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「とにかく黙ってオレに着いて来い」 またですか、などと言えるくらいなら最初から孔雀などにアルファ・ゾーンへの移界のお供をするはずがない。またもや強引に店の早仕舞いを要求され、見覚えのある家へとやってきた泉汰はもう半分泣きそうだった。 またあの人に関節技を決められて泣かされそうな気がする。 孔雀の細い指が、インターホンを押す。 『留守です』 最初は驚いたけど、今ならわかる。 僕だって居留守を使いたいと思うから。 「コラ広見、出て来いっ」 『留守だっつってんだろコラ』 「何でカニツアー、今年も中止になったんだよ!」 『だって三人だったじゃん』 「何でだよ!俺とお前と泉汰と翡翠で、四人だろ!」 『翡翠さん、逃げたじゃん』 「…なにッ?!」 『当日にドタキャンしたよ。緊急の会議が入ったからいけないってさ』 「んなわけあるかッ、夜出発予定だったんだぞ?!夜に会議なんかやるもんか、あいつら役人だぞ!」 『そんなの私の知ったことではありません。それに、役人だからこそ、夜に緊急会議が入ったりするとも言えると思うけど。じゃ、そういうことだから』 ブツッ、と激しい音でインターホンが切れた。それはいかにも「ああ清々した」と言っているように、泉汰の耳には聞こえた。 「…あのヤロウ、よくも逃げやがったな…」 「…あの、治安『判事』さんだったら、お忙しいでしょうし、会議がいつ入ってもおかしくはないのではないでしょうか…」 恐る恐る提言してみると、孔雀は夢から覚めたような目で泉汰を見つめた。 …あれ、もしかして、言ってはいけないことを言った?! 怯える泉汰と裏腹に、孔雀は笑みを浮かべて、うんうんとうなずいて見せた。 「そっか、じゃあ来年は絶対確実なヤツをメンバーに入れよう」 「…え」 「志野がいい、うん、志野なら店を閉めさせて無理矢理参加させられるし、丁度いい、うん」 …ええええええええええええええッ、もももももしかして、「志野さん」という方に物凄くご迷惑なことを口走ってしまったのかも?! 動転して目の前が真っ暗になっている泉汰をよそに、孔雀はもう「志野」という人物を来年、強制的に「カニツアー」に参加させることを決めていた。 …志野さんって人、僕を呪い殺すような怖いひとじゃなかったらいいなあ……… 上機嫌な孔雀に引き摺られながら、泉汰はそんなことを頭の片隅で祈っていた。 (しばらく病気のため、いつも以上に放置状態激しいサイトになると思いますが、まあ一応管理はしますからご勘弁を(笑)) |
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