新聞記事で見る有珠山の活動

 2000/3/31に噴火した有珠山ですが、噴火以来連日新聞をにぎわしました。その後、政治 状況の急変(小渕危篤、森内閣発足)などで1面にでなくなり、最近はほとんどニュースとして報道されておりませんが、現地では未だに避難状況が続いています。

 そこで、有珠山に関する記事が出始めた3/29の新聞から記事のスクラップを始 め、記事を切り抜いてクリアーファイルに入れていました。

 ただ、切り抜いただけで十分に読んでいなかったので(^_^;)、自分にハッパをかける意味を込めてここにその要約をアップすることにしました。4/27までのものを、ここに記録しましたのでよろしくご覧ください。

 ニュースソースは、  読売、朝日、毎日、福島民報、福島民友、赤旗です。


有珠山の活動記録(2000.3.27〜4.26)

3/27-28, 3/29, 3/30, 3/31, 4/1, 4/2, 4/3, 4/4, 4/5, 4/6, 4/7, 4/8, 4/9-10, 4/11, 4/12, 4/13, 4/14, 4/15, 4/16, 4/17, 4/18, 4/19, 4/20, 4/21, 4/22, 4/23, 4/24, 4/25, 4/26,
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3月27・28日 ----------------------------------------------------

北海道伊達市と胆振支庁虻田町・壮瞥町にまたがる有珠山(732m)で27日から 28日にかけて、火山性地震が頻発。

◎火山活動

 ・有感地震が58回
 ・気象庁:周辺の火山性地震は1時間当たり20〜30回程度発生
   ※通常は1月当たり20〜30回
 ・【低周波地震】28日午後3〜5時に3回
   ※マグマの存在や活動と密接に関連しているとされる
   ※77年8月の大爆発の前にも起きた
 ・【火山性微動】は観測されていないが有珠山は噴火の前兆として火山性地震が頻発することが多い
 ・噴煙は白色で、高さ200mまであがっているが、通常と同様

 ・1977年噴火。前兆となる火山性地震の発生から32時間後に最初の噴火。
 ・最近400年では地震活動が活発化したあと、1日から数日の間に噴火した例が多い

◎室蘭地方気象台28日に臨時火山情報を出す。

◎火山噴火予知連絡会(会長:井田喜明東大地震研究所教授)
 28日「噴火の可能性がある」という見解を発表。
 ・「有珠山は大規模な火砕流を起こすほか、爆発性も高い」

◎自主避難

 伊達市・虻田町・壮瞥町で一人暮らしの老人を中心に自主避難を呼びかけ。
 ・住民300人以上が、同日夜までに学校などに避難
 ・5市町村と道庁、道警は災害対策本部を設置、職員が待機

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3月29日 ----------------------------------------------------

気象庁、緊急火山情報を出す。住民に避難を指示。

・数日内に噴火の可能性 1万人に避難指示
・一両日中にも噴火か

◎火山活動
・地震の回数・規模とも増加し、17:22にM4.2と最大規模の地震発生、壮瞥温泉で震度5弱。
・有感地震500〜600回。
・地震計パンク
・突き上げる衝撃、恐怖 地鳴りに震える住民

※気象庁が「生命、身体に関わる火山活動が発生した場合」に出す緊急火山情報を、  噴火前に出すのは今回が初めて。

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3月30日----------------------------------------------------

この日の午後、有珠山の北西斜面に、大規模な断層や地割れ群が見つかり、室蘭地方 気象台が「緊急火山情報」第2号を出す。

◎火山活動
・29日には何の異常もなかった場所。新しい割れ目であることは間違いない(北大 勝井義雄名誉教授)
・北大の岡田弘教授「地下のマグマが本格的に動き出している。噴火が近づいており、 噴火とともに山肌が崩壊し、岩なだれが発生するおそれもある」
・有感地震1000回以上。【低周波地震】も300回以上。

◎特集的記事

・毎日新聞では、「大噴火30〜50年周期 火砕流で大被害も」ということで、有 珠山の過去7回の大噴火の経緯についての図を掲載。火山噴火の特徴についても説明があり、長崎の雲仙普賢岳に似て流れにくく、溶岩ドームを作ったり、爆発性の噴火を起こしやすい。
・読売「ワイドTODAY」で、「危険区域」難しい予測として特集記事。【火砕サージ】の用語も。

・読売「ミニ時典」にて、【岩なだれ】を説明。以下に引用。
 −山の一部が崩れて、大量の岩石や土砂が一段となって斜面を転げ落ちる現象。火山活動が活発化してマグマがせり上がったとき、持ち上げられた地面が崩壊するケースなどがある。
  例として、1888年磐梯山噴火や米セントヘレンズ山の1980山体崩壊がある。
 ※火砕流・土石流・泥流についても言及されている。

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3月31日(噴火)----------------------------------------------------

 この日の午後1時10分頃、西側山麓から噴火。23年ぶり。噴煙3200m。火 山噴火予知連絡会では、「今後も場所を変えて噴火活動が続く可能性がある」として、 警戒を呼びかけ。

◎火山活動
・噴火場所は、有珠山のに日にある西山(537m)の北西1.5km付近。断層や地割れが確認されていた火口西北側の洞爺湖温泉に近い山麓斜面で、噴火口は建て60m、横200mの楕円状。
・噴煙は黒灰色で時折白っぽく変わった。降灰は有珠山から東方約70kmの新千歳空港付近でも観測される。
・噴火は水蒸気爆発と見られる。

◎今後の見通し
・山頂で噴火→全方向火砕流も
・北西側に火口→岩なだれの恐れ
 ※1910年の噴火の類似性に注目(東大地震研の中田教授)

◎特集記事
 読売「ワイドTODAY」:豊富なデータ「予知」導く−江戸時代からの蓄積−
 ※火山の噴火に伴う主な災害についての一覧表は、大変参考になる。
  用語:岩なだれ、火砕流、火砕サージ、泥流、岩石の噴出、降灰、火山ガス、気温低下

◎地域の被害
・舞うこぶし大の石 S字状にゆがんだ線路
・観光に大きな影響 長期化を懸念する地元
・「先見えない」街を逃げる −硫黄臭の中、車次々−

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4月1日(再噴火) ----------------------------------------------------

 午前2:50頃、同じ北西山麓部で再び噴火。加えて正午前には洞爺湖温泉街の約 500m南の金比羅山麓で噴火。午後1時には北西山麓部で新たな噴火を確認。2地点1 0カ所に火口が開く。

◎火山活動
・午前3:20頃、M4.8の地震発生。壮瞥町で震度5弱。
・3/31の噴火は噴出物の分析から「(噴火は)マグマ水蒸気爆発で、マグマがか なり地表近くまで 上昇している」が「今のところ活動の拡大兆候はない」(宇井 忠英北大教授)
※分析の内容:火山灰の中に、新しいマグマ物質と見られる気泡を含む新鮮なガラス  質が1%ほど見つかる
【マグマ水蒸気爆発】
 =マグマが直接地下水にふれて、爆発的に水蒸気や火山灰を吹き出す現象。

・今後・・・北側で噴火の可能性

◎地域の被害
・噴煙間近 わが街灰色 −洞爺湖温泉、存亡の危機−
  道路・ホテルの壁・湖畔・・・一面汚れて
・仕事が、街がなくなる−漂う硫黄臭、火山れき−
・引っ越しの季節 JR貨物打撃 〜代貸車少なく輸送力5割弱

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4月2日 ----------------------------------------------------

 西山山麓と金比羅山西側山麓の火口群2カ所で断続的な噴火活動。金比羅山付近で 1.5m程度の隆起。

◎火山活動
・ 5:42 金比羅山麓火口群からの噴煙が上空約2700m
・14時頃、同火口群から2000m程度の噴煙。
・金比羅山付近は29日から2日までに約1.5m隆起したことが判明。
・地震回数は1時間当たり4回以下に減少。

【火山噴火予知連絡会】見解
・現在のところ、水蒸気爆発・弱いマグマ水蒸気爆発が断続的に続く。噴火地点は北 西山麓に一部に限定(1910噴火に類似)。当面はこのような活動が続く。
・本格的な軽石噴火の可能性は、依然残されている。

◎避難指示、一部解除
・「山頂噴火の危険性は少ない」として伊達市長和地区の約2200人の避難指示を 解除した。

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4月3日 ----------------------------------------------------

新たな火口と泥流を確認。急速な隆起は溶岩ドームの可能性も。

◎火山活動
・ 9:00 金比羅山西側山麓から1000mに達する噴煙。
・11:20 西山山麓火口付近の畑に複数の断層群を確認。
・17:30 金比羅山の南南西山腹に新たな火口発見。

※「昭和新山の初期によく似てきた」(岡田弘:北大教授)
 ・新たに見つかった断層から爆発的な噴火
 ・火砕流、ガスが主体の火砕サージ
   の2つのケースを警戒。

◎避難状況
・虻田町、町内の役場対策本部に残っていた20人の職員が、危険が増したために撤 退を決め、豊浦町に移転。

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4月4日 ----------------------------------------------------

西山に新断層群。断層・噴石で建物被害。

◎火山活動
・西山付近で新たな断層群見つかる。3日の断層との間がくぼんだ地溝になっていた。
 ※上昇したマグマが地表を引っ張り、中心部が陥没してできたと見られる。
・火山性地震はほとんどなくなった。
・噴煙は活発。夕方に金比羅山火口群と西山火口群の間に新たな火口が出現。
・夜に火山雷を観測。
・金比羅山で火口から泥流が発生。

◎被害
・噴石が洞爺湖温泉の建物の屋根を突き抜ける。
・西山では断層により家屋が傾く。

*「ニュースの言葉」(朝日)で、マグマ水蒸気爆発の解説。
*「ミニ時典」(読売)で溶岩ドームの解説。
※福島県吾妻山の磐梯吾妻スカイラインで、作業員が火山ガスのため重体に。

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4月5日 ----------------------------------------------------

金比羅山東側に新たに火口が作られる。山麓でやや規模の大きな泥流が発生。断層群 約10m隆起、溶岩ドーム形成迫る?予知連「爆発的噴火、2週間がヤマ」。

◎火山活動
・ 3:00 金比羅山山頂の数百m南東で新たな噴煙を確認。
・15:10 西山北西麓の噴煙が200m。
・15:30 金比羅山西側の噴煙が500m。
・16:00 西山西麓噴煙300m。

【予知連】見解
・西山の西側山麓に溶岩ドームが成長し始めていることをふまえ、過去の噴火例から 「ドーム出現前には、爆発的噴火や火砕流発生の可能性がある」

※読売「サイエンスランド」4/6で有珠山噴火の特集。噴火の歴史、噴火様式、見通 しについて、詳細な記事。有史以前の火山活動は玄武岩質で成層火山を形成していた が、1663年以降は流紋岩、デイサイト質の火山活動に変化。

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4月6日 ----------------------------------------------------

有珠山噴火1週間。火口30個、火山性微動続く。金比羅山火口が拡大、南西方向に 新たな断層。

◎火山活動
・14:08 金比羅山西麓の噴煙1100m。
・18:37 西山西麓の噴煙1000m。

※監視態勢強化、北西山麓を中心にGPS観測地点の増設を決める。

*現地本部は仮設住宅建設を決定。

◎被害
・養殖ホタテの全滅が懸念される。放置するとヒトデの食害に。
・洞爺湖温泉街を貫く西山川に、想定を上まわる土砂が流入。大規模な泥流が発生す  ると、現在の砂防ダムではくい止められない。

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4月7日 ----------------------------------------------------

避難から10日。厳戒の中一時帰宅を実施。温泉街近くに新火口。金比羅山から熱泥 流が発生。

◎火山活動
・14:14 金比羅山西麓の噴煙800m。
・14:21 西山西麓の噴煙500m。
・16:00 西山西麓で見つかった新火口は「大きな地殻変動の影響が広がっているの ではないか」(気象庁三上補佐官)
・20:32 伊達で震度1。有感地震としては3日ぶり。
・金比羅山北西部のふもとに新火口が2つ。温泉街の南わずか200m地点。
・熱泥流は長さ約1.5kmにわたり、湯気を上げながら沢を下って砂防ダムを越え  砂防用の排水路から湖に流入。

【一時帰宅】予知連は反対、しかし対策本部は「(住民の要望強く)住民の生活への  不安感からやむを得ない」として、これを押し切る形で決定。

※救護所に連日数百人。避難住民、体調不良訴え。

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4月8日 ----------------------------------------------------

小規模な噴火を繰り返しながらもやや安定している模様。30分だけ、壮瞥町の60人が一時帰宅を許された。

◎火山活動

・マグマの活動が広域化の様相
 −過去の噴火には見られなかった震源の深い地震が山頂南側のやや広い範囲で発生
・有珠山マグマ 地下6kmから上昇 4km四方の亀裂作る
 −国土地理院GPSデータや気象庁などの地震観測でわかる−
 地下6kmほどの深さにあった直径400mほどの球状のマグマが、3月29日頃 から搾り出されるように上昇を開始、3日までに長さ4km、深さ4km、厚さ約1. 7mの万丈の裂け目ができたとすると、これまでの状況をよく説明できる。裂け目の 上端は現在、地下約100km付近にあると見られる。

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4月9・10日 ----------------------------------------------------

小康状態を保つ有珠山。「爆発」可能性薄まると、予知連が見解修正。「一時帰宅」 が7時間に拡大。

◎火山活動
【9日】
 ・ 5:00 金比羅山西側の噴煙が1400m。
 ・19:08 西山西麓噴煙1000m。
 ・20:35 【火山雷】を観測
【10日】
 ・ 5:10 金比羅山西側噴煙900m
 ・14:52 3日ぶりの有感地震。伊達で震度1
 ・15:06 西山西麓噴煙700m。

・室蘭地方気象台が大雨注意報。泥流や土石流に警戒。

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4月11日 ----------------------------------------------------

噴火活動は低調に推移。マグマ活動は北西に集中。

◎火山活動
・10:12 西山山麓の噴煙600m。
・10:14 金比羅山麓の噴煙600m。
・11時、金比羅山東側で小規模な泥流を確認。
・13:08 伊達で震度2の地震発生。

【火山噴火予知連絡会】
・「当初は山頂北西部を目指していたマグマがふもとを狙っている。地下水と接触す る2カ所で水蒸気爆発が起きている」
・「近く爆発的噴火の可能性がある」とした見解を見直す方針。

※毎日で岡田弘・北大教授のプロフィール掲載。
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4月12日(予知連新見解) ----------------------------------------------------

火山噴火予知連絡会は夕、「小規模噴火が当面継続」するという統一見解を発表し、 「近く大噴火」というこれまでの見解を修正。

◎火山活動
・小規模な噴煙を絶え間なく上げ続ける。
 ※ここ数日、火山活動の状況に大きな変化はない。
・北西側山麓は西山のふもとから金比羅山付近にかけて断層や地割れが広がり、5日  間で7mの隆起が観測される。

 これを受け、「予知連」は、
・マグマが北西山麓を目指して動いている可能性が高まった。
・現在この地域では、上昇してきたマグマの先端が地下水にふれ、小規模なマグマ水 蒸気爆発を繰り返している。
・「地下水の供給が少なくなれば、やや激しい噴火が起こり、昭和新山が他の火砕サ ージが発生することはあり得るが、この地域は地下水がふんだんにあり、当分は今 の状態が続くと見られる」と説明。

※地元自治体ではこれを受け、避難指示地区などの見直しに入った。

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4/13 ----------------------------------------------------

一部避難解除、約4700人が帰宅。

※この日の火山活動についての記述は新聞にはほとんどなし。

・郵政省の通信総合研究所では6日と12日の正午に撮影したマイクロ波によ る噴火口周辺の映像を公開。火口群の拡大、泥流がとれられた。
 *マイクロ波は噴煙や雲を透視するためにこれらに妨げられず画像の処理ができる。

◎現在の避難民は約8200人。

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4月14日 ----------------------------------------------------

西山の噴煙に変化。マグマ抑制の地下水減少。研究者ら推移注目。

◎火山活動
・14日午後の観測で、西山の西側山麓火口の一つで、噴煙中の水蒸気が減少し黒っ ぽくなり、煙が横に広がる形へと変わってきたことが確認される。
*中川光弘(北大助手)
「噴火初期の噴煙は水を多く含んでいたが、この日は高温の噴石が飛び、火口付近 の地下水が減少している様子だった。」
*岡田教授
「11日頃から火山性微動の震幅が大きくなっており、噴煙の変化も同じ頃に始ま ったのではないか」
・金比羅山火口の噴煙は今まで通りの白っぽい水蒸気爆発。

◎地域の現状
・有珠漁港ではホタテ稚貝の出荷を再会。
・虻田町清水地区の4カ所で仮設住宅建設始まる。
・洞爺湖温泉街は現在地で復興を目指すことを観光協会が決議。

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4月15日 ----------------------------------------------------

小規模なマグマ水蒸気爆発を断続的に続ける。隆起の最高40mを超える。森首相、 被災地を視察。激甚災害の早期指定を表明。

◎火山活動
・西山西側と金比羅山の2つの火口群の計5カ所で噴煙を上げる。
・北西山麓の金比羅山と西山西側を結ぶ広い地域で、噴火以来40m以上の隆起があったことを予知連が明らかにする。
 *3/31から4/3までの間に最大20m以上の隆起が判明
 *他の観測データにより、1日に1m以上の隆起が続く
 以上の2点から、隆起量を最大40m以上と推定。
・西山北西部、8−14日の6日間で約2.5m隆起。さらに洞爺湖側に北東方向2.5m移動。

※予知連:
・マグマそのものがはじける爆発も見られ、噴火様式が変わる傾向が続いている
・今はきちんと警戒感を持つ時期
・西山西側、水がたくさんあるという印象は持っていない=抑制力の減退を示唆

◎森喜朗首相、現地の豊浦町で「自治体は大変な財政負担を伴うので、激甚災害指定 をしないといけないと思う。できるだけ早く前向きな対応をしなければならない」と 述べた。

◎地域の現状
・有珠山噴火により、北海道旅行全体が敬遠される傾向にある。
・JR室蘭線、復旧が本格化。

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4月16日 ----------------------------------------------------

西山西側火口、『カリフラワー型』の黒い噴煙へ移行続く。火砕流発生の恐れも。

◎火山活動
・噴火の間隔が時には1時間以上になり、1回の噴火時間が以前より長くなっている。
 =マグマのエネルギーを押さえてきた地下水が減少している可能性がある。
・高さ数百mまで勢いよく噴煙を上げたあと、根元から噴煙が低くカリフラワー型にわき起こる小爆発が数秒間隔で続き、約6分間で終息。
 =カリフラワー型の噴煙は、地下水の減少とマグマの上昇を示すとされる。
・西山西側から火口群につながる断層群が一体となって延びていることがはっきりと 確認できた。岡田教授「地殻変動は依然としてかなりのスピードで進んでいる」。

※宇井忠英教授「西山西側でもマグマ水蒸気爆発が基本で、『カリフラワー型』はま だ小さいが、エスカレートすれば火砕流などの恐れもある」。

◎地域の現状
・火口から2・3kmの虻田町の避難指示地域の住民290人が、噴火後初めて一時 帰宅を認められた。
・昭和新山に噴火後初のツアー客。台湾の台北市近郊にある基隆市から23人。

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4月17日 ----------------------------------------------------

爆発的噴火を観測。監視不能、一時帰宅中止。突然のサイレンに住民混乱

◎火山活動
・北西部の5つの火口から噴煙を上げながら活発な活動を続ける。
・14:50過ぎ、西山ふもとの火口から黒い噴煙を高めに上げる爆発的噴火が観測され る。
 →悪天候で噴煙と雲との区別が付かなくなった
 →上空からの監視活動が一時困難
 →一時帰宅を中止、サイレンを鳴らす。
※一時帰宅中の中止は初めて。
※連絡体制の不備のため、住民はこれを「避難」と誤解し、混乱が生じた。

・西山の南西山麓、13〜16日にかけて最大2m隆起。
岡田教授「西山の南西側の地下でもマグマの上層が起きている」との見解。

・予知連、『カリフラワー型』の噴煙が、金比羅山火口でも200m以上あがったことが 確認されたことを明らかに、警戒の必要性を強調。

◎虻田町の小中学校で、学校を間借りし入学式が行われた。

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4月18日 ----------------------------------------------------

火山性微動パターン変化。微妙なバランス監視。

◎火山活動
・午後、2つの火口群で噴煙を上げ、時折灰色の煙も吹き出す。
・噴煙の高度は1000m前後に達する。
・予知連「火山性微動のパターンが17日午後から変わり始めている」
 11日昼以降・・・大きな微動が短い周期で現れる
 17日午後〜・・・大きな微動が休止する時間が長くなる
 ※地下水の減少と関係するらしい。

・有珠山、じわり隆起
 洞爺村の展望台からとらえた写真で3/31と4/18を比較。隆起の姿が顕著に撮られら れた。

◎洞爺湖温泉の住民400人、船から約3週間ぶりに自宅周辺の様子を確認。
 被災者の声「思ったほど被害はありません、安心しました」

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4月19日 ----------------------------------------------------

火山ガスで地下水減少。新たに98人避難解除へ。

◎火山活動
・噴煙を上げながら活発な活動を続ける。
・予知連有珠山部会報告−金比羅山火口群の観測データ
 (1)地下水から作られる熱泥流の減少
 (2)水と反応しやすい二酸化硫黄の増加
 →同火口群から地下水の影響が減少していることを示しており「マグマと地下水  のバランスが変化した場合、爆発的な噴火が起きる可能性がある」と警戒を呼びけ。

・最大隆起点の位置が西山火口群付近に移動
 3/31-4/3の隆起点は金比羅山と西山の両火口群の中間
 →4/13-16では西山火口群付近に移る。
 ※マグマが動いて、地表の隆起が全体的に南西方向へ約500m移動したと見られる。

・GPSデータをもとにコンピュータシミュレーションの結果、マグマ本体が地下3−7kmの深さに幅・長さが約4km、厚さ約10mの板状をなしていることが判明。西山地下に、より小さな板状のマグマが新たに形成されそれが噴火を始めたと考えられる。(北大 笠原稔教授)

◎虻田町入江地区と壮瞥温泉地区あわせて98人の住民の避難指示を20日午前7時 を持って解除。噴火活動が北西部に限定され、比較的安定した状態 が続いているため。

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4月20日 ----------------------------------------------------

金比羅山南側に新たな亀裂。西山火口群の周辺、最大隆起53m超。

◎火山活動
・午前、金比羅山火口群の南側に、3カ所程度の亀裂が新たに見つかる。亀裂は火口 群から数百m南の道路を横断する形で発生。
・西山山麓火口群、やや西側に別の火口が開き新たに火山灰の噴煙を連続して上げる 活動を始める。乾燥した黒い黙々とした「カリフラワー型」噴煙が数秒に2回の割合で噴出。
・国土地理院、4/3と4/18日の航空写真の分析で西山火口群周辺が、噴火前と比べて53.2mも隆起していることを明らかにする。なお金比羅山火口群周辺は隆起速度が遅くなっていることが判明。隆起の中心が南西方向に移動か。予知連の発表を裏付ける形となる。
 ※写真撮影間隔が15日も開いたのは、激しい噴火で火口群付近の上空の飛行が制限されていたため。

◎北海道、虻田町の14世帯に被災者援護法を適用。
◎住民が避難した留守宅で、空き巣被害相次ぐ。届け出は9件で被害総額は合計30万円相当。
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4月21日 ----------------------------------------------------

西山火口群隆起を下方修正。気象庁、大雨に関する情報を出し警戒を呼びかけ。

◎国土地理院、隆起量を下方修正
 前日(20日)に発表した53.2mという隆起量は誤り。航空写真の場所を取り違えていたことが原因。34.2mに19mの下方修正。今月3−18日の隆起量も42.2mではなく、23.2mとした。

◎21〜22日にかけ大雨の恐れ
 室蘭地方気象台は、22日昼までに大雨が降り泥流や土石流が発生する恐れがあるとして、大雨に関する情報を出して警戒を呼びかけ。日本海と三陸沖から低気圧が近づき、深い気圧の谷に入ることに。有珠山周辺では30−60ミリに達する見込み。

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4月22日 ----------------------------------------------------

大雨、泥流の恐れ。一時帰宅も中止。避難所で結婚式。

◎火山活動
・金比羅山火口から白い噴煙が約500m、西山火口群からは黒っぽい灰色の噴煙が約600mの高さまで上がる。
・西山西側が最大で約10m隆起していることが人工衛星のレーダー画像の解析で確認される。国土地理院、宇宙開発事業団の協力で噴火前(1996/2/24)と噴火後の4/9の画像を用い、同じ地点の位置の変化を分析した結果。

◎強風雨のため一時帰宅中止
 21日夜より22日午前11時までの総雨量約70ミリ。泥流の恐れのため虻田町と壮瞥町の一部地域で一時帰宅を中止、国道37号を通行止め。
※道、泥流検知センサーの設置を発表。

◎壮瞥町の避難所の一つ「久保内農村環境改善センター」で壮瞥町の男性と虻田町の女性が結婚式。仲間の商工会青年部が企画。

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4月23日 ----------------------------------------------------

新たな泥流発生せず。西山の隆起は収まる傾向(予知連)。

◎ヘリコプターによる観測で、有珠山周辺に新たな泥流が発生していないことが確認。 2つの火口群からはこの日も噴煙が上がっていた。
・噴煙、乾燥化傾向。岡田教授「噴煙の根元は灰が混じって黄色みがかっている」。泥水がたまっていた火口も水がなくなり、すり鉢状の穴が見えるようになる。

※合同調査班、総降灰量は100万トンを超えるという中間報告をまとめる。

◎予知連に、西山火口群付近の地表の隆起が収まる傾向にあることが報告される。過去の噴火では、ある地点の隆起が止まると、別の地点が隆起し始めて噴火に至るパターンがあることから、今回も新たに別の場所が隆起する可能性も。

◎地域の状況
・虻田町市街地を流れる板谷川流域で泥流対策工事開始。
・洞爺湖温泉の男性住民1名が無断帰宅。避難を呼びかけたが反応なし。

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4月24日 ----------------------------------------------------

洞爺湖温泉の西に新地割れ群。金比羅山火口群の一角に新火口。

◎火山活動
・金比羅山火口群の北西200−300m地点に南北に走る数本の断層が確認される。 うち一本は国道230号線を横断、洞爺湖まで数10mに達する。この場所での隆起 はまだ確認されていない。
・金比羅山火口群の西側約100mに、直径50m以上の火口。黒っぽい噴煙を勢い 良く立ち上げる「コックステール型」の噴火。
・西山火口群、活動を休止していた火口が噴泥を勢い良く上げ始める。

※建設省土木研究所、無人ヘリコプターをもちいて至近距離から西山火口群付近を撮 影。国道230号の一部で地殻変動で亀裂が多数できる「グラーベン(地溝帯)」で 階段状になった道路がはっきり確認される。

◎虻田町泉区一部の住民、バスから自宅を視察。「家が無事で一安心」

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4月25日 ----------------------------------------------------

連続的に火山灰噴出、別の場所で隆起か。

◎総合観測班、噴火後に30m以上盛り上がった西山と金比羅山両火口群の中間点の 隆起がほとんど見られなくなったことを明らかにする。
・予知連、噴火が火山灰を連続的に旬出する活動に変わってきており、別な場所で隆 起が進んでいることも考えられるとして、26日に上空からのレーザー測量を実施へ。

◎JR室蘭線、洞爺ー長和間を貨物は27日から、旅客は29日からそれぞれ日中に 限り全面開通させることに。

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4月26日 ----------------------------------------------------

火口に直径10mの水たまりを確認。

◎建設省土木研究所、無人ヘリコプターにより西山ふもと火口群の2つの火口に直径 約20mの水たまりを確認。

※読売、「有珠山、進まぬ観測網整備」。予知連は大噴火の予測に必要と要請するも、 気象庁、機材の調達や予算がままならず、専門家たちを憂慮させている現状。

※朝日、科学欄で有珠山観測の最新機器を紹介。また、地殻変動の値が噴火後に変化、 マグマの動きを示していることも説明。

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