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朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル民法中修正ノ件ヲ裁可シ□ニ之ヲ公布セシム
民法第四編第五編別冊ノ通之ヲ定ム 此法律施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム(明治三一・七・一六施行―明治三一勅一二三) 明治二十三年法律第九十八号民法財産取得編人事編ハ此法律発布ノ日ヨリ之ヲ廃止ス
民法
第4編 親族 第1章 総則 第725条 左に掲げる者は、これを親族とする。 一 六親等内の血族 二 配偶者 三 三親等内の姻族 第726条(1)親等は、親族間の世数を数えて、これを定める。 (2)傍系親族の親等を定めるには、その一人又はその配偶者から同一の始祖にさかのぼり、その始祖から他の一人に下るまでの世数による。 第727条 養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけると同一の親族関係を生ずる。 第728条(1)姻族関係は、離婚によつて終了する。 (2)夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様である。 第729条 養子、その配偶者、直系卑属及びその配偶者と養親及びその血族との親族関係は、離縁によつて終了する。 第730条 直系血族及び同居の親族は、互に扶け合わなければならない。 第2章 婚姻 第1節 婚姻の成立 第1款 婚姻の要件 第731条 男は、満十八歳に、女は、満十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。 第732条 配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。 第733条(1)女は、前婚の解消又は取消の日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。 (2)女が前婚の解消又は取消の前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。 第734条(1)直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。但し、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。 (2)第八百十七条の九の規定によつて親族関係が終了した後も、前項と同様とする。 第735条 直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第七百二十八条又は第八百十七条の九の規定によつて姻族関係が終了した後も、同様である。 第736条 養子、その配偶者、直系卑属又はその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第七百二十九条の規定によつて親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。 第737条(1)未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。 (2)父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様である。 第738条 成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。 第739条(1)婚姻は、戸籍法の定めるところによりこれを届け出ることによつて、その効力を生ずる。 (2)前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上から、口頭又は署名した書面で、これをしなければならない。 第740条 婚姻の届出は、その婚姻が第七百三十一条乃至第七百三十七条及び前条第二項の規定その他の法令に違反しないことを認めた後でなければ、これを受理することができない。 第741条 外国に在る日本人間で婚姻をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる。この場合には、前二条の規定を準用する。 第2款 婚姻の無効及び取消 第742条 婚姻は、左の場合に限り、無効とする。 一 人違その他の事由によつて当事者間に婚姻をする意思がないとき。 二 当事者が婚姻の届出をしないとき。但し、その届出が第七百三十九条第二項に掲げる条件を欠くだけであるときは、婚姻は、これがために、その効力を妨げられることがない。 第743条 婚姻は、第七百四十四条乃至第七百四十七条の規定によらなければ、これを取り消すことができない。 第744条(1)第七百三十一条乃至第七百三十六条の規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消を裁判所に請求することができる。但し、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。 (2)第七百三十二条又は第七百三十三条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消を請求することができる。 第745条(1)第七百三十一条の規定に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消を請求することができない。 (2)不適齢者は、適齢に達した後、なお三箇月間は、その婚姻の取消を請求することができる。但し、適齢に達した後に追認をしたときは、この限りでない。 第746条 第七百三十三条の規定に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消の日から六箇月を経過し、又は女が再婚後に懐胎したときは、その取消を請求することができない。 第747条(1)詐欺又は強迫によつて婚姻をした者は、その婚姻の取消を裁判所に請求することができる。 (2)前項の取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免かれた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。 第748条(1)婚姻の取消は、その効力を既往に及ぼさない。 (2)婚姻の当時その取消の原因があることを知らなかつた当事者が、婚姻によつて財産を得たときは、現に利益を受ける限度において、その返還をしなければならない。 (3)婚姻の当時その取消の原因があることを知つていた当事者は、婚姻によつて得た利益の全部を返還しなければならない。なお、相手方が善意であつたときは、これに対して損害を賠償する責に任ずる。 第749条 第七百六十六条乃至第七百六十九条の規定は、婚姻の取消につきこれを準用する。 第2節 婚姻の効力 第750条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。 第751条(1)夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。 (2)第七百六十九条の規定は、前項及び第七百二十八条第二項の場合にこれを準用する。 第752条 夫婦は同居し、互に協力し扶助しなければならない。 第753条 未成年者が婚姻をしたときは、これによつて成年に達したものとみなす。 第754条 夫婦間で契約をしたときは、その契約は、婚姻中、何時でも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。但し、第三者の権利を害することができない。 第3節 夫婦財産制 第1款 総則 第755条 夫婦が、婚姻の届出前に、その財産について別段の契約をしなかつたときは、その財産関係は、次の款に定めるところによる。 第756条 夫婦が法定財産制と異なる契約をしたときは、婚姻の届出までにその登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。 第757条 削除 第758条(1)夫婦の財産関係は、婚姻届出の後は、これを変更することができない。 (2)夫婦の一方が、他の一方の財産を管理する場合において、管理が失当であつたことによつてその財産を危うくしたときは、他の一方は、自らその管理をすることを家庭裁判所に請求することができる。 (3)共有財産については、前項の請求とともにその分割を請求することができる。 第759条 前条の規定又は契約の結果によつて、管理者を変更し、又は共有財産の分割をしたときは、その登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。 第2款 法定財産制 第760条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。 第761条 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによつて生じた債務について、連帯してその責に任ずる。但し、第三者に対し責に任じない旨を予告した場合は、この限りでない。 第762条(1)夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産とする。 (2)夫婦のいずれに属するか明かでない財産は、その共有に属するものと推定する。 第4節 離婚 第1款 協議上の離婚 第763条 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。 第764条 第七百三十八条、第七百三十九条及び第七百四十七条の規定は、協議上の離婚にこれを準用する。 第765条(1)離婚の届出は、その離婚が第七百三十九条第二項及び第八百十九条第一項の規定その他の法令に違反しないことを認めた後でなければ、これを受理することができない。 (2)離婚の届出が前項の規定に違反して受理されたときでも、離婚は、これがために、その効力を妨げられることがない。 第766条(1)父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者その他監護について必要な事項は、その協議でこれを定める。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。 (2)子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の監護をすべき者を変更し、その他監護について相当な処分を命ずることができる。 (3)前二項の規定は、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生ずることがない。 第767条(1)婚姻によつて氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によつて婚姻前の氏に復する。 (2)前項の規定によつて婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによつて、離婚の際に称していた氏を称することができる。 第768条(1)協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。 (2)前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。但し、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。 (3)前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によつて得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。 第769条(1)婚姻によつて氏を改めた夫又は妻が、第八百九十七条第一項の権利を承継した後、協議上の離婚をしたときは、当事者その他の関係人の協議で、その権利を承継すべき者を定めなければならない。 (2)前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、前項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。 第2款 裁判上の離婚 第770条(1)夫婦の一方は、左の場合に限り、離婚の訴を提起することができる。 一 配偶者に不貞な行為があつたとき。 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。 三 配偶者の生死が三年以上明かでないとき。 四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込がないとき。 五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。 (2)裁判所は、前項第一号乃至第四号の事由があるときでも、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。 第771条 第七百六十六条乃至第七百六十九条の規定は、裁判上の離婚にこれを準用する。 第3章 親子 第1節 実子 第772条(1)妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。 (2)婚姻成立の日から二百日後又は婚姻の解消若しくは取消の日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。 第773条 第七百三十三条第一項の規定に違反して再婚をした女が出産した場合において、前条の規定によつてその子の父を定めることができないときは、裁判所が、これを定める。 第774条 第七百七十二条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。 第775条 前条の否認権は、子又は親権を行う母に対する訴によつてこれを行う。親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。 第776条 夫が、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、その否認権を失う。 第777条 否認の訴は、夫が子の出生を知つた時から一年以内にこれを提起しなければならない。 第778条 夫が成年被後見人であるときは、前条の期間は、後見開始の審判の取消しがあつた後夫が子の出生を知つた時から、これを起算する。 第779条 嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。 第780条 認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときでも、その法定代理人の同意を要しない。 第781条(1)認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによつてこれをする。 (2)認知は、遺言によつても、これをすることができる。 第782条 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。 第783条(1)父は、胎内に在る子でも、これを認知することができる。この場合には、母の承諾を得なければならない。 (2)父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、これを認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。 第784条 認知は、出生の時にさかのぼつてその効力を生ずる。但し、第三者が既に取得した権利を害することができない。 第785条 認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。 第786条 子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。 第787条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴を提起することができる。但し、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。 第788条 第七百六十六条の規定は、父が認知する場合にこれを準用する。 第789条(1)父が認知した子は、その父母の婚姻によつて嫡出子たる身分を取得する。 (2)婚姻中父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子たる身分を取得する。 (3)前二項の規定は、子が既に死亡した場合にこれを準用する。 第790条(1)嫡出である子は、父母の氏を称する。但し、子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏を称する。 (2)嫡出でない子は、母の氏を称する。 第791条(1)子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによつて、その父又は母の氏を称することができる。 (2)父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には、子は、父母の婚姻中に限り、前項の許可を得ないで、戸籍法の定めるところにより届け出ることによつて、その父母の氏を称することができる。 (3)子が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わつて、前二項の行為をすることができる。 (4)前三項の規定によつて氏を改めた未成年の子は、成年に達した時から一年以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによつて、従前の氏に復することができる。 第2節 養子 第1款 縁組の要件 第792条 成年に達した者は、養子をすることができる。 第793条 尊属又は年長者は、これを養子とすることができない。 第794条 後見人が被後見人(未成年被後見人及び成年被後見人をいう。以下同じ。)を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。後見人の任務が終了した後、まだ管理の計算が終わらない間も、同様である。 第795条 配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。 第796条 配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければならない。ただし、配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。 第797条(1)養子となる者が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わつて、縁組の承諾をすることができる。 (2)法定代理人が前項の承諾をするには、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが他にあるときは、その同意を得なければならない。 第798条 未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。但し、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、この限りでない。 第799条 第七百三十八条及び第七百三十九条の規定は、縁組にこれを準用する。 第800条 縁組の届出は、その縁組が第七百九十二条乃至前条の規定その他の法令に違反しないことを認めた後でなければ、これを受理することができない。 第801条 外国に在る日本人間で縁組をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる。この場合には、第七百三十九条及び前条の規定を準用する。 第2款 縁組の無効及び取消 第802条 縁組は左の場合に限り、無効とする。 一 人違その他の事由によつて当事者間に縁組をする意思がないとき。 二 当事者が縁組の届出をしないとき。但し、その届出が第七百三十九条第二項に掲げる条件を欠くだけであるときは、縁組は、これがために、その効力を妨げられることがない。 第803条 縁組は、第八百四条乃至第八百八条の規定によらなければ、これを取り消すことができない。 第804条 第七百九十二条の規定に違反した縁組は、養親又はその法定代理人から、その取消を裁判所に請求することができる。但し、養親が、成年に達した後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。 第805条 第七百九十三条の規定に違反した縁組は、各当事者又はその親族から、その取消を裁判所に請求することができる。 第806条(1)第七百九十四条の規定に違反した縁組は、養子又はその実方の親族から、その取消を裁判所に請求することができる。但し、管理の計算が終わつた後、養子が追認をし、又は六箇月を経過したときは、この限りでない。 (2)追認は、養子が、成年に達し、又は能力を回復した後、これをしなければ、その効力がない。 (3)養子が、成年に達せず、又は能力を回復しない間に、管理の計算が終わつた場合には、第一項但書の期間は、養子が、成年に達し、又は能力を回復した時から、これを起算する。 第806条の2(1)第七百九十六条の規定に違反した縁組は、縁組の同意をしていない者から、その取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その者が、縁組を知つた後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。 (2)詐欺又は強迫によつて第七百九十六条の同意をした者は、その縁組の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。 第806条の3(1)第七百九十七条第二項の規定に違反した縁組は、縁組の同意をしていない者から、その取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その者が追認をしたとき、又は養子が十五歳に達した後六箇月を経過し、若しくは追認をしたときは、この限りでない。 (2)前条第二項の規定は、詐欺又は強迫によつて第七百九十七条第二項の同意をした者にこれを準用する。 第807条 第七百九十八条の規定に違反した縁組は、養子、その実方の親族又は養子に代わつて縁組の承諾をした者から、その取消を裁判所に請求することができる。但し、養子が、成年に達した後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。 第808条(1)第七百四十七条及び第七百四十八条の規定は、縁組にこれを準用する。但し、第七百四十七条第二項の期間は、これを六箇月とする。 (2)第七百六十九条及び第八百十六条の規定は、縁組の取消にこれを準用する。 第3款 縁組の効力 第809条 養子は、縁組の日から、養親の嫡出子たる身分を取得する。 第810条 養子は、養親の氏を称する。ただし、婚姻によつて氏を改めた者については、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、この限りでない。 第4款 離縁 第811条(1)縁組の当事者は、その協議で、離縁をすることができる。 (2)養子が十五歳未満であるときは、その離縁は、養親と養子の離縁後にその法定代理人となるべき者との協議でこれをする。 (3)前項の場合において、養子の父母が離婚しているときは、その協議で、その一方を養子の離縁後にその親権者となるべき者と定めなければならない。 (4)前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、前項の父若しくは母又は養親の請求によつて、協議に代わる審判をすることができる。 (5)第二項の法定代理人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、養子の親族その他の利害関係人の請求によつて、養子の離縁後にその未成年後見人となるべき者を選任する。 (6)縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁をしようとするときは、家庭裁判所の許可を得て、これをすることができる。 第811条の2 養親が夫婦である場合において未成年者と離縁をするには、夫婦がともにしなければならない。ただし、夫婦の一方がその意思を表示することができないときは、この限りでない。 第812条 第七百三十八条、第七百三十九条、第七百四十七条及び第八百八条第一項但書の規定は、協議上の離縁にこれを準用する。 第813条(1)離縁の届出は、その離縁が第七百三十九条第二項、第八百十一条及び第八百十一条の二の規定その他の法令に違反しないことを認めた後でなければ、これを受理することができない。 (2)離縁の届出が前項の規定に違反して受理されたときでも、離縁は、これがために、その効力を妨げられることがない。 第814条(1)縁組の当事者の一方は、次の場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。 一 他の一方から悪意で遺棄されたとき。 二 他の一方の生死が三年以上明らかでないとき。 三 その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。 (2)第七百七十条第二項の規定は、前項第一号及び第二号の場合にこれを準用する。 第815条 養子が満十五歳に達しない間は、第八百十一条の規定によつて養親と離縁の協議をすることができる者から、又はこれに対して、離縁の訴を提起することができる。 第816条(1)養子は、離縁によつて縁組前の氏に復する。ただし、配偶者とともに養子をした養親の一方のみと離縁をした場合は、この限りでない。 (2)縁組の日から七年を経過した後に前項の規定によつて縁組前の氏に復した者は、離縁の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによつて、離縁の際に称していた氏を称することができる。 第817条 第七百六十九条の規定は、離縁にこれを準用する。 第5款 特別養子 第817条の2(1)家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。 (2)前項に規定する請求をするには、第七百九十四条又は第七百九十八条の許可を得ることを要しない。 第817条の3(1)養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。 (2)夫婦の一方は、他の一方が養親とならないときは、養親となることができない。ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は、この限りでない。 第817条の4 二十五歳に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その者が二十歳に達しているときは、この限りでない。 第817条の5 第八百十七条の二に規定する請求の時に六歳に達している者は、養子となることができない。ただし、その者が八歳未満であつて六歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合は、この限りでない。 第817条の6 特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。 第817条の7 特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。 第817条の8(1)特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。 (2)前項の期間は、第八百十七条の二に規定する請求の時から起算する。ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。 第817条の9 養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によつて終了する。ただし、第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。 第817条の10(1)次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。 一 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。 二 実父母が相当の監護をすることができること。 (2)離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。 第817条の11 養子と実父母及びその血族との間においては、離縁の日から、特別養子縁組によつて終了した親族関係と同一の親族関係を生ずる。 第4章 親権 第1節 総則 第818条(1)成年に達しない子は、父母の親権に服する。 (2)子が養子であるときは、養親の親権に服する。 (3)親権は、父母の婚姻中は、父母が共同してこれを行う。但し、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が、これを行う。 第819条(1)父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。 (2)裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。 (3)子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母がこれを行う。但し、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。 (4)父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父がこれを行う。 (5)第一項、第三項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によつて、協議に代わる審判をすることができる。 (6)子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によつて、親権者を他の一方に変更することができる。 第2節 親権の効力 第820条 親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。 第821条 子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。 第822条(1)親権を行う者は、必要な範囲内で自らその子を懲戒し、又は家庭裁判所の許可を得て、これを懲戒場に入れることができる。 (2)子を懲戒場に入れる期間は、六箇月以下の範囲内で、家庭裁判所がこれを定める。但し、この期間は、親権を行う者の請求によつて、何時でも、これを短縮することができる。 第823条(1)子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。 (2)親権を行う者は、第六条第二項の場合には、前項の許可を取り消し、又はこれを制限することができる。 第824条 親権を行う者は、子の財産を管理し、又、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。但し、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。 第825条 父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が、共同の名義で、子に代わつて法律行為をし、又は子のこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときでも、これがために、その効力を妨げられることがない。但し、相手方が悪意であつたときは、この限りでない。 第826条(1)親権を行う父又は母とその子と利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。 (2)親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、その一方のために、前項の規定を準用する。 第827条 親権を行う者は、自己のためにすると同一の注意を以て、その管理権を行わなければならない。 第828条 子が成年に達したときは、親権を行つた者は、遅滞なくその管理の計算をしなければならない。但し、その子の養育及び財産の管理の費用は、その子の財産の収益とこれを相殺したものとみなす。 第829条 前条但書の規定は、無償で子に財産を与える第三者が反対の意思を表示したときは、その財産については、これを適用しない。 第830条(1)無償で子に財産を与える第三者が、親権を行う父又は母にこれを管理させない意思を表示したときは、その財産は、父又は母の管理に属しないものとする。 (2)前項の財産につき父母が共に管理権を有しない場合において、第三者が管理者を指定しなかつたときは、家庭裁判所は、子、その親族又は検察官の請求によつて、その管理者を選任する。 (3)第三者が管理者を指定したときでも、その管理者の権限が消滅し、又はこれを改任する必要がある場合において、第三者が更に管理者を指定しないときも、前項と同様である。 (4)第二十七条乃至第二十九条の規定は、前二項の場合にこれを準用する。 第831条 第六百五十四条及び第六百五十五条の規定は、親権を行う者が子の財産を管理する場合及び前条の場合にこれを準用する。 第832条(1)親権を行つた者とその子との間に財産の管理について生じた債権は、その管理権が消滅した時から五年間これを行わないときは、時効によつて消滅する。 (2)子がまだ成年に達しない間に管理権が消滅した場合において子に法定代理人がないときは、前項の期間は、その子が成年に達し、又は後任の法定代理人が就職した時から、これを起算する。 第833条 親権を行う者は、その親権に服する子に代わつて親権を行う。 第3節 親権の喪失 第834条 父又は母が、親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、家庭裁判所は、子の親族又は検察官の請求によつて、その親権の喪失を宣告することができる。 第835条 親権を行う父又は母が、管理が失当であつたことによつてその子の財産を危うくしたときは、家庭裁判所は、子の親族又は検察官の請求によつて、その管理権の喪失を宣告することができる。 第836条 前二条に定める原因が止んだときは、家庭裁判所は、本人又はその親族の請求によつて、失権の宣告を取り消すことができる。 第837条(1)親権を行う父又は母は、やむを得ない事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を辞することができる。 (2)前項の事由が止んだときは、父又は母は、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を回復することができる。 第5章 後見 第1節 後見の開始 第838条 後見は、次に掲げる場合に開始する。 一 未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき。 二 後見開始の審判があつたとき。 第2節 後見の機関 第1款 後見人 第839条(1)未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。 (2)親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定によつて未成年後見人の指定をすることができる。 第840条 前条の規定によつて未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によつて、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様である。 第841条 父若しくは母が親権若しくは管理権を辞し、又は親権を失つたことによつて未成年後見人を選任する必要が生じたときは、その父又は母は、遅滞なく未成年後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 第842条 未成年後見人は、一人でなければならない。 第843条(1)家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。 (2)成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求によつて、又は職権で、成年後見人を選任する。 (3)成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に掲げる者若しくは成年後見人の請求によつて、又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。 (4)成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。 第844条 後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。 第845条 後見人がその任務を辞したことによつて新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 第846条 後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求によつて、又は職権で、これを解任することができる。 第847条 次に掲げる者は、後見人となることができない。 一 未成年者 二 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人 三 破産者 四 被後見人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族 五 行方の知れない者 第2款 後見監督人 第848条 未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。 第849条 前条の規定によつて指定した未成年後見監督人がない場合において必要があると認めるときは、家庭裁判所は、未成年被後見人、その親族若しくは未成年後見人の請求によつて、又は職権で、未成年後見監督人を選任することができる。未成年後見監督人の欠けた場合も、同様である。 第849条の2 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、成年被後見人、その親族若しくは成年後見人の請求によつて、又は職権で、成年後見監督人を選任することができる。 第850条 後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。 第851条 後見監督人の職務は、左の通りである。 一 後見人の事務を監督すること。 二 後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。 三 急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。 四 後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。 第852条 第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、後見監督人について準用する。 第3節 後見の事務 第853条(1)後見人は、遅滞なく被後見人の財産の調査に著手し、一箇月以内に、その調査を終わり、且つ、その目録を調製しなければならない。但し、この期間は、家庭裁判所において、これを伸長することができる。 (2)財産の調査及びその目録の調製は、後見監督人があるときは、その立会を以てこれをしなければ、その効力がない。 第854条 後見人は、目録の調製を終わるまでは、急迫の必要がある行為のみをする権限を有する。但し、これを善意の第三者に対抗することができない。 第855条(1)後見人が、被後見人に対し、債権を有し、又は債務を負う場合において、後見監督人があるときは、財産の調査に著手する前に、これを後見監督人に申し出なければならない。 (2)後見人が、被後見人に対し債権を有することを知つてこれを申し出ないときは、その債権を失う。 第856条 前三条の規定は、後見人が就職した後被後見人が包括財産を取得した場合にこれを準用する。 第857条 未成年後見人は、第八百二十条から第八百二十三条までに規定する事項について、親権を行う者と同一の権利義務を有する。ただし、親権を行う者が定めた教育の方法及び居所を変更し、未成年被後見人を懲戒場に入れ、営業を許可し、その許可を取り消し、又はこれを制限するには、未成年後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。 第858条 成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たつては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。 第859条(1)後見人は、被後見人の財産を管理し、又、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。 (2)第八百二十四条但書の規定は、前項の場合にこれを準用する。 第859条の2(1)成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、数人の成年後見人が、共同して又は事務を分掌して、その権限を行使すべきことを定めることができる。 (2)家庭裁判所は、職権で、前項の規定による定めを取り消すことができる。 (3)成年後見人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 第859条の3 成年後見人は、成年被後見人に代わつて、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。 第860条 第八百二十六条の規定は、後見人にこれを準用する。但し、後見監督人がある場合は、この限りでない。 第861条(1)後見人は、その就職の初において、被後見人の生活、教育又は療養看護及び財産の管理のために毎年費すべき金額を予定しなければならない。 (2)後見人が後見の事務を行うために必要な費用は、被後見人の財産の中から支弁する。 第862条 家庭裁判所は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によつて、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。 第863条(1)後見監督人又は家庭裁判所は、何時でも、後見人に対し後見の事務の報告若しくは財産の目録の提出を求め、又は後見の事務若しくは被後見人の財産の状況を調査することができる。 (2)家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求によつて、又は職権で、被後見人の財産の管理その他後見の事務について必要な処分を命ずることができる。 第864条 後見人が、被後見人に代わつて営業若しくは第十二条第一項に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。ただし、元本の領収については、この限りでない。 第865条(1)後見人が、前条の規定に違反してし、又は同意を与えた行為は、被後見人又は後見人において、これを取り消すことができる。この場合には、第十九条の規定を準用する。 (2)前項の規定は、第百二十一条乃至第百二十六条の規定の適用を妨げない。 第866条(1)後見人が被後見人の財産又は被後見人に対する第三者の権利を譲り受けたときは、被後見人は、これを取り消すことができる。この場合には、第十九条の規定を準用する。 (2)前項の規定は、第百二十一条乃至第百二十六条の規定の適用を妨げない。 第867条(1)未成年後見人は、未成年被後見人に代わつて親権を行う。 (2)第八百五十三条乃至第八百五十七条及び第八百六十一条乃至前条の規定は、前項の場合にこれを準用する。 第868条 親権を行う者が管理権を有しない場合には、未成年後見人は、財産に関する権限のみを有する。 第869条 第六百四十四条及び第八百三十条の規定は、後見にこれを準用する。 第4節 後見の終了 第870条 後見人の任務が終了したときは、後見人又はその相続人は、二箇月以内にその管理の計算をしなければならない。但し、この期間は、家庭裁判所において、これを伸長することができる。 第871条 後見の計算は、後見監督人があるときは、その立会を以てこれをする。 第872条(1)未成年被後見人が成年に達した後後見の計算の終了前に、その者と未成年後見人又はその相続人との間にした契約は、その者においてこれを取り消すことができる。その者が未成年後見人又はその相続人に対してした単独行為も、同様である。 (2)第十九条及び第百二十一条乃至第百二十六条の規定は、前項の場合にこれを準用する。 第873条(1)後見人が被後見人に返還すべき金額及び被後見人が後見人に返還すべき金額には、後見の計算が終了した時から、利息をつけなければならない。 (2)後見人が自己のために被後見人の金銭を消費したときは、その消費の時から、これに利息をつけなければならない。なお、損害があつたときは、その賠償の責に任ずる。 第874条 第六百五十四条及び第六百五十五条の規定は、後見にこれを準用する。 第875条(1)第八百三十二条に定める時効は、後見人又は後見監督人と被後見人との間において後見に関して生じた債権にこれを準用する。 (2)前項の時効は、第八百七十二条の規定によつて法律行為を取り消した場合には、その取消の時から、これを起算する。 第5章の2 保佐及び補助 第1節 保佐 第876条 保佐は、保佐開始の審判によつて開始する。 第876条の2(1)家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは、職権で、保佐人を選任する。 (2)第八百四十三条第二項から第四項まで及び第八百四十四条から第八百四十七条までの規定は、保佐人について準用する。 (3)保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は、臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、保佐監督人がある場合は、この限りでない。 第876条の3(1)家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被保佐人、その親族若しくは保佐人の請求によつて、又は職権で、保佐監督人を選任することができる。 (2)第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十条、第八百五十一条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、保佐監督人について準用する。この場合において、第八百五十一条第四号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被保佐人を代表し、又は被保佐人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。 第876条の4(1)家庭裁判所は、第十一条本文に掲げる者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によつて、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。 (2)本人以外の者の請求によつて前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。 (3)家庭裁判所は、第一項に掲げる者の請求によつて、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。 第876条の5(1)保佐人は、保佐の事務を行うに当たつては、被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。 (2)第六百四十四条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項、第八百六十二条及び第八百六十三条の規定は保佐の事務について、第八百二十四条ただし書の規定は保佐人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人を代表する場合について準用する。 (3)第六百五十四条、第六百五十五条、第八百七十条、第八百七十一条及び第八百七十三条の規定は保佐人の任務が終了した場合について、第八百三十二条の規定は保佐人又は保佐監督人と被保佐人との間において保佐に関して生じた債権について準用する。 第2節 補助 第876条の6 補助は、補助開始の審判によつて開始する。 第876条の7(1)家庭裁判所は、補助開始の審判をするときは、職権で、補助人を選任する。 (2)第八百四十三条第二項から第四項まで及び第八百四十四条から第八百四十七条までの規定は、補助人について準用する。 (3)補助人又はその代表する者と被補助人との利益が相反する行為については、補助人は、臨時補助人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、補助監督人がある場合は、この限りでない。 第876条の8(1)家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被補助人、その親族若しくは補助人の請求によつて、又は職権で、補助監督人を選任することができる。 (2)第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十条、第八百五十一条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、補助監督人について準用する。この場合において、第八百五十一条第四号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被補助人を代表し、又は被補助人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。 第876条の9(1)家庭裁判所は、第十四条第一項本文に掲げる者又は補助人若しくは補助監督人の請求によつて、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。 (2)第八百七十六条の四第二項及び第三項の規定は、前項の審判について準用する。 第876条の10(1)第六百四十四条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項、第八百六十二条、第八百六十三条及び第八百七十六条の五第一項の規定は補助の事務について、第八百二十四条ただし書の規定は補助人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被補助人を代表する場合について準用する。 (2)第六百五十四条、第六百五十五条、第八百七十条、第八百七十一条及び第八百七十三条の規定は補助人の任務が終了した場合について、第八百三十二条の規定は補助人又は補助監督人と被補助人との間において補助に関して生じた債権について準用する。 第6章 扶養 第877条(1)直系血族及び兄弟姉妹は、互に扶養をする義務がある。 (2)家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合の外、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。 (3)前項の規定による審判があつた後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。 第878条 扶養をする義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。扶養を受ける権利のある者が数人ある場合において、扶養義務者の資力がその全員を扶養するに足りないとき、扶養を受けるべき者の順序についても、同様である。 第879条 扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める。 第880条 扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があつた後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消をすることができる。 第881条 扶養を受ける権利は、これを処分することができない。 |