円キャリートレードとその巻き戻し

現在世界的な金融不安や景気後退リスク、それに伴う世界的連鎖株安が顕在化してきております。そのなかで日本円を巡る環境は激変しています。その背景には円キャリートレードの巻き戻しという現象が起こっているようです。

 具体的には、過去に低金利の日本円で調達された資金が、信用収縮に伴って今度は円に逆流してくる現象となってあらわれています。

 かつて円キャリートレードが盛んにおこなわれていたときは、為替市場では円安が進行するとともに、世界的に株式市場や、いわゆるサブプライム関連等の証券化商品、不動産投資信託(リート)などに膨大な資金が流入しました。

 サブプライム関連商品の商品価値が消滅し、信用が収縮に向かい始めた現在は、その資金の流れが逆流し為替市場では円高が進行、株価や不動産市況は下落しています。

 ということから現在の状況は、金融機関の資本と信用が破壊されたことによる「信用収縮」に伴う構造的なものであり、対策が打ち出されたらすぐにマーケットが立ち直るというような性格のもではないと思われます。だからこそ、世界的に株価が下がり、また底値もよくわからなくなっているのだと考えられます。

(2008年10月)