福島県高教研理科部会「環境フォーラム」発表 2003.9.23.

太陽光発電の導入について(その2)
〜環境フォーラム編〜
福島県立安達高等学校 渡辺 公一
 
 
1 はじめに
 2001年10月に安達町に我が家を新築の際、3kWの太陽光発電システムを導入した。そして2002年の理科部会地学分科会において、1年間の売電量のデータをもとに発表を行った。売電量については、以下のことが明らかになった。
 ・売電量は日照時間との関係性が高い。
 ・太陽放射の入射角による補正および積雪時のデータを除外することにより、さらに日照時間との相関性が高まった。
 ・本地域(安達町)では、福島のデータとの相関性が高い。
 しかし前回は毎月の発電量を記録していなかったので、データとしては不十分であった。今回はその後1年間の発電量および売電量のデータを付け加え、太陽光発電の実体や経済性および環境保全との関わりについて報告する。
 
2 太陽光発電の概要
 太陽光発電については、以下のWebページにおいて詳しく述べられているのでごらんいただきたい。
 ・JPEA太陽光発電協会ホームページ    http://www.jpea.gr.jp/index.html
 ・省エネドットコムby日本エコシステム  http://www.shouene.com/
 
3 太陽光発電の状況
・設置場所 安達郡安達町渋川字下払川(渋川小学校の近く)※日照を遮るものはなし
      緯度φ=37°40′
      方位:ほぼ真南(南中時刻11時)
      屋根タイプ:切妻
      屋根の傾斜角:水平面より30°
・太陽光発電システム
      発電設備 シャープ製 多結晶太陽電池モジュール
      パワーコンディショナ シャープ製
      連系運転
      導入費用
・200万円(36万補助:1kWあたり12万円)
      ・ビルトインなので、太陽電池モジュール分の 屋根瓦代約24万円減額
      =実質140万円程度である。
4 今年度の発電・買電状況について
 2002年10月から2003年9月までの発電量および売電量の状況は、以下の表の通りである。
※図中の「日中消費」とは、日中消費されている電力量に相当する売電額の見積もりであり、「予想節約額」とあわせ後ほど解説する。
・売電量の推移は、6月までは昨年度とほぼ同様であったが、7・8月は落ち込んだ。冷夏による日照不足の影響がまともに出ている。
・発電量−売電量=家庭内消費電力量であり、その割合は発電量の1/3程度である。
・気温が高い時期ほど家庭内消費電力量が多い。これは冷蔵庫の冷却能力の上昇によるものかもしれないが、現時点ではわからない。
 
 次に、日照時間との相関を見てみた。売電量については、昨年度と同様に福島の方が二本松より相関性が高いが、発電量も同様の傾向を示した。
5 太陽光発電の経済性
(1)買電額について
 売電額は、電気契約時の料金メニューによって変わる。つまり、買電単価と売電単価は等しい。以下はその例である。
 ・従量電灯B          120kWh〜 20.54円/kWh
 ・時間帯別電灯A(7〜23時)  90kWh〜 24.85円/kWh
 ・時間帯別電灯B(8〜22時)  80kWh〜 27.87円/kWh
 日常の生活スタイルを考慮しながら電気料金契約をすることになるが、日中多く電気を使わないのであれば、基本的には売電単価が高い方が有利と思われる。
(個人的には01年10月〜02年9月は時間帯別Aであった。02年10月〜現在は時間帯別Bに契約変更)
 
(2)売電額・買電額の月毎推移('01.10~'03.9)
・料金種別の変更による売電額の変化は若干今年度の方が高いくらいであまり変化はない。(7・8月をのぞく=日照不足)
・むしろ買電額の方に大きな変化がみられる。…これは、生活スタイルの変化が原因と思われる。つまり、割引時間帯(22時〜8時)以外は電気使用をなるべく控えるよう、意識して生活するようにしたことが、買電額の大幅減をもたらしたと考えられる。
 
(3)「節約効果」の算出
 太陽光発電による「節約効果」を算出するためには、売電額だけでなく、発電量から売電量を引いた日中消費電量の発電額を考慮する必要がある。そこで、昼間と夜間の売電量の比率が、発電量でも等しいと仮定し、日中消費額(DC)を次のように算出した。
・日中消費電量(発電量ー売電量):Δe
・昼間の売電量および売電単価:Pd,Pdu
・夜間の売電量および売電単価:Pn,Pnu
 
例:2003年4月の場合
 ・発電量=333kWh、売電量=230kWh、よってΔe=103kWh
 ・昼間の売電量Pd=219kWh、売電単価Pdu=27.98円
 ・夜間の売電量Pn= 11kWh,売電単価Pnu= 6.01円
 
ということで、2003年4月の日中の消費電量による発電額は¥2,774円と見積もることができる。
 
 これにより、昨年度(2001.10〜2002.9)における「節約効果」を算出したところ、年間¥80,789円であった。1年間の太陽光発電(3kW)による「節約効果」を約8万円とすると、太陽光発電導入時の費用が約140万円だったので、減価償却は約17〜18年ということになる。太陽光発電設備の耐用年数は20年以上と考えられているので、対費用効果的にも有利であるといえる
 
6 地球環境保全と太陽光発電
 
(1)環境に優しい太陽光発電
 太陽光発電は、太陽の光を直接電気に変えるので、地球温暖化の原因であるとされるCO2、SOx(硫黄酸化物、NOx(窒素酸化物)などの排出ガスの心配もなく、振動・騒音もない。また、太陽光発電システムの導入で、火力発電所で排出されるCO2の削減と、そこで消費される原油量の節約が可能になる。
(JPEA太陽光発電協会HP http://www.jpea.gr.jp/index.htmlより)
(2)環境への貢献度(Webデータより)
・3kW容量の太陽光発電システム(年間発電電力量約3,000kWh)の場合、1年間の
CO2削減量:540kgであり、これは273坪の森林に相当するとされる(省エネドットコムより)。また原油節約量は730リットルに相当する(JPEA太陽光発電協会 http://www.jpea.gr.jp/1/1-13.htm の、10kW容量のケースを3kW容量に変更して算出)。
(3)環境への貢献度(我が家の実績)
 2003年9月24日(水)現在(720日経過)
  ・CO2削減量:1030kg(環境貢献モニターより)=523坪の森林に相当
  ・原油節約量:1400リットル=18リットルポリタンク78本相当
 
7 まとめ
 
§太陽光発電は日照時間と関係が深い
§太陽光発電は経済的にも有利である
§太陽光発電は地球環境の保全に大きく役立つ
よって、太陽光発電の導入は大変有効である。
 
 これから家の新築・改築を考える際には、ぜひとも太陽光発電システムの導入を積極的に検討してほしい。