行政手続法研究ノートその1
更新:平成14年4月1日
参考文献 「行政手続法の解説」 宇賀克也著 学陽書房(1996)
「地方自治職員研修」 公職研
行政手続法
平成5年11月12日 公布 法律88号
平成6年10月 1日 施行
附 則
第1章 総則
(目的等)
第1条 この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続に関し、共通す
る事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行
政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかである
ことをいう。第38条において同じ。)の向上を図り、もって国民の権利
利益の保護に資することを目的とする。
2 処分、行政指導及び届出に関する手続に関しこの法律に規定する事項に
ついて、他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによる。
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「透明性」とは----処分の相手方あるいは行政指導の相手方に対する透明性
条文中に定義されているように、行政上の意思決定について、その内容及
び過程が国民にとって明らかであること
※透明性という言葉が法律の中で初めて使われた(行政手続法)
(参考)
地方分権推進法第7条第1項
地方公共団体は、行政及び財政の改革を推進するともに、行政の公正の確保と
透明性の向上及び住民参加の充実のための措置その他の必要な措置を講ずることに
より、地方分権の推進に応じた地方公共団体の行政体制の整備及び確立を図るもの
とする。
行政処分などを行政庁が行う場合
行政庁が恣意、独断に基づいて処分を行ったのではないかと疑われることのない手続に
より処分を行うべきである。(適正手続の原理)
適正手続の具体的な手続の方式----「聴聞」(法第15条)、「弁明」(法第29条)
※「聴聞」や「弁明」の手続が求められているのは「不利益処分」についてであり、許認
可等の申請に対する処分には適用されない
対象としている行政作用----「処分」「行政指導」「届出」
・第1条第1項の「国民」----自然人・法人の一般私人
外国人を排除する趣旨ではない。行政不服審査法と同様
一般的に外国の自然人、法人も対象に入る
(参考)行政不服審査法第1条第1項
この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為
に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによっ
て、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正
な運営を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定
めるところによる。
一 法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例及び地方公共団
体の執行機関の規則(規程を含む。以下同じ。)をいう。
二 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。
三 申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し
何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行
為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされ
ているものをいう。
四 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、
直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただ
し、次のいずれかに該当するものを除く。
イ 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を
明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分
ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき
当該申請をした者を名あて人としてされる処分
ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
ニ 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎とな
った事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの
五 行政機関 次に掲げる機関をいう。
イ 内閣府、宮内庁、内閣府設置法 (平成11年法律第89号)第49
条第1項 若しくは第2項 に規定する機関、国家行政組織法 (昭和
23年法律第120号)第3条第2項 に規定する機関、法律の規定
に基づき内閣の所轄の下に置かれる機関若しくはこれらに置かれる機
関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使すること
を認められた職員
ロ 地方公共団体の機関(議会を除く。)
六 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の
行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指
導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。
七 届出 行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するも
のを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられてい
るもの(自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該
通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。
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・行政手続という用語
行政庁(行政機関)がある作用を行うときの事前の手続
広くは事後的な手続も含むが、今回の法では事前手続のみを対象
事後手続のうち、行政庁の処分その他公権力の行使に関する不服申立て手続に関する
一般法→行政不服審査法
第1号
法令とは----法律、法律に基づく命令(告示を含む)、条例、地方公共団体の執行機関の
規則
単に要綱で申請を認めているものは、第1号の法令に基づく申請には該当
しない
第2号
「行政庁」----処分権限を有する者(行政権の行使主体に限られる)
「行政庁の処分」
公権力の主体たる国又は地方公共団体がその行為によって国民の権利義務を形成し
又はその範囲を確定することが法律的に認められているもの
(昭和30.2.24最高裁判決)
行政手続法における処分は、「申請に対する処分」及び「不利益処分」に限って対
象としているが、「処分」の概念は、行政不服審査法及び行政事件訴訟法上の処分と
同じ
※当該行為によって示された内容に反する行為を相手方が行った場合に行政罰又は刑
罰を科したり、行政上の監督手段や義務履行確保手段を行使したりすることができる
規定となっているかという点は、人の権利義務に直接具体的な効果を及ぼす行為と判
断する手がかりの一つとなり得るが、罰則等の担保手段がないことをもって行政庁の
行為が処分に当たらないとは直ちにいえない。
※行政庁の行為が代替的作為義務を課すものかどうかは、行政代執行法の適用対象処
分に当たるかという問題になるもので、当該行為が特定の者に義務を課すものかどう
かという観点からの判断を求められることになる。
「行政庁の処分」であるための4つの要素
@処分の主体が行政庁であること----行政機関の行った行為であること
A対外的に表示されていること
行政機関相互間の許可、承認、同意、指示などは行政庁の内部的な行為であっ
て、争訟の対象となる処分ではない
地方議会の議決は原則として執行機関の執行行為により初めて対外的な効果を
生ずるので、処分とはいえない
B行政庁の権力行為であること
行政不服審査法第2条第1項の事実行為
人の収容、物の拘留その他その内容が継続的性質を有するもの
C国民の権利・義務に具体的な変動を及ぼす行為であること
行政庁の法規定立行為自体は、原則として訴訟の対象とは認められない
第3号(申請)
「申請」の範囲----自己に対し何らかの利益を付与する処分を求める行為
「許可、認可、免許、承認、認定、決定、検査、登録」
「申請」と「届出」
個別法上「届出」という用語が使用されていれば、行政手続法上の申請に当たら
ない
例外:戸籍法の届出
「行政庁の許可・認可・免許」とは
講学上の法律行為的行政行為の命令的行為の許可
形成的行為の特許や認可
命令的行為の免除(租税の免除、就学義務の免除)
市町村における申請に対する処分に該当する例(500項目以上ある)
建築確認(建築基準法第6条第1項)
一般廃棄物の収集、運搬、処分の許可(廃棄物処理法第7条)
被保険者証の交付(国民健康保険法第9条第2項) など
第4号(不利益処分)←第3章の対象となる処分
「不利益処分」とは
行政庁が特定の者に義務を課し、又はその権利を制限するために当該者を相手方
として行う処分であって、その処分の直接の効果として当該者が義務を負い、又は
当該者の権利が制限されることになる処分
行政庁が相手方又は利害関係人に不利益を与える処分
@下命、禁止決定に関する手続
(講学上の法律行為的行政行為の命令的行為の下命、禁止に該当するものが多い)
・作為(例:家屋の移転)
・給付(例:手数料の納付)
・受任(例:健康診断の受診)
・不作為(例:営業の禁止)
下命・禁止の処分手続は、相手方、利害関係者に不利益を与える場合が多いので、
法律上、通知や公開による聴聞を請求する権利があたえられなければならない
例:違法建築物の除去処分(建築基準法第9条)
A受益処分の取消(変更)決定処分
許認可など受益処分を公益上の理由から取り消す場合、既存の権利、能力、法律関
係を不利益に変更したり消滅させる変更・剥奪行為を含む
例:運転免許の取消
営業許可の取消
公の施設の使用許可取消処分
授権処分を取り消す場合、行政庁は被許可者や利害関係人の意見や弁明を聴取して、正し
い事実認定に立脚して法を適正に執行する(最高裁判決 昭和46年10月28日)
第5号(行政機関)
国の行政機関 国家行政組織法別表第1に列挙
地方公共団体の行政機関(議会を除く)
地方自治法又は個別の法律により地方公共団体におかれる執行機関、補助機関、
付属機関、分掌機関一般をいい、知事、市町村長等の行政庁のほか、個別の法律に
おいて規定される「独立に権限を行使することが認められた職員」も含む
※第5号の行政機関には、国会、裁判所、内閣、会計検査院、地方議会は除外される
第6号(行政指導)
行政機関がその任務又は掌握事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の
者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しな
いものをいう
※不特定一般に向かって行われるものは行政指導には含まれない
※単なる情報提供や教示は行政指導には含まれない
※行政指導は、行政需要への機敏な対応、行政の弾力性の確保、行政目的の円滑な達成な
どの観点からその意義を否定することはできないが、一方では、その濫用が法治主義の空
洞化をもたらすおそれがあること、行政の透明性を阻害することなどの批判があり、特に
急速な国際化の進展の中で批判が集中している
行政指導は、非権力的活動で、公権力の発動としての行政行為や行政強制とは異なる
行政指導は、法的な拘束力、強制力をもたず、一般的には、取消訴訟等の対象とはならず、
国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償請求も認められない行政指導は、法的性質を有し
ない事実行為。しかし単なるサービス的な事実行為(納税証明書の発行)と異なる
※行政指導という言葉は、この法律により初めて実体法上使われた
第7号(届出)
各種の届出は、行政と国民との日常的な接点として、その処理が適切になされることは、
行政に対する国民の信頼の確保の上で極めて重要。
法令に基づき行政庁に対して一定の事項を通知する義務付けられているものを取り上
げ、法令に定められた形式上の要件に適合するものである場合は、法令上当該届出の提出
先とされている機関の事務所に到達したときに通知行為としては完了する。
(届出をすべき手続上の義務が履行される)
届出は、行政法学上の準法律行為的行政行為の受理行為
※届出も申請も行政庁に対して一定の事項の通知をする行為
申請----行政庁の諾否の応答を求めるもの
届出----行政庁の諾否の応答を求めていない。
届出に対する拒否処分は存在しない
(適用除外)
第3条 次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第4章までの規
定は、適用しない。
一 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
二 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処
分
三 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同
意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
四 検査官会議で決すべきものとされている処分
五 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職
員がする処分及び行政指導
六 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する
場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、収税官
吏、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれら
の職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び行政指導並びに証券取
引又は金融先物取引の犯則事件に関する法令に基づいて証券取引等監視
委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含
む。)、財務局長又は財務支局長がする処分及び行政指導
七 学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研
修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこ
れらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政
指導
八 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置場(警視庁、道府県警察本部(方
面本部を含む。)又は警察署に置かれる人を留置するための施設をい
う。)、海上保安庁の留置場(管区海上保安本部、管区海上保安本部の
事務所又は海上保安庁の船舶に置かれる人を留置するための施設をい
う。)、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達
成するためにされる処分及び行政指導
九 公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に
規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第
2条に規定する地方公務員をいう。以下同じ。)又は公務員であった者
に対してその職務又は身分に関してされる処分及び行政指導
十 外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導
十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
十二 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定
に基づいてされる裁定その他の処分(その双方を名あて人とするものに
限る。)及び行政指導
十三 公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益にかかわる事象が発
生し又は発生する可能性のある現場において警察官若しくは海上保安官
又はこれらの公益を確保するために行使すべき権限を法律上直接に与え
られたその他の職員によってされる処分及び行政指導
十四 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情
報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導
十五 審査請求、異議申立てその他の不服申立てに対する行政庁の裁決、
決定その他の処分
十六 前号に規定する処分の手続又は第3章に規定する聴聞若しくは弁明
の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づ
いてされる処分及び行政指導
2 前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根
拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導
並びに地方公共団体の機関に対する届出(前条第7号の通知の根拠となる
規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)については、次章から
第5章までの規定は、適用しない。
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第1項
行政手続法は、行政庁の行政運営上の行為に全てに適用されるが、適用除外事項として
16項目の事項を掲げている
適用除外事項でも、法第1条の「目的」は適用される
行政手続法は、行政手続についての一般法であるので、既に個々の法律で、行政手続法
で定めている手続に相当する手続が定められている場合は、個々の法律の手続規定による
べき。行政手続法は適用されない。
第2項(条例等に基づく処分等の適用除外)
地方公共団体の機関が行う行政処分のうち、法律の規定に基づいて行うものについては、
行政手続法を適用するが、その他の処分等は、地方自治への配慮の観点から、地方公共団
体において本法の趣旨にのっとり必要な措置を講ずるように努めるものとした。
※個別の法律において、「条例の定めるところにより〜」「条例で規制することができる」
という場合、規制のあり方等を関係する住民の自主立法である条例に委ねているものであ
ると解され、条例に具体の根拠を有するものとして、適用除外となる。
法律は、単に条例による規制が可能なことを示したにすぎない
(国の機関等に対する処分等の適用除外)
第4条 国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これら
の機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるもの
に限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これら
の機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに
限る。)については、この法律の規定は、適用しない。
2 次の各号のいずれかに該当する法人に対する処分であって、当該法人の
監督に関する法律の特別の規定に基づいてされるもの(当該法人の解散を
命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又は当該法人の役員若し
くは当該法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分を除く。)について
は、次章及び第3章の規定は、適用しない。
一 法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行
為をもって設立された法人
二 特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要
する法人のうち、その行う業務が国又は地方公共団体の行政運営と密接
な関連を有するものとして政令で定める法人
3 行政庁が法律の規定に基づく試験、検査、検定、登録その他の行政上の事
務について当該法律に基づきその全部又は一部を行わせる者を指定した場合
において、その指定を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その
役員)又は職員その他の者が当該事務に従事することに関し公務に従事する
職員とみなされるときは、その指定を受けた者に対し当該法律に基づいて当
該事務に関し監督上される処分(当該指定を取り消す処分、その指定を受け
た者が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる処分又はその指定を
受けた者の当該事務に従事する者の解任を命ずる処分を除く。)について
は、次章及び第3章の規定は、適用しない。
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※行政手続法は、基本的に行政庁と一般私人の関係を念頭においたもので、行政機関相互
の関係で一定の場合は、適用除外とする。
固有の資格 → 行政不服審査法第57条第4項にいう固有の資格と同義語
処分と届出には固有の資格という限定がついているが、行政指導については
限定がないことに留意する。
(参考)行政不服審査法第57条(審査庁等の教示)第4項
前3項の規定は、地方公共団体その他の公共団体に対する処分で、当該公共
団体がその固有の資格において処分の相手方となるものについては、適用しな
い。
第4条第2項 第1号法人 →特殊法人
第2号法人 →認可法人(政令で定める法人)
→行政手続法施行令第1条
第3項 →指定検査機関
指定という処分により、行政代行的性格を付与されている
ことが必要で、民間委託契約により行政事務を代行するもの
は、指定検査機関ではない
第2章 申請に対する処分
(審査基準)
第5条 行政庁は、申請により求められた許認可等をするかどうかをその法
令の定めに従って判断するために必要とされる基準(以下「審査基準」と
いう。)を定めるものとする。
2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、当該許認可等の性質に照ら
してできる限り具体的なものとしなければならない。
3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により当該申請の
提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法によ
り審査基準を公にしておかなければならない。
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・「審査基準」とは----法令の定めに従って判断するために必要とされる基準
行政庁は、許認可等の処分をするための審査基準を具体的に定めて公にしなければならない
審査基準の設定はほとんどの行政処分について要求される
特定の申請に基づいて行政処分を行う場合の様々な審査基準の設定、その公表
がどうあるべきか、国民の権利・利益の救済という観点から考える
行政庁は許認可処分をなすに当たって →公にする
@処分がどのような基準に従って行われるのか
A審査基準の内容はどのようなものか
申請をしようとする者は、あらかじめ、許可の見込みがあるか否かを判断することが
容易になる。
第1項(審査基準の設定)
・法令の定めによって判断できる場合は、行政庁は別に審査基準を定めることを要しない。
→「ものとする」という表現
・審査基準を定める主体は行政庁
・上級庁から示された判断の基準・方針等をもって行政庁自らの審査基準とするために
は、運用通達等のどの箇所が審査基準に該当するのかを申請しようとする者に明確に分
かるようにしておく
・審査基準は許認可等をするかどうかの判断に関する基準で、附款(許認可等の条例、期
限等)を付す場合の基準等は含まれない。
第2項(審査基準の具体性)
・許認可等の要件に適合している申請について、許可にあたり優先順位を示すなど、一義
的な判断が可能な程度まで具体化させる。
・法令の定め以上に具体的な基準を定めることが困難な場合、審査基準を定めることを要
しない。
(標準処理期間)
第6条 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分
をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる
機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提
出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達
するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、こ
れを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所
における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。
|
行政庁は許認可等の処分をいつまでにするかその標準的期間を定め、その期間を公表してお
かなければならない
相当の期間----客観的にみて合理的な期間
標準処理期間の作成は努力義務 → 標準処理期間の作成が困難なものがあるため
※標準処理期間は、申請の処理に要する期間の目安にすぎず、申請に対する処分が標準処
理期間を経過してもなされないからといって直ちに、当該行政庁が行政事件訴訟法第3条第
5項にいう「不作為の違法」には当たらない。
(申請に対する審査、応答)
第7条 行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の
審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこ
と、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる
期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の
要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請
者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当
該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。
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第7条では、「受理」という観念を採用していない
競願の処理のような場合は、一定期間に申請させ、その後審査をすることから例外
(参考)(自治用語辞典 ぎょうせい刊より)
受理
行政庁が他人の行為を有効な行為として受領する行為。
受理は、他人の行為の有効性を判断する点において一種の行政機関の意思行為である
が、行政機関がその欲するところを実現する意思表示を要素とするものではなく、一種
の準法律行為的行政行為。各種の申請書、届出、不服申立書等の受理がこれに当たるが、
単なる事実行為である到達とは異なる。
受理の法律効果は、具体的な法令の定めるところによる。
(理由の提示)
第8条 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場
合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。
ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量
的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当
該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類から明らか
であるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
2 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面によ
り示さなければならない。
|
行政庁は許認可等の申請を拒否する場合には、その理由を示さなければならない
行政処分の拒否処分の通知に理由を付す趣旨は、被処分者にいかなる事実について、
いかなる法令を適用して処分がされたかを明らかにし、不服申立の機会を与えるととも
に、同一事実について再び処分を受けることがないように保障する
理由の提示は、名あて人に対しての拒否処分をする場合に限って義務付け
第2項(理由提示の方法)
処分を書面でするときは、理由の提示は書面により示す
口頭で行われる処分もある。この場合の理由の提示は、口頭でなされることもある。
(情報の提供)
第9条 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及
び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。
2 行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の
記載及び添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めな
ければならない。
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(公聴会の開催等)
第10条 行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考
慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う
場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請
者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。
|
行政手続法は、基本的に処分、行政指導の名あて人の権利利益の保護を目的としているが、
この10条のでは、直接の名あて人以外の者に対する手続的配慮を規定している(努力義務)
行政庁は必要に応じて公聴会を開催して意見を聴くように努めなければならない
公聴会----国又は公共団体の機関が、その権限に属する一定の事項又は施策を決定する
に当たって、広く利害関係者や学識経験者などの意見を聞き、その意見を参考
にするために設けられている制度
※個々の案件について、意見聴取を行うか否か、申請者以外の者の範囲をどのように課す
るかは行政庁の判断
(複数の行政庁が関与する処分)
第11条 行政庁は、申請の処理をするに当たり、他の行政庁において同一の
申請者からされた関連する申請が審査中であることをもって自らすべき許
認可等をするかどうかについての審査又は判断を殊更に遅延させるような
ことをしてはならない。
2 一の申請又は同一の申請者からされた相互に関連する複数の申請に対す
る処分について複数の行政庁が関与する場合においては、当該複数の行政
庁は、必要に応じ、相互に連絡をとり、当該申請者からの説明の聴取を共
同して行う等により審査の促進に努めるものとする。
|
第1項(処分遅延の防止)
第2項(審査の促進)
第3章 不利益処分
第1節 通則
(処分の基準)
第12条 行政庁は、不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分と
するかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基
準(次項において「処分基準」という。)を定め、かつ、これを公にして
おくよう努めなければならない。
2 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、当該不利益処分の性質に照
らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
|
第12条(処分の基準)
処分をできる限り、具体的なものとして定め、かつこれを公にしておくよう努めること
を義務付けたもの
↓
処分の相手方にとってどのような場合に処分がされるかについて一定の予見可能性が得
られ、行政庁の判断過程の透明性の向上に資する。
第1項(処分基準の認定・公表)
単に不利益処分をするかしないかとの基準だけでは割り切れないので、不利益処分の内
容や程度についても基準があるべき
「必要とされる基準」
法令の定めに従って判断されるための基準であるので、法令の規定それ自体は含ま
れない
「公にしておく」------秘密にしない
・官報等により一般に周知する
・行政庁の事務所に備え付ける
・問い合わせに応じて個別に示す等
第2項(処分基準の具体化)
不利益処分を行う場合の基準(処分基準)を公にするように努めなければならない
処分基準を定める場合には、法令の規定に従って必要と考えられる基準を具体的に定
め、公にする努力をしなければならない。
一度なされた許認可処分を取り消すなどの不利益処分は、一層具体的で明確な処分基
準の設定、公表が要請される
・許可、認可などの取消、停止処分
・不適正な手段により受けた宅地造成、許可等の取消
・登録、指定などの取消処分
・団体の解散命令、取引行為の制限、禁止命令などの処分
・行政財産の使用許可の取消(地自法238条の4第6項)
(不利益処分をしようとする場合の手続)
第13条 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に
従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべ
き者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければな
らない。
一 次のいずれかに該当するとき 聴聞
イ 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。
ロ イに規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接にはく奪
する不利益処分をしようとするとき。
ハ 名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益
処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分又は名
あて人の会員である者の除名を命ずる不利益処分をしようとするとき。
ニ イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認め
るとき。
二 前号イからニまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与
2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。
一 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意
見陳述のための手続を執ることができないとき。
二 法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが
判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資
格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就
いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接
証明されたものをしようとするとき。
三 施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その
他の取扱いについて遵守すべき事項が法令において技術的な基準をもっ
て明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないこ
とを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってそ
の不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認され
たものをしようとするとき。
四 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金
銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしよ
うとするとき。
五 当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく
軽微なものであるため名あて人となるべき者の意見をあらかじめ聴くこ
とを要しないものとして政令で定める処分をしようとするとき。
|
「聴聞手続」----審理の場を設定した上で口頭による意見陳述・質問等の機会を与え、名あて
人となるべき者と行政庁側との間でやりとりを経て真実判断を行う。
「弁明機会の付与」----処分の原因となる真実に関する意見陳述のための機会
(原則として書面)
聴聞を必要とする処分
@許認可等を取り消す処分
既に認められた許認可等を取り消す不利益処分
A名あて人の資格又は地位を直接剥奪する処分
B法人の役員等の解任を命ずる処分
法人の役員解任命令、業務解任命令、会員除名処分
上記以外の処分には、弁明の機会を付与する
不利益の程度が大きい場合は、聴聞手続が採用され、それ以外の場合は、弁明の
機会の付与の手続が採用される
停止処分(営業停止処分、運転免許停止処分等)→弁明の機会の付与
第2項(聴聞・弁明の手続を必要としない場合)
@公益上緊急を要する場合
相手方の権利・利益の保護よりも公益の侵害の方が重大であり、相手方の
権利・利益の保護は、事後の救済制度によれば十分とされる場合
A不利益処分の要件に該当することが明白な場合
欠格事由がある場合、発生した場合等
B相手方の違反事実が明白である場合
業務の改善命令、設備・施設の維持管理に関する基準の適合命令、事業計画の
変更命令、規程の変更命令等
C金銭の納付を命じたり、金銭の支給を制限するような場合
行政上の能率という観点から、事後的に処理する方が適当なため
D相手方に義務を課す処分で、程度が著しく軽微なもの
相手方の権利利益を事後的手続で保障する
(不利益処分の理由の提示)
第14条 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時
に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を
示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
2 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明
しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があ
るときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならな
い。
3 不利益処分を書面でするときは、前2項の理由は、書面により示さなけ
ればならない。
|
※不利益処分を行うことに伴い、当該処分の名あて人に対して一定の義務が課せられ又は権利
が制限されることから、処分の客観性及び判断の慎重・合理性を担保させ、かつ当該名あて人
に処分の理由を理解してもらうと同時に、事後救済手続上の便宜に資する観点から理由を提示
する。
不服申立の便宜を与える
理由の追完は認めない
第2節 聴聞
(聴聞の通知の方式)
第15条 行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相
当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げ
る事項を書面により通知しなければならない。
一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
二 不利益処分の原因となる事実
三 聴聞の期日及び場所
四 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地
2 前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない。
一 聴聞の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠書類又は証拠物(以下
「証拠書類等」という。)を提出し、又は聴聞の期日への出頭に代えて
陳述書及び証拠書類等を提出することができること。
二 聴聞が終結する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証す
る資料の閲覧を求めることができること。
3 行政庁は、不利益処分の名あて人となるべき者の所在が判明しない場合
においては、第1項の規定による通知を、その者の氏名、同項第3号及び
第4号に掲げる事項並びに当該行政庁が同項各号に掲げる事項を記載した
書面をいつでもその者に交付する旨を当該行政庁の事務所の掲示場に掲示
することによって行うことができる。この場合においては、掲示を始めた
日から2週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみな
す。
|
「聴聞の通知」
不利益処分の名あて人となるべき者が自らに対して不利益処分が行われようとしてい
ること、及びそれに際して聴聞手続が執られることを認知し、防御の準備を図る上で重
要な手続
当事者が聴聞に際して、自己の権利を十分に主張するための準備をする機会を与える
「相当な期間」----不利益処分の名あて人となるべき者に聴聞への準備を可能ならしめるに足
りると認められる期間
行政庁が「聴聞」を行うには、根拠法令、期日、場所などを「通知」しなければならない
通知の主体----行政庁
通知の相手方----不利益処分を受ける当事者(名あて人)
不利益を受ける利害関係者が明らかでない場合は、行政庁の知っている範囲の関
係人に通知すればよい
通知から聴聞までの期日
通知の目的----当事者が聴聞に際して、自己の権利を十分に主張するための準備
の機会を与える
通知の期間----10日間ほどの時間的余裕が必要
聴聞の期日及び場所の決定----行政庁の裁量による
第3項 当事者の所在が判明しないときは、公示送達の方法ですることができる
@送達すべき書類の名称・種別
A送達を受けるべき者の氏名
B書類をいつでも送達を受けるべき者に交付する旨 を記載する
掲示を開始した日から、2週間を経過したときは、その通知は当事者に到達したものと
みなす
※公示送達した場合の聴聞の期日は、第15条第3項の2週間と第15条第1項の相当
な期間を合算した日以降に設定する。
公示送達し、聴聞期日に当事者が出頭しないとき
行政手続法第23条第1項の「正当な理由」に基づく欠席とはみなしえなく、聴聞を
終結する。
不利益処分の効力を生じさせるため、名あて人あて、送達する。この場合、行政手続法
に規定がないので、民法第97条の2並びに民事訴訟法第111条及び第112条の公示
送達の規定に従って処理する
(参考)
民法第97条の2(公示の方法による意思表示)
意思表示は、表意者が相手方を知ること能はず又は其所在を知ることを能はざるとき
は公示の方法によりて為すことを得。
第2項から第5項 手続
相手方が不明の場合で、不利益処分をしなければならない場合
所有者不明の放置物件を早急に除去しなければならない場合
廃棄物して認定できる →廃棄物処理法に基づいて処理
廃棄物と認定できない →行政代執行法に基づき除去→除去命令を出す
(代理人)
第16条 前条第1項の通知を受けた者(同条第3項後段の規定により当該通
知が到達したものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)は、
代理人を選任することができる。
2 代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすること
ができる。
3 代理人の資格は、書面で証明しなければならない。
4 代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選任した当事者は、書
面でその旨を行政庁に届け出なければならない。
|
「代理人」----本人でない者で、当該者本人に代わり、本人の名においてかつ自己の意思決定
に基づき聴聞手続に関する行為をする者
代理人がその権限内でした行為は、当該者本人がしたものと同様な効果を
生じ、その効力は当事者本人に及ぶ。
代理人となる資格については、行政不服審査法と同様に、法文上限定を設けて
いない。
代理人は、文書等の閲覧(18条)、聴聞の審理における意見陳述等(20条)、陳述書の
提出(21条)など、聴聞の一切の行為をすることができる
代理人の数は制限されていない
(参加人)
第17条 第19条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主宰者」とい
う。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利
益処分の根拠となる法令に照らし当該不利益処分につき利害関係を有する
ものと認められる者(同条第2項第6号において「関係人」という。)に
対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は当該聴聞に関す
る手続に参加することを許可することができる。
2 前項の規定により当該聴聞に関する手続に参加する者(以下「参加人」
という。)は、代理人を選任することができる。
3 前条第2項から第4項までの規定は、前項の代理人について準用する。
この場合において、同条第2項及び第4項中「当事者」とあるのは、「参
加人」と読み替えるものとする。
|
当事者以外の者も参加人として聴聞に参加できる
聴聞を主宰する者は必要があると認めるときは、当該不利益処分につき、法令上利害関
係を有するものと認められる者に対し、参加することを求めたり、許可することができる
利害関係人が聴聞に参加するためには、利害関係人がその行政処分によりどんな影響を
受けるか、どのような法律関係に立つかを書面で主宰者に提出する
聴聞に参加する参加人
@処分を受ける当事者を補佐する参加人
A当事者と相反する法律上の利益を有する参加人
※聴聞を実施するに際し、予定される不利益処分に関し適正な行政判断を担保するとともに、
不利益処分の根拠法令に照らし、関係人に十分な意見陳述等の機会を与え、その者の権利利益
の保護を図るため、関係人に対し、聴聞に参加することを求め、参加することを許可できる。
「参加人」としたのは
手続に参加する関係人は、当事者とほぼ同等の権能をもって聴聞に参加することか
ら、行政不服審査法第24条の規定例に倣っている。
(参考)
行政不服審査法第24条(参加人)
利害関係人は、審査庁の許可を得て、参加人として当該審査請求に参加することが
できる。
2 審査庁は、必要があると認めるときは、利害関係人に対し、参加人として当該審査
請求に参加することを求めることができる。
(文書等の閲覧)
第18条 当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されるこ
ととなる参加人(以下この条及び第24条第3項において「当事者等」と
いう。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政
庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利
益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この
場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他
正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。
2 前項の規定は、当事者等が聴聞の期日における審理の進行に応じて必要
となった資料の閲覧を更に求めることを妨げない。
3 行政庁は、前2項の閲覧について日時及び場所を指定することができる。
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当事者・参加人は調書などの資料の閲覧を請求できる
行政庁は「第三者の利益を害するおそれがあるとき」及び「その他正当な理由があると
き」は閲覧を拒むことができる
「第三者の利益を害するおそれがあるとき」とは
個人のプライバシーに係る事項や企業秘密が記載されている文書等
問題点
・行政庁が保有している公文書等の情報を行政庁がどの程度まで公開するか
・当事者等が行政庁の保有している公文書等の情報について、どの範囲まで公開
を請求できるか
行政手続法第18条第1項の閲覧拒否の正当な理由と、情報公開の非開示事由と
は当然に一致するわけではない。
情報公開で非開示とされた資料が、行政手続法の閲覧請求によって開示される可
能性は皆無ではない。
文書等閲覧請求権→行政手続法では、聴聞に限定して認める
第31条(聴聞に関する手続の準用)は第18条第1項を準用していない
弁明の機会の付与の場合、第三者の利益を害する恐れ等がない文書について、行政庁
が裁量で閲覧させることを妨げない
(聴聞の主宰)
第19条 聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、聴聞を主宰することができない。
一 当該聴聞の当事者又は参加人
二 前号に規定する者の配偶者、4親等内の親族又は同居の親族
三 第1号に規定する者の代理人又は次条第3項に規定する補佐人
四 前3号に規定する者であったことのある者
五 第1号に規定する者の後見人、後見監督人又は保佐人
六 参加人以外の関係人
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第1項(聴聞の主催者)
「主宰者」とは----聴聞の審理において、関係人の参加許可を与え、審理を進行させて
必要に応じ当事者等に陳述等を促し、質問を発し、また審理を終結さ
せ、更には審理の記録を作成するといった聴聞の運営について必要な
一切を司るもの
第2項 聴聞の事案と特別の関係にある職員は、聴聞を主宰できない
「除斥」とは
権限を有する機関が具体的事案について身分上職務上その他特別な関係を有する場
合、行政手続の公正を期すため、聴聞主宰者を手続の執行から排除すること
「忌避」とは
主宰者がその職務を不公平に行う恐れがある場合に、当事者が具体的事件について
その聴聞主宰者の職務執行をしないように排除を求めること
(参考)
行政手続法施行令第3条(職員以外に聴聞を主宰することができる者)
法第19条第1項の政令で定める者は、次に掲げる者とする。
(1) 法令に基づき審議会その他の合議制の機関の答申を受けて行うことと
されている処分に係る聴聞にあっては、当該合議制の機関の構成員
(2) 〜(4) 省略
(聴聞の期日における審理の方式)
第20条 主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予
定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項並びにその原因とな
る事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。
2 当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠書
類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発す
ることができる。
3 前項の場合において、当事者又は参加人は、主宰者の許可を得て、補佐
人とともに出頭することができる。
4 主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、当事者若し
くは参加人に対し質問を発し、意見の陳述若しくは証拠書類等の提出を促
し、又は行政庁の職員に対し説明を求めることができる。
5 主宰者は、当事者又は参加人の一部が出頭しないときであっても、聴聞
の期日における審理を行うことができる。
6 聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるとき
を除き、公開しない。
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第6項 聴聞は原則として公開しない
聴聞を公開するか否かの判断基準は、法令に規定があるか否かが重要な判断基準
住民が行政庁の処分の違法性を立証することは困難
処分の違法性の立証責任は行政庁にある
@行政機関は処分が適法妥当と信じて行動していること
A行政機関の処分は、権力を背景として人的及び物的施設を動員してなされる
B行政機関が手続が適正に行われたことを明らかにすることは、処分を受けた個人に比
してはるかに容易であること
聴聞においては、被処分者に十分な主張立証の機会を与えなければならない
被処分者に十分な主張立証の機会を与えることなく実施した聴聞は違法
(陳述書等の提出)
第21条 当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対
し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。
2 主宰者は、聴聞の期日に出頭した者に対し、その求めに応じて、前項の
陳述書及び証拠書類等を示すことができる。
|
「陳述書」----聴聞の期日における当事者の意見陳述に代わるもの
(続行期日の指定)
第22条 主宰者は、聴聞の期日における審理の結果、なお聴聞を続行する必
要があると認めるときは、さらに新たな期日を定めることができる。
2 前項の場合においては、当事者及び参加人に対し、あらかじめ、次回の
聴聞の期日及び場所を書面により通知しなければならない。ただし、聴聞
の期日に出頭した当事者及び参加人に対しては、当該聴聞の期日において
これを告知すれば足りる。
3 第15条第3項の規定は、前項本文の場合において、当事者又は参加人
の所在が判明しないときにおける通知の方法について準用する。この場合
において、同条第3項中「不利益処分の名あて人となるべき者」とあるの
は「当事者又は参加人」と、「掲示を始めた日から2週間を経過したと
き」とあるのは「掲示を始めた日から2週間を経過したとき(同一の当事
者又は参加人に対する2回目以降の通知にあっては、掲示を始めた日の
翌日)」と読み替えるものとする。
|
(当事者の不出頭等の場合における聴聞の終結)
第23条 主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日
に出頭せず、かつ、第21条第1項に規定する陳述書若しくは証拠書類等
を提出しない場合、又は参加人の全部若しくは一部が聴聞の期日に出頭し
ない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提
出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。
2 主宰者は、前項に規定する場合のほか、当事者の全部又は一部が聴聞の
期日に出頭せず、かつ、第21条第1項に規定する陳述書又は証拠書類等
を提出しない場合において、これらの者の聴聞の期日への出頭が相当期間
引き続き見込めないときは、これらの者に対し、期限を定めて陳述書及び
証拠書類等の提出を求め、当該期限が到来したときに聴聞を終結すること
とすることができる。
|
当事者が正当な理由がなく、出頭しない場合、聴聞を終結することができる
参加人が期日に出頭しない場合には、正当な理由があっても聴聞を終結できる
参加人は当事者と異なり、処分の名あて人でなく、あくまで関係人にすぎない
(聴聞調書及び報告書)
第24条 主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書に
おいて、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の
要旨を明らかにしておかなければならない。
2 前項の調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごと
に、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなけ
ればならない。
3 主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対す
る当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書
を作成し、第1項の調書とともに行政庁に提出しなければならない。
4 当事者又は参加人は、第1項の調書及び前項の報告書の閲覧を求めるこ
とができる。
|
主宰者は聴聞調書と報告書を作成しなければならない
報告書には主宰者の意見を記載する
報告書は処分の原因となる事実に対する主催者の意見を記載するもので、聴聞の場に主
宰者として聴聞に立ち会っている者による評価
報告書については、行政庁が不利益処分の原因となる事実を認定するに際して審理の経
過のほか、当事者の主張が正しいものか否か、信頼できるか否か等の心証上の問題も参酌
する必要があり、審理の経過を記載した調書だけではその場の雰囲気や状況まで必ずしも
伝わらないと考えられるので、審理を主宰する主宰者の心証を重視して、それを意見とし
て記載する
「当事者等」には、当事者が不利益を受けることにより、利益を受ける参加人は含まれな
い。
聴聞と弁明の機会の付与との違い
・口頭陳述権の保障の有無
・文書等閲覧請求権の保障の有無
・意見の聴取の記録を尊重した決定の保障の有無
(聴聞の再開)
第25条 行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認め
るときは、主宰者に対し、前条第3項の規定により提出された報告書を返
戻して聴聞の再開を命ずることができる。第22条第2項本文及び第3項
の規定は、この場合について準用する。
|
(聴聞を経てされる不利益処分の決定)
第26条 行政庁は、不利益処分の決定をするときは、第24条第1項の調書
の内容及び同条第3項の報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌し
てこれをしなければならない。
|
「調書」----聴聞の場においてどのようなやりとりがなされ、どのような証拠が提出されたか
が記載され、これを証する書類
「報告書」----処分の原因となる事実に対する主宰者の意見を記載するもの
(不服申立ての制限)
第27条 行政庁又は主宰者がこの節の規定に基づいてした処分については、
行政不服審査法(昭和37年法律第160号)による不服申立てをするこ
とができない。
2 聴聞を経てされた不利益処分については、当事者及び参加人は、行政不
服審査法による異議申立てをすることができない。ただし、第15条第3
項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる結果当事者の地
位を取得した者であって同項に規定する同条第1項第3号(第22条第3
項において準用する場合を含む。)に掲げる聴聞の期日のいずれにも出頭
しなかった者については、この限りでない。
|
第1項(本法に基づく処分についての不服申し立ての制限)
行政庁が行う不利益処分について当事者及び参加人が不服な場合は、終局的には、事後
救済手続としての行政事件訴訟法上の抗告訴訟で争う
聴聞手続きにおいてなされた処分に不服がある場合、不利益処分の違法性を争う
第2項(聴聞を経てされた不利益処分についての異議申立ての制限)
処分庁以外の行政庁に対する不服申立が認められている場合、聴聞手続を経てなされた
不利益処分であっても、審査請求や再審査請求をすることができる
↓
審査請求や再審査請求は、処分庁以外の上級行政庁が処分庁の処分の適否について判断
する不服申立手続であるため
第17条第1項の関係人であっても、参加人とならなかった者は、聴聞の機会が与えら
れなかった以上、異議申立ては制限されない。
事前救済制度と事後救済制度との相違
事前救済制度----行政庁の処分その他公権力の行使が違法または不当になされることを
適正手続の観点から未然に防ごうとする予防的性格を有するもの
事後救済制度----処分庁又は上級庁が、行政庁の不当・違法な処分その他公権力の行使
によって発生した国民の権利・利益の侵害を事後に救済する司法的性格
を有する
(役員等の解任等を命ずる不利益処分をしようとする場合の聴聞等の特例)
第28条 第13条第1項第1号ハに該当する不利益処分に係る聴聞において
第15条第1項の通知があった場合におけるこの節の規定の適用につい
ては、名あて人である法人の役員、名あて人の業務に従事する者又は名あ
て人の会員である者(当該処分において解任し又は除名すべきこととされ
ている者に限る。)は、同項の通知を受けた者とみなす。
2 前項の不利益処分のうち名あて人である法人の役員又は名あて人の業務
に従事する者(以下この項において「役員等」という。)の解任を命ずる
ものに係る聴聞が行われた場合においては、当該処分にその名あて人が従
わないことを理由として法令の規定によりされる当該役員等を解任する不
利益処分については、第13条第1項の規定にかかわらず、行政庁は、当
該役員等について聴聞を行うことを要しない。
|
第3節 弁明の機会の付与
(弁明の機会の付与の方式)
第29条 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載
した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。
2 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。
|
聴聞手続と弁明手続との本質的な違い
行政庁とは別の「主宰者」という人格のもとで、処分原因となる「事実」についての審
理が行われ、その結果を踏まえて処分が行われる手続きであるか否か
(弁明の機会の付与の通知の方式)
第30条 行政庁は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う
場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人
となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならな
い。
一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
二 不利益処分の原因となる事実
三 弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場
合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)
|
(聴聞に関する手続の準用)
第31条 第15条第3項及び第16条の規定は、弁明の機会の付与について
準用する。この場合において、第15条第3項中「第1項」とあるのは
「第30条」と、「同項第3号及び第4号」とあるのは「同条第3号」と
第16条第1項中「前条第1項」とあるのは「第30条」と、「同条第3
項後段」とあるのは「第31条において準用する第15条第3項後段」と
読み替えるものとする。
|
第4章 行政指導
(行政指導の一般原則)
第32条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政
機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の
内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものである
ことに留意しなければならない。
2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理
由として、不利益な取扱いをしてはならない。
|
行政手続法の特色は「行政指導」の一章を設けたこと
非権力的行為である行政指導を正式に法律の条文に組み入れたことは重要な意味を有す
る
行政指導の限界と行政指導の法理との関係が今後大きな問題となる
※行政手続法において、行政指導を規定することは行政指導を法的に認知し、かえって行
政指導の乱用を招く危険があるとする意見がある。
しかし、現に行政指導が行われている実情にいて、これを放任しておくより、行政指導
を行う場合の適正なルールを定めて、行政指導に一定の枠をはめることがのぞましいとの
考え方に基づき、行政指導を行う場合の一般的な原理、原則を確認する規定を設けて、行
政指導のあるべき姿を明示することとした。
第1項(行政指導の限界)
第2項(不利益取扱の禁止)
行政指導は行政と庁の「処分」ではないが、行政庁が意図する方向へ相手方を誘導するもの
である
行政庁が行政上の任務を遂行するための手段
・行政行為
・行政強制
・私法上の行為
・事実行為−−−行政指導
特定の個人、団体等に対し、支持、警告、注意、指導、勧
告、要望、助言等の非権力的手段により自発的な協力・同意
を求めて、相手方を誘導する一連の作用
行政指導の存在理由
@行政分野の拡大に伴い、法律で規定されていない分野が生じた場合、法律の根拠がな
いことを理由に放任もできない。反対に行政の責任として追求されるため、行政庁の側
からは、行政上の手段として行政指導という方式で何らかの手をうつ必要がある
A行政庁において法律による強制手段をとるには慎重な考慮が必要で、手続き上も煩雑
になる。
行政庁の行政処分の違法性を行政上の争訟の形式で争うことは、時間・労力・費用の
点で問題がある
B科学技術の進歩、経済情勢に対処するため、国民の側で行政機関の指導をうける必要
がある
行政指導は非権力的行為で、法的な拘束力を有しない
行政指導は性質上任意行為で、法的な拘束力、強制力をもたず、これに従うか従わな
いかは、相手方の自由
行政指導は取消訴訟などの対象とはならない
行政指導は国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償請求も認められない
裁判所は法律問題を取り扱う機関で、法律に基づかない行政指導そのものの適否
については判断しない
行政指導により国民が心理的な圧迫をうける場合があるところに行政指導の問題点がある
行政指導は、公権力の発動ではないので、不服申立、抗告訴訟、損害賠償、損失補償
などの権利救済は一般に認められない
(申請に関連する行政指導)
第33条 申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指
導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したに
もかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行
使を妨げるようなことをしてはならない。
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※申請者はその行った申請に対しの処分を受ける権利があり、その処分に不服がある場合
には、行政不服審査法に基づく不服申立て等により争うことができる。
行政指導によって申請を取り下げ又は内容を変更した場合、行政不服審査法等に基づく
行政上の不服申立て、行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟等によっては、救済を受けること
はできず、行政指導に従ったことによる損害が生じてもその救済の機会が失われるおそれ
がある。
申請された内容に対して、行政庁が拒否処分を行った場合又は一定の条件を付して認諾
処分を行った場合については、相手方は当該処分が拒否されたこと又は付された条件に不
満があれば事後手法により争うことができる。
行政指導に携わる者に対して、申請者の権利侵害とならないよう留意すべき
行政指導に携わる者は、申請者が行政指導に従う意思がないことを表明している場合、行政
指導を継続してはならない
(許認可等の権限に関連する行政指導)
第34条 許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する
行政機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思が
ない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該
権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従う
ことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。
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・「許認可等をする権限」----申請に対する処分をする権限
・「許認可等に基づく処分をする権限」----許認可等の取消、停止等の権限
(行政指導の方式)
第35条 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨
及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。
2 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前項に規定する
事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者
は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
3 前項の規定は、次に掲げる行政指導については、適用しない。
一 相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの
二 既に文書(前項の書面を含む。)によりその相手方に通知されている
事項と同一の内容を求めるもの
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・第1項----行政指導の明確化原則
・第2項----書面交付請求制度
・「行政上特別の支障がない限り」は、「正当な理由がない限り」よりも交付拒否事由を制限
する。例外を安易に認めない。
(複数の者を対象とする行政指導)
第36条 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対
し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応
じ、これらの行政指導に共通してその内容となるべき事項を定め、かつ、
行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。
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※行政指導の明確性、公平性の観点からその場面において行われる行政指導の内容など行
政指導を行う場合の方針、基準についてこれを「指針」「要綱」「要領」という形であらかじ
め定めておくとともに公表する。
第5章 届出
(届出)
第37条 届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が
添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合
している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機
関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行され
たものとする。
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「届出」----一定の事項を公の機関に知らせること
行政庁に何らかの行為を求める申請とは異なる。
※届出義務者が法令上なすべき当該通知は、行政庁の意思や判断に関わりなく到達時に
完了する
・第37条の規定→「届出」を「許認可等の申請」と同様に取り扱うことを是正
・経由機関が法定されている場合、経由機関に提出されたときをもって届出の義務が履行されたと解す
第6章 補則
(地方公共団体の措置)
第38条 地方公共団体は、第3条第2項において第2章から前章までの規定
を適用しないこととされた処分、行政指導及び届出の手続について、この
法律の規定の趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向
上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
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