上の階へと足場を積み上げていき、上部の補強を終えた後に下の部分をはずして抜いていくのである。
お昼前には飲食店の玄関先を組み終え、営業の妨害にならないよう大きな間口が開いているのを見て私は、「なるほど〜、こうやって組んでいくのか」と納得させられた。
少し足場の骨はかかっているがお店の看板も見えており落下物除けシートがかかっても充分に外側から看板が見えるのを確認して安心した。
ただ、要望のあった場所で一部分だけ足場に隠れてしまっているところがあったので工務店の担当者に聞いてみた。
その部分は1階なので落下物が落ちた時に飛ばないようにするためと、侵入者を防止するための金網が貼り付けてあった。
私 :「この足場ははずせませんか?」
担当者:「この部分は建物の角ですからちょっと中途半端ですね、これを抜いてしまうのはちょっと無理ですよ」
私 :「そうですか、しかたないですね〜。 お店の人にはそう説明しますね。 それならこの金網ははずしてよく見えるようにしてやってください。」
担当者:「う〜ん、それも取ってしまうとちょっと危険ですし、容易に侵入者が上に上がれることになっちゃいますよ。」
私 :「これもダメですか! なんとか工夫できないですかね。」
担当者:「金網があるので保護シートはかけないようにしましょう。 そうすれば金網越しに見えますし。」
私 :「そうですね、そうしていただけますか。」
*この時点で気づかなかったのですが工務店が足場をはずすのを面倒くさくてごまかしたのかもしれません。
素人の知識の無さでこのときは納得してしまいました。
ちょっと見栄えが悪いものの安全重視が最優先の方針だったので、これでお店の人に納得してもらうことにした。
翌日「いずま亭」の店長(この人は従業員です)が管理人室にやってきた。
店長:「管理人さん、ちょっといいですか。」
私 :「はい、何でしょう?」
店長:「あの〜、社長から言われてるんですけどね、あの足場に隠れている部分は何とかなりませんか?」
私 :「ああ、あれですね。 あそこは安全上どうにもならないんですよ。」
店長:「いや、そう言われても社長からきちっと見ておくように命令受けてるんで何とかしてくださいよ。」
私 :「困りましたね、私たちはもし万が一事故が起きた時のこと考えるんですよ。 もし、誰かが怪我でもしたら工事期間に少し客離れしただけでは済まなくなりますよ。 最終的に責任を取るのは私だし。」
店長:「確かにそうだんですけどね、何とかなりませんか。(-_-#)」
私 :「ちょっと難しいかもしれません。 工務店には相談してみますけどね。」
店長:「正直言って私にとっちゃこの面が見えてようが見えなかろうが知ったこっちゃないんですけどね。 社長がうるさいもんで。」
私 :「(゚〇゚;)・・・店長さんの立場もありますし、こちらから社長さんにお話ししますよ。」
店長:「困ったなあ・・・、お願いしますよ。(-。-;)」
店長さんと別れてからさっそく現場に来ていた工務店の担当者に再度何かいい工夫が無いか訪ねてみた。
担当者の言い分ではやはり難しいとのこと。
お店には工事期間1ヶ月の間だけがまんしてもらうしかないな〜という結論に達しました。
翌日昼前に「いずま亭」の社長から電話がかかってきました。
社長:「お昼過ぎに店の前で会いたいんですが・・・・」
と言う内容。
私は了解して電話を切り昼過ぎになるのを待った。
長くなったので次ページに続く