●発足の経緯

 岐阜市では現在、都市景観とまちづくりを課題とした市民や企業、グループ等による活動が活発となっています。また行政においてもJR駅前開発や長良川プロムナード計 画が、住民や専門家の参加を得ながら進められています。

 それらの現状を踏まえ、昨年、11月17日に行われた「ぎふ都市景観フォーラム2001」 にて、岐阜市では初めて、行政と市民、そして各地域のまちづくり団体が相互に共同参 画しあう形で、景観を軸としたまちづくりに向けての実質的な内容を提起しあうフォー ラム(会議)が実現しました。

 その中で、私たちはこのフォーラムを「Action,1」と名付け、市民による公共の場で の開かれたまちづくりと、景観の保全・形成のための日頃の活動(action)として継続させていくことを確認しました。

 その後、ぎふまちづくりセンターという場を<誰もが自由に出会い、交流し合える 場所>と位置づけ、月1回、センターにおいて、毎回、新たな参加者を多数得ながら景観問題をテーマとしたワークショップを継続しています。

 そうして会を重ねる中、私たちは、都市景観の問題に古くから取り組まれてきた金華 地区の方々をはじめとした地元の方々、最近の都市開発問題から新たにまちづくり委員 会を立ち上げた方々、そしてこれらの問題に関し幅広く関心を持っている一般市民と、さらには行政とが、互いに意見や情報を交換できるネットワーキングの必要性を痛感し、それらの目的を果たすための支援活動とネットワークづくりに取り組み始め,「岐阜の古い街並みを生かしたまちづくりを進める支援ネットワーク」を発足させました。

 現在、岐阜市在住の岐阜大学の教員、フリープロデュサー、建築家、デザイナー、企業人、主婦等、多種多様な構成メンバー約15名により成り立っています。 その活動の一貫として、この度の公開質問状を提出しました。

●趣意書

 岐阜市には、歴史的建造物や古い街並みが保たれている地区が今も残り、市民や岐 阜を訪れる人びとにとって、金華山や長良川などの自然景観とともに「岐阜らしさ」 を代表する景観となっています。最近では古い町屋が周辺景観を生かす形で修復さ れ、街並みに新しい魅力を加えつつあります。こうした建物や街並みが、日々の暮ら しとは無関係な特別な存在ではなく、私たちの生活と一体となっている点こそ岐阜市 の特徴と言えるのではないでしょうか。

 しかし、ここ数年、再開発や道路の拡張などによって、それらは急速に失われてい ます。残念ながらそのなかには、岐阜市の都市景観重要建築物に指定された貴重な建 物も含まれています。私たちは、経済効率や近代化・画一的な都市化を優先してきた 結果、「岐阜らしさ」を織りなしてきた、かけがえのないものを失いかけているので はないのでしょうか。

 今後も、各地域の個性や社会的役割、周辺景観との調和を考慮せず、画一的で無秩 序な開発事業が続くならば、美しい景観は消えてしまいます。それだけではありませ ん。歴史的建造物や古い街並みに刻み込まれた伝統文化、そこに保存されている歴史 的な記憶や思い出さえも失われてしまうのです。そうなれば、私たちは、今の私たち を支えている地域的アイデンティティである「岐阜らしさ」を完全に失ってしまうこ とでしょう。さらにこのことは、過去の遺産を現代につなげ、つぎの世代に伝えてい くという私たちの重要な責務を放棄することを意味します。

 現在、岐阜市では、古い街並みを現代に生かそうとするまちづくりが、地元の住民 の方々を中心として少しずつ広がっています。まさに今、岐阜ならではの美しい景観 と日々の生活とが一体となり、人と人とが交流できる豊かなまちづくりを進めること は、地元の住民だけでなく、ここを訪れる人びとにも地域の魅力を見直すきっかけと なり、全国的に岐阜市が知られる事例にもなりうると考えます。

 そこで私たちはこうした大切な取り組みを支援し、ともに問題を考え、情報や意見 を自由に交換しながら、個々の活動を相互に結びつけ、行政や各種団体とも有効な協 力関係を築いていくことを目的として、ここに「古い街並みを生かしたまちづくりを 進める支援ネットワーク」を設立する次第です。

2002年2月7日 「岐阜の古い街並みを生かしたまちづくりを進める支援ネットワーク」

代表委員  野村幸弘 富樫幸一 山崎仁朗 古田菜穂子 石原忠幸 加納一郎 小 寺克彦  酒井稔 武井英男 山田正人 白樫久 合掌顕